JPH052224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、配給口から供給されるメダル等を受
取り、所定位置に吐き出すメダル等の排出装置に
関するものである。ここで、メダル等とは、スロ
ツトマシンであればメダル、コインをさし、パチ
ンコ機であれば貨幣をさし、その他各種ゲーム機
で用いる遊技媒体を示している。

「従来の技術」 従来のメダル等の排出装置としては、例えば、
第４図に示すようなものがある。

すなわち、排出装置１のメダルホツパ２は略Ｕ
字状断面に形成され、その幅は、メダル等（以
下、「メダル」という。）の直径より若干広く設定
され、メダルを確実に払出機構３の円筒整列路４
の入口５に誘導するものである。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、上記従来のメダル等の排出装置
１では、メダルホツパ２はメダル等の直径より若
干広い一定の幅で形成されており、大量のメダル
を一度に受入れることができず、また、メダルホ
ツパ２の幅を広くして、円筒整列路４の入口５に
向つて徐々に狭くした場合には、入口５近傍でメ
ダルがブリツジ現象を起して、詰まる虞れがあ
り、メダルの大量処理を目的とした自動集配シス
テムに用いるには不適当であり、また、大量のメ
ダルを処理する場合には、大型専用ホツパを必要
とするので、ゲーム機の内部機構が大きく、か
つ、複雑になり、コスト低減の妨げになるという
問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、自動集配システムに適し、ま
た、大型専用ホツパを必要とせず、ゲーム機のコ
スト低減に寄与するメダル等の排出装置を提供す
ることを目的としている。

「問題点を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 配給口から供給されるメダル等を受取り、所定
位置に吐き出すものであつて、メダル払出機構
と、該メダル払出機構に接続して立設された円筒
整列路とを有してなるメダル排出装置において、 前記円筒整列路の入口にメダル受部とメダルホ
ツパとを設け、 該メダルホツパの少なくとも先端部を上方に開
いたＶ字状断面に形成し、 該メダルホツパの先端部を低くして、メダルホ
ツパ全体を傾斜して配設するとともにメダルホツ
パの先端部の排出口を前記円筒整列路の入口を臨
んで配設したことを特徴とするメダル等の排出装
置に存する。

「作用」 しかして、メダルホツパの先端部以外の部位に
おいて一時的に溜められた所定量のメダルは、そ
れぞれ別々に、あるいは数枚が重なり合つて、先
端部のＶ字状断面の傾斜面を滑り落ち、それぞれ
のメダルが相互にこすれ合い、あるいは傾斜面と
の接触により、移動速度に差が生じ、先行する順
番でＶ字状断面の中央溝に移動し、排出口より落
下して、円筒整列路の入口に導かれるものであ
る。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図および第２図は本考案の実施例を示して
いる。

第２図に示すように、ゲーム機たるスロツトマ
シン１０が遊技場に並べて連設してあり、スロツ
トマシン１０に配給用コンベア２０および収集用
コンベア３０で接続された貯蔵部５０がスロツト
マシン１０の列の脇に設置され、スロツトマシン
１０の傍あるいは２台のスロツトマシン１０の間
に薄型の貸出機４０が設置され、スロツトマシン
１０の裏側にはこれらに対応してメダル排出装置
７０が配設されている。スロツトマシン１０では
貨幣用のメダルが遊技のとき用いられている。

配給用コンベア２０には各スロツトマシン１
０、貸出機４０に応じて分配器２１が要所に設け
られており、分配器２１の下部には、貸出機４０
およびスロツトマシン１０のメダル排出装置７０
にメダルを供給する配給管２２が取付けられ、配
給管２２の配給口２３はメダル排出装置７０を臨
んで設けられている。

メダル排出装置７０はスロツトマシン１０のゲ
ーム経過に応じてメダル枚数をスロツトマシン１
０の所定位置に払出すためのものである。

第１図および第２図に示すように、メダル排出
装置７０はスロツトマシン１０の所定位置にメダ
ルを吐出するメダル払出機構７１と、メダル払出
機構７１に接続して立設された円筒整列路７２と
を有してなり、円筒整列路７２の入口７３にメダ
ル受部７４とメダルホツパ７５とが設けられてい
る。

メダル払出機構７１の後部にはメダルを払出す
駆動モータ７１ａが配設されている。また、メダ
ル払出機構７１の前部には円筒整列路７２の基端
部が接続され、円筒整列路７２にはメダル不足を
しらせるセンサ（図示省略）が設けられている。
さらに、メダル払出機構７１の前端部にはメダル
吐出口７１ｂが設けられている。

円筒整列路７２の入口７３から連続して外側に
広がるようにメダル受部７４が設けられている。
メダル受部７４の外周部にはメダルの流れと平行
にメダル流出防止フランジ７４ａ，７４ａが立設
されており、また、メダル受部７４の外周部の一
部はフランジを立設せずに開放され、メダル流出
部７４ｂをなしている。

また、メダルホツパ７５は上方に開いたＶ字状
の一定の断面に形成されている。メダルホツパ７
５の先端部７５ａの排出口７６は円筒整列路７２
の入口７３を臨んで配設され、メダルホツパ７５
の先端部７５ａを低くして、メダルホツパ７５全
体は傾斜して配設されている。Ｖ字状の傾斜フラ
ンジ７５ｄは、メダルホツパ７５の基端部７５ｃ
において大量のメダルを一時的に溜め得るよう
に、所定の高さに設定されている。また、メダル
ホツパ７５の基端部７５ｃにはメダル受止めフラ
ンジ７５ｅが形成されている。

さらに、メダル受部７４には一対の補助誘導片
７７，７７が配設されている。補助誘導片７７の
一端は円筒整列路７２の入口７３を臨んで配設さ
れ、他端はメダルホツパ７５の先端部７５ａの排
出口７６まで延設されている。また、補助誘導片
７７，７７は上方へいくにつれて互いに離間する
ように取付けられている。

さらに、メダル払出機構７１のメダル吐出口７
１ｂとスロツトマシン１０の所定位置とは払出流
路（図示省略）にて接続されている。払出流路は
メダルが自重により滑り落ち得るように傾斜して
設けられている。

また、メダル受部７４のメダル流出部７４ｂか
ら流出したメダルを受止め、溜めておくためのオ
バーフローメダル入れ８０がメダル払出機構７１
の近傍に配設されている。

配給用コンベア２０の端末には配給用コンベア
２０用の駆動モータ２４が設けられ、さらに、配
給用コンベア２０の端末は循環路２５を介して収
集用コンベア３０の端末に接続されている。

収集用コンベア３０の貯蔵部５０側の端部には
駆動用モータ３１が設けられている。

貯蔵部５０はここでは玉貸機をなしており、メ
ダルを多量（１日に使用するメダルの量より相当
多く）に貯蔵するタンク５１を底部に設置し、貯
蔵するタンク５１には収集用コンベア３０の端部
が接続されている。メダルを汲み上げて上昇させ
るリフタ５２が貯蔵するタンク５１から立設さ
れ、貯蔵するタンク５１内にはバケツトコンベア
が設置され、このバケツトコンベアを駆動するモ
ータ５３がリフタ５２の頂部に設けられるととも
に、上端に吐出口５４が開設されている。

吐出口５４からは下方に傾斜した案内流路５５
が延ばされ、その中間部に落し穴５６を設けると
ともにその先端は貯蔵部５０のハウジングに固定
された切換機構５７に接続されている。切換機構
５７には配給用コンベア２０の始端と貯蔵するタ
ンク５１への戻し流路５８とが接続され、切換機
構５７は両者のいずれかへメダルの流れを切換え
るものである。

案内流路５５の落し穴５６からはメダルを貯蔵
可能な整列流路５９が垂下され、整列流路５９の
下端に、メダルが排出される排出機構６０が接続
されている。なお、案内流路５５に前記したメダ
ル排出装置７０をそのまま使用してもよい。

排出機構６０は駆動モータ６１を備え、排出口
はメダルの貸出口６２をなしている。

貯蔵部５０には、100円貨幣受入口６３，500円
貨幣受入口６４，1000円紙幣受入口６５が設けら
れており、駆動モータ６１は各受入口から投入さ
れた通貨の額に応じて作動し所定数のメダルを排
出するものである。

次に作用を説明する。

円筒整列路７２においてメダルが不足すると、
円筒整列路７２のセンサが不足信号を検知し、制
御部（図示省略）に送信し、制御部は供給信号を
分配器２１に送信し、それにより、分配器２１が
開き貯蔵部５０からメダルが補給される。このと
き補給されるメダルの枚数は不足枚数より若干多
く設定されている。

補給メダルは配給管２２を介してメダルホツパ
７５に一度に、あるいは、連続して供給され、メ
ダルホツパ７５の基端部７５ｃに一時的に溜ま
る。このとき、傾斜フランジ７５ｄおよびメダル
受止めフランジ７５ｅにより、補給メダルはメダ
ルホツパ７５から外へ流出することはない。

次に、メダルはそれぞれ自重により、メダルホ
ツパ７５の傾斜フランジ７５ｄを滑り落ちるとと
もに、メダルホツパ７５全体の傾斜角により、基
端部７５ｃから中央部７５ｂに向つて滑り落ち
る。中央部７５ｂを通過するときのメダルは他の
メダルと重なり合つている。また、重なり合つた
メダルはそれぞれ中央溝７５ｆを回転しながら移
動している。

次に、メダルは中央部７５ｂから先端部７５ａ
に向つて移動する。この間において、メダルは相
互の摩擦あるいは傾斜フランジ７５ｄによる摩擦
等により、移動速度に違いが生じ、先行する順番
が決定されるが、摩擦等により、移動不能となる
ことはない。

次に、メダルはメダルホツパ７５の先端部７５
ａに到達し、排出口７６から落下する。

排出口７６から落ちる直前のメダルは、一方の
傾斜フランジ７５ｄにメダルの表裏どちらか一方
の面を接触させるとともに、中央溝７５ｆを回転
しながら移動する。

落下するメダルは、中央溝７５ｆに沿つて落下
するので、どちらかの傾斜フランジ７５ｄの傾き
を保つた状態で、傾いたメダルの下部を先にし
て、円筒整列路７２の入口７３の中心部に、ま
た、メダルの上部を入口７３の外周部に当接しな
がら入口７３に落込む。それにより、メダルの大
部分は直接入口７３から円筒整列路７２に落込
み、それ以外の一部は補助誘導片７７に当接し、
姿勢を矯正して、入口７３から円筒整列路７２に
落込む。円筒整列路７２はメダルを水平状態に、
かつ、上下に揃えて整列する。それにより、円筒
整列路７２のメダルが十分に補充される。メダル
排出装置７０はこの状態で予定されるメダルの排
出に備えている。

残りのメダルはメダル受部７４のメダル流出部
７４ｂからオーバーフローメダル入れ８０に落ち
る。オーバーフローメダル入れ８０に溜められた
メダルは定期的に回収され、貯蔵部５０のタンク
５１に戻される。

第３図は他の実施例を示しており、前記実施例
においては、メダル排出装置７０を単独で用いた
ものを示したが、他の一または二以上のメダル排
出装置７０を連設し、メダル受部７４のメダル流
出部７４ｂから流出したメダルをオーバーフロー
メダル入れ８０に落とさずに、別のメダル排出装
置７０のメダルホツパ７５に落とすようにしたも
のである。その際には、別のメダル排出部７０の
メダル払出機構７１のメダル吐出口７１ｂと貸出
機４０の払出口４１とを連結して、貸出機４０に
投入された金額に応じたメダル枚数を貸出機４０
の払出口４１に払出すことができる。

また、メダル受部７４のメダル流出部７４ｂか
ら流出したメダルをオーバーフローメダル入れ８
０に落とさずに、収集用コンベア３０に返還して
もよい。

さらに、メダルホツパ７５は、全体を一定のＶ
字状断面に形成したものを示したが、基端部およ
び中間部についてはメダルの供給される量等を考
慮して、適宜な形状に設定したものであつてもよ
いことはいうまでもない。

「考案の効果」 本考案に係るゲーム等の排出装置によれば、自
動集配システムに適し、また、ゲーム機のコスト
低減に寄与するメダル等の排出装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示し
ており、第１図はメダル排出装置の全体斜視図、
第２図は、メダル排出装置を用いた自動集配シス
テムの全体斜視図、第３図は、連設した場合のメ
ダル排出装置の全体斜視図である。第４図は、従
来のメダル等の排出装置を示した全体斜視図であ
る。 １０……スロツトマシン、２０……配給用コン
ベア、２１……分配器、２３……配給口、３０…
…収集用コンベア、４０……貸出機、５０……貯
蔵部、６０……排出機構、７０……メダル排出装
置、７１……メダル払出機構、７２……円筒整列
路、７３……入口、７４……メダル受部、７５…
…メダルホツパ、７５ａ……先端部、７６……排
出口、８０……オバーフローメダル入れ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 配給口から供給されるメダル等を受取り、所定
   位置に吐き出すものであつて、メダル払出機構
   と、該メダル払出機構に接続して立設された円筒
   整列路とを有してなるメダル排出装置において、 前記円筒整列路の入口にメダル受部とメダルホ
   ツパとを設け、 該メダルホツパの少なくとも先端部を上方に開
   いたＶ字状断面に形成し、 該メダルホツパの先端部を低くして、メダルホ
   ツパ全体を傾斜して配設するとともにメダルホツ
   パの先端部の排出口を前記円筒整列路の入口を臨
   んで配設したことを特徴とするメダル等の排出装
   置。