JPH022078B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は熱交換プレート（以降伝熱板と記
す）が連設されて形成されているプレート式熱交
換器に関する。一枚毎或いは少くとも２枚目毎の
板間にガスケツトを挟着し、そのガスケツトは一
枚又は一対の熱交換プレートすなわち伝熱板とこ
れに隣接する一枚又は一対の伝熱板との間を伝熱
面と液流通孔との伝熱面の外側で境界画定する部
位で締着するように配置されている。

プレート式交換器は水平に配設された支持棒上
に垂直に配置したガスケツトを介して伝熱板を重
ね合せて形成されている。これらの伝熱板は互に
締着されて枠組に内設される。従来の技術によれ
ば、ガスケツトは伝熱板の組立作業を容易ならし
むるために組立前にガスケツト溝に膠着される。
従つてこの膠着ラインの目的は組立作業中ガスケ
ツトを伝熱板上へ保持することにある。

然しながらこの方法には多くの欠点がある。こ
の膠着作業は多くの複雑な工程を必要とし、極め
て綿密に実施されなければならないので不経済で
ある。膠着面は膠着剤が塗布される前に清掃され
油脂分が除去されなければならない、長く薄いガ
スケツトを伝熱面の溝内に保持することは、特に
大型伝熱板の場合困難である。膠着剤を塗布しガ
スケツトと伝熱板を互に接合させるためにその伝
熱板は養生板に締着し膠着面を炉内で養生する。
養生板と伝熱板の締着状態は冷却する迄分離出来
ない。その後で余分な膠着剤を除去し膠着部の仕
上り状態の目視検査が行われる。膠着作業に際し
ては、作業を行う部屋を充分換気するなどの作業
環境への特別配慮が必要となる。

プレート式熱交換器を相当期間使用してから漏
洩などの理由でガスケツトを交換しなければなら
ない場合には、使用したガスケツトと膠着剤をガ
スケツト溝から除去することは困難である。機器
の据付現場でこの作業を実施するには困難を伴い
長時間を要するので、修理のための機器一式を工
場へ返送せざるを得ないこととなろう。

本発明以外の参考例としては、第３図、第４
図、〜、第１３図に示すものがある。

第３図は突起したタブとタツプを具備するガス
ケツトの一部を上方から見た図で、第４図は第３
図を側面から見た図で、第５図は第３図の線−
線に沿つた断面を示し、第６図は第３図に示す
ガスケツトを用いる場合の伝熱板の一部を示し、
第７図は第６図の線−に沿つた断面を示し、
第８図はＴ字型の突出したタブを具備する上記以
外のガスケツトの一部を上方から見た図であり、
第９図は上記ガスケツトタブを側面から見た図で
あり、第１０図は第８図の線−線に沿つた断
面図、第１１図は第８図によるガスケツトを使用
する伝熱板の一部を示し、第１２図は第１１図の
線−に沿つた断面であり、第１３図は第１１
図の側面図を示したものである。

第３図に見る如く、ガスケツト１Ｂは突起した
タブ２Ｂを具備している。上記ガスケツトの細長
い部分３Ｂは伝熱板の周りに伸長する溝に配置さ
れる。上記ガスケツトにはその上部にリム４Ｂを
有し隣接する伝熱板と境界画定する。上記突起し
たタブ２Ｂはその下側に第５図に示すタツプ５Ｂ
を具備する。又上記タツプの内部にこれを通る孔
６Ｂがある。ガスケツト１Ｂは又第５図に示す如
くその下側の２ケ所にリム７Ｂを有する。

伝熱板８Ｂの一部に第６図並びに第７図に示す
ようにこの伝熱板の周りに延つて伸長するガスケ
ツト溝９Ｂを具備する。伝熱板８Ｂの一部、ガス
ケツト溝の外側に型押し波形部を具備する。これ
らの波形部の幾つかは型押し深さの半分迄しか到
達していない。このような型押し波形部１０Ｂに
は上記突起したタブのタツプ５Ｂ用の孔１１Ｂが
ある。

上記ガスケツトを上記伝熱板に組込む場合、上
記ガスケツトの細長い部分がガスケツト溝９Ｂの
中に、タツプ５Ｂが孔１１Ｂの上部に位置するよ
うに配置する。孔６Ｂの中の針或はピンによつて
上記タツプは伸長し、且上記伝熱板の孔１１Ｂを
通して圧着出来るように細くなる。下方に加わる
力が消えると上記タツプは原型に復元しようとす
るが上記プレートの孔はタツプの直径より小径で
あるためプレートの下側で上記タツプが伸長し上
記ガスケツトと所定位置に有効に把持する。

第８図乃至第１３図には、ガスケツトを伝熱板
へ接合する上記以外の配置を示す。ここではガス
ケツトは主にＴ字型の突起したタブを具備する。
更にこの配置ではガスケツトの細長い部分はその
上側に締着効力を増大するためにリム１３Ｂを具
備する。第８図と第９図にはＴ字型のタブの突起
した部分１４Ｂが示されている。第１１図には細
長いガスケツトのための溝１５Ｂを具備する伝熱
板の一部が示されている。溝１５Ｂから突起した
Ｔ字型タブ１２Ｂのための溝１６Ｂが伸長してい
る。上記溝の端部に於て、上記伝熱板の部分１７
Ｂは切り上げられ折り上げられていて開口部１８
Ｂが部分１７Ｂの下側となるようになつている。
これら開口部１８Ｂを通し上記タブの突出した部
分１４Ｂが圧入されている。

この発明の目的はプレート式熱交換器の伝熱板
にガスケツトを取り付ける場合の上記問題の解決
を提供するにある。この発明により、ガスケツト
によつて定められたシール部の外側で取り付け点
をとびとびに配し、この取り付け点でガスケツト
が上記伝熱板へ固定されるように設計することを
提案する。この発明の好ましい実施態様に於て、
各伝熱板は１乃至それ以上のガスケツト用型押し
溝（ガスケツト溝）を具備し、各伝熱板に上記ガ
スケツト溝によつて定められる締着面の外側で伝
熱板にガスケツトが取り付けられるようにしてい
る。この取り付け要領によりガスケツトの取り付
けはガスケツト溝の中の締着面ではなく、ガスケ
ツト溝の外側で行われる。

この発明の望ましい実施態様により、細長いガ
スケツトは伝熱面の対向側に突出したタブを具備
し、このタブが伝熱板に取り付けられる。この発
明のガスケツトを伝熱板に取り付けるガスケツト
の配置の変更態様の一例にガスケツト材の薄い細
片に関連したものがある。

上記突出したタブは上記伝熱板へは機械的固定
方法或は膠着方法のいずれによつても接合するこ
とが出来る。タブの膠着作業に関する上記問題
は、膠着作業がより簡略化され、たとえ膠着剤を
用いたとしても膠着剤使用量が減少することによ
り軽減され、膠着剤使用量の減少は又作業環境上
の問題をも軽減する。更に除去すべき膠着剤の使
用量がより少いことにより伝熱板からのガスケツ
トの除去もより簡単となる。

この発明によりガスケツトを伝熱面へ機械的に
取り付けることが可能で膠着剤による膠着問題は
全面的に回避される。

上記機械的取り付けは、この発明の範囲内で幾
多の方法により実施することができ、例えば、ク
ランプやクリツプのような着脱式取付具を用いる
ことが出来る。

［実施例］ この発明によるプレート式熱交換器は添付図面
を参照して説明するが、これら図面は例として挙
げた機械的に取付けられるガスケツトの実施態様
例を示すにすげない。

第１図は特許請求の範囲第１項に係る発明のプ
レート式熱交換器の一実施例を示す断面図であ
る。

伝熱板１０は周縁に伸びるガスケツト溝１１を
有する。ガスケツト１のシール部２は伝熱板１０
のガスケツト溝１１に配置される。上記伝熱板１
０とガスケツト１とはその上部にさらに重ねられ
る他の伝熱板とで熱交換領域を画定する。上記ガ
スケツト１のシール部２からはシール部２と一体
形成された複数の細長いタブ３が伸びている。ク
ランプ２１はタブ３と伝熱板１０とを伝熱板１０
の周縁でクランプし、固定している。

第２図は特許請求の範囲第３項に係る発明のプ
レート式熱交換器の一実施例を示す断面図であ
る。

伝熱板１０Ａは周縁に伸びるガスケツト溝１１
Ａと、ガスケツト溝１１Ａと周縁との間に設けら
れた取付け孔１２Ａとを有する。ガスケツト１Ａ
はシール部２Ａとタブ３Ａを有し、シール部２Ａ
は伝熱板１０Ａのガスケツト溝１１Ａに配置され
る。上記伝熱板１０Ａとガスケツト１Ａとはその
上部にさらに重ねられる他の伝熱板とで熱交換領
域を画定する。上記ガスケツト１Ａのシール部２
Ａからはシール部２Ａと一体形成された複数の細
長いタブ３Ａが伸びており、タブ３Ａにはクリツ
プ孔１３Ａが、取り付け孔１２Ａに対応するよう
に、明けられている。クリツプ２２Ａは、金属ま
たはプラスチツクでなり、取付け孔１２Ａとクリ
ツプ孔１３Ａとを貫通してタブ３Ａを伝熱板１０
Ａに固定している。クリツプ孔１３Ａクリツプ２
２Ａ取付け時に明けてもよい。

これらの発明によるガスケツトは、伝熱板へ取
付けるべき全区間に沿つて、突起したタブを適当
な間隔で具備している。液流通孔のためのガスケ
ツトリングを含むガスケツトに適用する場合には
ガスケツトリングの周りに沿つて突起したタブを
具備すればよい。

この発明の範囲内で多くの配置が可能である
が、これらのすべてに共通することは、ガスケツ
トの取付けがシール部の外側に配置されることで
ある。

［発明の効果］ 特許請求の範囲第１項の発明は、熱交換プレー
トのガスケツト溝には取付け孔を設けず、ガスケ
ツトについては、細長いタブをガスケツトのシー
ル部から延ばさせ、ガスケツトを熱交換プレート
に取付ける際に、タブをクランプ手段により、熱
交換プレートの周縁にクランプすることにより、
熱交換プレートとガスケツトとでプレート式熱交
換器を組立てた時下記の効果がある。

(1) 熱交換領域をシールする部分とガスケツトを
熱交換プレートに取付ける部分とが完全に隔離
されているので、取付け孔による液もれの発生
がない。

(2) タブがガスケツトのシール部から延び出して
いるが、取付け孔や取付用突出部がないの、呼
び出しが短くてもよく、結果的に熱交換プレー
トの周縁部分も少くて済むことにより、熱交換
領域に用いられる面積を大きくできる。

(3) ガスケツトの取付けはクランプ手段で行つて
いるのでクランプ位置はラフでよく、ロボツト
などによる自動組立にも適して着脱が容易で補
修または洗浄が容易に行える。また、取付けの
ための孔を伝熱板に設ける必要がないので加工
型が簡単になり経済的であり、タブに出つ張り
がないのでタブはこわれにくく、加工型も簡単
になる。

(4) ガスケツトのタブはガスケツトのシール部か
ら水平に延びているだけであるので、ガスケツ
トを成形するための金型は実質的に上下二方開
きであればよく加工性が非常によい。

特許請求の範囲第２項の発明は、第１項の発明
と同様な効果をもつており、かつコの字状の弾性
体でできているので、取り付け力を強めることも
容易であり、経年変化にも対応が容易である。

特許請求の範囲第３項の発明は、第１項の発明
の効果(1)、(4)と同様の効果があるとともに、クリ
ツプ孔は、熱交換プレートにガスケツトを載せて
から明ければ、完全に相互の位置が合つた状態で
固定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ特許請求の範囲第１
項、第２項に係る発明のプレート式熱交換器の一
実施例を示す断面図、第３図、第４図、〜、第１
３図は本発明に対する参考例を示す図である。 １，１Ａ……ガスケツト、２，２Ａ……シール
部、３，３Ａ……タツブ、１０，１０Ａ……伝熱
板、１１，１１Ａ……ガスケツト溝、１２，１２
Ａ……取付け孔、１３，１３Ａ……クリツプ孔、
２１……クランプ、２２Ａ……クリツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 隣り合う熱交換プレート１０に挟まれたガス
   ケツト１により、隣り合う熱交換プレート１０の
   間のすき間が確定されるように複数の熱交換プレ
   ート１０が組み立てられているプレート式熱交換
   器であつて、前記各熱交換プレート１０は、熱交
   換領域を囲み、周縁に沿つて延びている、孔のな
   いガスケツト溝１１を有し、 前記ガスケツト１は、シール部２と、シール部
   ２に一体形成された複数のタブ３とを有し、シー
   ル部が前記隣り合う熱交換プレートの一方の熱交
   換プレートのガスケツト溝１１に着脱自在に収め
   られ、前記隣り合う熱交換プレートの間で熱交換
   領域を密閉し、各タブ３がシール部２から熱交換
   プレート１０の周縁に向けてのびており、前記各
   タブ２が、前記一方の熱交換プレートの周縁に、
   熱交換プレートおよびガスケツトとは別体のクラ
   ンプ手段２１で固着されているプレート式熱交換
   器。 ２ 前記クランプ手段２１が長方形の弾性のある
   部材をコの字形状に成形したものである請求項第
   １項に記載のプレート式熱交換器。 ３ 隣り合う熱交換器プレート１０Ａに挟まれた
   ガスケツト１Ａにより、隣り合う熱交換プレート
   １０Ａの間のすき間が確定されるように複数の熱
   交換プレート１０Ａが組み立てられているプレー
   ト式熱交換器であつて、前記各熱交換プレート
   は、熱交換領域を囲み、周縁に沿つて延びてい
   る、孔のないガスケツト溝１１Ａと、周縁とガス
   ケツト溝１１Ａとの間に設けられた取付け孔１２
   Ａとを有し、 前記ガスケツト１Ａは、シール部２Ａと、クリ
   ツプ孔１３Ａを含みシール部に一体形成された複
   数のタブ３Ａとを有し、シール部２Ａが前記隣り
   合う熱交換プレートの一方の熱交換プレートのガ
   スケツト溝１１Ａに着脱自在に収められ、前記隣
   り合う熱交換プレートの間で熱交換領域を密閉
   し、各タブ３Ａがシール部から熱交換プレートの
   周縁に向けてのびており、前記各タブ３Ａのクリ
   ツプ孔１３Ａと前記一方の熱交換プレートの取付
   け孔１２Ａとに貫通挿入されたクリツプ手段２２
   Ａにより、前記各タブ３Ａが前記一方の熱交換プ
   レートに固着されているプレート式熱交換器。