JP4936922B2 - 中間信号制御装置の模擬装置および更新方法 - Google Patents
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Description
鉄道分野で用いられる信号保安装置の具体例として信号機や,転てつ機,連動装置,中間信号制御装置などが挙げられるが、そのうち信号機や転てつ機は軌道に付設されるのに対し、連動装置や中間信号制御装置は機器室の中に設置される。
機器室は、大抵、駅のうちでも軌道に分岐器や転てつ機の付いている比較的大きな駅に設けられ、軌道に分岐器や転てつ機の付いていない比較的小さな駅には設けられない。
連動装置も中間信号制御装置も軌道回路や他の信号保安装置から列車進入可否に係る情報を入力して信号機の点灯/滅灯に係る制御を行うが、連動装置は信号機に加えて電気転てつ機も制御するのに対し、中間信号制御装置は電気転てつ機の制御を行わない。
本発明の模擬装置および更新方法は、信号機の追加や入替といった信号機更新に伴う中間信号制御装置の更新に役立つものである。
中間信号制御装置20は(図3(b)参照)、室外ケーブル13にて範囲Baの信号灯12と接続され、室外ケーブル13を介して信号灯12に制御信号を送出するようになっている。室外ケーブル13は、少なくとも一対の電線を含んでいて、大抵、一つの信号灯12に一本ずつ敷設され、機器室14から信号灯12までの距離に対応して長いものでは長さが3kmや4kmに達する。
制御部31は、プログラマブルなマイクロプロセッサやデジタルシグナルプロセッサ等からなり、列車進入可否に係る情報に基づいて信号灯12の制御信号の元の二値論理信号を生成するようになっている。
トランス43は、室内ケーブル22のシグナルラインSにて信号灯制御ユニット32と一対一で接続され、該当シグナルラインSを介して受けた制御信号を配電盤28と室外ケーブル13を介して信号灯12に送出するものである。
トランス42もトランス43も、電圧調整可能な絶縁トランスからなり、例えばタップ選択にて一次側と二次側との電圧比を或る程度なら変更できるようになっている。
なお、信号灯12はLED信号を図示したが電球のものも多い。
トランス43の電圧調整は、信号灯12の印加電圧を作業者が計測して別の作業者に連絡し、連絡を受けた作業者が該当トランス43のタップ調整を行う、といった手順で遂行される。そのため、信号灯12の個数が多いと手間が掛かる。
こうして確認試験が済んだら実稼動が開始される。
また(図4(b)参照)、信号灯51のうちA駅寄りの範囲Daに属するものを中間信号制御装置20で制御するため、中間信号制御装置20に中間信号制御装置更新部分60を増設する。繰り返しとなる説明は割愛するが、範囲Dcの信号灯51についても同様にC駅の機器室に中間信号制御装置更新部分が増設される。
このような中間信号制御装置更新部分60は、新たな架に設置されるのでなく、電子端末架30と機器架40とに分けて設置される。
さらに、各信号灯51と配電盤68とが室外ケーブル13同様の室外ケーブル52で接続されて、信号灯制御ユニット61とトランス67と信号灯51とが一つずつ組になる。その他、軌道50の軌道回路から列車進入可否に係る情報を入力する拡張もなされる。
一方、軌道10で列車が運行されている間は、信号灯制御ユニット32の制御プログラムを制御部31にインストールしておかなければならない。
そのため、中間信号制御装置更新部分60のトランスに係る電圧調整の作業は、中間信号制御装置更新部分60が列車運行の未だない軌道50の信号灯51を制御するものであっても、既設の軌道10で列車運行のない夜間などに限って、行われていた。
これに対しては、中間信号制御装置更新部分の電圧調整が既設軌道での列車運行と並行して行えるよう、中間信号制御装置の模擬装置を導入することが考えられるが、それには、電圧調整に適う模擬信号を生成することが要請されるうえ、新たな架を専用に割り当てなくても済むようコンパクト実装に叶うことも要請される。
そこで、中間信号制御装置更新部分の電圧調整に好適で而もコンパクトな模擬装置を実現することが技術的な課題となる。
また、その模擬装置を用いることによって電圧調整が何時でも行える中間信号制御装置の更新方法を実現することも更なる課題となる。
したがって、この発明によれば、中間信号制御装置更新部分の電圧調整に好適で而もコンパクトな模擬装置を実現することができる。
したがって、この発明によれば、中間信号制御装置更新部分の電圧調整に好適で而もコンパクトな模擬装置を確実に実現することができる。
このように上記解決手段の模擬装置を用いてトランスの電圧調整が行われるようにしたことにより、中間信号制御装置更新部分のうち信号灯制御ユニットが電子端末架に搭載されていようといまいと何時でも、さらには中間信号制御装置の既設部分が実稼動していようといまいと何時でも、中間信号制御装置更新部分の電圧調整を行うことができる。
したがって、この発明によれば、上記模擬装置を用いることによって電圧調整が何時でも行える中間信号制御装置の更新方法を実現することができる。
図1に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を具現化したものであり、図2に示した実施例2は、上述した解決手段4(出願当初の請求項4)も具現化したものである。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
このような模擬装置70は、電子端末架30や機器架40に搭載されることなく、例えば八個の信号灯制御模擬回路71を箱体に納めた模擬ユニット73や(図1(b),(c)参照)、例えば三個の模擬ユニット73を連結して把手を付けた携帯ブロック76などに纏められる。模擬ユニット73では、操作スイッチSW1〜SW8が前面に配置され、室内ケーブル62のコネクタ63に適合したコネクタ74が背面に配されている。
この場合も、トランス66,67について一つずつ電圧調整が行われ、トランス67の電圧調整は、信号灯51の印加電圧を作業者が計測して別の作業者に連絡し、連絡を受けた作業者が該当トランス67のタップ調整を行う、といった手順で遂行されるが、この場合は、模擬装置70からトランス67を介して新規設置分の信号機の信号灯51へ模擬信号を送出しながらトランス67に係る電圧調整が行われる。
さらに、その電圧調整に際してトランス67への送出信号の値を設定や変更することが必要になったときには、作業者は、模擬装置70の信号灯制御模擬回路71の操作スイッチSWのうち該当するものを手動操作することで、容易に作業を進められる。
そして、電圧調整が済むと、模擬装置70が取り外される。それから、電子端末架30に信号灯制御ユニット61が装備され、それに室内ケーブル62のコネクタ63が接続されて、確認試験の準備が調う。確認試験以降は従来同様なのでその説明は割愛するが、先行の電圧調整作業が速やかに完了するので、確認試験以降の作業を前倒しして早めに開始することができる。
この更新方法が上述した実施例1のものと相違するのは、中間信号制御装置更新部分60のうち信号灯制御ユニット61を電子端末架30に搭載する作業が機器架40搭載のトランス67の電圧調整に先行して又は並行して行われる点である。
そして、電圧調整が済んだら、室内ケーブル62のコネクタ63を模擬装置70から外して電子端末架30に接続し直せば、確認試験を行う準備が調う。
確認試験は制御部31のプログラムを入れ替えれば何時でも行うことができる。
13…室外ケーブル(遠隔)、14…機器室(A駅)、15…連動装置、
20…中間信号制御装置、22…室内ケーブル、23,24…コネクタ、
28…配電盤、30…電子端末架(駅装置の主架)、31…制御部(プログラム)、
32…信号灯制御ユニット、40…機器架(入出力結合架)、
41…電源(AC110V)、42,43…トランス(調整タップ付)、
50…軌道(新規線路)、51…信号灯(信号機)、52…室外ケーブル(遠隔)、
60…中間信号制御装置更新部分、61…信号灯制御ユニット、
62…室内ケーブル、63,64…コネクタ、65…電源(AC110V)、
66,67…トランス(調整タップ付)、68…配電盤、
70…模擬装置(中間信号制御装置の模擬装置)、71…信号灯制御模擬回路、
73…模擬ユニット、74…コネクタ、76…携帯ブロック、
SSR…ソリッドステートリレー、V…電圧検出計、I…電流検出計、
SW…操作スイッチ、Ds…模擬ダイオード、R…模擬抵抗
Claims (4)
- 鉄道用の信号機に加え電気転てつ機も制御する連動装置と同じ機器室に設置されて信号機は制御するが電気転てつ機は制御しない中間信号制御装置が電子端末架搭載部分の信号灯制御ユニットで生成してそこから室内ケーブルにて機器架搭載部分の電圧調整可能なトランスへ送出する制御信号に似せた模擬信号を生成する中間信号制御装置の模擬装置であって、前記模擬信号の採りうる二値状態のうち何れか一方を手動で設定する操作スイッチと、前記制御信号に係る前記信号灯制御ユニットでの電圧降下と等価な電圧降下を前記模擬信号に生じさせる電圧降下模擬回路とを備え、
更に、前記信号灯制御ユニットがソリッドステートリレーにて前記制御信号の電圧値を切り替えるとともに電流検出計にて前記制御信号の電流値を検出するものであることに対応して、前記電圧降下模擬回路が、前記ソリッドステートリレーの順方向電圧降下を模擬する模擬ダイオードと、前記電流検出計の抵抗と等価な模擬抵抗とを具備していることを特徴とする中間信号制御装置の模擬装置。 - 軌道に付設された鉄道用の信号機を更新するに際して前記信号機の制御を担う中間信号制御装置も更新する中間信号制御装置の更新方法において、
前記信号機のうち新規設置分と前記中間信号制御装置のうち機器架搭載部分の電圧調整可能なトランスとを室外ケーブルにて接続するとともに、
鉄道用の信号機に加え電気転てつ機も制御する連動装置と同じ機器室に設置されて信号機は制御するが電気転てつ機は制御しない中間信号制御装置が電子端末架搭載部分の信号灯制御ユニットで生成してそこから室内ケーブルにて機器架搭載部分の電圧調整可能なトランスへ送出する制御信号に似せた模擬信号を生成する中間信号制御装置の模擬装置であって、前記模擬信号の採りうる二値状態のうち何れか一方を手動で設定する操作スイッチと、前記制御信号に係る前記信号灯制御ユニットでの電圧降下と等価な電圧降下を前記模擬信号に生じさせる電圧降下模擬回路とを備えた中間信号制御装置の模擬装置と前記トランスとを室内ケーブルにて接続して、
前記模擬装置から前記トランスを介して前記の新規設置分の信号機へ模擬信号を送出しながら前記トランスに係る電圧調整を行うことを特徴とする中間信号制御装置の更新方法。 - 軌道に付設された鉄道用の信号機を更新するに際して前記信号機の制御を担う中間信号制御装置も更新する中間信号制御装置の更新方法において、前記信号機のうち新規設置分と前記中間信号制御装置のうち機器架搭載部分の電圧調整可能なトランスとを室外ケーブルにて接続するとともに、請求項1に記載された模擬装置と前記トランスとを室内ケーブルにて接続して、前記模擬装置から前記トランスを介して前記の新規設置分の信号機へ模擬信号を送出しながら前記トランスに係る電圧調整を行うことを特徴とする中間信号制御装置の更新方法。
- 前記中間信号制御装置のうち電子端末架搭載部分の信号灯制御ユニットに係る設備更新を前記電圧調整に先行して又は並行して行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載された中間信号制御装置の更新方法。
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