JPH0219570Y2 - - Google Patents

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JPH0219570Y2
JPH0219570Y2 JP19323983U JP19323983U JPH0219570Y2 JP H0219570 Y2 JPH0219570 Y2 JP H0219570Y2 JP 19323983 U JP19323983 U JP 19323983U JP 19323983 U JP19323983 U JP 19323983U JP H0219570 Y2 JPH0219570 Y2 JP H0219570Y2
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activated carbon
fuel vapor
fuel
inlet
adsorbed
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、チヤコールキヤニスタについての技
術分野に属する。
〔従来の技術〕
自動車の燃料タンクについては、燃料タンク内
を大気に連通して、その内圧を常に略大気圧に保
つ必要がある。この場合燃料蒸気が大気中に放散
されるのを防止するため、第1図に示されるよう
に、燃料タンク1内は、チヤコールキヤニスタ3
を介して大気と連通されている。また、気化器5
については、エンジン停止時、フロート室2より
発生する燃料蒸気が吸気通路6に流れ込まないよ
うにすることが要求される。従つて、気化器5に
ついては、エンジン停止時、フロート室2とチヤ
コールキヤニスタ3とは連通されている。
チヤコールキヤニスタ3の内部にはペレツト状
の活性炭4が多数充填されている。そして、斯か
る活性炭4は燃料蒸気を吸着する性質を有してい
る。このため、燃料タンク1あるいはフロート室
2より発生する燃料蒸気が大気中に放散されるの
が防止される。
燃料蒸気が活性炭4に吸着されるのは、活性炭
4の表面に多数存在する細孔のなかに燃料の分子
が入り込んで捕捉される、いわゆる、毛細管凝縮
現象のためである。毛細管凝縮現象については、
よく知られているように、捕捉される分子の直径
dと活性炭4の細孔の直径Dとの間に密接な関係
(D≒3d)があり、この関係が満たされないと燃
料の分子は効率良く細孔に捕捉されなくなる。
ところで、燃料蒸気のなかには、沸点が高く高
沸点成分と呼ばれるもの(一般的にC7以上の炭
化水素:例えば、トルエン、キシレン等のC7以
上の芳香族、n−ヘプタン等のC7以上のノルマ
ルパラフイン)もあれば、沸点が低く低沸点成分
と呼ばれるもの(一般的にC6以下の炭化水素:
例えば、2−メチルブタン等のC6以下のイソパ
ラフイン、ペンタン等のC6以下のノルマルパラ
フイン)もある。そして、燃料蒸気の分子の直径
(大きさ)は、各成分において異なる。(相対的
に、分子量の大きい成分の方が、すなわち高沸点
成分の方が分子の直径が大きい。) 従つて、従来のチヤコールキヤニスタ3につい
ては、すべての大きさの燃料分子を効率良く吸着
することを目的として、容器9のなかに細孔の直
径の大きい活性炭8と細孔の直径の小さい活性炭
7とが混合されて充填されていた。なお、第1図
においては、細孔の大きい活性炭8は直径が大き
く描かれており、細孔の小さい活性炭7は直径が
小さく描かれている。しかしながら、これは全く
便宜上の表現にすぎず、活性炭4において、その
細孔の直径の大小と活性炭4自体の直径の大小と
は全く関係がないことをことわつておく。すなわ
ち、第1図においては、飽くまでも表現の便宜上
活性炭4自体に直径の大小がつけられているにす
ぎない(以下の図面についても全く同様である)。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、燃料蒸気を効率良く吸着するため、
細孔径の異なる活性炭4を充填した従来のチヤコ
ールキヤニスタ3については、実際に活性炭4が
効率良く働いているとはいえなかつた。これは次
の理由による。
すなわち、活性炭4については、前述のよう
に、捕捉される燃料の分子の直径dと活性炭4の
細孔の直径Dとの間の関係D≒3dが満たされな
いと効率良く燃料蒸気が吸着されないが、燃料蒸
気が全く吸着されないわけではない。言い換えれ
ば、D<3dのときでも燃料の分子は吸着される
し、D>3dのときでも同様に吸着される。した
がつて、細孔径の小さい活性炭7および細孔径の
大きい活性炭8には、高沸点成分も低沸点成分も
吸着され、液化(凝縮)する。そして、エンジン
の作動中に容器9の下端に形成されたパージ空気
(大気)導入口から導入されたパージ空気によつ
て、液化した燃料は再度蒸発(気化)しパージさ
れる。この時、沸点の低い低沸点成分は、蒸気圧
が高いため容易に蒸発して燃料蒸気となりパージ
される。しかし、いつたん吸着され液化した沸点
の高い高沸点成分は、蒸気圧が低いため燃料蒸気
となりにくい。
特に、細孔径の小さい活性炭7では、細孔の直
径が小さいため、細孔内が液化した燃料で満たさ
れ、液化した燃料の一部の表面(細孔の入口部)
しかパージ空気が流れないので、蒸気圧が低い高
沸点成分は、さらに燃料蒸気となりにくい。これ
に対して、細孔径の大きい活性炭8では、細孔径
が大きいので、パージ空気が大面積の燃料表面を
流れるため、蒸気圧が低く蒸発しにくい高沸点成
分であつても、燃料蒸気となり良好にパージされ
る。
したがつて、細孔径の小さい活性炭7に吸着さ
れた高沸点成分は、エンジン作動中のパージ期間
中にパージされることなく、細孔径の小さい活性
炭7に吸着されたままの状態が続くことになる。
このように、細孔径の小さい活性炭7に高沸点成
分の燃料が吸着された状態(パージされない状
態)であると、この活性炭7では、もはや他の蒸
発燃料を吸着する機能を失つてしまう。
第1図に示される従来のチヤコールキヤニスタ
3においては、細孔の直径の大きい活性炭8と細
孔の直径の小さい活性炭7とが混合されて充填さ
れているので、上記のような現象が生じる。斯く
して、従来のチヤコールキヤニスタ3において
は、チヤコールキヤニスタ3の使用中に細孔の直
径の小さい活性炭7の細孔が、高沸点成分によつ
て徐々に塞がれ効率良く働かなくなる。したがつ
て、チヤコールキヤニスタ3における蒸発燃料の
十分な吸着能力を長期にわたつて(例えば、車両
の走行距離で10万Km)保証するためには、活性炭
4の量を増やさねばならず、コストアツプにな
る。
本考案は、このような従来技術の課題を解決す
るためになされたものである。
本考案の目的は、蒸発燃料のうち高沸点成分の
方が分子量が大きく相対的に分子の直径が大きい
ため、細孔径の大きい活性炭に高沸点成分が効率
良く吸着されることを利用して、高沸点成分を
(高沸点成分が吸着しても)比較的容易にパージ
が可能な細孔径が大きい活性炭へ吸着することに
より、長期にわたつて活性炭が効率良く働くよう
にし、長期にわたるチヤコールキヤニスタの十分
な蒸発燃料吸着能力を保証することにある。
〔課題を解決するための手段〕
この目的は、本考案によれば、次のような手段
によつて達成される。
すなわち、本考案に係るチヤコールキヤニスタ
というのは、閉塞された容器から構成されている
チヤコールキヤニスタであつて、該容器には、少
なくとも、燃料蒸気を導入するための燃料蒸気導
入口と大気を導入するための大気導入口とが設け
られており、前記容器の内部には前記燃料蒸気導
入口より導入される燃料蒸気を吸着するための活
性炭が充填されており、該活性炭については、前
記燃料蒸気導入口に近い側に存在するものほどそ
の細孔の直径が大きいことを特徴とする。
〔作用〕
本考案においては、上記の通り、燃料蒸気導入
口に近い所に存在する活性炭ほどその細孔の直径
が大きく、燃料蒸気導入口から遠い所に存在する
活性炭ほどその細孔の直径が小さい。
従つて、燃料蒸気導入口より流入した燃料蒸気
のうち相対的に分子の直径の大きい高沸点成分
は、最初に細孔の直径の大きい活性炭で効率良く
ほとんどすべて吸着され、細孔径の小さい活性炭
まで到達する高沸点成分の量が減少する。したが
つて、この高沸点成分が細孔径の小さい活性炭に
吸着される量が減少する。このため、長期にわた
つて活性炭が効率良く働く。
〔実施例〕
つぎに、本考案の実施例を図面を基にして詳細
に説明する。
第2図は、本考案の第1の実施例の縦断面図で
ある。第2図において、9は閉塞された容器を示
す。チヤコールキヤニスタ3は斯かる容器9で構
成されている。容器9の上部には第1の燃料蒸気
導入口10と第2の燃料蒸気導入口11と燃料蒸
気排出口12とが設けられている。容器9の下部
にはパージ空気を導入のための大気導入口13が
設けられている。容器9の内部には多数の穴15
のあいた第1の隔壁14と第2の隔壁16と第3
の隔壁17と第4の隔壁18とが設けられてい
る。容器9の内部はこれらの隔壁15,16,1
7,18により第1の室20と第2の室21と第
3の室22と第4の室23と第5の室24とに分
けられている。なお、第2図においては、燃料蒸
気導入口10,11に最も近い室を第1の室20
とされており、第1の室20から遠ざかるにつれ
て順次、第2、第3……の室と名称がつけられて
いる。第1の室20は第1と第2の燃料蒸気導入
口10,11と燃料蒸気排出口12とに連絡され
ている。第5の室24は大気導入口13に連絡さ
れている。
第1の燃料蒸気導入口10は燃料タンク1の内
部と連通されており、第2の燃料蒸気導入口11
は気化器5のフロート室2の内部と連通されてい
る。燃料蒸気排出口12は、気化器5のパージポ
ート30と連通されている。大気導入口13は、
大気に開放されている。
第2の室21と第3の室22第4の室23とに
は、活性炭4が充填されている。第2の室21に
は、蒸気燃料のうち分子量が大きく相対的に分子
の直径の大きい高沸点成分を効率良く吸着する、
細孔の直径の大きい活性炭8が充填されている。
第4の室23には細孔の直径の小さい活性炭7が
充填されている。第3の室22に充填されている
活性炭25については、活性炭7と活性炭8との
中間の細孔径を有するものが用いられている。細
孔径の異なる活性炭7,8及び25は、各活性炭
7,8及び25の材料、賦活条件等を変えること
により得られ、例えば、賦活時間を変えて細孔径
をコントロールした活性炭7,8及び25を用い
ることができる。
なお、29は、活性炭4全体に押圧力を与えて
容器9内における活性炭4のおどりを防止するた
めの圧縮コイルばねである。
上記の実施例の作用を説明する。
第2図において、第1と第2の燃料蒸気導入口
10,11より燃料蒸気が導入されると、まず燃
料蒸気のなかの高沸点成分(すなわち、分子の幾
何学的直径の大きいもの)は、細孔の直径の大き
い活性炭8で効率良くほとんどすべて吸着され
る。細孔の直径の大きい活性炭8では、燃料蒸気
のなかの低沸点成分(すなわち、分子の幾何学的
直径の小さいもの)が効率良く吸着されず、第3
の室22、第4の室23と進むにしたがい、すな
わち細孔の直径が活性炭25,8と小さくなるに
したがい効率良く吸着される。なお、高沸点成分
の一部も活性炭25に吸着される。
上記のように、本実施例においては、燃料蒸気
のなかの高沸点成分(すなわち、分子の幾何学的
直径の大きいもの)は、チヤコールキヤニスタ3
に入ると最初に細孔の直径の大きい活性炭8で効
率良くほとんどすべて吸着され、細孔の直径の小
さい活性炭7まで到達する高沸点成分の量が減少
し、高沸点成分が細孔径の小さい活性炭7に吸着
される量が減少する。従つて、いつたんチヤコー
ルキヤニスタ3内の活性炭4に吸着された燃料蒸
気は、エンジンの作動中に大気導入口13より導
入される空気によつてパージされて、エンジンに
て燃焼されるが、本実施例においては、高沸点成
分のほとんどが細孔の直径の大きい活性炭8に吸
着されているため、パージ空気が大きな表面積に
わたつて液化した燃料の表面を流れるので、蒸気
圧の低い高沸点成分であつても比較的容易にパー
ジでき、エンジンの作動中のパージ期間内で良好
なパージができる。また、蒸気圧の低い高沸点成
分が細孔の直径の小さい活性炭8から良好にパー
ジされなくとも、活性炭8には高沸点成分がほと
んど吸着されていないので、長期にわたつて活性
炭8の吸着能力が保証される。このため、長期に
わたつて活性炭4が効率良く働く。
斯くして、本実施例によれば、チヤコールキヤ
ニスタ3において、活性炭4が長期にわたつて効
率良く働くため、活性炭4の量を増加することな
く、長期にわたる燃料蒸気の十分な吸着が保証で
きる。
第3図は、本考案の第2の実施例の縦断面図で
ある。この実施例は、第1と第2の燃料蒸気導入
口10,11から大気導入口13までの距離を長
くすることにより、燃料蒸気の吹き抜け防止をね
らつたものである。第3図のチヤコールキヤニス
タ3においては、第1と第2の燃料蒸気導入口1
0,11から大気導入口13までの距離を長くす
るために、容器9の内部は容器9の長手方向に延
びる壁31によつて仕切られている。そして、
各々の壁31の上下端部のうちいずれかには、燃
料蒸気(矢印A)を通すため通孔32が穿設され
ている。
その他の構成、作用、および、効果について
は、前記第1の実施例の場合と全く同じであるの
で、符号のみを付してその説明は省略する。
〔考案の効果〕
斯くして、本考案によれば、チヤコールキヤニ
スタにおいて、いつたん高沸点成分を吸着したら
容易に高沸点成分をパージできない細孔の直径の
小さい活性炭には、少量の高沸点成分しか吸着さ
れないので、長期間にわたつて活性炭が効率良く
働く。従つて、活性炭の量を増加することなく、
長期間にわたつて十分な燃料蒸気の吸着が保証で
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来のチヤコールキヤニスタの縦断
面図、第2図は、本考案の第1の実施例に係るチ
ヤコールキヤニスタの縦断面図、第3図は、本考
案の第2の実施例に係るチヤコールキヤニスタの
縦断面図である。 3……チヤコールキヤニスタ、4……活性炭、
7……細孔径の小さい活性炭、8……細孔径の大
きい活性炭、9……容器、10……第1の燃料蒸
気導入口、11……第2の燃料蒸気導入口、13
……大気導入口。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 閉塞された容器から構成されているチヤコール
    キヤニスタであつて、該容器には、少なくとも、
    燃料蒸気を導入するための燃料蒸気導入口と大気
    を導入するための大気導入口とが設けられてお
    り、前記容器の内部には前記燃料蒸気導入口より
    導入される燃料蒸気を吸着するための活性炭が充
    填されており、該活性炭については、前記燃料蒸
    気導入口に近い側に存在するものほどその細孔の
    直径が大きいことを特徴とするチヤコールキヤニ
    スタ。
JP19323983U 1983-12-14 1983-12-14 チヤコ−ルキヤニスタ Granted JPS60100559U (ja)

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