JPH0221014Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は一般家庭において使用する二槽式の洗
濯機に関し、詳わしくは２つの槽に対する給水部
の構成に関するものである。

従来例の構成とその問題点 一般に二槽式洗濯機においては、洗濯槽と脱水
槽それぞれにおいてすすぎをするものであり、し
たがつて両水槽に給水するようになつている。前
記給水部は第１図に示すように一つの給水管１を
共用することから、洗濯槽と脱水槽（いずれも図
示せず）の上部にそれぞれ給水樋２，２を配置
し、前記給水管１をつまみ３をもつて給水樋２，
２の上に撰択的に移動させ、前記給水樋２，２の
いずれかを介して洗濯槽と脱水槽に任意に給水す
るようにしている。したがつてこの種の二槽式洗
濯機においては洗濯槽と脱水槽の上方に給水樋を
必要とするものであつた。

ところで前記給水樋２は具体的には第２図およ
び第３図に示すように構成されている。すなわ
ち、断面がＵ状に形成され、フランジ４によつて
水槽５の上部に固定されている。そして底部に水
槽５に給水するための給水口６を有し、さらに水
槽５の一側に形成される循環水路７の上部開口に
対応する給水口８を有している。そして、前記給
水樋２に対する蓋９の取付け構造は、給水樋２の
上部の外側に爪１０を設け、一方、蓋９の外周に
形成された周縁板１１に前記爪１０が係合する係
合孔１２と挾持片１３を設け、前記給水樋２の上
縁を蓋９の周縁板１１と挾持片１３間に挿入し、
爪１０を係合孔１２に係合するようにしている。
なお、図中の１４はフイルターを示す。

上記従来の給水部の構成は次のような問題があ
る。すなわち給水樋２への給水流量が給水口６，
８の放水より多いとき、給水樋２内の水位が上が
り、また、水の勢いと表面張力によつて内側を立
ち上がつた水が給水樋２と蓋９の嵌合部間隙を出
て溢水し、外観上不都合であり、給水部の故障と
して危惧を抱かせていた。

一方、給水樋２の深さを大きくとれば前述の溢
水の問題がなくなるものの、成形上、あるいは材
料上から経済的ではない。また、爪１０と係合孔
１２の係合は、蓋９の着脱が容易でない。

考案の目的 本考案は前記従来の欠点に留意し、水槽の上方
に配置される給水樋よりの溢れが生じても、これ
を表出させず、外観のよい洗濯機を提供すること
を目とすることである。

考案の構成 前記目的を達成するため、本考案は水槽の上部
に給水槽を配置し、前記給水樋に蓋を設けた給水
部を備えた二槽式洗濯機において、前記給水樋の
口縁を内側壁と外側壁とによつて凹溝をもつ２重
壁構成とするとともに、外側壁上端を内側壁上端
より高くして溢水を前記凹溝に案内し、前記凹溝
に案内された水を前部以外の外側壁の一部に形成
した通水部より排出するように構成したものであ
り、前部に洩水が見られず、外観がよく、また、
前記凹溝に蓋の周縁がはまり合う構成であること
から、特別な係止手段が必要でなく、蓋の着脱が
簡単にできるものである。

実施例の説明 以下本考案の一実施例を第４図，第５図にもと
づき説明する。

図において１５は水槽、１６は水槽１５の上部
に配置した給水樋、１７は給水樋１６の蓋、１８
は給水管である。

前記給水樋１６は断面がほぼＵ状をなし、底部
に水槽１５に給水するための給水口１９および循
環水路（図示せず）の上部開口に対応する給水口
２０を有している。さらに、前記給水樋１６は上
部口縁を内側壁２１とこれに対応する外側壁２２
をもつて形成し、前記内側壁２１と外側壁２２間
に凹溝２３を形成している。前記外側壁２２の上
端は内側壁２１の上端よりも高く形成され、か
つ、前部を除く一部に切欠、孔などによる通水部
２４を有している。また、給水樋１６は前部を除
く外側に面板２５を有している。この面板２５は
外縁に突壁２６を有し、また排水孔２７を有し、
一部は水槽１５の取付に供している。前記蓋１７
は周縁下部に前記給水樋１６の口縁の内側壁２１
が嵌まり合う凹溝２８を有し、この凹溝２８を前
記内側壁２１の上縁に嵌めとめて給水樋１６に取
付けられる。なお、前記排水孔２７は水槽１５上
に位置している。

上記構成によれば給水樋１６において水が溢水
しても、この水は口縁の内側壁２１を越して凹溝
２３に流れ込みさらに通水部２４より面板２５上
に流れ、排水孔２７より水槽１５内に流れ落ち
る。したがつて前部における給水樋１６と蓋１７
の接合部よりの洩水は見られない。このようなこ
とから、給水樋１６の深さを浅くすることがで
き、材料の上から有利である。また蓋１７の嵌合
に精度を要しなく、成形の上からも有利であり、
さらに、蓋１７の着脱も簡単にできる。

考案の効果 以上の実施例より明らかなように、本考案の二
槽式洗濯機は、水槽上に装置される給水部におい
て洩水が見られなく、外観がよく、また、給水部
の蓋の着脱も簡単にでき、その実用的効果の大き
いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の二槽式洗濯機の要部の一部切欠
斜視図、第２図は同断面図、第３図は分解斜視
図、第４図は本考案の一実施例の二槽式洗濯機の
要部断面図、第５図は同分解斜視図である。 １５……水槽、１６……給水樋、１７……蓋、
１８……給水管、１９，２０……給水口、２１…
…内側壁、２２……外側壁、２３……凹溝、２４
……通水部、２５……面板、２７……排水孔、２
８……凹溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 水槽の上部に給水樋を配置し、前記給水樋に
   蓋を設ける構成において、前記給水樋の上部開
   口縁を内側壁と、前記内側壁間に凹溝を形成
   し、かつ、上端が内側壁より高い外側壁で構成
   し、前記給水樋の前部を除く外側壁の一部に通
   水部を設け、蓋の周縁の下部に前記給水樋の内
   側壁が嵌入する凹溝を設けてなる二槽式洗濯
   機。 (2) 給水樋は前部を除く外側で、かつ外側壁の通
   水部より低い位置に面板を有し、前記面板に排
   水孔を設けてなる実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載の二槽式洗濯機。