JPH0221162Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鋳造用砂塊を破砕して再生するための
破砕装置に関する。

鋳造によつて機械部品等を製作する場合には、
一般には砂を粘結剤で固めた砂型を用意し、この
砂型内に金属の溶湯を注入することによつて鋳造
するようにしている。このような鋳造に用いられ
る砂型は、使用後に破砕されて再生されるように
なつており、繰返して使用されるようになつてい
る。そして鋳造後に発生する鋳型や中子等の砂塊
を再生するために、従来より再生装置が用いられ
ている。しかし従来の一般に用いられている再生
装置は、一片の長さが50mm以上だとこの装置内に
投入することができず、従つてこの再生装置によ
つて破砕することができなかつた。

そこでこのような従来の再生機に投入できない
砂塊については、人間がハンマを用いて砕くよう
にしていたが、粘結剤の発達によつて砂の粒子同
士の結合力が非常に高くなつており、このために
容易に砕くことができず、大きな労力と工数を要
するという不都合があつた、そこでこのような大
きな砂塊については、産業廃棄物として処理する
ことも考えられるが、このようにすれば砂が有効
に再生できなくなるばかりか、産業廃棄物の処理
のための費用を支払わなければならないという不
都合があつた。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
のであつて、従来の再生装置によつては再生する
ことのできない大きな砂塊をも容易に破砕するこ
とができるようにした破砕装置を提供することを
目的とするものである。

以下本考案を図示の一実施例につき説明する。
第１図および第２図は本実施例に係る砂塊の破砕
装置を示すものであつて、この破砕装置はフレー
ム１を備えている。なおこのフレーム１は型鋼に
よつて組立てられたものである。そしてこのフレ
ーム１上には、複数のコイルスプリング２を介し
てホツパ３が載置されている。ホツパ３はほぼ直
方体状をなす箱体から構成されており、その上面
ならびに第１図および第２図において右側が開口
になつている。ホツパ３の右側の開口４は、ロー
タリクラツシヤ５に砂塊を供給する供給口を構成
している。そしてホツパ３の下面には、振動モー
タ６が三角形状をなすブラケツト７を介して取付
けられており、このモータ６によつてホツパ３に
振動を与えるように構成されている。

つぎにこのホツパ３の右側に連設されているロ
ータリクラツシヤ５の構造について述べると、ロ
ータリクラツシヤ５もほぼ箱型に構成されてお
り、その左側の部分が開口８になつている。この
開口８の部分には、上記ホツパ３の右側の部分が
臨むようになつている。そしてこのクラツシヤ５
内には互に平行に一対の回転軸９が配されてお
り、これらの回転軸９はクラツシヤ５の両側に設
けられた軸受１０によつてそれぞれ回転可能に支
持されるようになつている。そして回転軸９には
その軸線方向に所定のピツチでブレード１１が固
着されている。なお互に隣接するブレード１１
は、とくに第３図に示すようにその取付け角度が
互に直交するようになつている。そしてこのクラ
ツシヤ５の下側であつて、上記一対の回転軸９の
間にはビーム１２が固着されており、このビーム
１２の両側には傾斜するスノコ板１３が取付けら
れている。上記ブレード１１はこのスノコ板１３
の切込み１４とビーム１２との間で回転するよう
になつている。従つてホツパ３から供給された砂
塊は、ブレード１１とビーム１２とによつて挟ま
れ、剪断破砕されることになる。

上記クラツシヤ５の第１図および第２図におい
て左側には、ブラケツト１５が取付けられてお
り、このブラケツト１５上には減速モータ１６が
載置されている。そしてこのモータ１６の出力軸
にはスプロケツト１７が固着されている。そして
上記一対の回転軸９の内の右側の回転軸の端部に
固着されたスプロケツト１７と、上記モータ１６
のスプロケツト１７との間にはローラチエーン１
９が掛渡されており、このローラチエーン１９に
よつて一対のスプロケツト１７，１８間の伝動が
行なわれるようになつている。また上記スプロケ
ツト１８が固着された回転軸９の反対側の部分に
は歯車２０が取付けられており、この歯車２０は
一対の中間遊車２１，２２を介して、他方の回転
軸９の端部に固着された歯車２３と伝動されてい
る。従つて一方の回転軸９の回転は、歯車２０，
２１，２２，２３を介して他方の回転軸９に伝達
されることになる。さらに上記クラツシヤ５の下
側には、破砕された砂を受けるための砂箱２４が
配置されている。なおこの砂箱２４は鉄板から形
成されている。

つぎに以上の構成になる破砕装置の動作につい
て説明する。鋳造後に不要になつた砂塊２５は、
第１図および第２図に示すホツパ３内に、その上
部開口から供給されるようになつている。ホツパ
３は複数のコイルスプリング２によつて弾性支持
されるとともに、その下側にブラケツト７を介し
て取付けられた振動モータ６によつて振動が与え
られるようになつているために、このホツパ３内
に供給された砂塊２５は振動を受けることにな
り、互に砂塊同士が衝突して予備破砕されること
になる。従つてこのホツパ３内において大きな砂
塊２５は次第にかなり小さな砂塊にまで砕かれる
ことになる。さらに上記振動モータ６の作用によ
つて、ホツパ３内の砂塊２５な振動を受けながら
第１図および第２図において右方へ次第に移動し
てゆく。そしてこのホツパ３の開口４を通つてク
ラツシヤ５内に落下することになる。

クラツシヤ５の内部には、その下側に一対の回
転軸９が設けられており、第１図および第２図に
おいて右側の回転軸９は第１図に示すようにモー
タ１６および一対のスプロケツト１７，１８によ
つて第２図において反時計向に回転駆動されてい
る。そしてこの回転軸９によつて、歯車２０，２
１，２２，２３を介して駆動されるようになつて
いる別の回転軸９は、第２図において時計方向に
駆動されるようになつている。従つてこれら一対
の軸９にそれぞれ取付けられているブレード１１
は第３図に示す矢印の方向に回転することにな
る。従つてホツパ３から落下してきた砂塊２５
は、回転軸９に取付けられたブレード１１によつ
てビーム１２の上側に導かれることになる。そし
てこのビーム１２とブレード１１とによつて砂塊
２５はさらに細かく破砕されながら、スノコ板１
３の切込み１４の間から下方へ落下するようにな
つている。

ロータリクラツシヤ５の回転軸９に取付けられ
たブレード１１とビーム１２とによつて破砕され
た砂塊２５は、このクラツシヤ５の下部に配置さ
れた砂箱２４内に落下し、この砂箱２４によつて
集められるようになつている。従つて再びこの破
砕された砂を用いる場合には、砂箱２４から所定
量ずつ砂を取出せばよい。なおこの実施例におい
ては、砂箱２４が固定式になつているが、砂箱２
４に車輪を取付け、この車輪によつて砂箱２４を
クラツシヤ５の下側から引出せるようにしてもよ
い。

以上に述べたように本実施例に係る破砕装置に
よれば、大きな砂塊２５をもホツパ３内に自由に
投入することができ、この装置によつて破砕され
る砂塊２５の大きさが限定されない。従つて予め
人間がハンマで砂塊を砕く必要がなくなり、その
ための工数も必要でなくなる。そしてこのホツパ
３によつて砂塊２５を予備破砕するようにしてい
るために、ロータリクラツシヤ５に大きな負担を
かけることなく、このクラツシヤ５に所定量ずつ
ホツパ３から予備破砕された砂塊２５を供給する
ことができる。予備破砕された砂塊２５は回転軸
１１に取付けられたロータリ式のブレード１１と
ビーム１２とによつてさらに細かく剪断破砕され
ることになり、これによつて鋳物砂の再生が可能
になる。従つてこの装置を用いることによつて、
大きな砂塊２５をも自由に破砕して再生すること
ができ、鋳物砂の有効利用が可能になる。

以上本考案を図示の一実施例につき述べたが、
本考案は上記実施例によつて限定されることな
く、本考案の技術的思想に基づいて各種の変更が
可能である。例えば上記実施例におけるホツパ３
やクラツシヤ５の構成等については各種の設計変
更が可能である。またホツパ３を振動させる振動
駆動手段やブレード１１を回転させる伝動装置の
構成についても各種の設計変更が可能である。

上述の如く本考案は、振動駆動手段を備えるホ
ツパに、切込みの間を通つて回転するブレードを
備え、該ブレードと固定ビームとによつて剪断破
砕を行なうロータリクラツシヤを連設し、上記ホ
ツパによつて砂塊の予備破砕を行なうとともに、
予備破砕された砂塊をロータリクラツシヤに供給
してほぼ完全に破砕するようにした砂塊の破砕装
置に関するものである。従つて本考案によれば、
供給される砂塊の大きさの制限がなくなり、大き
な砂塊をも十分に破砕して再生することが可能に
なると共に最終的な破砕径もブレードとビームと
の間隙を選定することで自在に調整し得る。従つ
て人手による砂塊の破砕工程を省略することがで
き、そのための労力および工数を節約することが
可能となり、又最終破砕径も容易に選定すること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る砂塊の破砕装
置を示す平面図、第２図は同正面図、第３図は第
１図における〜線拡大断面図である。 なお図面に用いた符号において、２……コイル
スプリング、３……ホツパ、５……ロータリクラ
ツシヤ、６……振動モータ、９……回転軸、１１
……ブレード、１２……ビーム、１３……スノコ
板、１４……切込み、１６……減速モータ、２４
……砂箱、２５……砂塊、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋳造用砂塊を破砕して再生するための装置にお
   いて、振動駆動手段を備えるホツパに、切込みの
   間を通つて回転するブレードを備え該ブレードと
   固定ビームとによつて剪断破砕を行なうロータリ
   クラツシヤを連設し、前記ホツパによつて砂塊の
   予備破砕を行なうとともに、予備破砕された砂塊
   をロータリクラツシヤに供給してほぼ完全に破砕
   するようにしたことを特徴とする鋳造用砂塊の破
   砕装置。