JPH0218017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、フリーローラによる走行面を傾斜さ
せることによつて物品を搬送するようにしたコン
ベアにおいて、先頭物品を後続の物品から分離す
るようにした装置に関するものである。

（従来技術） 従来より、コンベアによつて物品を列状に順次
搬送し、このコンベアの先端部にストツパを設け
て物品を停止させて、その先頭物品を取り出すよ
うに設けた場合に、この先頭物品は後続物品とス
トツパとの間に挟まれていて、その取出しが困難
となるものである。

そこで、例えば、停止した物品を若干後退させ
るか、ストツパの移動操作を行つて先頭物品とス
トツパとの間に隙間を設けて、この先頭物品の取
出しを容易にすることが考えられるが、これらの
構造では特別の動力源を要し、機構が複雑となる
し、それらの制御系を必要とするものである。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑み、特別な動力源を用い
ずに先頭物品を分離して、その取出しを容易にし
たコンベアにおける先頭物品分離装置を提供する
ことを目的とするものである。

（考案の構成） 本考案は先頭物品分離装置は、コンベアフレー
ム前端部を枢支軸によつて支持し、その傾斜によ
つて物品を前方に搬送するコンベアに対し、この
コンベアの前端部近傍に、上端部が先頭物品の前
端に当接可能なストツパアームの下端部を枢支し
て設ける一方、上記コンベアと一体に揺動する係
合部材を設け、さらに、コンベアの水平状態への
復帰動作に応じて後続物品に係合可能な補助スト
ツパを設け、コンベア傾斜時に該係合部材によつ
てストツパアームを物品送り方向と反対側の後方
に揺動させて先頭物品をこの後方位置に停止さ
せ、コンベアを水平状態に戻した時にストツパア
ームと先頭物品との間、および補助ストツパで係
止した後続物品との間に間隙を形成するようにし
たことを特徴とするものである。

（考案の効果） 本考案によれば、コンベアの傾動に対応して係
合部材を介してストツパアームを揺動させ、先頭
物品の停止位置を規制し、コンベアが水平状態に
戻つた時に先頭物品を分離するようにしたことに
より、この先頭物品の取出しが容易にできるとと
もに、その分離作用はコンベアの傾動に応じて行
うので、特別な動力源および制御機構が不要であ
つて、簡単な機構で確実な作動が得られるもので
ある。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例を説明する。
第１図はコンベアの全体正面図、第２図は先頭物
品分離装置を示す断面正面図、第３図は第２図の
断面側面図である。

コンベア１はコンベアフレーム２にフリーロー
ラ３が並設されて物品走行面が形成され、このコ
ンベアフレーム２の前端部が、架台４に固着され
た固定プレート６にベアリング５によつて枢支さ
れた枢支軸７に支持され、この枢支軸７と一体に
傾動可能に設けられている。また、コンベアフレ
ーム２の後端部には傾動シリンダ８が接続され、
この傾動シリンダ８の作動によつて、コンベア１
の後端部を水平状態から上昇させて傾斜し、フリ
ーローラ３上の物品Ｗを矢印Ａで示す物品送り方
向に沿つて前端側に搬送するものである。なお、
このコンベア１の後端部には搬送台車９から物品
Ｗが順次搬入される。

先頭物品分離装置は、上記コンベア１の前端部
近傍に、下端部１０ａが前記架台４に固定された
ブラケツト１１に支持された枢支ピン１２によつ
て揺動自在に枢支されたストツパアーム１０を備
え、このストツパアーム１０の上端のストツパ部
１０ｂはフリーローラ３による走行面より上方に
突出して形成され、このストツパ部１０ｂが先頭
物品W₁の前端に当接してこの先頭物品W₁を停止
するものである。また、このストツパアーム１０
には、その枢支ピン１２より上方の部分に内方に
突出した係合突部１０ｃが設けられている。さら
に、このストツパアーム１０はコンベア１の左右
両側に配設され、両側のストツパ部１０ｂは連結
して一体に設けられている。

一方、上記コンベア１のコンベアフレーム２を
枢支する枢支軸７には下方に延びる係合部材１４
が取付られている。この係合部材１４は上記コン
ベア１の傾動に伴つて枢支軸７を介して一体に揺
動し、その先端係合片１４ａが前記ストツパアー
ム１０の係合突部１０ｃに前方側から当接するよ
うに設けられている。上記係合部材１４はコンベ
ア１の左右両側でそれぞれストツパアーム１０の
内側に配設され、両側の係合部材１４は連結プレ
ート１４ｂで連結されている。

さらに、上記コンベア１には、物品Ｗの長さに
対応してその後端部位置の近傍に補助ストツパ１
６が固定側すなわち架台４に取付られている。こ
の補助ストツパ１６はスプリング１６ｂで上方に
付勢された係止片１６ａが箇体１６ｃに上下摺動
自在に保持されてなり、上記係止片６ａは、前記
コンベア１の傾斜状態では物品走行面より下方に
位置し、コンベア１の水平状態への復帰時に物品
走行面上に突出して後続物品Ｗに係合可能に構成
されている。

上記構造による作用は、まず、前段階での先頭
物品が取出された状態において、コンベア１の後
部を傾動シリンダ８によつて水平状態から上昇さ
せ、全体としてコンベア１を前方に傾斜（2゜程
度）させる。上記コンベア１の傾斜に伴い枢支軸
７が回転し、これを介して係合部材１４が後方に
向けて回動する。

この係合部材１４の回動によつて、その先端係
合片１４ａが前記ストツパアーム１０の係合突部
１０ｃを前方から後方に押圧し、このストツパア
ーム１０も後方に回動して、上端のストツパ部１
０ｂは、第２図に鎖線で示すように後方すなわち
物品の搬送方向Ａと反対方向に移動する。

上記コンベア１が最も傾動した状態においては
補助ストツパ１６の係止片１６ａ上端は走行面よ
り下方に位置し、上昇した先頭物品W₁はこの補
助ストツパ１６から外れて、その自重によつてフ
リーローラ３上をコンベア１の前端側に走行す
る。この走行してきた先頭物品W₁は、後方に移
動したストツパアーム１０のストツパ部１０ｂに
当接して停止する。

続いて、傾動シリンダ８の短縮作動によりコン
ベア１が水平状態に下降作動される。このコンベ
ア１の水平状態への復帰に伴う係合部材１４の回
動に対応してストツパアーム１０のストツパ部１
０ｂは前方に移動可能となり、先頭物品W₁はさ
らに前方に若干移動するが、２番目の後続物品Ｗ
は突出状態となつた補助ストツパ１６で係止さ
れ、先頭物品W₁はストツパアーム１０および後
続物品Ｗとの間に間隙が形成されて分離される。

上記の如く分離された先頭物品W₁は、その取
出し時にストツパアーム１０および後続物品Ｗに
よつて挟持されておらず、容易に次工程に搬出が
できる。

なお、コンベア１を傾動した時のストツパアー
ム１０のストツパ部１０ｂの移動量は、コンベア
１の傾動角度、ストツパアーム１０の長さおよび
係合部材１４との係合位置との関係において変化
するものであつて、搬送物品Ｗの種類等に応じて
適宜設計変更される。さらに、係合部材１４は枢
支軸７を介してコンベア１と一体に揺動させるよ
うに取付けるほか、コンベアフレーム２に直接取
付けるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンベアの全体正面図、第２図はコン
ベア前端部分における先頭物品分離装置を示す断
面正面図、第３図は第２図の側面図である。 １……コンベア、２……コンベアフレーム、３
……フリーローラ、４……架台、７……枢支軸、
８……傾動シリンダ、１０……ストツパアーム、
１０ｂ……ストツパ部、１０ｃ……係合突部、１
２……枢支ピン、１４……係合部材、１４ａ……
先端係合片、Ｗ……物品、W₁……先頭物品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自由転動するフリーローラがコンベアフレーム
   に並設されて物品走行面を形成するとともに該コ
   ンベアフレームの前端部が枢支軸によつて傾動自
   在に支持され、このコンベアフレームの傾斜によ
   つて物品を前方に搬送するコンベアにおいて、上
   記コンベアの前端部近傍に、下端部が枢支され上
   端部がコンベアの走行面より上方に突出して先頭
   物品の前端に当接可能なストツパアームが設けら
   れる一方、上記コンベアと一体に揺動し、コンベ
   ア傾斜時に前記ストツパアームと係合してこのス
   トツパアームを物品送り方向と反対側の後方に揺
   動させる係合部材が設けられ、さらに、前記コン
   ベアの先端から物品の長さに対応してその後端位
   置近傍の固定側に、コンベアの傾斜状態で先端が
   物品走行面より下方に位置し、コンベアの水平状
   態で先端が物品走行面上に突出可能な補助ストツ
   パが設けられたことを特徴とするコンベアにおけ
   る先頭物品分離装置。