JP3973711B2 - 遊技機島 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、島内に立設した研磨揚送装置により島下段から島上段へ揚送されたパチンコ球を島中段に列設された各遊技機にそれぞれ補給するよう構成した遊技機島に関する。ここで遊技機とはパチンコ球を遊技媒体とする各種遊技機であり、主にパチンコ機を指す。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機島では、各パチンコ機から排出されたり、島途中に立設された研磨揚送装置の上端側からオーバーフローしたパチンコ球は、島下段内の貯留タンクに集められて貯留され、ほぼ常時駆動している研磨揚送装置により絶えず島上段側へと揚送されていた。
【0003】
島上段には研磨揚送装置で揚送された研磨済の球を一旦受入れて貯留する上部タンクが配設されており、この上部タンクから左右に延びるように島長手方向に斜設された給配樋上を球は流下して各パチンコ機へ補給されていた。給配樋は上部タンク内の球を順次流下させるだけの樋であり、球が積み重ならず単に一層に広がる状態で流下すべく底浅に形成されていた。
【0004】
上部タンクと違って給配樋自体には球を貯留する機能はなく、かかる給配樋上にはパチンコ機へ補給する球が常に流れているように、前記上部タンク内には常時駆動される研磨揚送装置により絶えず球が供給されていた。給配樋上を流下した余分な球はオーバーフローして島下段内へ落下し、再び研磨揚送装置により島上段へと揚送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の遊技機島では、球を貯留する機能のない底浅の給配樋に絶えず球を流下させるために、研磨揚送装置をほぼ常時駆動させておく必要があり、遊技店の営業上のコストアップの要因になるという問題点があった。
【0006】
また、給配樋は島全長に亘るよう配設されるにも拘らず、球を余分に貯留できないので、例えば同じパチンコ機列中で数台のパチンコ機が同時期にフィーバーとなり、賞球の排出が短時間に集中したような場合には、各パチンコ機への球の供給が間に合わなくなるおそれがあった。
【0007】
更に、島内総てのパチンコ機へ供給するパチンコ球を上部タンクで一括集中して貯留するために、時として上部タンク内で給配樋になかなか導かれないような球がいわゆる死球となって長時間残留し、かかる死球が錆付いたり腐食したりするというおそれもあった。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術の有する問題点に着目してなされたもので、研磨揚送装置を常時駆動させなくてもよくその分のコスト低減が可能であり、また同時期に複数のパチンコ機がフィーバーとなっても球を迅速かつ安定して供給することができ、また島上段における球循環経路の一部のみに球が集中するのを防ぐことで球が錆びたり腐食するのを防止することができる遊技機島を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の項に存する。
【0010】
1 島内に立設した研磨揚送装置(50)により島下段(10C)から島上段(10A)へ揚送されたパチンコ球を島中段(10B)に列設された各遊技機(11)にそれぞれ補給するよう構成した遊技機島(10)において、
前記島上段(10A)でパチンコ球を多重に積層させた状態で貯留可能な深さに形成されたタンク様給配樋(80)を備え、該タンク様給配樋(80)を、前記研磨揚送装置(50)の上端側から供給されたパチンコ球をパチンコ機列上に沿って貯留しつつ、島端側まで流下させるように傾斜させて配設し、
前記タンク様給配樋(80)の少くとも上流部(前記研磨揚送装置(50)側)と下流部にパチンコ球の貯流量を検知して信号を出力する球検知手段(83)を設け、該球検知手段(83)の配置は、上流部では低い位置に、略中間部は中間位置、下流部は高い位置に取付けられ、それぞれの取り付け位置関係は略水平であって、
前記球検知手段(83)からの信号に応じて、タンク様給配樋(80)内の要所におけるパチンコ球が所定量より多い時は前記研磨揚送装置(50)の駆動を停止させる一方、パチンコ球が所定量より減少したら研磨揚送装置(50)を駆動させるように制御すべく構成したことを特徴とする遊技機島(10)。
【0012】
次に前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前項記載の遊技機島(10)によれば、研磨揚送装置(50)により研磨されつつ島上段(10A)へ揚送されたパチンコ球は、直接タンク様給配樋(80)内に導入される。タンク様給配樋(80)は底深であり、導入された球は多重に積層するような状態でそのまま貯留される。タンク様給配樋(80)内に貯留された球は、樋(80)の傾斜によりパチンコ機列上に沿って緩やかに島端側まで流下しつつ、真下に並ぶ各パチンコ機(11)へ適宜供給される。
【0013】
このようなタンク様給配樋(80)によれば、多量のパチンコ球を貯留しつつ、各パチンコ機(11)へ球を常に迅速かつ安定して供給することができる。また、従来の遊技機島の如く島上段の上部タンクのような球循環経路の一か所に球が集中的に貯留されるようなことがなく、球が長時間残留してしまうようなこともない。
【0015】
しかも、タンク様給配樋(80)内の要所に設けられた球検知手段(83)からの信号に応じて、タンク様給配樋(80)内のパチンコ球が所定量より多い時は、研磨揚送装置(50)の駆動が停止されるので、タンク様給配樋(80)内に過度にパチンコ球が供給されることがない。
一方、タンク様給配樋(80)内の要所におけるパチンコ球が所定量より減少したら研磨揚送装置(50)が駆動されるので、タンク様給配樋(80)内に新たにパチンコ球が供給される。それにより、従来の遊技機島(10)の如く研磨揚送装置(50)をほぼ常時駆動し続ける必要はなく、常にタンク様給配樋(80)内では適切なパチンコ球の保有量が保たれる。
【0016】
更に、タンク様給配樋に配置された球検知手段は、傾斜させたタンク様給配樋に対して略水平に取付けられているので、タンク様給配樋内の球を各パチンコ機へ球を常に迅速かつ安定して供給することができるとともに、上流部の貯留球が少く、下流部の球が多く貯留されるので、重心が低くなり、島の立設状態が極めて安定する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する一の実施の形態を説明する。
図1〜図6は本発明の一の実施の形態を示している。
本実施形態に係る遊技機島10は、パチンコ機11の各種関連設備がそれぞれ収納される上段ユニット(島上段)10Aと下段ユニット(島下段)10Cの間に、各パチンコ機11が列をなす中段ユニット(島中段)10Bを配置して構成されている。
【0018】
図1に示すようにパチンコ機列の中央には、下段ユニット10Cに内設された貯留タンク23内の球を上段ユニット10A側へと研磨しながら揚送する研磨揚送装置50が立設されている。この研磨揚送装置50は、図5に示すように互いに対接しながら上下に延びるように張設された一対の研磨ベルト51A,51Bを具備して成る。一方の研磨ベルト51Aは複数のプーリー52の他に駆動プーリー52aに掛け渡されて張設されており、駆動モーター52bにより回転駆動するものである。他方の研磨ベルト51Bも複数のプーリー53に掛け渡されて所定形状に上下に延びるよう張設されている。
【0019】
一対の研磨ベルト51A,51Bの下端間にある取込口55は、下部タンク65の底部付近に配されている。すなわち、下部タンク65内に貯留された球は、研磨揚送装置50の取込口55より取込まれ、各研磨ベルト51A,51B間に挾持されて研磨されつつ上方へ揚送され、上端にある排出口56から排出されるように構成されている。また、研磨揚送装置50の傍らの前後のパチンコ機列中央には、景品球計数機60が介装されている。景品球計数機60は遊技客が投入した景品球を内部の計数機やコンピューターで計数し、その結果を表示部に目視可能に表示したり、計数された球数を印刷したレシート、或はリサイクルカードを払い出す機器である。
【0020】
図2に示すように上段ユニット10Aは、島長手方向に延びる略水平な支持基板71と、該支持基板71上に所定間隔おきに島長手方向と略直交するよう垂設される複数の仕切板72と、各仕切板72間を連結するよう架設される複数のパイプ部材73とを主要骨組として、その周囲に上面板74や内側壁75、それに外壁をなす幕板76を組付けて構成されている。各パイプ部材73には、それぞれ長手方向に延びるスリットが形成され、該スリットよりパイプ部材73内に遊技関連設備の各種信号線が束ねられるように収納されている。
【0021】
図1及び図2に示すように上段ユニット10A内には、前記研磨揚送装置50の排出口56から排出された研磨済の球を各パチンコ機11に供給するためのタンク様給配樋80が配設されている。タンク様給配樋80は長手方向に延びる底板81の両端縁に、該底板81と同程度の幅の側板82,82を垂立させて成り、パチンコ球が多重に積層する状態で貯留される深さに形成されている。このタンク様給配樋80は、前記研磨揚送装置50の上端にある排出口56から供給された球をパチンコ機列上に沿って島長手方向に亘って貯留しつつ、島端側まで流下させるように傾設されている。
【0022】
タンク様給配樋80は研磨揚送装置50の上端を間にして、それぞれ遊技機島10の両側で左右対称になるように延びている。図2に示すように仕切板72には、タンク様給配樋80が挿通できる中空部72aが形成されており、中空部72aの両脇には、この中空部72a内に挿通させたタンク様給配樋80の途中部位を所望の高さ位置に支持するための樋支持部材72bが架設されている。
【0023】
タンク様給配樋80の上流端はそのまま研磨揚送装置50の排出口56側に連通接続されている。また、タンク様給配樋80内の要所にはパチンコ球の貯留量を検知して信号を出力する球検知手段83が設けられている。球検知手段83は具体的には、樋80の上流側の低い位置、略中間部の中間位置、それに下流側の高い位置にそれぞれ取付けられた近接センサ83A,83B,83Cから成る。各近接センサ83A〜83Cは、その取付位置までパチンコ球が溜るとONとなり、例えばON状態が2秒以上続くと後述する制御手段70に信号を出力するように設定されている。
【0024】
また、タンク様給配樋80には、各パチンコ機11に対応した球の供給部材である配給シュート86が所定間隔おきに取付けられている。各配給シュート86は伸縮自在な連通管87を介してパチンコ機11の背面側上部に設けられた賞球タンク11bに接続されている。タンク様給配樋80の下流端は落下経路88を介して貯留タンク23に連通するが、このタンク様給配樋80の下流端には、開閉可能で開いた際に球を落下させるシャッター85が設けられている。シャッター85は、図3及び図4に示すように、樋80の下流端に固設される保持ブラケット85aにより上下方向に摺動(開閉)可能に保持されている。
【0025】
シャッター85の下側には遊び溝85bが穿設され、この遊び溝85bには、ロータリーソレノイド85cの回転板85dの偏心部に突設されたピン部85eが挿通している。更にピン部85eは、保持ブラケット85aに穿設された上下方向に円弧状に延びるガイド溝85fにも移動可能に挿通している。なお、駆動手段はロータリーソレノイド85cに限られるものではなく、例えば、単なるソレノイドやモーター等であってもよい。
【0026】
また、上段ユニット10A内には、前記タンク様給配樋80の他、貨幣識別装置77や貨幣搬送装置78等の関連設備も組付けられている。貨幣識別装置77は、紙幣や硬貨の投入口79(図1参照)に投入された紙幣や硬貨を磁気・光方式で特定する各種センサの他、CPU,RAM,ROM等を含むマイクロコンピューターを備えている。貨幣搬送装置78は、前記貨幣識別装置77から排出された紙幣や硬貨を搬送するために、島長手方向に延びるように張設されるコンベヤベルトを具備して成る。
【0027】
図6に示すように、前述した各近接センサ83A〜83Cやシャッター85(正確にはロータリーソレノイド85c)は、それぞれ信号線により制御手段70に接続されている。制御手段70は各近接センサ83A〜83Cからの信号に応じて、タンク様給配樋80内の要所における球が所定量より多い時、すなわち例えば各近接センサ83A〜83Cが総てONの時に研磨揚送装置50の駆動を停止させる一方、パチンコ球が所定量より減少した時、すなわち例えば各近接センサ83A〜83Cの何れかがOFFとなった時に研磨揚送装置50を駆動させるように制御するための手段である。
【0028】
制御手段70は遊技機島10におけるパチンコ球の補給・回収を集中的に管理するものであり、具体的にはインターフェース、CPU、RAM、ROM等により構成されたマイクロコンピューターから成る。本実施形態に係る制御手段70は、少なくとも各近接センサ83A〜83Cからの信号に基づき研磨揚送装置50の駆動を制御するようにプログラムされているが、更に例えば、各近接センサ83A〜83Cが総てONの時にシャッター85を一時的に開いてタンク様給配樋80内の余分な球を下方へ落下されるように制御すべく設定してもよい。
【0029】
図1及び図2に示すように、島全体の土台となる下段ユニット10Cは、フロア上に立設される前後の腰部支持板21,21と、各腰部支持板21の上端に略水平に設けられてパチンコ機11が設置される前後の天板22,22とを具備して成る。かかる下段ユニット10Cは合成樹脂等により一体成形されている。下段ユニット10Cには、島中央部に立設された前記研磨揚送装置50を間にして左右対称に島長手方向にそれぞれ延びる貯留タンク23,23が内設されている。
【0030】
貯留タンク23は、その一端側(島中央側)に向い下方へ傾斜する底面部24と、前壁25、後壁26、それに両側壁27,27とから箱状枠形に形成され、略水平な上面側は大きく開口し、各パチンコ機11から排出された球を受入れられるようになっている。貯留タンク23内の球が自然に流下する一端側の前壁25下端には、前述した研磨揚送装置50側の下部タンク65に連通接続する球流出口25aが開設されている。
【0031】
球流出口25aには開閉可能な貯留タンク用シャッター40が設けられている。貯留タンク用シャッター40の具体的構成は、図3及び図4に示した前記シャッター85と同一であり、閉じた際に貯留タンク23内の球が研磨揚送装置50側に流入するのを阻止する役割を果たすものである。貯留タンク23の底面部24は、前述したように一端側に向い下方へ傾斜するように支持脚24aで支持されている。なお、貯留タンク23の具体的構成は、図示した複数に分割されたタンクブロックを長手方向に連結したものに限らず、始めから所定の大きさの一つのタンクとして一体成形してもよい。更に、貯留タンク23の側壁27と腰部支持板21とを予め一体的に形成してもよい。
【0032】
図2に示すように中段ユニット10Bは、天板22上に立設され支持基板71を下から支える中段支持体16と、中段支持体16を間にして背中合わせに前後二列に配設される複数のパチンコ機11とから構成されている。中段支持体16は所定間隔おきに複数並ぶように立設されており、各中段支持体16は、それらの間に架設されたパイプ部材17によって互いに連結されている。また中段支持体16には、各パチンコ機11を島奥行方向に動力で移動させる駆動ユニット18が組込まれている。駆動ユニット18は上下2機で1組となっており、それぞれパルスモーターと、その回転により島奥行方向に移動してパチンコ機11の背面側を押引きするスクリュー部材から成る。
【0033】
パチンコ機11は、ハンドルの回転操作によってパチンコ球を盤面上に打ち出し、打球の入賞を競い楽しむものである。また、各パチンコ機11間には球貸機11Aが介装されている。この球貸機11Aは、前述した貨幣識別装置77からの信号を受けた際に、相当数の球を計数しつつ払い出す関連機器である。
【0034】
中段支持体16を間にした前後の天板22,22上には、各パチンコ機11の下端が所定範囲で前後左右に移動可能に支持される載置レール12が設けられている。載置レール12の奥側にはパチンコ機11下端が島長手方向に移動可能に嵌合する突起12aが突設されており、載置レール12の手前側は球箱台となっている。また、前述した上段ユニット10Aの支持基板71には、各パチンコ機11の上端に突設した被嵌合レール11aが前後方向に回動可能かつ島長手方向にも移動可能に内嵌する吊下レール14が設けられている。
【0035】
吊下レール14は略C字形断面であり図2の紙面に垂直に延びており、かかる吊下レール14は、支持基板71に島奥行方向にスライド可能に装着された上方ブラケット13に対して、高さ位置を調整できるようねじ軸を介して吊下げられている。更に上方ブラケット13には、上下に進退可能なねじ状の角度調整部材15が螺合している。この角度調整部材15は、各パチンコ機11上端の前端縁側を適度に押圧することにより、前記被嵌合レール11aを回動中心とした各パチンコ機11の微妙な傾き角度を調整するための部材である。
【0036】
載置レール12の下面にはスプリング付きベアリング(図示せず)が取付けられており、かかる載置レール12は、天板22上を島長手方向及び島奥行方向に移動できるようになっている。また、スプリングの弾性変形により、載置レール12上のパチンコ機11下端は、その傾斜角度に応じて略水平面に対して適宜変位できるように設定されている。なお、前記上段ユニット10Aの荷重は、中段支持体16のみならず前後二列に配設された各パチンコ機11でも受けるように構成されている。
【0037】
次に作用を説明する。
各パチンコ機11から排出されたり、タンク様給配樋80からオーバーフローした球は、島下段10Cに内設された貯留タンク23に一旦集められて貯留される。この貯留タンク23内の球は、タンク一端側にある貯留タンク用シャッター40の開閉に基づき研磨揚送装置50側の下部タンク65へと受け渡される。
【0038】
下部タンク65内の球は、必要に応じて図5に示す研磨揚送装置50の取込口55から取込まれ、一対の研磨ベルト51A,51B間に挾持されて研磨されつつ上段ユニット10Aへ揚送される。図1に示すように、研磨揚送装置50の上端両側の排出口56から吐出された球は、そのまま島中央より左右に延びる各タンク様給配樋80へと受け渡される。
【0039】
図1及び図2に示すようにタンク様給配樋80は底深であり、導入された球は多重に積層するような状態でそのまま貯留される。タンク様給配樋80内に貯留された球は、かかる樋80の傾斜によりパチンコ機列上に沿って緩やかに島端側まで流下しつつ、真下に並ぶ各パチンコ機11へ配給シュートや連通管87を介して適宜供給される。
【0040】
このようなタンク様給配樋80によれば、多量のパチンコ球を貯留しつつ、各パチンコ機11へ球を常に迅速かつ安定して供給することができる。また、従来の遊技機島の如く島上段の上部タンクのような球循環経路の一か所に球が集中的に貯留されるようなことがなく、球が長時間残留してしまうようなこともない。タンク様給配樋80の上流側、中間部及び下流側にそれぞれ貯留されている球が所定量より多い、すなわち各箇所にある近接センサ83A〜83Cの高さ位置まで溜ると、各近接センサ83A〜83Cは継続してONとなり図6に示す制御手段70に信号を出力する。
【0041】
この時、制御手段70は研磨揚送装置50に駆動停止信号を出力し、研磨揚送装置50の駆動を停止させる。それにより、タンク様給配樋80内に過度にパチンコ球が供給されることがなく、また、研磨揚送装置50を一時的に停止させることで、従来の遊技機島の如く研磨揚送装置50を常時駆動させなくてもよく、その分のコスト低減が可能となる。
【0042】
研磨揚送装置50が停止している状態で、仮に一つのパチンコ機列中で数台のパチンコ機11が同時期にフィーバーとなり、賞球の排出が短時間に集中したとしても、タンク様給配樋80内には多量の球が貯留されているので、各パチンコ機11へ球を常に迅速かつ安定して供給することができる。例えば、タンク様給配樋80の上流側の丁度下側に位置する数台のパチンコ機11が同時期にフィーバーとなれば、タンク様給配樋80の上流側に貯留されていた球が所定量より減少し、当該位置にある近接センサ83AはOFFとなる。
【0043】
このようにタンク様給配樋80内に貯留されていた球が局所的に所定量より減少し、少なくとも何れか一つの近接センサ83A〜83CがOFFとなったら、この信号に基づいた制御手段70からの指令によって、研磨揚送装置50は駆動されてタンク様給配樋80内に新たに研磨済の球が供給される。以上のように、タンク様給配樋80内に貯留される球が所定量より減少した際に研磨揚送装置50が駆動するよう制御されるので、常にタンク様給配樋80内では適切なパチンコ球の貯留量が保たれる。
【0044】
また、制御手段70からの指令により、各近接センサ83A〜83Cが総てONの時に、タンク様給配樋80の下流端にあるシャッター85を一時的に開いてタンク様給配樋80内の余分な球を下方へ落下されるように制御すれば、タンク様給配樋80内に過剰に球が滞留することがなく、いわゆる死球となるのを防ぐことができる。また、営業時間終了後に前記シャッター85を開いてタンク様給配樋80内の球を総て抜けば球が湿気をおびるのを防止することもできる。
【0045】
更にまた、本実施形態に係る遊技機島10によれば、図2に示すように、上段ユニット10Aと下段ユニット10Cとの間に中段ユニット10Bを配置して成り、上段ユニット10A及び下段ユニット10Cは、それぞれ独立の構造体として別々に工場等で規格化して量産することができる。
【0046】
特に上段ユニット10Aでは、各仕切板72の略中央を切り欠いてタンク様給配樋80が上下に移動可能に挿通する中空部72aを形成し、各仕切板72にタンク様給配樋80を所望の高さに支持する樋支持部材72bを設けたから、上段ユニット10A内にタンク様給配樋80を長手方向に延びるように容易に配設でき、また樋支持部材72bによってタンク様給配樋80の傾斜角度を容易に適宜調整することが可能となる。
【0047】
中段ユニット10Bは、後付けするパチンコ機11を含むため予め総て一体化される構成ではないが、天板22上に立設され支持基板71を下から支える複数の中段支持体16,16…により、下段ユニット10Cと上段ユニット10Aとの間に極めて簡易に、前後二列に並ぶ各パチンコ機11の取付けスペースを確保することができる。
【0048】
各中段支持体16は、あくまで背中合わせに並ぶ前後のパチンコ機11列間に配されるので、たとえ各パチンコ機11の横幅や背面側の出っ張り具合等が多少異なっても、従来のフレーム材から成る定形的な枠組の如く、枠組自体がパチンコ機11の組付け作業に支障を来すおそれはなく、必要な作業スペースも十分確保できる。
【0049】
更に、パチンコ機11上端の被嵌合レール11aは、吊下レール14に嵌合した状態でレール長手方向に移動可能であり、パチンコ機11下端も載置レール12上を島長手方向に移動させることができる。しかも、上方ブラケット13は、上段ユニット10Aの支持基板71に対して島奥行方向に一定範囲でスライド可能であり、載置レール12は天板22上を島奥行方向に移動できる。
【0050】
なお、本発明に係る遊技機島の具体的構成は、図示した実施の形態に限定されるものではない。例えば、球検知手段は近接センサに限定されるものではなく、球の接近を検知する磁気センサ等により構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明に係る遊技機島によれば、島上段にて各パチンコ機へ球を供給するタンク様給配樋は底深で球を多重に積層させた状態で貯留できるので、同じパチンコ機列中で数台のパチンコ機が同時期にフィーバーとなり、賞球の排出が短時間に集中しても、タンク様給配樋に配置された球検知手段は、傾斜させたタンク様給配樋に対して略水平に取付けられているので、タンク様給配樋内の球を各パチンコ機へ球を常に迅速かつ安定して供給することができる。また、従来の遊技機島の如く島上段の上部タンクのような球循環経路の一か所に球が集中するのを防ぐことで、球が長時間滞留して錆びたり腐食するのを防止することができる。
更に、前記したごとく、球検知手段を略水平に取付けているので、上流部の貯留球が少く、下流部の球が多く貯留されるので、重心が低くなり、島の立設状態が極めて安定する。
【0053】
また、タンク様給配樋内の要所における球貯留量に応じて研磨揚送装置の駆動を制御した場合には、研磨揚送装置からタンク様給配樋内に過度に球が供給されることがないと共に、従来の遊技機島の如く研磨揚送装置を常時駆動させなくてもよく、その分コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態に係る遊技機島を示す正面図であり、島上段及び島下段では内部構造を示している。
【図2】本発明の一の実施形態に係る遊技機島を構成する上段、中段及び下段の各ユニットを分離させた状態を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の一の実施形態に係る遊技機島を構成するシャッターを拡大して示す側面図である。
【図4】本発明の一の実施形態に係る遊技機島を構成するシャッターを拡大して示す正面図である。
【図5】本発明の一の実施形態に係る遊技機島を構成する研磨揚送装置を概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の一の実施形態に係る遊技機島に含まれる制御手段を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…遊技機島
10A…上段ユニット
10B…中段ユニット
10C…下段ユニット
11…パチンコ機
50…研磨揚送装置
80…タンク様給配樋
83A,83B,83C…近接センサ(球検知手段)
85…シャッター

Claims (1)

  1. 島内に立設した研磨揚送装置により島下段から島上段へ揚送されたパチンコ球を島中段に列設された各遊技機にそれぞれ補給するよう構成した遊技機島において、
    前記島上段でパチンコ球を多重に積層させた状態で貯留可能な深さに形成されたタンク様給配樋を備え、該タンク様給配樋を、前記研磨揚送装置の上端側から供給されたパチンコ球をパチンコ機列上に沿って貯留しつつ、島端側まで流下させるように傾斜させて配設し、
    前記タンク様給配樋の少くとも上流部(前記研磨揚送装置側)と下流部にパチンコ球の貯流量を検知して信号を出力する球検知手段を設け、該球検知手段の配置は、上流部では低い位置に、略中間部は中間位置、下流部は高い位置に取付けられ、それぞれの取り付け位置関係は略水平であって、
    前記球検知手段からの信号に応じて、タンク様給配樋内の要所におけるパチンコ球が所定量より多い時は前記研磨揚送装置の駆動を停止させる一方、パチンコ球が所定量より減少したら研磨揚送装置を駆動させるように制御すべく構成したことを特徴とする遊技機島。
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