JPH0221873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は受刃に摺接する刈刃を往復移動させる
ことによつて穀稈を刈取るようにしたバリカン式
刈取刃構造に関し、刈刃上方を駆動力でもつて左
右横方向に移動させて刈刃上の泥などを除去する
排土板を刈取部に設置することにより、例えば湿
田作業などで刈刃上に泥が蓄積される刈取不能状
態下においてもその都度作業を中断させることな
く作業を持続させた状態で刈刃上の泥を確実に除
去し得、もつて常に良好な刈取作業を安全に行わ
しめることができる収穫機の刈取装置を提供しよ
うとするものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図はコンバインの側面図、第２図は同平
面図であり、図中１は左右に走行クローラ２，２
を装設するトラツクフレーム、３は前記トラツク
フレーム１に固定支持する機台、４はフイードチ
エン５を左側に張架し扱胴６を内蔵してなる脱穀
部、７は油圧シリンダ８を介して機台３前方に昇
降可能に支持させて刈刃９及び穀稈搬送機構１０
などを備える刈取部、１１は前記フイードチエン
５終端に連結させる排藁チエン１２の終端を臨ま
せる排藁カツター、１３はコンバインの各部を駆
動するエンジン、１４は揚穀筒１５を臨ませて脱
穀部４から取出す穀粒を貯溜する籾タンク、１６
は運転席１７及び運転操作部１８を備える運転台
であり、走行中前記刈取部７で連続的に穀稈を刈
取りすると共に、この刈取り穀稈を順次前記脱穀
部４で脱穀処理するように構成している。

また、第３図は刈取部７の側面図、第４図は同
平面図であり、図中１９は刈取入力軸２０を内挿
する刈取入力パイプ、２１は前記パイプ１９に連
結する刈取駆動ケース、２２は前記駆動ケース２
１に下部基端を連結する引起し駆動パイプ、２３
は前記駆動パイプ２２の上部先端に連結する引起
しギアケース、２４は前記ギヤケース２３にスプ
ロケツト２５を介し支持する引起しタイン、２６
は引起しタイン２４を案内する引起しケース、２
７は刈取フレーム２８ａ中間に立設するブラケツ
ト２９と前記駆動ケース２１の出力回転軸３０と
の間に張架させる掻込みベルト、３１は前記回転
軸３０に一体固設する掻込みホイルであるスター
ホイル、３２は前記スターホイル３１に連動する
下部搬送チエン、３３及び３４は左右の刈取フレ
ーム２８ａ，２８ｂ間に受台３５を介し横架する
刈刃及び受刃であり、前記刈刃３３及び受刃３４
で刈取つた穀稈を前記掻込みベルト２７及びスタ
ーホイル３１で掻込んで下部搬送チエン３２を介
し縦搬送チエン３６に受継ぎさせるように構成し
ている。

また、左刈取フレーム２８ａの外側に固設する
軸受３７と前記駆動ケース２１間にローラ駆動軸
３８を軸架し、駆動ローラ３９を前記駆動軸３８
に支持させ、右刈取フレーム２８ｂの外側に設け
る遊転ローラ４０と前記ローラ３９との間に刈取
フレーム２８ａ，２８ｂを上下中央に挟んでベル
ト状の搬送帯４１を張架させている。そして前記
搬送帯４１の外周面には適宜間隔を有して複数個
の排土板４２基端を取付けていて、該排土板４２
先端に植設するブラシ４３面を前記刈刃３３上面
に摺接させ、前記搬送帯４１の回転駆動時前記排
土板４２を移動させて刈刃３３上の泥などを強制
除去するように構成している。

前記ローラ駆動軸３８は前記駆動ケース２１に
内設する伝達軸４２及び刈取駆動軸４３を介し前
記刈取入力軸２０に連動連結したもので、前記刈
取駆動軸４３は一対のベベルギヤ４４，４５を介
し刈取入力軸２０に、また前記伝達軸４２は一対
の平ギヤ４６，４７を介し刈取駆動軸４３に、さ
らに前記ローラ駆動軸３８は一対のベベルギヤ４
８，４９を介し伝達軸４２に連動連結している。
また、前記刈取駆動軸４３は一対のウオームギヤ
５０，５１及び中間軸５２並びに一対の平ギヤ５
３，５４を介し前記回転軸３２に連動連結すると
共に、一対のベベルギヤ５５，５６を介し引起し
駆動軸５７に該駆動軸４３は連結している。

さらに、前記伝達軸４２の前記ギヤ４７，４８
間に電磁クラツチ５８を介設していて、該クラツ
チ５８のソレノイド５９の励磁或いは励磁解除に
より前記ローラ駆動軸３８への駆動力伝達或いは
遮断を行わしめるように構成している。

ところで、左刈取フレーム２８の前記ブラケツ
ト２９側面にはスイツチ取付板６０を介し排出板
検出スイツチ６１を設置していて、前記排土板４
２が左右刈取フレーム２８ａ，２８ｂ及び中央刈
取フレーム２８ｃ上の非刈取作用位置に位置する
とき前記スイツチ６０でもつてこれを検出するよ
うに構成している。

第５図はこの電気回路図を示すものであり、バ
ツテリ６２に操作スイツチ６３を介しリレー６４
を接続すると共に、前記スイツチ６３と並回路に
リレー６４の常開第１リレースイツチ６４ａ及び
常閉の前記検出スイツチ６１を接続している。ま
た前記バツテリ６２に前記リレー６４の常開第２
リレースイツチ６４ｂを介し前記ソレノイド５９
を接続していて、前記操作スイツチ６３のオン操
作により前記搬送体４１を介し排土板４２を横移
動させると共に、前記操作スイツチ６３のオフ操
作で前記排土板４２が穀稈の非刈取位置迄つまり
刈刃３３での刈取に邪魔とならない中央刈取フレ
ーム２８ｃ上或いは左右刈取フレーム２８ａ，２
８ｂ外側に排土板４２が移動したとき前記スイツ
チ６１がこれを検出して前記ソレノイド５９の励
磁を解除させ、その排土板４２の移動を停止させ
るように構成している。

本実施例は上記の如く構成するものにして、湿
田などでの刈取作業中において、今刈刃３３上に
泥などが蓄積され正常な刈取作業が行えなくなつ
た状態下のとき、前記運転台１６のサイドコラム
６５に設置する前記スイツチ６３をオン操作とす
ることにより、前記クラツチ５８がオンとなつて
前記ローラ３９にエンジン１３からの駆動力が伝
達されローラ３９，４０間の搬送帯４１は回転駆
動する。この回転の結果排土板４２は第４図実線
矢印方向に横移動し、その移動中前記刈刃３３に
摺接させるブラシ４３でもつて刈刃３３上の泥な
どを強制排除するものである。

そして刈刃３３上の泥が除去され前記スイツチ
６３を再びオフとした場合に、前記排土板４２が
刈刃３３の刈取の邪魔とする位置（左右刈取フレ
ーム２８ａ，２８ｂと中央刈取フレーム２８ｃ
間）に位置する状態下においては前記ソレノイド
３９の励磁を解除せず排土板４２の移動を継続さ
せ、刈刃３３の非刈取位置迄排土板４２が移動し
て前記スイツチ６１に当接したスイツチ６１の検
出状態のとき前記ソレノイド３９の励磁を解除さ
せ前記排土板４２の移動を停止させるものであ
る。

なお、上述実施例においては前記排土板４２を
エンジン１３出力により駆動する構成としたが、
別途設置するモータにより排土板４２を駆動する
構成としても良い。

以上実施例からも明らかなように本考案は、刈
刃３３と受刃３４とを備えた一対のバリカン式刈
取刃構造において、刈刃３３上方を駆動力でもつ
て左右横方向に移動させて刈刃３３上の泥などを
除去する排土板４２を刈取部７に設置するもので
あるから、例えば湿田作業などで刈刃３３上に泥
が蓄積されても、その都度作業を中断させること
なく作業を持続させた状態で刈刃３３上の泥を安
全かつ確実に除去でき、この結果刈刃３３上に泥
が蓄積されることによる稈詰まり或いは刈取不能
などの不都合が解消でき常に一定条件のもとでの
良好な作業が行えるなど顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図はコンバインの全体側面図、第２図は同平面
図、第３図は要部の拡大側面図、第４図は要部の
拡大平面図、第５図は電気回路図である。 ７……刈取部、３３……刈刃、３４……受刃、
４２……排土板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈刃と受刃とを備えた一対のバリカン式刈取刃
   構造において、刈刃上方を駆動力でもつて左右横
   方向に移動させて刈刃上の泥などを除去する排土
   板を刈取部に設置したことを特徴とする収穫機の
   刈取装置。