JP2004066041A - ロールクラッシャーの排出補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】破砕後の破砕物排出処理を効率的に行い、ベルトコンベア等を保護し作業能率を高める。
【解決手段】ロールクラッシャー4を構成し、破砕室11内に設けられ円周に複数の破砕歯6b,7bを有し対向してコンクリート廃材等の原料を破砕する一対のロータ6,7下部に、破砕物9を排除し回転可能な破砕物排除体28を設置する。コンベアに落下する前に破砕物9をこの破砕物排除体28で受けて鉄筋9a等の異物を排除しながら、破砕物9を斜め方向にクッション的に落下させる。ベルト等の損傷を防止することができ、作業能率を高める。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート廃材等の原料を破砕するロールクラッシャーの排出補助装置に関する。更に詳しくは、破砕歯を有するロータにより破砕されたコンクリート廃材等の破砕物の排出を補助するロールクラッシャーの排出補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路補修や建物等の解体に、アスファルトのガラやコンクリートで代表される種々の産業廃棄物が数多く排出され社会問題になっている。従来は埋め立て用に多く処分されていたが、今や環境保全の観点から再利用されるものが多い。特にコンクリート等の廃材は量も多く、殆どは再利用のできるものであり、又、その再利用が強く望まれている。この破砕のため破砕機のロータが2軸又は3軸のものを中心に種々開発され提案されている。又、一次と二次の2回に亘って破砕する破砕機も知られている。破砕された破砕物の処理のため、ロール軸の下部に三角形状の受け部を設けたものも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
破砕機の破砕対象となるコンクリート等の廃材は大きさや厚み、鉄筋等の有無等、不揃いで一定のものではない。これらのコンクリート廃材等を全て同じ条件で破砕し一度に所望の粒度の破砕物を得るのは、困難な場合が多い。これは、すべてのコンクリート廃材等を一様に破砕機に投入しても、硬さや形状が異なるので所望の大きさの塊にならない場合や、又、鉄筋等が破砕機のロータ間に絡みつくなどがあって、ロータが回転不能になることもあるからである。
これを解決する方法の一つとしてロータ間を拡げ、そのロータの下部に前述した受け部を設けた構成のものが提案されているが、鉄筋等の異物がこの受け部に絡みつく不具合が生じている。これら鉄筋等の異物は、破砕物を搬送するベルトに破砕物と共に落下する。しかし、従来構成の破砕機はロータの下部には装置が何も設けられていないので、鉄筋等の異物は直接ベルト上に落下する。
【0004】
コンクリートの破砕物は比較的細かく破砕されるので問題ないが、鉄筋等の異物は破砕されずに落下する。このため、ベルトに損傷を与えたり、シュートの内部に引っかかって搬送を阻害する等の問題点が多く発生している。このため、鉄筋等が落下してもベルト等を損傷することなく、又、長尺の異物や鉄筋等がスムースに排出方向へ規制されながら排出される装置が望まれている。
本発明はこのような従来の課題を解決し、次の目的を達成するものである。本発明の目的は、破砕物に鉄筋等の異物があってもスムースに排出ができるようにしたロールクラッシャーの排出補助装置を提供することにある。本発明の他の目的は、破砕物の排出処理を効率的にして作業能率を高めたロールクラッシャーの排出補助装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、次の手段を採る。即ち、
発明1のロールクラッシャーの排出補助装置は、破砕室と、この破砕室内に設けられ円周に複数の破砕歯を有し対向して設置される一対のロータと、ホッパーからこの一対のロータに投入された原料を破砕するロールクラッシャーにおいて、前記一対のロータの下部に設けられ前記破砕物を排除する破砕物排除体と、
前記破砕室の壁部に設けられ前記破砕物排除体を回転可能に支持する支持体と、前記破砕室外にあって前記破砕物排除体を回転させる回転手段とからなっている。
発明2のロールクラッシャーの排出補助装置は、前記発明1において、前記破砕物排除体は、外周に複数の凸部材を設けていることを特徴としている。ロール下部に落下する鉄筋等を引っかけて掻き出すのに効果的である。
【0006】
発明3のロールクラッシャーの排出補助装置は、前記発明1において、前記破砕物排除体は、外周に複数の凹溝を設けていることを特徴としている。落下する鉄筋等を凹溝に引っかけ排除するのに効果的である。
発明4のロールクラッシャーの排出補助装置は、前記発明1において、前記破砕物排除体は、断面が多角形状であることを特徴としている。鉄筋等が破砕物排除体に引っかかりながら回転に伴い排出される。
発明5のロールクラッシャーの排出補助装置は、前記発明1において、前記破砕物排除体に近接して掻き上げ部材を設けたことを特徴としている。破砕物排除体に絡みつく鉄筋等をほぐすのに効果的である。
発明6のロールクラッシャーの排出補助装置は、前記発明1において、前記破砕物排除体は、前記ロールの回転駆動力を受けて回転することを特徴としている。専用の回転駆動装置を必要としないので経済的である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明を適用する自走式ロールクラッシャー1の側面図である。本発明は、自走式ロールクラッシャー1のみに適用されるものでなく、定置式、自走式に関わらず破砕関係であればどの設備であっても適用できる。本発明の理解のため、要旨でないが自走式ロールクラッシャー1について概要を説明する。
クラッシャーの主要装置を搭載した架台2が走行可能なクローラ3上に載置されている。架台2には本発明の構成に関わるロールクラッシャー4と、コンクリート廃材等の原料を投入しロールクラッシャー4に取り込むホッパー5と、ロールクラッシャー4のロータ6,7を駆動するための駆動装置8と、アウトリガーの昇降用等のための油圧ユニットと、給油装置と、又、架台2の下部には、破砕された破砕物9の排出用のベルトコンベア10とが設けられている。
【0008】
更に、これらの装置を有機的に操作する操作盤11も架台2に搭載されている。又、ベルトコンベア10上には、ロールクラッシャー4から排出落下する鉄筋等を取り除く磁選機12も取り付けられている。この図の形式は、2軸の自走式ロールクラッシャー1である。上部に位置するホッパー5にコンクリート廃材等を投入して、ロールクラッシャー4に送り込む。
送り込まれたコンクリート廃材等は、複数の破砕歯6b,7bを有する2つのロータ6,7に挟み込まれた状態で、ロータ6,7の回転で破砕され、その破砕物9はロータ6,7下部に導かれ落下する。落下した破砕物9はベルトコンベア10により機外に排出される。これが、破砕に伴う基本構成である。
【0009】
図2は、図1のロールクラッシャー4部分を示す部分平面図である。定置式のものは、クローラ3がなく、架台2を地面等に直接脚部等を介して設置するものであるが、ロールクラッシャー4に関わる構成は同じである。ロールクラッシャー4は、上下が開放された四角状の箱体をなす機枠13を有している。この機枠13の下面が架台2の上にボルト、溶接等で固定されている。機枠13の上部外周には、角錐状のホッパー5が配置固定されている。
ロールクラッシャー4は、第1ロータ6及び第2ロータ7が配置されている。第1ロータ6には第1ロータ駆動軸6aが、第2ロータ7には第2ロータ駆動軸7aが設けられ、互いに平行になるように配置されている。第1ロータ6と第2ロータ7は、実質的に同一構造であるが、破砕歯6b、7bの取り付け位置が駆動軸方向で位相がずれ互いに異なる。第1ロータ駆動軸6aの両端は、軸受を介して機枠13に回転自在に支持されている。
【0010】
第1ロータ駆動軸6aの一端には、平行に配置された2つのスプロケット14がキー止め固定されている。この2つのスプロケット14には、2本のチェーン15がそれぞれ噛み合っている。更にこの2本のチェーン15は離間して配置された2つのスプロケット16とも噛み合っている。この2つのスプロケット16は、伝動軸17の一端にキー止め固定されている。伝動軸17の中間部は、支持管18に回転自在に支持されている。支持管18は、支持台19に固定されている。支持台19は、架台2上に固定されている。
伝動軸17の他端には、2つのスプロケット20がキー止め固定されている。この2つのスプロケット20には、2本のチェーン21がそれぞれ噛み合っている。他方、2本のチェーン21は、2つのスプロケット22ともそれぞれ噛み合っている。この2つのスプロケット22は、減速機23の出力軸にキー止め固定されている。減速機23は、電動機24の回転速度を減速するものであり、図示していないが歯車機構により減速するものである。
【0011】
以上の構成から、第1ロータ6は、電動機24、減速機23、この減速機23の出力軸、スプロケット22、チェーン21、スプロケット20、伝動軸17、スプロケット16、チェーン15、スプロケット14、そして第1ロータ駆動軸6aを介して回転駆動される。同様に、第2ロータ7の駆動構成も第1ロータ6の場合とほぼ同一構造である。但し、第2ロータ7用の電動機25は第1ローター用電動機24の回転軸線に合わせて配置されている。
又第2ロータ7は第1ロータ6より離れた位置に対向して設けられているので、チェーンは26第1ロータ6の場合のチェーン15より長いものとなっている。これらの駆動装置は、ロールクラッシャー4を構成する機枠13の一側面に配置されている。架台2の下部には、ロールクラッシャー4で破砕された破砕物9を排出するためのベルトコンベア10が配置されている。ベルトコンベア10は、固定部材により架台2に固定されている。
【0012】
ホッパー5に投入されたコンクリート廃材等の原料は、第1ロータ6及び第2ロータ7により破砕され、架台2下部の排出口から破砕物9として落下する。ロータによる破砕構成の説明は、本発明の要旨でないので省略する。本発明を適用するロールクラッシャー4の構成は以上のようになっている。本発明の排出補助装置27は、2つのロータ6,7の破砕歯6b,7bが噛み合う部分の下部機枠13排出口に設けられている。
次にこの排出補助装置27について詳細に説明する。図4は、2つのロータ6,7の噛み合い位置下部に排出補助装置27を設けた部分断面図である。排出補助装置27は、円筒体又は軸体等の破砕物排除体28がロータ長さに沿って機枠13内に回転自在の設けられる構成のものである。2つのロータ6,7の破砕歯6b、7bにより破砕された破砕物9がベルトコンベア10に落下する前に、この破砕物排除体28に落下する。破砕物9は、コンクリート片の破砕されたものと鉄筋9a等の異物と種々雑多である。本発明は、特に鉄筋9a等の異物処理に関わるものである。
【0013】
図5にその支持構成を示している。機枠13幅に沿って配置された破砕物排除体28が機枠13に設けられた支持体29に回転自在に支持されている。この破砕物排除体28の一端は機枠13外に張り出していて、回転動作を与えられるようになっている。本実施例の場合は、破砕物排除体28の軸端に設けられたスプロケット30に、第2ロータ駆動軸7aの駆動用チェーン26に噛み合わせ、第2ロータ7の回転とともにこの破砕物排除体28も回転させるようにしている。この場合、破砕物排除体28は第2ロータ7の回転により、強制的に回転することになる。この回転方法は、他の方法として、図6には、機枠13に専用のモーター31を取り付けて破砕物排除体28を直接回転させる構成を示している。この場合は、ロータの回転に制約を受けることはない。鉄筋9a等があまり含まれない原料が予想される場合、またそのようなケースが多い場合にはモーター31を停止させ、破砕物排除体28の回転を停止させる等の処置がとれる。
【0014】
又、構成を簡易的にする方法として、通常は回転させないで、鉄筋9a等が絡みついたときにまとめて排出させる場合、あるいは運転を停止させメンテナンスを行う場合のときに改めて回転させる方法でもよい。この場合の構成は、図7に示すように、破砕物排除体28の端部にハンドル32を掛けて手回しすることでもよい。
次に破砕物排除体28の変形例について説明する。図8は、破砕物排除体28に複数の突起33を円周方向に設けた例の断面図である。この場合は、落下する鉄筋9a等を引っかけて掻き出すのに効果的な構成である。図5に破砕物排除体28の長手方向にこの突起33を千鳥状態に設けた例を示している。又、この突起33は、図示していないが破砕物排除体28の長手方向に沿って連続した形状で螺旋状に設けたものであってもよい。
【0015】
図9は、破砕物排除体28に複数の凹溝34を円周方向に設けた例の断面図である。この場合は、落下する鉄筋等を凹溝34に引っかけられるので、排除するのに効果的な構成である。この凹溝34は、破砕物排除体28の長手方向に沿って直線状あるいは螺旋状に設けられる。図10は、破砕物排除体28を多角形にした例で、図は断面の外形が三角形35の場合の断面図である。三角形等の多角形状にしたものを回転させると、鉄筋9a等が破砕物排除体28に引っかかりながら排出されるので効果的である。
図11は、破砕物排除体28に近接して掻き上げ部材36を設けた例である。破砕物排除体28に絡みつく鉄筋9a等をほぐすのに効果的である。この掻き上げ部材36は、破砕物排除体28の長手に沿って全面に設けてもよく、部分的に設けてもよい。又、この掻き上げ部材36は、突起、凹溝、三角形等を構成する破砕物排除体28に適用してもよい。
【0016】
前述のように、コンクリート廃材等の原料が2つのロータ6,7により破砕され破砕物9として下部に落下するが、図示するように、破砕されない鉄筋9a等が共に落下する。鉄筋9a等は種々の形態をなし、概して先端は鋭利である。下部に何もないと、この鉄筋9a等の先端がベルトコンベア10のベルトに直接当って突き刺さる状態になることがあり、ベルトは破れ甚大な損傷を受け、その補修に多くの時間を要し作業能率を著しく阻害する。
排出補助装置は、このトラブルを避けるために設置するものである。この排出補助装置27は回転させなくても鉄筋9a等の直接落下を防止する緩衝の効果もあるが、回転させることにより周囲にまとわりつく状態を防ぎ、スムースに鉄筋9a等を排除することで効果がある。この排出補助装置27を経た鉄筋9a等は直接落下の衝撃を和らげるとともに、落下方向を変えさせられベルトコンベア10の搬出方向に沿い図の矢印で示すように斜め方向に落下する。これによりベルトを損傷するおそれがなくなった。以上本発明の実施例について説明してきたが、本発明の具体的構成は実施例の構成に限定されるものではない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、この排出補助装置は鉄筋等の直接落下を防止する緩衝の効果もあるが、回転させることにより周囲に鉄筋等がまとわりつかなくなった。この排出補助装置を経た鉄筋等は落下の衝撃を和らげるとともに、落下方向を変える。破砕物を排出するベルトの搬出方向に沿い斜め方向に落下する。これによりベルト等を損傷することがなくなり、破砕に伴う作業能率を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を適用した自走式ロールクラッシャーの側面図である。
【図2】図2は、ロールクラッシャーの部分平面図である。
【図3】図3は、図2の側面図である。
【図4】図4は、本発明の排出補助装置を取り付けたロールクラッシャーの部分断面図である。
【図5】図5は、排出補助装置の支持構成を模式的に展開図で示した部分断面図である。
【図6】図6は、破砕物排除体を専用のモータで回転する構成を模式的に示した部分断面図である。
【図7】図7は、破砕物排除体をハンドルで回転する構成を模式的に示した部分断面図である。
【図8】図8は、円周に複数の突起を設けた破砕物排除体の断面図である。
【図9】図9は、円周に複数の凹溝を設けた破砕物排除体の断面図である。
【図10】図10は、断面形状を三角形にした破砕物排除体の断面図である。
【図11】図11は、破砕物排除体に近接して掻き上げ部材を設けた構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…自走式ロールクラッシャー
2… 架台
3…クローラ
4…ロールクラッシャー
5…ホッパー
6,7…ロータ
8…駆動装置
9…破砕物
9a…鉄筋
10…ベルトコンベア
13…機枠
27…排出補助装置
28…破砕物排除体

Claims (6)

  1. 破砕室と、この破砕室内に設けられ円周に複数の破砕歯を有し対向して設置される一対のロータと、ホッパーからこの一対のロータに投入された原料を破砕するロールクラッシャーにおいて、
    前記一対のロータの下部に設けられ前記破砕物を排除する破砕物排除体と、
    前記破砕室の壁部に設けられ前記破砕物排除体を回転可能に支持する支持体と、
    前記破砕室外にあって前記破砕物排除体を回転させる回転手段と
    からなるロールクラッシャーの排出補助装置。
  2. 請求項1記載のロールクラッシャーの排出補助装置において、
    前記破砕物排除体は、外周に複数の凸部材を設けていることを特徴とするロールクラッシャーの排出補助装置。
  3. 請求項1記載のロールクラッシャーの排出補助装置において、
    前記破砕物排除体は、外周に複数の凹溝を設けていることを特徴とするロールクラッシャーの排出補助装置。
  4. 請求項1記載のロールクラッシャーの排出補助装置において、
    前記破砕物排除体は、断面が多角形状であることを特徴とするロールクラッシャーの排出補助装置。
  5. 請求項1記載のロールクラッシャーの排出補助装置において、
    前記破砕物排除体に近接して掻き上げ部材を設けたことを特徴とするロールクラッシャーの排出補助装置。
  6. 請求項1記載のロールクラッシャーの排出補助装置において、
    前記破砕物排除体は、前記ロータの回転駆動力を受けて回転することを特徴とするロールクラッシャーの排出補助装置。
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