JPH021710B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、列車運行装置に係り、特に、装置全
体の機能確認試験が可能な分散形列車運行管理装
置に関する。

〔従来の技術〕

従来の分散形列車運行管理装置の一例の構成を
第１図に示す。

図において、中央処理装置１と判断処理機能を
有する端末処理装置４とは、伝送装置２及び伝送
路３により接続されている。端末処理装置４には
制御対象機器として継電連動装置５及び案内広報
装置６等が接続されている。

中央処理装置１は、列車ダイヤの管理、指令員
とのマンマシンコミニケーシヨン、運行表示盤へ
の列車運行状態表示、運行記録統計など主として
マンマシン機能とシステム全体に関する機能とを
分担する。端末処理装置４は、各駅に設置され、
中央処理装置１からデータ伝送されてくる自駅ダ
イヤ情報と継電連動装置５からの入力情報とによ
り論理判断し、列車の進路制御あるいはホーム案
内広報制御等を行う。この継電連動装置５からの
入力情報としては、第２図に示すように、ホーム
１０内にある列車１４の列車位置を検知するため
の軌道回路１１からの情報、信号機（制御状態）
１２からの情報、ポイント（転換状態）１３から
の情報などが入力される。

端末処理装置４の処理の概略を第３図に示す。
ステツプ100において、継電連動装置５から上記
情報すなわち表示情報を取込み、ステツプ101に
おいて、これを分析する。ステツプ101の分析結
果により、ステツプ102において、自駅の列車を
追跡し、中央から伝送されてくるダイヤに基づい
て列車の進路制御又は案内広報制御するための条
件を判定する。ステツプ102の判定結果に基づい
て、ステツプ103において、進路制御又は案内広
報制御出力データを作成し、ステツプ104におい
て、継電連動装置５又は案内広報装置６へ出力す
る。ステツプ105において、中央からのデータ伝
送受信情報として、ダイヤ情報、列車出発抑止な
どの指令員指令情報などが、ステツプ102の処理
のために送られる。一方、ステツプ106において、
データ伝送送信情報として上記表示情報、列車追
跡情報、被制御装置の故障情報、列車遅れ情報等
が、ステツプ102の処理結果から送られる。なお、
中央の表示盤８には、列車運行状態表示として、
上記の表示情報、列車追跡情報等が表示される。
このような分散形列車運行管理装置において、全
体機能の確認は、現地に据付工事完了後、実際の
列車を走行させて行うか、被制御装置の継電連動
装置又は案内広報装置の代りにスイツチ又はラン
プを取り付けた試験パネルを作り、端末処理装置
に接続し、試験員の手動操作で１個毎にスイツチ
をオン、オフし端末処理装置４に入力情報として
与え、その制御出力でランプを点滅させて行つて
いた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

そのため上記分散形列車運行管理装置は、現車
試験方法だけで初めからやると試験条件の設定が
難しく、かつ長期間に亘る実列車走行が必要にな
るため多大の費用を要する欠点があつた。

また、上記分散形列車運行管理装置は、スイツ
チとランプの試験パネルによる試験方法によるた
め、１列車又は２列車の走行試験が限度となり、
実際のダイヤと同じような列車本数による走行試
験が不可能であり、十分な試験ができず、あとは
現車試験方法による以外はないといつた問題があ
つた。

また、中央にのみインテリジエントな論理判断
を行う処理装置（計算機）を設けた中央集中形運
行管理装置においては、例えば、特開昭51−
109606号公報に開示されたように、中央にシミユ
レータを接続して、駅以降の下位機器を模擬すれ
ばよい。すなわち、計算機を含み論理判断を行う
処理装置のシミユレーシヨンを行うことは比較的
容易である。

ところが、この考え方を第１図の分散形運行管
理装置にそのまま適用すると、論理判断を行う処
理装置が、各駅に分散しているため、これらの各
駅毎に、それ以各の下位機器５や６を模擬するシ
ミユレータを接続しなければならない。これで
は、シミユレータが多数必要となり、設備量が膨
大で実現性に乏しい。

本発明の目的は、中央処理装置、各端末処理装
置、およびそれらの間の伝送路を含めたシミユレ
ーシヨンを簡便に実行できる単純かつ経済的な構
成の分散形運行管理装置を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記目的を達成するために、中央処
理装置と各端末処理装置とを連結する伝送路１２
シミユレータを接続し、各端末処理装置にシミユ
レーシヨンモードを指令する操作手段をシミユレ
ータに設け、前記シミユレーシヨンモード指令に
応動して進路制御等の制御出力を伝送路を介して
シミユレータに出力する手段を各端末処理装置に
設け、各端末処理装置から出力された前記制御出
力に応動する列車運行を模擬しその結果の表示情
報を上記伝送路を介して各端末処理装置に送出す
る手段をシミユレータに設け、シミユレータから
の表示情報を上記中央処理装置に送出する手段を
各端末処理装置に設けた分散形列車運行管理装置
を提案するものである。

〔作用〕

シミユレータから各端末処理装置に対してシミ
ユレーシヨンモードを指令すると、以後は、伝送
路を併用して各端末処理装置とシミユレータと
が、各端末処理装置と各駅下位機器５，６群との
間の情報のやりとりを実行する。

すなわち、シミユレーシヨンモードの指令を受
けた各端末処理装置は、制御出力を自駅の下位機
器５，６群に送出するのではなく、伝送路に送出
する。シミユレータは、この制御出力を取込ん
で、それに見合う列車運行を模擬し、その結果得
られた表示情報を再び各端末処理装置に返す。各
端末処理装置は、この表示情報を受取り、中央処
理装置に伝送する。なお、中央処理装置は、伝送
路を含めたシステム全体の健全性を確認する。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例について説明する。

第４図に本発明による分散形列車運行管理装置
の一実施例を示す。

図において、第１図と同一符号の部分は同一の
部品・同一の機能を有する。本実施例が第１図例
と異なる点は、伝送路３上に伝送装置２Ｓを挿入
接続し、この伝送装置２Ｓにシミユレータ装置７
が接続されている点である。

このシミユレータ７は、ソフト処理によりシミ
ユレータ７内で模擬的に列車を走行させ、継電連
動装置５から各端末処理装置４ｂ，４ｃ，…４ｎ
に入力する表示情報を発生させるデータ発生装置
である。すなわち、シミユレータ７に進路制御出
力情報を与えると、制御出力情報の進路に従つて
列車がシミユレータ７内で模擬的に走行し、表示
情報を発生させ、各端末処理装置４ｂ，４ｃ，…
…４ｎにデータ伝送する。

端末処理装置４は、第５図に示すような処理を
行う。すなわち、ステツプ200において、データ
伝送受信処理して、ステツプ201において、その
受信データがシミユレータ用データであるか否か
を判定する。シミユレータ用データである場合
は、ステツプ202において継電連動装置５から取
込んだデータを使用せず、ステツプ203において、
上記シミユレータからのデータを表示情報とみな
して表示情報分析を実行し、ステツプ204におい
て、処理を行う。このステツプ204における処理
の後、ステツプ205において、制御出力データを
作成する。ステツプ205において制御出力データ
を作成すると、ステツプ206において、この制御
出力データがシミユレーシヨンモードであるか否
かを判定し、シミユレーシヨンモードである場合
は、ステツプ207において、制御出力データはデ
ータ伝送送信処理により、シミユレータ７に伝送
される。ここで、伝送される制御出力データの中
に進路制御出力データがあれば、シミユレータ７
は、シミユレータ７内の模擬信号機を制御し、こ
の制御結果を表示情報の一部として、端末処理装
置４に伝送する。

各端末処理装置４は、この表示情報を中央処理
装置１に伝送し、シミユレータ７で模擬的に制御
された結果を中央の運行表示盤８に表示し、試験
員に示す。

従つて、本実施例によれば実列車を走行させる
ことなくそれと等価な試験ができ、長期間試験列
車を走行させることがないため、多大の費用をか
けずに試験可能である。

また、本実施例によればシユミレータ７の信号
機を外部から手動でセツト、リセツトして列車を
一時停止させ列車故障状態と同一状態にして走行
させたり、また、シミユレータ７内で特定の軌道
回路又は信号機の情報発生機能を停止させて、軌
道回路又は信号機の故障状態を発生させるなどの
各種の試験条件をシミユレータ７で作り出せるた
め、各種の試験が可能となり、システムの信頼性
を向上させることができる。

また、シミユレータ７と伝送装置２Ｓを特に追
加しなくても、シミユレータ７の処理を中央処理
装置１内に設け、ここで実行させることができ
る。すなわち、中央処理装置１の容量（メモリ、
処理スピード）に十分余裕があれば、別設しなく
ともシミユレート可能である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、中央処理装置、各端末処理装
置、およびそれらの間に伝送路を含めたシミユレ
ーシヨンを簡便に実行できる単純かつ経済的な構
成の分散形列車運行管理装置が得られる。

また、実際に列車を走行させて現車試験を行な
う前に、本発明のシミユレータにより、中央指令
所の指令員等を現実に極めて近い状態で前もつて
訓練でき、運転開始にスムーズに対応可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の分散形列車運行管理装置の一例
の構成図、第２図は第１図の管理を行う列車の路
線図、第３図は第１図の分散形列車運行管理装置
の端末処理装置の処理フローチヤート、第４図は
本発明による分散形列車運行管理装置の一実施例
を示す構成図、第５図はその端末処理装置の処理
フローチヤートである。 １……中央処理装置、２……伝送装置、３……
伝送路、４……端末処理装置、５……継電連動装
置、６……案内広報装置、７……シミユレータ、
８……表示盤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駅側に設けられ各駅の信号機情報等の各種デ
   ータに基づき論理判断し自駅の管理エリア内の列
   車の進路制御等を行う端末処理装置と、伝送装置
   および伝送路を介して前記端末処理装置と接続さ
   れ各端末処理装置に対する列車運行ダイヤの伝送
   等の管理制御を行う中央処理装置とからなる分散
   形列車運行管理装置において、 前記中央処理装置と各端末処理装置とを連結す
   る前記伝送路にシミユレータを接続し、 各端末処理装置にシミユレーシヨンモードを指
   令する操作手段を前記シミユレータに設け、 前記シミユレーシヨンモード指令に応動して上
   記進路制御等の制御出力を前記伝送路を介して前
   記シミユレータに出力する手段を前記各端末処理
   装置に設け、 前記各端末処理装置から出力された前記制御出
   力に応動する列車運行を模擬しその結果の表示情
   報を上記伝送路を介して各端末処理装置に送出す
   る手段を前記シミユレータに設け、 前記シミユレータからの表示情報を上記中央処
   理装置に送出する手段を前記各端末処理装置に設
   けたことを特徴とする分散形列車運行管理装置。