JP3188037B2 - 電子連動装置における現場模擬化方法 - Google Patents

電子連動装置における現場模擬化方法

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JP3188037B2
JP3188037B2 JP10791293A JP10791293A JP3188037B2 JP 3188037 B2 JP3188037 B2 JP 3188037B2 JP 10791293 A JP10791293 A JP 10791293A JP 10791293 A JP10791293 A JP 10791293A JP 3188037 B2 JP3188037 B2 JP 3188037B2
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伸一 古川
江一郎 宗方
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大同信号株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄道等において用い
られている電子連動装置における現場模擬化方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電子連動装置を現地に設置しても、現場
機器は既設備と接続されており、列車運行状態にあるか
ら、すぐに現場機器(信号機、転てつ器、軌道回路)と
接続することはできない。したがって、現地で新装置の
所定の連動試験を行なってから切替えることになり、そ
の間の試験は現場機器とは未接続の状態で行なうことと
なる。未接続状態のまま装置を動作させると、現場機器
からの応答をもらうことができず、そのため別途、現場
模擬装置を接続しなければならない。例えば信号機の場
合は実際の電球に相当する抵抗器が必要となる。これら
の現場模擬装置は駅の規模が大きいほど、それに対応し
て大きな設備となり、駅毎に配線をしなければならな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように従来の電
子連動装置では、現地試験時に現場模擬装置なるものが
必要となり、以下のような種々の問題点がある。 (1)現場模擬装置を電子連動装置そのものとは別に事
前に用意しなければならない。しかも現場模擬装置はM
AXの現場機器に対応できるようにしておかなければな
らない。 (2)信号機の電球の場合は抵抗が膨大となり、発熱も
大きい。また駅対応でピンアサインに合わせる配線作業
が生じる。 (3)現場対照試験の都度、現場模擬装置と現場機器の
切り替え作業が大変である。 (4)電子端末が分散すると、電子端末毎に現場模擬装
置が必要となり、また軌道回路の短絡/開放操作が分散
化されてやりにくい。
【0004】そこで、この発明は前記従来の問題点を解
決し、現場模擬装置がなくても電子連動装置の試験を行
なうことができて、現地試験の容易化、効率化を図るこ
とができる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、前記のような電子連動装置にお
いて、電子端末は実機モードと模擬モードを有し、実機
モード中は電子連動本体からの制御により現場機器を動
作させる制御を行うとともに、該動作したことを現場機
器から受け取り電子連動本体へ返送する一方、電子連動
本体より模擬化指示が与えられると模擬モードとなり、
該模擬モード中は現場機器に接続してあるなしにかかわ
らず電子連動本体からの制御により現場機器を動作させ
ないよう現場機器に何等の指示を出すことなく、現場機
器に接続してあるがごとく実機モード中の応答と同一の
応答を電子連動本体へすることを特徴とする。請求項2
の発明は、請求項1において、電子端末は電子連動本体
より模擬化指示が与えられると現場機器を停止制御、鎖
錠制御にするとともに、模擬アンサを電子連動本体に出
した後に模擬モードとなることを特徴とする。
【0006】
【作用】前記のような現場模擬化方法によれば、電子端
末が模擬モードとなって、電子連動本体からの制御に対
して、現場機器と未接続でも、現場機器と接続してある
ような応答を電子連動本体へ返すことができ、現場模擬
装置がなくとも現地試験を行なうことが可能となる。
【0007】
【実施例】図1はこの発明の一実施例をブロック図で示
したものである。この実施例において1は電子連動本体
で、コンピュータを組み込んだ連動処理部や各種のメモ
リ等からなっていて、LAN2によって電子端末3,
4,5と接続され、該端末に模擬化指示など制御のため
の指示を与える一方、該端末から表示などの制御を受け
るようになっている。電子端末3は信号機6を制御し、
電子端末4は転てつ器7を制御し、また電子端末5は軌
道回路8と接続されている。電子端末3,4,5は図2
に示すようにフェィルセーフが可能なプロセッサとして
のFSP(CPU)10、ROM11、RAM12、電子連動
本体I/F13、現場機器I/F14によって構成されてい
る。ROM11には電子端末3,4,5が通常時に現場機
器を制御する実機モードのプログラムのほか、模擬モー
ドのプログラムが記憶されている。RAM12は作業用で
ある。
【0008】前記した信号機6と、転てつ器7と、軌道
回路8を例にとって、図3,4,5に示す各動作チャー
トにより以下に作用を説明する。図3で実機モード時
(通常時)に電子連動本体1から電子端末3に進行現示
制御(HR=1)を行なうと、電子端末3は信号機6に
緑色(G)灯点灯の制御を行なう。これに対して信号機
6は点灯したことを電子端末3に返し、電子端末3は表
示鎖錠(バーHR=0)を電子連動本体1に返す。模擬
化指示時には電子連動本体1から電子端末3に模擬化指
示を行なうと、電子端末3は信号機6に赤色(R)灯点
灯の制御を行なう。これに対して電子端末3が模擬アン
サを電子連動本体1に出す。模擬モード時には電子連動
本体1から電子端末3に進行現示制御(HR=1)を行
なうと、電子端末3は信号機6には何等の指示を出すこ
となく、電子連動本体1に表示鎖錠(バーHR=0)を
返す。
【0009】図4で実機モード時に電子連動本体1から
電子端末4に転換制御(WLR=1)(NR/RR=
1)を行なうと、電子端末4は転てつ器7に解錠制御を
行なう。これに対して転てつ器7は解錠したことを電子
端末4に返す。次に電子端末4は転てつ器7に転換制御
を行なう。これに対して転てつ器7は開通表示したこと
を電子端末4に返し、電子端末4は開通表示(NKR/
RKR=1)を電子連動本体1に返す。次に電子連動本
体1から電子端末4に鎖錠制御(WLR=0)を行なう
と、電子端末4は転てつ器7に鎖錠制御を行なう。これ
に対して転てつ器7は鎖錠したことを電子端末4に返
し、電子端末4は鎖錠表示(バーWLR=1)を電子連
動本体1に返す。模擬化指示時には電子連動本体1から
電子端末4に模擬化指示を行なうと、電子端末4は転て
つ器7に鎖錠制御を行なう。これに対して電子端末4が
模擬アンサを電子連動本体1に出す。模擬モード時には
電子連動本体1から電子端末4に転換制御(WLR=
1)(NR/RR=1)を行なうと、電子端末4は転て
つ器7には何等の指示を出すことなく、電子連動本体1
に開通表示(NKR/RKR=1)を返す。次に電子連
動本体1から電子端末4に鎖錠制御(WLR=0)を行
なうと、電子端末4は転てつ器7には何等の指示を出す
ことなく、電子連動本体1に鎖錠表示(バーWLR=
1)を返す。
【0010】図5で実機モード時に軌道回路8から電子
端末5に列車進入(短絡)の信号が入ると、電子端末5
は電子連動本体1に軌道表示(TR=0)を出す。また
軌道回路8から電子端末5に列車進出(開放)の信号が
入ると、電子端末5は電子連動本体1に軌道表示(TR
=1)を出す。模擬化指示時には電子連動本体1から電
子端末5に模擬化指示を行なうと、電子端末5は電子連
動本体1に模擬アンサを出す。模擬モード時には電子連
動本体1から電子端末5に短絡指示を行なうと、電子端
末5は軌道回路8には何等の指示を出すことなく、電子
連動本体1に軌道表示(TR=0)を返す。次に電子連
動本体1から電子端末5に開放指示を行なうと、電子端
末5は軌道回路8には何等の指示を出すことなく、電子
連動本体1に開放指示(TR=1)を返す。
【0011】前記のようにして模擬モード時になると、
電子端末3,4,5は電子連動本体1からの制御、指示
に対して、信号機6など現場機器と接続してあるような
表示情報を電子連動本体1へ返すことにより、従来の現
場模擬装置を使用することなく、現地試験を行なうもの
である。
【0012】
【発明の効果】請求項1の発明は前記のようであって、
電子端末は実機モードと模擬モードを有し、実機モード
中は電子連動本体からの制御により現場機器を動作させ
る制御を行うとともに、該動作したことを現場機器から
受け取り電子連動本体へ返送する一方、電子連動本体よ
り模擬化指示が与えられると模擬モードとなり、該模擬
モード中は現場機器に接続してあるなしにかかわらず電
子連動本体からの制御により現場機器を動作させないよ
う現場機器に何等の指示を出すことなく、現場機器に接
続してあるがごとく実機モード中の応答と同一の応答を
電子連動本体へするので、現場模擬装置がなくとも電子
連動装置の試験が可能となり、現地試験の容易化、効率
化を図ることができる。しかも、この電子連動装置の試
験は現地においてだけでなく、メーカー社内の試験時も
効果を発揮することができる。請求項2の発明はさらに
電子端末は電子連動本体より模擬化指示が与えられると
現場機器を停止制御、鎖錠制御にするとともに、模擬ア
ンサを電子連動本体に出した後に模擬モードとなるの
で、現場機器サイドの安全も十分に確保することができ
るという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例をブロック図である。
【図2】電子端末のブロック図である。
【図3】現場機器を信号機としたときの動作チャートで
ある。
【図4】現場機器を転てつ器としたときの動作チャート
である。
【図5】現場機器を軌道回路としたときの動作チャート
である。
【符号の説明】
1 電子連動本体 3,4,5 電子端末 6 信号機 7 転てつ器 8 軌道回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−70300(JP,A) 「電子連動装置切替方法の1考察」、 野田芳真郎 外3名 東海旅客鉄道株式 会社技術情報 第5号213〜218頁 1993 年3月 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61L 19/06 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子連動本体からの制御により必要によ
    り信号機、転てつ器などの現場機器の制御を電子端末で
    行なう電子連動装置において、 電子端末は実機モードと模擬モードを有し、実機モード
    中は電子連動本体からの制御により現場機器を動作させ
    る制御を行うとともに、該動作したことを現場機器から
    受け取り電子連動本体へ返送する一方、電子連動本体よ
    り模擬化指示が与えられると模擬モードとなり、該模擬
    モード中は現場機器に接続してあるなしにかかわらず電
    子連動本体からの制御により現場機器を動作させないよ
    う現場機器に何等の指示を出すことなく、現場機器に接
    続してあるがごとく実機モード中の応答と同一の応答を
    電子連動本体へすることを特徴とする電子連動装置にお
    ける現場模擬化方法。
  2. 【請求項2】 電子端末は電子連動本体より模擬化指示
    が与えられると現場機器を停止制御、鎖錠制御にすると
    ともに、模擬アンサを電子連動本体に出した後に模擬モ
    ードとなる請求項1記載の電子連動装置における現場模
    擬化方法。
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JP6630254B2 (ja) * 2016-09-29 2020-01-15 株式会社京三製作所 電子連動装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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「電子連動装置切替方法の1考察」、野田芳真郎 外3名 東海旅客鉄道株式会社技術情報 第5号213〜218頁 1993年3月

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