JPH0221464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動めつきラインのめつき槽、電解脱
脂槽、酸洗槽、水洗槽等の各種の処理槽にワーク
を取付けたハンガーを順次浸漬させるために使用
される自動めつきライン用キヤリア装置の改良に
関するものである。

（従来の技術） 自動めつきラインにはワークを取付けたハンガ
ーを支持して処理槽に浸漬させるためのキヤリア
装置が設けられているが、従来のキヤリア装置は
例えば実開昭59−181873号公報（実願昭58−
83220号）に示されているように処理槽の側方の
２本の昇降ガイドに沿つてハンガー支持アームを
備えた昇降体を昇降させるようにしたものであつ
た。ところがこのような従来のものはこの昇降体
及び昇降体を駆動するためのチエーン等の駆動機
構が露出しているため、昇降時に塵埃や油分が飛
散し、例えば磁気デイスク基板のめつきのように
塵埃を嫌うためにクリーンルーム内に設置される
自動めつきラインには使用することが不適当であ
つた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案はこのような従来の問題点を解決して、
昇降時に塵埃や油分を飛散させることなくハンガ
ーを支持して処理槽に浸漬させることができ、ク
リーンルーム内に設置される自動めつきラインに
も使用することができる自動めつきライン用キヤ
リア装置を目的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、処理槽の側面に沿つて走行できる台
車に縦長の中空柱状体を取付け、該中空柱状体の
内部には中空柱状体の上下のスプロケツト間に張
設されたチエーンに下部を取付けられた昇降柱を
出没自在に設けるとともに、中空柱状体の内部の
上端部分及び昇降柱の下端部分には昇降柱を支持
するガイドローラをそれぞれ取付け、また該昇降
柱の上端部分にはハンガーを支持するためのアー
ムを横向きに突設するとともに、前記チエーンを
昇降用モータにより駆動させる構造としたことを
特徴とするものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例について詳細に説明
すると、１は自動めつきラインの処理槽、２は支
柱、３は処理槽１の側面の支柱２の上部に設けら
れたレール、４，４は処理槽１の側面の支柱２の
上部と下部に設けられた補助レール、５は台車で
ある。台車５は車輪６及び補助輪７によつてレー
ル３及び補助レール４上に架設されており、走行
用モータ８によりチエーン９を介して一方の車輪
６を駆動することにより処理槽１の側面に沿つて
走行することができるものである。台車５には縦
長の中空柱状体１０が垂直方向に取付けられてお
り、この中空柱状体１０の内部には断面角形の昇
降柱１１が設けられている。この昇降柱１１は中
空柱状体１０の上下のスプロケツト１２，１３間
に張設されたチエーン１４にチエーン止め具１５
により下部を取付けられており、昇降用モータ１
６がチエーン１７を介して上方のスプロケツト１
２を駆動すると、昇降柱１１は第１図に実線及び
想像線で示すように中空柱状体１０の内部を出没
することとなる。なお第３図に示すように中空柱
状体１０の上端部分には硬質ウレタンゴム等から
なる複数のガイドローラ１８，１９や昇降柱受け
２０が設けられ、また昇降柱１１の下端には第４
図に示すように中空柱状体１０の内面を転動する
多数のガイドローラ２１が突設されて昇降柱１１
が傾くことなく滑らかに昇降できるようにされて
いる。このような昇降柱１１の上端部分にはアー
ム２２が横向きに突設されており、このアーム２
２にはワークを取付けたハンガー２３の上枠部２
４と係合してハンガー２３を支持する公知の支持
具２５が設けられている。なお２６は台車５の水
平方向の走行位置を検出して所定位置で停止させ
るための近接スイツチ、２７は昇降柱１１の上昇
位置規制用の近接スイツチ、２８は同じく下降位
置規制用の近接スイツチ、２９は供電ケーブルで
ある。

（作用） このように構成されたものは、処理槽１の側面
に沿つて走行する台車５及びこの台車５に取付け
られた縦長の中空柱状体１０を所定位置まで走行
させ、第１図に実線で示すように昇降柱１１のア
ーム２２を処理槽１内に置かれたハンガー２３の
上方に位置させてその支持具２５をハンガー２３
の上枠部２４の下側に位置させる。次に昇降用モ
ータ１６によりチエーン１４を駆動して中空柱状
体１０の内部に設けられた昇降柱１１を上昇させ
ると、アーム２２の支持具２５が上枠部２４と係
合してハンガー２３を処理槽１から第１図に想像
線で示す位置まで持上げる。そしてこの状態で走
行用モータ８を駆動させて台車５を次の処理槽ま
で走行させたうえで昇降用モータ１６を逆転させ
てチエーン１４を駆動し、昇降柱１１を下降させ
れば、ハンガー２３は次の処理槽１に浸漬される
こととなる。このように昇降柱１１はハンガー２
３を処理槽１から上方へ取出し、また処理槽１へ
浸漬させるために昇降動をくり返すこととなる
が、本考案における昇降柱１１は下降時にはほぼ
全体が中空柱状体１０の内部に入つており、また
上昇時にも単なる柱状部分のみが中空柱状体１０
から上方へ出るのみであつて駆動部分であるチエ
ーン１４は中空柱状体１０の内部に収納されたま
まであるので、従来のように駆動部分から塵埃や
油分が飛散することがない。特に本考案において
は駆動源としてモータを使用するので、エアシリ
ンダを使用した場合のような排気空気による環境
の汚染のおそれがないうえ、中空柱状体１０の内
部の上端部分及び昇降柱１１の下端部分にはガイ
ドローラ１８，１９，２１をそれぞれ取付けたの
で、昇降柱１１は常にその上下の２個所をガイド
ローラ１８，１９，２１により確実に支持され、
昇降柱１１を上昇させた状態のままで安定走行す
ることが可能である。従つて本考案のキヤリア装
置は塵埃を嫌い、クリーンルーム内に設置される
磁気デイスク基板の自動めつきライン等にも使用
することができる。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、ハ
ンガー支持用のアームを上端部分に備えた昇降柱
を中空柱状体の内部に出没自在に設け、中空柱状
体の上下のスプロケツト間に張設したチエーンに
より昇降させるようにしたので、昇降時に塵埃や
油分を飛散させることがなく、クリーンルーム内
に設置される自動めつきラインにも使用できるも
のである。よつて本考案は従来の問題点を解決し
た自動めつきライン用キヤリア装置として、その
実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図はその側面図、第３図は第１図のＡ−
Ａ断面図、第４図は同じくＢ−Ｂ矢視図である。 １：処理槽、５：台車、１０：中空柱状体、１
１：昇降柱、１２，１３……スプロケツト、１
４：チエーン、１８，１９，２１：ガイドロー
ラ、２２：アーム、２３：ハンガー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 処理槽１の側面に沿つて走行できる台車５に縦
   長の中空柱状体１０を取付け、該中空柱状体１０
   の内部には中空柱状体１０の上下のスプロケツト
   １２，１３間に張設されたチエーン１４に下部を
   取付けられた昇降柱１１を出没自在に設けるとと
   もに、中空柱状体１０の内部の上端部分及び昇降
   柱１１の下端部分には昇降柱を支持するガイドロ
   ーラ１８，１９，２１をそれぞれ取付け、また該
   昇降柱１１の上端部分にはハンガー２３を支持す
   るためのアーム２２を横向きに突設するととも
   に、前記チエーン１４を昇降用モータ１６により
   駆動させる構造としたことを特徴とする自動めつ
   きライン用キヤリア装置。