JPH0217080Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、台所の床下に設置して使用する回
転式床下収納庫装置の改良に関するものである。

従来、この種の収納庫装置として、円形の庫体
を中心支柱に回転自在に装架したものが提案され
ている。この回転式収納庫装置は、床面にあけら
れる物品出入開口が小さくても、物品の出し入れ
が容易にできるので、とくに狭い台所にはたいへ
ん便利である。

しかし、庫体を既存の床下部位に設置する場合
には、床板を支えている大引材および根太材があ
るため、収納庫体をそれだけ下げて設置させなけ
ればならず、その下げた分だけ床面からの庫体開
口までの間隔が長くなるので、物品の出し入れ操
作がやりにくゝなる欠点がある。

また、床板を根太材を介して支えている大引材
相互の間隔が約910mmであるのに対し、直径が約
1500mmの庫体を設置する場合には、大引材が邪魔
になるので、庫体の据付けも極めて面倒となる。

この考案は、上記の問題を解決するためになさ
れたものであつて、庫体を床板に可及的に近づけ
て設置することができ、しかも邪魔になる大引材
を部分的に切除しても床板を支障なく支持するこ
とのできる回転式収納庫装置を提供することを主
たる目的としているものである。

以下、この考案を、その実施例を示した図面に
基づいて詳細に説明する。

第１図ないし第２図において、１は回転式収納
庫装置の円形庫体であり、複数個の扇形枠に底板
と周板を張りつけることにより、組立てられるよ
うになつている。２は庫体を回転自在に支持する
支柱であり、外管３と、そのなかに摺動自在に挿
入されたネジ棒４と、このネジ棒の上端に固定さ
れた受座５と、前記ネジ棒４を螺進作用で昇降さ
せるためのナツト６とから構成され、前記受座５
には、後記する目的のため、ボルト挿入孔７があ
けられている。

前記円形庫体１を支持する支柱２には、これを
その上端で支えるための桁金具Ａが組み合わされ
ている。この桁金具Ａは、僅かな間隙をとつて平
行に引き揃えられた３本の正方形断面の中空角形
パイプ８が桁部材とされ、その両端の上面部に、
外方に突出する長さを有する長方形断面の中空角
形パイプ９の持受部材が溶接で固定され、このパ
イプ９の下面部には、前記パイプ８の端面から間
隔をとつた部位に、垂直に突出する大引材取付け
用当て板部材１０が溶接で固定された構造となつ
ており、前記３本のパイプ８のうち、中央パイプ
８の中心部位にボルト挿通孔１１があけられ、当
て板部材１０には木ネジ挿通孔１２があけられて
いる。１３は３本の中空角形パイプ８相互を結合
するための溶接部である。

次に上記の如く構成された回転式収納庫装置を
既存の床下部位に設置する場合について説明す
る。

第１図および第２図は、庫体１を床下空間に設
置した状態を示したもので、１４は床板、１５は
根太材、１６は大引材、１７は庫体据付け用コン
クリート基盤、１８は大引材の支柱部材である。

庫体１を設置するための位置は、その中心支柱
２が大引材１６にあてられるように設定し、その
設定にもとづいて、最少限の床板を剥がし、さら
に根太部材の一部を切断除去すると共に、大引材
１６も庫体１の直径に対応する部分を切断除去し
ておく。庫体が設置される床下面には、庫体の取
付け高さにもとづいて、コンクリート基盤１７を
敷設し、そのうえに庫体１を据付ける。組立て庫
体の場合には、支柱２をその下端部で固く保持さ
せ、それに扇形枠を取付け、底板および周板を張
りつけて組立てる。

一方、大引材を切断除去した部分には、前記桁
金具Ａを掛け渡して固定する。すなわち、桁金具
Ａを構成している角形パイプ９を大引材の切断端
の上面にのせ、当て板部材１０を大引材の切断端
面に当接させ、木ネジ１９で固定する。

次に、庫体１の支柱２の高さをナツト６で調整
し、受座５を３本の角材パイプ８の下面に当接さ
せ、パイプ側の孔１１と受座側の孔７とにボルト
２０を通し、ナツト２１をかけて締付け、それに
より支柱２の上端を動かないように支持させる。

前記大引材を切断除去した部分に桁金具Ａを掛
け渡たした場合、床板の物品出入開口は、桁金具
の左右のいずれかに設定し、桁金具のパイプ８の
うえに支持される根太材には、パイプ８相互間の
間隙に下側から通した木ネジ２２を螺着して固定
する。

前記庫体１の直径と、その支柱２の上端を支持
する前記桁金具Ａの長さとの関係は、第２図に示
すように、パイプ８の端面と当て板部材１０との
あいだに、庫体の周板が位置づけられるように
し、また、パイプ８の厚みは大引材１６の1/3〜
１／４程度のものを用い、パイプ９の厚みは根太材
１５と僅かに小さくしたものを用いる。

なお、床板の物品出入開口を前記桁金具Ａに当
る部位に設定する場合には、第５図および第６図
に示すように、片持ち型の桁金具Ａを使用し、そ
の先端で庫体の支柱を支持させる。

上記実施例に示したように、この考案によれ
ば、中心支柱に回転自在に支持された円形庫体
と、前記支柱をその上端で支持する桁金具との組
み合わせからなり、前記桁金具は、隙間をとつて
平行に並べられた複数本の角形パイプが桁部材と
され、その端部上面には、床下の大引材にのせら
れる持受用角形パイプが外側に突出するように固
定され、その持受用角形パイプの下面には、前記
桁部材用角形パイプの端面から所要の間隔をとつ
た部位に、大引材の切断端面に当接される当て板
部材が垂直に突出された構造とされ、前記桁部材
となる角材パイプの厚みは前記大引材より小さ
く、また前記持受用角形パイプの厚みは床下根太
材より小さく形成され、前記庫体の中心支柱の上
端には、桁部材となる角形パイプを支持固定する
受座が設けられているので、庫体を床板に可及的
に近づけて設置することができ、しかも邪魔にな
る大引材を部分的に切除しても床板を支障なく支
持することができる回転式床下収納庫装置が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転式床下収納庫装置の据付け状態を
示す一部切断斜視図、第２図は縦断側面図、第２
Ａ図は支柱上端支持部の拡大断面図、第３図は桁
金具の側面図、第４図は平面図、第５図は拡大切
断面図、第６図は他の実施例による桁金具の側面
図、第７図は平面図である。 １……庫体、２……支柱、３……外管、４……
ネジ棒、５……受座、６……ナツト、７……孔、
Ａ……桁金具、８……角形パイプの桁部材、９…
…角形パイプの持受部材、１０……当て板部材、
１１……孔、１２……孔、１３……溶接部、１４
……床板、１５……根太材、１６……大引材、１
７……コンクリート基盤、１８……支柱部材、１
９……木ネジ、２０……ボルト、２１……ナツ
ト、２２……木ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心支柱に回転自在に支持された円形庫体と、
   前記支柱をその上端で支持する桁部材との組み合
   わせからなり、前記桁金具は、隙間をとつて平行
   に並べられた複数本の角形パイプが桁部材とさ
   れ、その端部上面には、床下の大引材に乗せられ
   る持受用角形パイプが外側に突出するように固定
   され、その持受用角形パイプの下面には、前記桁
   部材用角形パイプの端面から所要の間隔をとつた
   部位に、大引材の切断端面に当接される当て板部
   材が垂直に突出された構造とされ、前記桁部材と
   なる角材パイプの厚みは前記大引材より小さく、
   また、前記持受用角形パイプの厚みは床下根太材
   より小さく形成され、前記庫体の中心支柱の上端
   には、桁部材となる角形パイプを支持固定する受
   座が設けられていることを特徴とする回転式床下
   収納庫装置。