JPH022178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、各種田植機に関する。

上記田植機において、左右プロテクターを構成
するに、従来、フロート支持フレームの左右両端
部を摺動レールの左右両端外側に屈曲延設してプ
ロテクターを構成していたのであるが、フロート
支持フレームの回動を許容するためにプロテクタ
ーを、その一端部が遊動可能な片持支持状態にせ
ざるを得ず、強度上の問題点があつた。

本考案の目的は、上述従来の実情に鑑みて、フ
レーム構造に対する合理的な改良により、プロテ
クター並びにフロート支持フレームの支持強度を
向上すると共に、フロート支持フレームに連設さ
れる線引きマーカーを、支持フレームの回動操作
に影響を受けること無く常に適正姿勢で使用でき
るようにする点にある。

本考案の特徴構成は、苗植付装置の固定フレー
ム部分に、水平横架された苗のせ台摺動レールの
左右両端外側を覆う棒状のプロテクターの一端を
固着し、左右プロテクターの各遊端に同心状に対
向する内向き水平部分を夫々形成し、複数のフロ
ート支持アームを並設したフロート支持フレーム
の左右中間部を苗植付装置の固定フレーム部分に
回動自在に支承させると共に、該支持フレームの
左右両端を前記内向き水平部分に夫々回動自在に
支承させるとともに、前記水平部分に線引きマー
カー装置を夫々取付けてあることにあり、その作
用、効果は次の通りである。

つまり、一端側を固定フレーム部分に固着支持
した状態のプロテクターの他端側水平部分を、左
右中間部を固定フレーム部分に支承したフロート
支持フレームに、そのフレームの回動を許容する
状態で支承したことによつて、フロート支持フレ
ームの回動操作に制約を受けること無くプロテク
ターを両持支持状態とすることができ、かつ、フ
ロート支持フレームの両端部をもプロテクターを
介して固定フレームに連結支持することができ
て、プロテクター並びにフロート支持フレームの
支持強度を、フレーム部材の大型化無く互いの協
働で大巾に向上し得るに至り、その結果、軽小で
ありながらも全体としての強度に優れた田植機の
フレーム構造を提供し得るに至つた。

しかも、両持支持状態に構成したプロテクター
の水平部分に線引きマーカー装置を取付けたこと
によつて、マーカーをフロート支持フレームの回
動操作にかかわらず常に一定の固定姿勢に維持で
きて、マーカーの線引き性能を極めて良好に安定
化し得るに至つた。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、対機体駆動昇降操作自在
な左右一対の推進車輪１を備え、かつ、その車輪
１の自動昇降制御用の接地揺動センサーフロート
２を連設した前部原動部３を、伝動ケースとして
兼用構成した機体フレーム４の前部に設けると共
に、一定ストロークで横往復移動する傾斜苗のせ
台５、その苗のせ台５に載置したマツト状苗から
順次一株分づつの苗を取出し泥面に植付ける４個
の苗植付爪６、前記車輪１と協働により機体を対
地支持する左右一対の整地フロート７、及び、左
右一対の後方延出ハンドル８、並びに、次工程で
の走行予定線を走行に伴ない泥面に描く左右一対
の線引きマーカー装置２９等、諸装置を装備した
苗植付装置９を、機体フレーム４の後端部に連設
し、もつて、歩行型田植機を構成してある。

前記苗植付装置９を構成するに、第１図及び第
２図に示すように、前記原動部３からの動力伝達
を受ける植付ミツシヨンケース１０に、苗のせ台
５に連結した横送り軸１１を、横往復駆動摺動自
在に支承すると共に、下端部に１個ないし２個の
苗植付爪６を取付けた３個の爪伝動ケース１２を
植付ミツシヨンケース１０に、左右に並べた状態
で夫々下方向きに連設し、もつて、苗のせ台５及
び苗植付爪６を駆動するように構成してある。

そして、左右両外側に位置する爪伝動ケース１
２に左右一対の前後向きパイプ状フレーム１３を
連結固定すると共に、左右一対のフロート連結用
アーム１４を固設した横向き軸状フロート支持フ
レーム１５を、植付ミツシヨンケース１０に連結
した前記ハンドル８の前後中間部、及び、両前後
向きフレーム１３の後端部に、横向き軸芯Q₁周
りに回転自在に連結支承し、かつ、前記前後向き
フレーム１３の前端部にフロート７の前部を、そ
の上下移動を許容する状態にリンク１６を介して
連結すると共に、フロート７の後部を前記アーム
１４の揺動端部に枢支連結し、もつて、フロート
７の後部側枢支軸芯Q₂周りでの上下自在揺動に
より機体の走行に伴ないフロート７を泥面になじ
み良く接地追従させると共に、フロート支持フレ
ーム１５に取付けたレバー１７によるフロート支
持フレーム１５の回転並びに固定操作により、ア
ーム１４の揺動姿勢を変更しフロート７の植付ミ
ツシヨンケース１０に対する高さを変更調節し
て、苗植付爪６による苗植付深さを、圃場の状況
に応じて適宜変更できるように構成してある。

前記苗のせ台５を支持するに、それを横摺動自
在に受け止め支持する摺動レール１８を、ハンド
ル８の前後中間部、及び、両前後向きフレーム１
３に、レバー１９操作により上下位置変更調節自
在に連結支持し、その上下位置変更調節により苗
のせ台５下端部の苗植付爪６に対する高さを変更
して苗植付爪６による苗取り量を変更できるよう
に構成してある。

前記摺動レール１８の両端外側を覆う状態で左
右一対の棒状プロテクター２０を、苗植付装置９
に取付け、摺動レール１８の左右突出端部と畦等
他物との接当損傷を回避すべく構成してある。

前記プロテクター２０を取付けるに、前方側ほ
ど機体内方側に向つて屈曲形成したプロテクター
２０の前端を、前記前後向きフレーム１３の前端
近くに溶接連結すると共に、プロテクター２０の
後端部に、前記フロート支持フレーム１５と同芯
状となる内向き水平部分２０ａを屈曲形成し、か
つ、その水平部分２０ａを、フロート支持フレー
ム１５の両端に、その回動を許容する状態に差し
込み連結してある。

つまり、プロテクター２０を前後端両部で苗植
付装置９のフレーム構造に連結したことにより、
プロテクター２０を両持支持状態としてその支持
強度を向上すると共に、フロート支持フレーム１
５の両端部を、その回動操作に制約されること無
くプロテクター２０を介して支持できるようにし
たことにより、フロート支持フレーム１５の支持
強度をも向上し、苗植付装置９のフレーム構造全
体としての強度を向上すべく構成してある。

前記左右一対の線引きマーカー装置２９を構成
するに、第１図乃至第３図に示すように、前後方
向視Ｌ字状に屈曲形成した棒状マーカー２１を、
前記プロテクター２０の内向き水平部分２０ａ
に、倒伏使用状態と立姿格納状態とに亘つて揺動
自在に、かつ、スプリング２２により上昇揺動側
に付勢した状態で取付けると共に、マーカー２１
に固設の係止ピン２１ａに対する３個の係合切欠
き２３ａ，２３ｂ，２３ｃをマーカー２１の揺動
に伴なうピン２１ａの移動軌跡にほぼ沿う方向に
並設した彎曲杆状ストツパー２３を、前記プロテ
クター内向き水平部分２０ａのマーカー２１連結
箇所近くに、マーカー２１と同方向に揺動自在
に、かつ、スプリング２４によりピン２１ａに対
する係止側に付設した状態で取付けてある。そし
て、左右のストツパー２３を、ハンドル８に付設
した植付クラツチレバー２５にワイヤー２６を介
して夫々連動連結すると共に、左右一対のマーカ
ー２１と、それを揺動操作する左右一対のレバー
２７とを、リンク２８を介して各別に連動連結
し、もつて、一行程での植付走行開始時において
未植地側のマーカー２１をレバー２７により倒伏
姿勢に揺動操作し、ストツパー２３の外側切欠き
２３ａのピン２１ａに対する係止作用、及び、ス
トツパー２３のスプリング２４の付勢力によるピ
ン係止保持作用により、走行作業中、マーカー２
１を倒伏使用姿勢に保持するのである。

そして、一行程終了時においては、植付クラツ
チレバー２５切り操作に伴ないストツパー２３を
スプリング２４に抗してピン係止解除側に揺動操
作し、スプリング２２の付勢力によりマーカー２
１を自動上昇揺動させ、かつ、ストツパー２３の
中間切欠き２３ｂと移動するピン２１ａとの軌跡
干渉による自動係合によりマーカー２１を格納姿
勢と使用姿勢との中間の非使用姿勢に保持すると
共に、機体旋回終了後次工程での植付走行開始に
際して他方側のマーカー２１を前述の如きレバー
２７操作により倒伏使用姿勢に操作保持し、か
つ、一方のマーカー２１を非使用姿勢に保持した
状態で走行作業を進行し、植付作業中機体旋回の
度に、上述左右マーカー２１操作を繰り返すので
ある。

更に、植付作業終了時においては、植付クラツ
チレバー２５の切り操作により左右共に非使用姿
勢に保持されたマーカー２１を、左右一対のレバ
ー２７操作でピン２１ａをストツパー２３スプリ
ング２４のピン係止保持付勢力に抗して中間切欠
き２３ｂから強制的に離脱させることにより、ス
プリング２２の付勢力で上昇揺動させ、かつ、ス
トツパー２３の内側切欠き２３ｃと移動するピン
２１ａとの軌跡干渉による自動係合作用、及び、
ストツパー２３のスプリング２４付勢力によるピ
ン係止保持作用により、両マーカー２１を格納姿
勢に保持するのである。

以上要するに、上述の如き構成の両マーカー装
置２９を、プロテクター２０の内向き水平部分２
０ａに取付けたことにより、両マーカー２１を、
フロート支持フレーム１５の回動操作に影響され
ることの無い適切な姿勢で苗植付装置９に固定支
持できるように構成してある。

尚、フロート支持フレーム１５の左右中間部を
支持するに、ハンドル８の中間部及び前後向きフ
レーム１３の後端部に連結支持するに代えて、そ
れらのうちのいずれか一方のみに連結支持した
り、植付ミツシヨンケース１０に直接的に連結支
持する等、苗植付装置９の各部の固定フレーム部
分に連結支持することが可能である。

又、プロテクター２０の前端部を連結支持する
に、前後向きフレーム１３に溶接連結するに代え
て、植付ミツシヨンケース１０や爪伝動ケース１
２に連結支持する等、各種の構成変更が可能であ
り、さらに、プロテクター２０後端部側に屈曲形
成した内向き水平部分２０ａとフロート支持フレ
ーム１５両端部とのフロート支持フレーム１５の
回動を許容する状態での具体的連結構造も、パイ
プ状水平部分２０ａに対してフロート支持フレー
ム１５を差し込み連結する等各種の構成変更が可
能である。

また、上述連結支持構造の構成変更に伴ない棒
状プロテクター２０の具体的屈曲形状も各種の構
成変更が可能であり、さらにまた、プロテクター
内向き水平部分２０ａに取付ける線引マーカー装
置２９の具体的操作構造も、従来周知の各種マー
カー操作構造を適用することが可能である。

本考案は、歩行型や乗用型等各種型式の田植機
を対象とするものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の実施例を例示し、
第１図は全体側面図、第２図は苗植付装置のフレ
ーム構造を示す一部省略平面図、第３図は線引き
マーカー装置を示す拡大後面視図である。 ９……苗植付装置、１４……フロート支持アー
ム、１５……フロート支持フレーム、１８……摺
動レール、２０……プロテクター、２０ａ……内
向き水平部分、２９……線引きマーカー装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗植付装置９の固定フレーム部分に、水平横架
   された苗のせ台摺動レール１８の左右両端外側を
   覆う棒状のプロテクター２０の一端を固着し、左
   右プロテクター２０の各遊端に同心状に対向する
   内向き水平部分２０ａを夫々形成し、複数のフロ
   ート支持アーム１４を並設したフロート支持フレ
   ーム１５の左右中間部を苗植付装置９の固定フレ
   ーム部分に回動自在に支承させると共に、該支持
   フレーム１５の左右両端を前記内向き水平部分２
   ０ａに夫々回動自在に支承させるとともに、前記
   水平部分２０ａに線引きマーカー装置２９を夫々
   取付けてあることを特徴とする田植機。