JPH02167355A - 樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野］ 本発明はスチレン系樹脂（Ａ）に熱可塑性ポリエステル
樹脂（Ｂ）と芳香族ポリカーボネート樹脂（Ｃ）とエチ
レン−エチルアクリレート共重合樹脂（Ｄ）からなる組
成物及びそのＭｉ戒酸物ら得られる成形品に浸透印刷を
施してなる成形品に関する。かかる組成物は優れた耐衝
撃性を有し、かつ極めて優れた浸透印刷が可能であるの
で、パソコン、ワープロ、タイプライタ−１電話機、電
卓などの押ボタンキーの如く文字、図柄、記号等をキー
の表面に浸透印刷して使用するキートップに特に好適で
ある。

〔従来の技術と問題点〕

キートップ成形品の表面に文字、図柄、記号等を底型す
る方法として、ドライオフセット印刷、シルクスクリー
ン印刷、パッド印刷などの印刷による方法や色の異なっ
た成形品素材で第１次に文字、図柄、記号等を射出成形
し次いで第２次に第１次底形品のまわりに素材を流し込
みキー）１７ブ戒形品にする二色成形法など従来より公
知である。

しかし印刷による方法では、成形品の上にインキが付着
しているだけであるので十分な摩耗耐久性を有する文字
、図柄、記号等は底型できず、また二色成形法は第１次
及び第２次の金型が必要なことからコストが高くなり、
また複雑な文字、図柄、記号等は難しく成形品の肉厚を
薄くすることには限界があり大変高価なものとなってし
まう。この解決法として、最近は浸透印刷法、すわなち
昇華性染料を練り込んだインキを用いて、転写紙の上に
スクリーン印刷やパッド印刷などの印刷により予め文字
、図柄、記号等を印刷したものを作威し、これをキート
ップ成型品上にのせて、さらに加熱圧着し、インキ中の
染料を成形体内部に浸透、固着させる方法や、前記特殊
インキを用いてパッド印刷やスクリーン印刷法により成
形具に直接、文字、図柄等を印刷した後、加熱炉等に投
入し加熱処理することにより、インキ中の染料を成形体
内部に浸透固着させ、不要なインキ成分を溶剤洗浄する
という方法が実用化されつつある。この様な浸透印刷を
行なえば、染料が樹脂内部にまで浸透するため摩耗耐久
性に優れ、インキ付着によるインキの肉盛りもなく打鍵
感触も良好であり、かつ多種多様の複雑な文字、図柄、
記号等も容易に成形品上に底型でき、コストも低減でき
る。しかし、成形具に使用できる樹脂は限定される。即
ち樹脂によっては加熱処理を施すため、樹脂の耐熱不足
による成形具の変形、ゆがみを生じ、また染料の浸透性
の悪さからの浸透深度不足による耐久性不良あるいは染
料の拡散による文字、図柄、記号等のにじみが生じる。

この為、現在実用化されているのはポリブチレンテレフ
タレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の一
部の樹脂である。

また、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン
テレフタレート樹脂であっても結晶性ポリマーである為
、底形の難しさが伴うし、成形具の結晶状態が類似して
いないとインキ浸透後の成形具の色あいが異なることと
なり、キーボード上に並んだ隣り同士のキーの色あいが
異なり、見くるしいものとなってしまう。

さらに、これらポリブチレンテレフタレート樹脂やポリ
エチレンテレフタレート樹脂などのポリアルキレンテレ
フタレート樹脂に他の樹脂、例えばＡＢＳ樹脂等を配合
し、成形具へ印刷を施している（特開昭６３−９８４８
２）が、上記の如き問題点があり、さらには単にポリア
ルキレンテレフタレートとＡＢＳ樹脂とを配合したもの
では熱安定性が悪く成形具を得るのが大変難しい。また
、得られた成形具は耐熱性、耐衝撃強度、曲げ強度等が
充分なものではなく、そしてキートップを転写印刷した
時に表面のシボが消失したり、化粧品をキートップ印刷
品に塗布した試験でにじみ等が発生する。このために充
分な機械的、物理的、化学的性質も兼ね備えた実用に耐
える樹脂の開発が切望されている。

〔問題点を解決するための手段及び効果〕本発明者らは
かかる問題点を解決し、優れた浸透印刷可能な樹脂組酸
物及び成形具を得るため鋭意検討を重ねた結果、スチレ
ン系樹脂（Ａ）１０〜９０重量％と熱可塑性ポリエステ
ル樹脂（Ｂ）１０〜９０重景％と芳香族ポリカーボネー
ト樹脂（Ｃ）１〜８０重量％とエチレン−エチルアクリ
レート共重合樹脂１〜８０（Ｄ）重量％からなる組成物
を得て、これが優れた物性を有し、かつ、浸透印刷が可
能であることを見出し、本発明に達した。

本発明に用いるスチレン系樹脂（Ａ）とはスチレン重合
体又はスチレン共重合体であり、例えばアクリロニトリ
ル−ブタジェン−スチレン（ＡＢＳ）樹脂、アクリロニ
トリル−スチレン（ＡＳ）樹脂、メチルメタクリレ−ド
ープクジエン−スチレン（ＭＢＳ）樹脂、アクリロニト
リル−ＥＰＤＭ−スチレン（ＡＥＳ）樹脂、ブタジェン
−スチレン（ＨＩＰＳ）樹脂、ポリスチレン樹脂などで
あり、これらのスチレンの部分の一部あるいは全部ヲα
−メチルスチレン、又はＮ−フェニルマレンイミドに置
き換えることは通常行なわれる手段であり、本発明の組
成物においても、この様な改質スチレン系樹脂を用いう
る。これらの樹脂は単独又は２種以上混合して使用され
る。

次に、本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂（Ｂ）
とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮
合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいは、これら
３戊分混合物の重縮合等によって得られるホモポリエス
テル、コポリエステル等であり、好ましくはポリアルキ
レンテレフタレートであり、ポリブチレンテレフタレー
ト及びポリエチレンテレフタレートが単独及び混合して
使用され、顕著な効果を示す。

また、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂（Ｃ
）は、２価フェノールとホスゲンまたは炭酸ジエステル
との反応によって製造することができる。２価フェノー
ルとしては、ビスフェノ−）Ｉｉ　ｉ　カ好ましく、特
に２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）プロパンが
好ましい。芳香族ポリカーボネートは、２価フェノール
のホモポリマー２種以上の２価フェノールからのコポリ
マーまたは炭酸の一部を他の２塩基酸（たとえばテレフ
タル酸、イソフタル酸）で置換したコポリマーの中から
選ばれるが、２種以上組合せてもよい。

また、本発明に用いられるエチレン−エチルアクリレー
ト共重合樹脂（Ｄ）は、エチレンとエチルアクリレート
をランダムに共重合させた樹脂である。エチレンとエチ
ルアクリレートの重量比は一般に９５：５〜５：９０、
好ましくは９０：１０〜２０；８０さらに好ましくは８
０：２０〜３０ニア０の範囲内である。さらに、これを
配合する本発明の樹脂組成物の衝撃強度の面から特に好
ましくは７５：２５〜４０：６０の範囲内である。

ここでエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂は１０
％重量以下の量であれば他の成分と共重合しても良い。

ここで使用される他の成分としては、Ｎ−フェニルマレ
ンイミド、無水マレイン酸、メチルメタアクリレートな
どが挙げられる。

特に好ましい成分としては無水マレイン酸で、無水マレ
イン酸含有量が１０％以下のエチレンエチルアクリレー
ト共重合体である。これらの無水マレイン酸を含有した
エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂を配合した本
発明の樹脂組成物は、衝撃強度、樹脂着色性のすぐれた
物が得られる。

本発明は、上記の如きスチレン系樹脂（Ａ）と熱可塑性
ポリエステル樹脂（Ｂ）と芳香族ポリカーボネート樹脂
（Ｃ）とエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂（Ｄ
）とを配合してなる成形品に浸透印刷を施し、優れた浸
透印刷の施された成形品を得ることを特徴とするもので
あるが、この成形品を得るための各成分の配合比は、ス
チレン系樹脂（Ａ）／熱可塑性ポリエステル樹脂（Ｂ）
／芳香族ポリカーボネート樹脂（Ｃ）／エチレンーエチ
ルアクリレート共重合樹脂（Ｄ）＝１０〜９０／１０〜
９０／１〜８０／１〜８０（重量％）、好ましくは２０
〜８０／２０〜８０／１〜６０／１〜６０（重量％）、
より好ましくは２０〜７０／２０〜７０／ｌ〜５０／ｌ
〜５０（重量％）、更に言えば２０〜６０／２０〜６０
／１〜４０／１〜４０の範囲に最適値がある場合が多い
。

また、本発明においては、成形品を構成する上記の組成
物に、浸透印刷性を大幅に損わせない範囲で、公知の添
加物及び／又は充填材を添加できる。例えば、タルク、
石こう、シリカ、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、
アルミナ、二酸化チタン、微粉砕金属、粉末ガラス、カ
ーボンブラック、グラファイト、ポリオレフィン、アイ
オノマー樹脂、安息香酸カルシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、及びテフロンなどの結晶化促進剤や酸化防止
剤、各種安定剤、滑剤、可塑剤、離型剤、帯電防止剤、
界面活性剤等である。

本発明における組成物の調整法としては、特に制限はな
く一般に常用されている方法で作成することができる。

たとえば全組成成分を一度に混合した後、押出し機によ
り溶融混練しペレット化し、しかる後に底形する。

また、本発明・における浸透印刷法も特に限定されるも
のではなく、昇華性染料を練り込んだ特殊インキを用い
て転写紙の上に文字、図柄、記号等を印刷した後、印刷
した転写紙を成形品上にのせて加熱圧着し、インキ中の
染料を成形品内部に浸透固着させる方法、あるいは上記
インキを用いてパッド印刷、スクリーン印刷等の方法で
成形品に直接文字、図柄、記号等を印刷した後、加熱炉
等により固着させる方法等を用いることができる。

〔実施例〕

本発明を実施例により具体的に説明する。尚、以下に示
す実施例及び比較例における浸透印刷法及び評価法等は
次の通りである。

（１）造粒は株式会社中央機械製作所製ＶＣ−４０（ベ
ント付単軸押出機）によりペレットを得た。

（２）得られたペレットを用いて、成形物を作威して物
性評価を行ない、同時に浸透印刷評価用の成形品を得た
。

（３）浸透印刷評価試験片 次のキートップ成形品を用いて転写印刷を行った。いず
れもシボ付のキートップである。

（４）浸透印刷法 基本であるグラシン紙に熱移動性染料を含有するインキ
で文字、記号等からなるパターンを印刷した転写紙を作
威し、予め約１５０″Ｃ雰囲気に１２０秒間予熱してあ
ったキートップ成形品上に乗せ、その上から１８０　’
Ｃに加熱してあった耐熱製ゴムパッドを６０秒間印圧し
て、成形品内部に染料を浸透させ、固着させた。

（５）評価法 ｉ）印刷文字の外観及び品位 浸透印刷直後、及び浸透印刷されたキートップ成形品を
７５°Ｃ１９５％ＲＨの恒温恒湿槽中に２４０時間放置
した後、浸透印刷された文字の外観及び品位を肉眼及び
拡大鏡で観察し、ｌ〜５段階で評価した。印刷した文字
の幅に対して、にしみが文字の幅の　２０％以下のもの
を１．４０％以下のものを２．６０％以下のものを３．
８０％以下のものを４．８０％を越えるものを５とした
。

ｉｉ）浸透度 浸透化を図ったキートップを液体窒素中に浸漬し、キー
トップ素材樹脂のＴｇ点以下に温度を下げてからキート
ップ表面の印刷した文字、記号及び図形の箇所で破断し
、断面を東京光学機械（株）製、ＴＵＭ−２００ＢＤ万
能工具顕微鏡にて観察し、インキの浸度を読み取った。

そして浸透度が３０μｍ以上あるものをＡ、３０μｍ未
満２０μｍ以上のものをＢ、２０μｍ未満１０μｍ以上
のものをＣ，１０ａｍ未満のものをＤで表わした。

ｕｉ）樹脂表面の変化 転写紙をキートップ表面に乗せ、耐熱ゴム製パッドで印
圧したとき、キートップ表面のシボ面の変化を観察した
。このとき転写によりシボの状態に変化のないものをＡ
、シボの状態が変化は認められるが注意して初めてわか
るものをＢ、シボの状態が変化して明らかなものをＣ、
シボの状態が変化してシボが消失してしまうものをＤ、
シボの状態が変化してシボが消失し溶融状態になるもの
をＥで表わした。

ｉｖ）印刷部の摩耗耐久性 ライオン事務機（株）製電動消ゴム用砂消ゴムＮα２０
１を用いて荷重３５０ｇで、印刷面を往復移動させ、文
字の一部が消えるまでの往復の移動回数が５０００回以
上のものをＡ、５０００回未満３０００回以上のものを
Ｂ、３０００回未満１０００回以上のものをＣ，１００
０回未満のものをＤとして評価した。

■）耐化粧品性 下記の化粧品を転写印刷したキートップ表面全体に塗布
し、４０°Ｃ１９５％ＲＨに設置された恒温恒温試験槽
に２４０時間放置した。放置完了後、槽よりキートップ
を取り出し表面をガーゼで拭き取った後にキートップ表
面の文字、記号及び図形の幅に対して、大きくにじんだ
幅の部分の割合が１０％以下のものを１．２０％以下の
ものを２．４０％以下のものを３．８０％以下のものを
４．８０％を超えるものを５とした。

化粧品： １、ニベアハンドクリーム（花王ｖＭ）２、　Ｋｅｒｉ
　Ｌｏｔｉｏｎ（ＷＥＳＴＷＯＯＤ　ＰＨＡＲＭＡＣＥ
ＩＪＴＩＣＡＬＳＩＮＣ，製） 実施例１〜７、比較例１〜７ 表１にスチレン系樹脂の組成を示す。いずれも重量％を
示す数値である。表１のＡ−１のスチレン系樹脂と固有
粘度０．７６のポリブチレンチレフタレ−１−（ＰＥＴ
）樹脂と重量平均分子量２００００の芳香族ボリカーポ
ネー１−　（ＰＣ）樹脂とエチレン：エチルアクリレー
ト比が７０：３０であり、無水マレイン酸が５重里％共
重合しであるエチレン−エチルアクリレート共重合（Ｅ
ＥＡ）樹脂とを表２の割合で造粒した。次いで、このペ
レットの一部を物性測定に使用し、残りで射出成形によ
り試験片（キートップ）を作成し、浸透印刷を施し評価
した。比較例としてスチレン系樹脂、ＰＢＴ樹脂、ＰＣ
樹脂、ＥＥＡ樹脂単独、及び２成形系の配合を行い同様
に評価した。結果を併せて表２に示す。

実施例８〜１１、比較例９〜１２ 表１のＡ−２からＡ−５までのスチレン系樹脂を配合し
、実施例１と同様の処理を行い評価した。

比較のためにスチレン系樹脂、ＰＢＴ樹脂、ＰＣ樹脂、
ＥＥＡφ脂の１戒分を含まない配合を行い評価した。

組成及び評価結果を表３に示す。

実施例１２〜１７、比較例１３〜１６ 固有粘度０．７２のポリエチレンテレフタレート（ＰＥ
Ｔ）樹脂を用いて、表１中のスチレン系樹脂、ＰＣ樹脂
、及びＥＥＡ樹脂を実施例１〜７と同様に配合評価した
。結果を比較例とともに表４に示す。

〔発明の効果〕

以上の実施例及び比較例によって明らかな如く、スチレ
ン系樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂と芳香族ポリカー
ボネート樹脂とエチレン−エチルアクリレート共重合樹
脂を含有するｍ酸物は、芳香族ポリカーボネート樹脂と
熱可塑性ポリエステル樹脂の２種からなる組成物、スチ
レン系樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂の２種からなる
組成物、スチレン系樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂と
芳香族ポリカーボネート樹脂の３種からなる組成物より
も物性的に優れ、そして浸透印刷特性においても本発明
の組成物の成形品に浸透印刷したものは、スチレン系樹
脂と熱可塑性ポリエステル樹脂の２種からなる組成物よ
りも印刷した樹脂表面の変化が著しく少なく、そして化
粧品塗布等によるインキのにじみも少ない。また、芳香
族ポリカーボネート樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂の
２種からなる組成物よりも化粧品塗布等によるインキの
にじみが改良される。この結果、加熱温熱処理してもイ
ンキのにじみが著しく少なく、摩耗耐久性にも優れた浸
透印刷成形品を得ることが可能となった。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、スチレン系樹脂（Ａ）１０〜９０重量％と熱可塑性
   ポリエステル樹脂（Ｂ）１０〜９０重量％と芳香族ポリ
   カーボネート樹脂（Ｃ）１〜８０重量％とエチレン−エ
   チルアクリレート共重合樹脂（Ｄ）１〜８０重量％から
   なる樹脂組成物。 ２、請求項１に記載の樹脂組成物の成形品に浸透印刷を
   施した成形品。 ３、請求項１に記載の樹脂組成物を成形してなり、表面
   に浸透印刷を施したキートップ。