JPH02204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コインをゲーム媒体としてコイン数
の増減を競うコインゲーム機、例えばコイン式パ
チンコ機やスロツトマシンに係り、特に投入コイ
ンを受け入れ賞コインを排出するコイン収容器に
対して不足コインを補給するコイン補給機構を備
えたコインゲーム機に関する。

この種のコインゲーム機においては、コインの
自動補給システムは確立されておらず、したがつ
て打止時や閉店時には作業者が手作業でコインを
補給する必要がある。しかるにコイン収容器は通
常コインを積層する筒体から構成され、これにコ
インを導くコインレールの幅はコイン径より若干
広いのみであるため、補給コインをコインレール
またはコイン収容器内に確実に落下させることは
困難で、一部のコインを床に落とす等、補給作業
に多くの時間と労力を必要としている。また閉店
時にコイン収容器内に残存しているコイン数、し
たがつて該収容器を満すに必要なコイン数はゲー
ム機により千差万別であり、このため補給コイン
数を直ちには把握できないことも上記作業の困難
性を増す原因となつている。

このようなコイン補給作業の困難性を改善する
目的で、既にコイン収容器を着脱可能とし、打止
時あるいは閉店時にはゲーム機に装着されている
コイン収容器をコインで満した別のコイン収容器
に順次交換するシステムが提案されている。しか
るにこのシステムは、交換作業自体は単純である
ものの、コイン収容器がゲーム機数の倍必要であ
り、またコイン収容器に対する別の場所でのコイ
ン詰め作業が不可欠であるため、経済性、能率性
の上で必ずしも満足しうるものではない。

本考案は、このような従来装置の問題点を解決
すべくなされたもので、投入コインを滑落させる
コインレールの傾斜途中に滑落コインを受け入れ
て一定枚数のコインを貯留するコイン収容器を接
続し、コイン収容器下端にゲーム結果に応じた枚
数のコインを排出するコイン排出装置を設けると
共に、上記コインレールの傾斜上部に補給コイン
を収容し、その収容コインを上記コイン収容器よ
り上流のコインレール上に誘導樋を介して順次落
下供給することのできるコイン補給機構を設け
て、上記レール収容器の開口上縁には、コインレ
ールの下流側にあつてコインレール内に突出する
案内突起を設け、該案内突起によりコインレール
内を滑落するコインをコイン収容器内に確実に案
内して一定枚数のコインを貯留させると共に、該
一定枚数を越える余剰のコインは案内突起を越え
てコインレールの傾斜下端から溢れコインとして
排出するようにしたことを特徴とする。

以下図示実施例について本考案を説明する。図
示コインゲーム機はコイン式パチンコ機であつ
て、ガイドレール１に囲まれた遊技部２の中央部
にはマトリツクス３が設けられ、下部には多数の
ターゲツト４が配設されている。マトリツクス３
の縦横の各表示部３ａは例えば多数のターゲツト
４中の特定のターゲツトと対応しており、遊技者
が機内に封入された一定数の打球を弾発ハンドル
５によつて遊技部２内に弾発し、その結果あるタ
ーゲツト４に打球が入ると、そのターゲツトに対
応するマトリツクス３の表示部が点灯する。遊技
者は一定数の打球をターゲツト４の特定口や特定
入賞口６に入れることにより、マトリツクス３の
表示部が縦または横に連続点灯する、マトリツク
スの完成を目指して遊技するのである。マトリツ
クス判定回路７（第４図）は、このマトリツクス
の完成およびその難易に応じた得点を検出してこ
れを得点表示装置８に表示する。そして精算スイ
ツチ９を押すと、コイン排出装置が作動して得点
に応じた数の賞コインが受皿１０に排出される。

しかして上記ゲームは所定枚数（通常は１枚）
のコインをコイン投入口１１に投入し、この投入
コインがコインレール１２のコイン検出器１３を
押圧作動させたとき可能となる。１４は投入コイ
ンの適否を判定して適正コインをコインレール１
２に送り、非適正コインを返却口１５に戻すコイ
ンセレクタである。上記コインレール１２は、第
２図、第３図に示すように、コインを滑落させる
べく傾斜しており、その上端に上記コインセレク
タ１４のコイン出口が臨み、下端には着脱可能な
コインタンク１６が接続されている。また、その
中間部分には上端が開放した垂直な筒状のコイン
収容器１７が連通接続されており、該収容器１７
の下端にコイン排出装置１８が設けられている。
コイン排出装置１８は、マトリツクス判定回路７
からの得点信号を精算スイツチ９を押して得たと
き、その得点数だけソレノイド１９をON，OFF
させコイン収容器下部から得点数に見合う賞コイ
ンを排出し、これを排出口２０を介して受皿１０
に供給するものである。

このコイン収容器１７の開口上端には、コイン
レール１２の下流側端部にあつて該コインレール
１２に突出する案内突起２１が設けられ、コイン
レール１２内を滑落するコインを確実にコイン収
容器１７内に案内して一定枚数のコインを貯留す
るようにしている。そしてコイン収容器１７内が
一定枚数のコインで満たされているときに、コイ
ンレール１２内を滑落する余剰のコインは案内突
起２１を越えてさらに滑落し、コインレール１２
の傾斜下端から溢れコインとして排出され、こゝ
では溢れコインは溢れコイン検出器２２を作動さ
せた後、コインタンク１６内に落下収納される。
尚、コインタンク１６に換え、コインレール１２
の傾斜下端にコイン回収装置を接続し、該コイン
回収装置によりコインゲーム機の外部で集中して
回収するようにしてもよい。

本考案の特徴とするコイン補給機構２３は、コ
インレール１２の上部に位置するように、前面枠
２４（第２図参照）の裏板２５に取り付けられて
いる。この機構は裏板２５に対する取付板２６上
に、上面を開放した幅広の補給皿２７を設けると
ともに、この補給皿２７の下方に連通させてコイ
ンの積層筒２８を設け、この積層筒２８の下端に
コイン排出機構２９を装着して構成されており、
排出補給コインは誘導樋３０を介してコインレー
ル１２の上流端に導かれる。上記排出機構２９
は、積層筒２８の下端に横方向に摺動するスライ
ド操作板３１を配設し、このスライド操作板３１
を操作ノブ３２を利用して一度往復動させる毎に
一枚のコインが排出されるようにしたものであ
る。３３はスライド操作板３１の復帰ばねを示
す。なお誘導樋３０の下端はコイン収容器１７お
よびコイン検出器１３の上流においてコインレー
ル１２と連通している。なおこの誘導樋３０は蛇
腹状の伸縮性を有する材料から構成することも可
能であり、そうすればコイン補給機構２３の全体
を機枠３４側に設け、コインの投入排出機構を前
面枠２４の裏板２５に装着することができる。

さらに本実施例では、第５図に示すように、以
上に説明した構成要素中のマトリツクス判別回路
７、コイン検出器１３、および溢れコイン検出器
２２からの各信号を受けるカウンタ３５が設けら
れ、このカウンタ３５の出力がドライバ３６を介
して補給数表示器３７に表示されるようになつて
いる。すなわちマトリツクス判別回路７からの得
点信号はカウンタ３５に対する加算信号となり、
コイン検出器１３からのコイン投入信号は減算信
号となり、溢れコイン検出器２２からの溢れコイ
ン信号はカウンタ３５の記憶内容をキヤンセルす
る（零にする）リセツト信号となつて、次のよう
にコイン収容器１７を一杯にするに必要なコイン
数を補給表示器３７に表示する。

いま競技開始時にコイン収容器１７内が最大貯
留枚数のＮ枚のコインで満たされ、カウンタ３５
の記憶数、つまり補給数表示器３７の表示数が
「０」であるとしよう。ここに「０」は補給すべ
きコインがないこと、すなわち収容器１７内がコ
インで満たれていることを意味する。この状態で
コイン投入口１１から適正コインを投入すると、
コインレール１２を滑落するコインがコイン検出
器１３を作動させる。したがつてカウンタ３５に
は減算信号が与えられ、その記憶内容は「−１」
に変化する。ところで収容器１７はコインで一杯
であるため、コインはさらに落下し溢れコイン検
出器２２を作動させた後コインタンク１６内に入
る。したがつてカウンタ３５にはリセツト信号が
与えられ、記憶内容は再び「０」となる。このこ
とは、コイン収容器１７を一杯にした後のカウン
タ３５の帰零作業は原則として不要であることを
意味する。最初の投入コインは必ず溢れコイン検
出器２２を作動させ、カウンタ３５をリセツトす
るからである。

これに対し、遊技の結果マトリツクス３が完成
し、マトリツクス判別回路７がその得点を例えば
５点と判定したとする。ここで精算スイツチ９を
押すと、コイン排出装置１８が作動してコイン収
容器１７の下部から５枚の賞コインが排出され、
同時にカウンタ２３には「５」という加算信号が
与えられる。したがつて補給数表示器３７には
「５」という数字が表示される。そして次にコイ
ン投入口１１から再びコインを投入すると、コイ
ン検出器１３が減算信号を発し、表示補給数を
「４」とする。

以上の説明から明らかなように、補給数表示器
３７には、コイン収容器１７が一杯であるときは
常時「０」が表示され、これ以外の時は、賞コイ
ン排出数「Ａ」と投入コイン数「ａ」の差「Ａ−
ａ」、つまりコイン収容器１７を満すに必要なコ
イン数が表示される。

したがつて上記コイン式パチンコ機において、
コイン収容器１７に対するコイン補給作業を行な
うには、機枠３４の前面枠２４を開いて該前面枠
２４裏面の補給数表示器３７に表示されている数
字を確認し、その数字の回数だけコイン補給機構
２３のスライド操作板３１を往復動させればコイ
ン収容器１７を必ずコインで満たすことができる
ことになる。このとき誘導樋３０はコイン検出器
１３よりも上流に開口しているため補給コインは
必ずコイン検出器１３を作動させる。このためカ
ウンタ３５には減算信号が与えられ、コイン収容
器１７が一杯になれば表示補給数は自動的に
「０」になる。したがつてカウンタ３５の特別な
帰零作業は不要である。なおコイン補給機構２３
の積層筒２８内に補給コインがない場合には、手
持のコインまたはコインタンク１６内のコインを
補給皿２７に投入することは勿論である。またカ
ウンタ３５および補給数表示器３７を設けない場
合にあつては、コイン収容器１７内の貯留状況を
自視しながらスライド操作板３１を往復動させれ
ばよい。

なお収容器１７内にコインが１枚もなくなる
と、これをコイン不足検出器３８が検出して打止
表示装置３９を点灯させ、同時にコイン排出装置
１８の作動が不可能とする。このときの表示器３
７の表示数は「Ｎ」（最大貯留枚数）となる。ま
た上記実施例では、精算スイツチ９を押すことに
より、コイン排出装置１８を作動させるととも
に、得点信号をカウンタ３５に与えるようにした
が、マトリツクス判別回路７からの得点信号によ
り直接コイン排出装置を作動させ、かつその得点
信号を直ちにカウンタに与えてもよい。またコイ
ン補給装置２３の積層筒２８の形状、排出機構２
９の構造等は、コインの受け入れ貯留と、排出と
を円滑に行なうことができるものであればその構
成を問わない。コイン収容器１７側についても同
様である。

以上要するに本考案は、コイン収容器にコイン
を導くコインレールの上部に、補給コインをコイ
ン収容器より上流のコインレール上に順次落下さ
せるコイン補給機構を設けたものであるから、コ
イン収容器に対するコイン補給作業を容易化し、
作業能率を高めることができる。

又、コインレールの傾斜上部にコイン補給機構
を、誘導樋を介して接続しているので、投入コイ
ンと、コイン補給機構から誘導樋を介して補給さ
れる補給コインとがコインレール内を略等しい速
度で滑落し、コインレール内に突出する案内突起
に略同一条件で作用するため、コインレール内を
滑落するコインをコイン収容器内に確実に案内で
き、且つ一定枚数のコインを積層状に規則正しく
貯留できるばかりでなく、一定枚数を越える余剰
のコインも案内突起を越えてコインレールの傾斜
下端から溢れコインとしてスムースに排出するこ
とができる。

この様に、コイン補給機構から補給する補給コ
インを余分に補給したとしても、コイン収容器内
には常に一定枚数のコインを確実に貯留させてお
くことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すコイン式パチン
コ機の正面図、第２図は前面枠を開いて示す該前
面枠の背面図、第３図はコイン流路の近傍の詳細
を示す拡大図、第４図は第３図の−矢視図、
第５図はカウンタの信号授受系統を示すブロツク
図である。 １１……コイン投入口、１２……コインレー
ル、１７……コイン収容器、１８……コイン排出
装置、２１……案内突起、２３……コイン補給機
構、３０……誘導樋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コインの投入によりゲームを行ない、ゲーム結
   果に対応した枚数のコインを賞として排出するコ
   インゲーム機において、 上記コインゲーム機は、投入コインを滑落させ
   るコインレールの傾斜途中に滑落コインを受け入
   れて一定枚数のコインを貯留するコイン収容器を
   接続し、コイン収容器下端にゲーム結果に応じた
   枚数のコインを排出するコイン排出装置を設ける
   と共に、上記コインレールの傾斜上部に補給コイ
   ンを収容し、その収容コインを上記コイン収容器
   より上流のコインレール上に誘導樋を介して順次
   落下供給することのできるコイン補給機構を設け
   て、 上記コイン収容器の開口上縁には、コインレー
   ルの下流側にあつてコインレール内に突出する案
   内突起を設け、該案内突起によりコインレール内
   を滑落するコインをコイン収容器内に確実に案内
   して一定枚数のコインを貯留させると共に、該一
   定枚数を越える余剰のコインは案内突起を越えて
   コインレールの傾斜下端から溢れコインとして排
   出するようにしたことを特徴とするコインゲーム
   機。