JPS5924653B2 - トランスミツシヨン流体用濾過装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明の最も広い態様は、変形可能な部材を別のボデ
ィーに取り外し可能に装着する装置に関する。

さらに特定すればこの発明は、少なくとも一部は熱可塑
性プラスチック材料で作られたトランスミッション流体
用濾過装置およびトランスミッションのポンプハウジン
グにその濾過装置を強固に装着するための装置に関する
。

熱可塑性プラスチックで作られた濾過装置をトランスミ
ッション等のポンプハウジングにボルトを介して取着す
る（クランプする）際には、シール性を良くし、また作
動中における充分な固定状態を得るために、ボルトをき
つく締めることが必要である。

しかしながらこの種の濾過装置に用いられるナイロンｐ
如きプラスチックは、高温高圧下に長期間おかれるとク
リープし変形する傾向がある。

従ってボルトの締付による応力（クランプ応力）に起因
して、ポンプ作動による高温下に置かれると、かかるク
リープによってシール性の消失等の結果を招く。

この発明の目的はかかる強い応力即ち締付（クランプ）
応力を変形可能な部材に対して生ずることなしに、熱可
塑性プラスチックスのような変形可能な構造体を第二の
ボディーに強固に装着即ち固着するための装置を提供す
ることである。

この発明のさらに特別の目的は、少なくとも一部が経済
的な熱可塑性プラスチックス材料によって作られたトラ
ンスミッション流体用濾過装置で、その熱可塑性プラス
チックス材料の部分に強い応力を発生させないようにし
て、その濾過装置をトランスミッションのポンプハウジ
ングに固着させるような装置を有したものを提供するこ
とである。

この発明は、そのさらに別の目的、特徴そして効果と共
に、以下の図面を参考にした説明あるいは特許請求の範
囲に記載された事項等によってより良好に理解されるだ
ろう。

次に図面を参照して説明する。

図示されたトランスミッション流体用濾過装置１０は、
略々平面状の上壁１４（第２および３図に示す）と、上
壁１４から順次放射状に伸びそれと平行な中間の肩部１
６及び平らな周縁肩部１８を有した、鋼板等を型プレス
加工等によって成形して得られる皿状の金属性矩形基台
部材即ちパン（ｐａｎ）１２から構成されている。

平面上壁１４は、固着部材を装着する一対の装着開孔１
５とトランスミッションのポンプハウジング２０のフラ
ンジ付流入口１９に連結する流体用の中央開孔１７とを
有している。

全体を２２によって示されたフィルター要素は、パン１
２に担持され、一片の支持枠２６内に設けられた濾過材
即ち微細メツシュもしくはスクリーン２４を有している
。

好ましくは、メツシュ２４は、例えばポリエステルのよ
うなプラスチック材の繊維によって作られる。

好ましくは、支持枠２６はガラス繊維で補強されたナイ
ロン（ポリアミド）のような構造の高融点合成熱可塑性
樹脂である。

支持枠２６は平たい周縁リム２８を有し、それはパン１
２の周縁肩部１８から伸びて内方に打出されたフランジ
３０によって周縁肩部に保持される。

複数本のリム３２は、第１図に明瞭に示されるように、
直交グリッド状に周縁リム２８と一体成形される。

リム３２は、メツシュ２４を平面状にかつパン上壁１４
から間隙を置いて保持し、その間にトランスミッション
流入口１９に連通ずる濾過液溜め３３を構成する。

メツシュ２４は支持枠２６の上方表面内に設けられてお
り、支持枠２６はリム３２と周縁リム２８とを有してい
ることから、メツシュはリムの間でたるまないようにし
っかりと保持され、それによって詰まりにより変移する
こともない。

第１図において最も良く示されるように、保持するリム
３２の矩形の対角線にはゾ沿ってメツシュ２４の繊維が
延びている。

一対の截頭円錐台状のボス３４がリム３２からパン１２
の上壁１４に近接して濾過液溜め３３を横断して上方に
狭く伸びている。

各々のボス３４は、組立てられたときパンの装着開孔１
５に一致するような環状膨縁部即ちビード３６によって
形成された環状開孔に終端している。

全体を３８で示す金属製アイレット（はと目）は、４０
におけるようにビード３６をおおってこれと係合する周
縁フランジと、対応するパン１２の上壁１４の装蓋開孔
１５と軸線を整合させた環状開孔４３を有した平坦な中
央部分４２とから構成される。

各々のアイレットの中央部分４２は、円形に連続した折
り返し部４４によって対応する周縁部分４０に連結され
る。

平坦な中央部分４２は、周縁部分４０とビード３６によ
って、ビード３６の平面と平行でかつそこから軸線に沿
って上壁１４の方へ離れた平面に支持されている。

濾過装置が装着されていない場合、つまりボルト４８が
挿入されず固着されていない場合には、アイレット３８
の平坦な中央部分４２はパン上壁１４から軸線方向に間
隔をおいて設けられていることが注目されるだろう。

このことは、組立時に土壁がポンプハウジング２０と封
密ガスケット４６を挟んで平面状に対面し係合する状態
におくためには、組立前に上壁１４を曲げる傾向にある
いかなる潜在応力をも除去することが望ましいことから
特に重要である。

ポンプハウジング２０に対してトランスミッション流体
用濾過装置１０を装着するために、濾過装置は封密ガス
ケット４６を挟んでポンプ流入口１９上に固着され、こ
のポンプハウジング内の内面ネジ付き開孔４７に対して
軸線が合致したアイレットおよび上壁の開孔４３，１５
（及びガスケットの開孔）が一致して配列される。

第２図において４８で示されているボルトのような一対
の頭付き固着手段が、その後ポンプハウジングの開孔４
７内にねじ込まれて装着される。

好ましくはボルト４８は、例えば２．０７ｋｙ−ｍ （
１５ｆｔ−１ｂｓ）のオーダーのトルクでフィルターを
ポンプハウジングに強固に装着（固着）し、それによっ
て各々のアイレット３８の中央部分４２はボルト４８の
頭部５０とパン１２の上壁１４との間に強固に挟まれる
ことになる。

以上によって、この発明のアイレット３８は周縁部分４
０とビード３６から離れてボルトの締付による応力を有
効に吸収している。

従って、フィルター要素２２の熱可塑性材料が高温とト
ランスミッションの振動条件下においてクリープ現象を
起こしたり変形したりする傾向が比較的減少され、その
結果としてボルトのトルク低下やフィルターの緩みの防
止にもなる。

この発明はここに示した好ましい実施例に従って説明し
たものであるが、これ以外の実施例も考えられる。

例えば、ボルト４８はトランスミッションのポンプハウ
ジングに対して永久的に固着されたネジ切りスタッド等
にねじ込まれるナツトによって置き換え得る。

同様に、ねじ込みをしない固着手段もいくつか用いるこ
とが可能であろう。

従って、特許請求の範囲における「頭付き固着手段」と
いう用語はどのような固着手段であっても、結合される
べき部材の間に伸びる軸線方向部分と、一方の部材を他
方の対向表面に強固に係止するための放射状の頭部とを
有した固着手段として広く解釈されるべきである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるトランスミッション流体用濾過
装置の平面図で、第２図は第１図の２−２線に沿って見
た断面図であって、トランスミッションのポンプハウジ
ングに部分的に組み立てられたフィルターを示すもので
、第３図はＦＩＧ・３線にかこまれた第２図の部分の拡
大図である。 １０・・・・・・トランスミッション流体用濾過装置、
１２・・・・・・基台部材、パン、１４・・・・・・上
壁、２０・・・・・・トランスミッションのポンプハウ
ジング、１９・・・・・・フランジ付流入口、１７・・
・・・・中央開孔、２２・・・・・・フィルター要素、
２６・・・・・・支持枠、３２・・・・・・リム、３３
・・・・・濾過液溜め、３８・・・・・・アイレット、
３６・・・・・・ビード、４８・・・・・・頭付き固着
手段、ボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも一つの装着開孔を有する金属製の基台部
   材と、濾過材と、これらの間に濾過液溜めを形成するた
   めに該濾過材を該基台部材に対して間隔を有して支持す
   る熱可塑性プラスチックス製の支持枠とからなる装置で
   あって、トランスミッションのハウジングに該装置を固
   着する頭付き固着手段が挿入されるよう前記装着開孔に
   対して整合した前記支持枠内の環状開孔及び該環状開口
   に取着された金属性のアイレットを有し、該環状開口は
   環状ビードにより形成され、該アイレットは該ビード上
   に密封係合するフランジを備えた環状の周縁部分および
   前記固着手段が挿入される中央開孔を備えた平坦な中央
   部分とからなり、前記環状ビードから離れた該平坦な中
   央部分上には前記固着手段の頭部が係合し応力を発生せ
   しめることを特徴とするトランスミッション流体用濾過
   装置。 ２、特許請求の範囲第１項に記載された濾過装置におい
   て、前記基台部材は前述した少なくとも一つの装着開孔
   を有し、かつ封密ガスケットをトランスミッションのハ
   ウジングとの間で挟持して対面係合するようにされた全
   体的に平坦な壁面から構成されており、前記支持枠は上
   記平坦な壁面から間隔を有した一平面内に前記濾過材を
   支持するものであり、さらに前記ビードにより形成され
   た環状開孔は前記平坦な壁面に近接して前記アイレット
   を位置させるために前記濾過液溜めを通して伸びている
   手段を備えることを特徴とするトランスミッション流体
   用濾過装置。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載された濾過装置におい
   て、前記頭付き固着手段はねじ付置着手段であり、前記
   ア、イレットは装置が固着されていない状態においては
   前記平坦な壁面から隔置され、固着時にはその中央部分
   が固着手段の頭部と前記壁面との間に強固に挟まれるこ
   とにより支持枠を曲げるアイレットであることを特徴と
   するトランスミッション流体用濾過装置。 ４ 少くとも一つの装着開孔を有する金属製の基台部材
   と、濾過材と、これらの間に濾過液溜めを形成するため
   に該濾過材を該基台部材に対して間隔を有して支持する
   熱可塑性プラスチック製の支持枠と、前記装着開孔に整
   合する該支持枠内の開、孔及び該開孔に取着された金属
   性アイレットとを有し、該開孔が周縁ビードにより形成
   された開孔であり該アイレットが該ビード上に密封係合
   するフランジを備えた周縁部分と中央開孔を備えた平坦
   な中央部分を有するアイレットである流体濾過装置と、
   前記支持枠内の開孔及び前記アイレットの中央開孔を通
   して挿入され該濾過装置をトランスミッションのハウジ
   ングに固着する頭付固着手段とからなるトランスミッシ
   ョン流体用濾過装置の装着装置に於て、前記固着手段の
   頭部が前記ビードから離れた前記アイレットの平坦な中
   央部分に係合し該アイレットに応力を生ずることを特徴
   とする装着装置。