JPH0221849Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、対機体昇降自在、且つ、連結解除自
在な苗植付装置を設けると共に、前記機体に上昇
状態側に弾性付勢して設けた苗植付装置昇降制御
弁と、前記苗植付装置に下降付勢した取付けた昇
降制御用接地センサーとを連動連結する弁操作用
ワイヤを、前記接地センサーに対して連結解除自
在に設け、昇降操作レバーを、前記制御弁を上昇
状態側にのみ係止操作できるように設けた昇降制
御機構付田植機に関する。

かかる田植機において、苗植付装置の取外しに
伴いワイヤの接地センサー側端部を外すと、制御
弁を下降状態側に付勢する力がなくなつて、制御
弁が不必要に上昇状態側へ付勢操作されてしまう
ことになり、例えば、苗植付装置を再び連結する
際に、苗植付装置連結用リンク機構を連結に適す
る位置に位置させることができなくなる等の不都
合を生じるため、苗植付装置の取外し状態におい
ても制御弁を操作できるようにする必要がある。

つまり、上記田植機では、接地センサーの昇降
に基づいて制御弁を自動操作する昇降制御状態に
おいて、昇降レバーを制御弁の作動範囲よりも下
降側位置（以下自動制御位置と呼称する）に操作
できるようにして、昇降操作レバーの不要な移動
を回避させるようにしたものであるが、そのため
に、ワイヤの接地センサーとの連結を解除した状
態において、昇降操作レバーによつて制御弁を下
降側に操作できないものであつた。

このため、本考案者は、制御弁を下降側に係止
操作する操作片を、昇降操作レバーを自動位置よ
りも更に下降側に操作するに伴い係止作用する状
態で昇降操作レバーに備えさせる手段を考えた
が、この場合、昇降操作レバーの操作範囲が、ワ
イヤを接地センサーに連結した状態での操作範囲
とワイヤを接地センサーに連結した状態での操作
範囲とを加えた大きな範囲となつて、昇降操作レ
バーの設置面で不利があるばかりでなく、レバー
が扱い難いものとなる不利があり、実用し難いも
のであつた。

さらに別手段として、第５図乃び第６図に示す
ように、弁操作ワイヤ１８の接地センサー側端部
の連結を解除した状態において、スプリング１７
にて上昇状態に付勢されている制御弁操作アーム
１６を下降状態側に係止操作する操作片としての
Ｕ字状金具４０を、アーム操作方向にスライド自
在に支承されたロツド４１に溶接によつて取付け
ると共に、ロツド４１を押引操作する補助レバー
４２を、フエンダ２Ａに形成した係止溝４３によ
つて下降操作位置ｄ、昇降停止位置ｎ、乃び、上
昇位置ｕの夫々に係止保持自在に設け、もつて、
ワイヤ１８を接地センサーに連結した状態におい
ては補助レバー４２を上昇位置ｕに操作すること
によつて、昇降操作レバーあるいは接地センサー
によつて制御弁操作アーム１６を揺動操作できる
ように構成し、そして、ワイヤ１８と接地センサ
ーとの連結を解除した状態においては、補助レバ
ー４２によつて制御弁操作アーム１６を揺動操作
できるように構成する手段を考えたが、この構成
の場合、昇降制御レバーとは別個の不慣れな補助
レバー４２によつて昇降操作しなければならず、
誤操作を起し易い不利があり、この構成の場合も
実用し難いものであつた。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、簡単な改造によつて、制御弁
操作ワイヤと接地センサーとの連結を解除した状
態においても、昇降操作レバーを本来の操作範囲
で操作することにより制御弁を操作できるように
する点にある。

本考案による昇降制御機構付田植機の特徴構成
は、前記昇降操作レバーに、前記制御弁を下降状
態側へ係止操作する操作片を、非操作位置に切換
操作自在に備えさせた点にある。

すなわち、制御弁を下降状態側へ係止操作する
操作片を、昇降操作レバーに備えさせて、制御弁
操作ワイヤと接地センサーとの連結を解除した状
態において、昇降レバーそのものによつて制御弁
を操作できるようにし、しかも、操作片を非操作
位置に切換操作できるようにして、操作片を、ワ
イヤを接地センサーに連結した状態での操作範囲
内で昇降レバーを操作するに伴い制御弁を操作で
きる状態で昇降レバーに備えさせることができる
ようにしてある。

従つて、弁操作ワイヤと接地センサーとの連結
を解除した状態においても、昇降操作レバーを本
来の移動操作範囲内で操作することによつて制御
弁を操作できるようにすることができるのであ
り、もつて、実施製作面乃び操作面のいずれにお
いても優れた構成で冒記要望を満足させた、実用
上の利点大な昇降制御機構付田植機を得るに至つ
た。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、向き変更可能な左右前輪
１、左右後輪２を備えると共に、エンジン３乃び
運転席４を夫々設けた乗用機体後部に、左右ロア
リンク５ａ、上方トツプリンク５ｂ、及び、それ
らの後端部夫々に枢支連結される枠体５ｃからな
る昇降リンク機構５を上下動自在に且つ、油圧シ
リンダ６によつて昇降操作する状態で装着すると
共に、苗のせ台７、植付爪８、及び、機体横巾方
向に並ぶ複数個の泥面整地用フロート９，９Ａ等
を備えた苗植付装置１０を、記昇降リンク機構５
後端部に着脱自在に連結し、さらに、車体がわ動
力を苗植付装置１０に伝動する屈折及び申縮自在
な伝動軸１１を、苗植付装置１０の駆動ミツシヨ
ンケース１２に着脱自在に連結して、乗用型田植
機を構成してある。

前記各フロート９の後端部を苗植付装置１０に
対して上下揺動自在に枢支し、且つ、フロート前
端部を苗植付装置１０に対して屈伸リンク１３を
介して昇降自在に連結してある。そして、第２図
に示すように、各フロート９…のうちの中央側に
位置する１つのフロート９Ａを下降側に弾性付勢
するスプリング１４を、屈伸リンク１３Ａに作用
させて設けて、１つのフロート９Ａを昇降制御用
の接地センサーに兼用構成すると共に、前記油圧
シリンダ６に対する制御弁１５におけるスプール
１５Ａの正逆摺動に伴つて正逆揺動する制御弁操
作アーム１６を、スプリング１７によつて上昇状
態側に付勢して設けてある。

そして、前記下降付勢されたフロート９Ａに対
する屈伸リンク１３Ａと前記操作アーム１６とを
ワイヤ１８を介して連動連結して、前記フロート
９Ａの対苗植付装置揺動位置、つまり、苗植付深
さを設定範囲内に維持させるべく、自動的に苗植
付装置１０を昇降操作する昇降制御機構を構成し
てある。

前記スプール１５Ａを上昇状態側にのみ係止操
作する操作片１９を、前記制御弁操作アーム１６
の支軸１６Ａに相対回転自在に外嵌させた筒状体
２０に取付けると共に、前後揺動型の昇降操作レ
バー２１を、前記筒状体２０から連設したレバー
支持枠２１Ａに、横揺動のみ自在に枢支し、もつ
て、昇降操作レバー２１を上昇位置Ｕ、昇降停止
位置Ｎ、及び、下降位置Ｄに切換ることによつ
て、手動で苗植付装置１０を昇降操作できるよう
に構成し、且つ、昇降操作レバー２１を自動制御
位置Ａに操作すると、上述の如く、制御弁１５を
フロート９Ａにて自動的に切換え操作する状態を
現出させるように構成してある。又、前記昇降操
作レバー２１を昇降停止位置Ｎに係止保持するた
めのスプリングボールＢを、前記係止操作片１９
に作用する状態で設けてある。

前記苗植付装置１０の駆動を断続する咬合式の
伝動クラツチ２２を、前記機体がわの伝動ケース
２３内に、入り付勢した状態で設け、揺動型のク
ラツチ操作アーム２４を、前記昇降操作レバー２
１が下降位置Ｄとそれよりも前方の自動制御位置
Ａとの間の途中位置Ｍよりも前方がわ範囲にある
と入り操作位置ONに、且つ、途中位置Ｍよりも
後方がわ範囲にあると切り操作位置OFFに切換
え操作されるよう、リンク機構２５及び連係融通
用スプリング２６を介して筒状体２０に連動連結
してある。

要するに、苗植付作業時において、昇降操作レ
バー２１を自動制御位置Ａに操作して苗植付装置
１０を地面近くに下降させるに伴つて伝動クラツ
チ２２を入り操作し、昇降レバー２１を下降位置
Ｄや上昇位置Ｕに操作して苗植付装置１０を任意
に昇降させる際には、伝動クラツチ２２を切り操
作するように構成してある。

但し、図中Ｓは、右方側後輪フエンダ２Ａに形
成した昇降操作レバー２１の案内溝であり、又、
前記弁操作ワイヤ１８のフロート側アウターワイ
ヤ端部、及びインナーワイヤ端部の夫々を、苗植
付装置取外し状態において屈伸リンク１３Ａに対
して連結解除できるように構成してある。

第２図及び第３図に示すように、前記制御弁１
５を下降状態側に係止操作すべく前記操作アーム
１６に作用する操作片２７を、上方操作作用位置
と下方非操作位置とに揺動自在に前記レバー支持
枠２１Ａに枢支すると共に、操作片２７を操作用
位置側へ復帰付勢するつる巻スプリング２８を設
けてある。そして、右方側後輪フエンダ２Ａに対
して上下動自在に挿通し、且つ、上下の２位置に
おいてフエンダ側スリツト２９に突入する係止突
起３０Ａを備えた操作片操作具３０に、操作アー
ム１６の揺動軸心周りの円弧状部を備えた操作片
係止体３１を付設し、もつて、操作具３０を上方
位置及び下方位置の夫々に操作するに伴つて、操
作片２７を非操作位置及び操作作用位置の夫々に
切換操作できるように構成してある。

要するに、苗植付装置１０を取外す際に、操作
片２７を操作作用位置に切換えておくことによ
り、昇降操作レバー２１によつて制御弁１５を操
作できるようにしてある。

第４図に示すように、左右一対の遊転輪３３，
３３を備えた苗植付装置運搬用のトレーラ３２を
設けると共に、昇降リンク機構５の遊端部に縦軸
心周りで揺動自在に連結される連結枠３４を、苗
植付装置１０に設けてある。そして、左右遊転輪
３３，３３の横間隔を、左右前輪１の横間隔とそ
れよりも大な左右後輪２の横間隔との間の範囲内
に維持させるようにして、機体の牽引状態でトレ
ーラ３２をトラツク等に歩み板を用いて積込む、
あるいは、降すことを、安全に行なわせることが
できるようにしてある。

本考案を実施するに、操作片２７を昇降操作レ
バー２１に備えさせる具体的構成は、各種変更で
きる。例えば実施例の構造において、操作片２７
を操作アーム１６の揺動方向に位置変更させて、
非操作位置に切換え操作できるようにしてもよ
い。

又、実施例では、植付用伝動クラツチ２２を昇
降操作レバー２１によつて操作させるものを例示
したが、伝動クラツチ２２を別個の操作レバーで
操作させるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る昇降制御機構付田植機の実
施例を示し、第１図は乗用型田植機の側面図、第
２図は昇降制御機構の具体構成を示す概略図、第
３図は操作片の装着部を示す側面図、第４図はト
レーラ載置状態の苗植付装置を示す平面図であ
る。第５図及び第６図の夫々は従来例を示し、第
５図は側面図、第６図はレバー係止溝の正面図で
ある。 ９Ａ……接地センサー、１０……苗植付装置、
１５……制御弁、１８……弁操作ワイヤ、２１…
…昇降操作レバー、２７……操作片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対機体昇降自在、且つ、連結解除自在な苗植付
   装置１０を設けると共に、前記機体に上昇状態側
   に弾性付勢して設けた苗植付装置昇降制御弁１５
   と、前記苗植付装置１０に下降付勢した取付けた
   昇降制御用接地センサー９Ａとを連動連結する弁
   操作用ワイヤ１８を、前記接地センサー９Ａに対
   して連結解除自在に設け、昇降操作レバー２１
   を、前記制御弁１５を上昇状態側にのみ係止操作
   できるように設けた昇降制御機構付田植機であつ
   て、前記昇降操作レバー２１に、前記制御弁１５
   を下降状態側へ係止操作する操作片２７を非操作
   位置に切換操作自在に備えさせてある昇降制御機
   構付田植機。