JP2002188016A - レーザマーキング用樹脂組成物 - Google Patents
レーザマーキング用樹脂組成物Info
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Abstract
たレーザマーキング用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 樹脂組成物中にTiNxOy(x=0.
1〜1.0、y=0〜1.9)の組成を有する着色粉末を
含有し、レーザマーキングによって上記着色粉末が白色
に変化してマーキング部分を表示することを特徴とする
樹脂組成物。
Description
いし暗色系の樹脂組成物であって、表面にレーザ光線を
照射することによって文字、記号、図柄等のマークを高
感度で視認性が高く鮮明に白色に発色させることのでき
るレーザマーキング用樹脂組成物に関する。本発明の樹
脂組成物は透明性と明瞭なマーキング性を必要とする各
種用途において広く用いることができる。
マーキングを行う方法として、熱硬化性インキ、あるい
はUV硬化性インキを用いた印刷等の方法が従来から一
般的に行われているが、この方法は(イ)マーキングに時
間がかかる、(ロ)硬化不足によりマーキングの一部が取
れる、(ハ)インキの密着性不足により耐久性が劣るなど
の問題があった。
にマーキングを行う方法としてレーザ光を利用し、文
字、記号、図柄等のマーキングを行うレーザマーキング
方法が提案されている。これは、高分子有機材料や金属
等の基材表面にマーキング用の添加剤を導入し、これに
レーザ光を照射して添加剤の作用によって基材表面に発
泡、分解、融解、気化、炭化等の熱的変化を生じさせ、
あるいは照射部分の樹脂に含まれる添加剤の状態変化、
たとえば着色剤の変色や脱色による色の変化を利用して
マーキングを行うものである。
グ方法は、例えば透明な樹脂組成物の表面をレーザ光で
マーキングする場合、レーザ光が透過しマーキングされ
なかったり、あるいはレーザ光の熱的変化によってマー
キングを行うためにマーキング文字が凹状の蝕刻文字と
なり、または黒褐色系の焦げた状態の文字になるなどの
欠点があり、しかも、このようにして得られたマーキン
グ文字はコントラストが不十分で識別し難く、印刷文字
に比較してかなり見劣りするため実用性に乏しいなどの
問題があった。
させる種々の提案がなされている。例えば、特開昭60−
110737号公報には真珠光沢顔料を添加した樹脂組成物が
記載されている。この他に、白色または黒色のマーキン
グ方法が特開平1−254743号公報、特開平4−246456号公
報、特開昭60−166488号公報、特開平2−48984号公報、
特開平3−281286号公報、特開平5−25317号公報、特開
平6−48042号公報などに記載されている。また、有色マ
ーキング方法が特開昭60−155493号公報、特開昭61−69
488号公報、特開平1−306285号公報、特開平2−204888
号公報、特開昭63−239059号公報、特開平6−8633号公
報、特開平8−127175号公報、特開2000−129070号公報
などに記載されている。しかし、これらの多くは金属化
合物をフィラーとして含有しており、重金属を含むもの
は安全性や環境への影響が問題になり、しかも金属化合
物自体が着色しているため、樹脂組成物の色調が制限さ
れるという問題を有している。また、樹脂に種々多量の
フィラーを含有するため、樹脂物性を損ない、高価なも
のとなる。
組成物において、一部のものはマークの明度が十分であ
るものの大部分は明瞭性に乏しく、しかも従来のマーキ
ング用樹脂組成物は何れも樹脂本来の物性である透明性
が損なわれており、透明性と明瞭なマーキング性とを兼
備したものはこれまで知られていない。透明性と明瞭な
マーキング性とを兼ね備えたものは内部が透けて見える
用途に最適であり、例えば、包装材料や各種ハウジング
材などの用途、あるいはスケルトン構造などのファッシ
ョン性を有する用途などの広い分野において要望されて
いる。
キング用樹脂組成物における上記問題を解決したもので
あり、レーザ光の照射によるマーキングにおいても樹脂
本来の物性を損なわずに透明性を維持し、明瞭なマーキ
ングを施すことができ、しかも半永久的にマーキングが
消滅しない優れた視認性と透明性を有する樹脂組成物を
提供するものである。
ば以下の構成からなるレーザマーキング性を有する樹脂
組成物が提供される。 (1)樹脂組成物中にTiNxOy(x=0.1〜1.
0、y=0〜1.9)の組成を有する着色粉末を含有し
ており、レーザマーキングによって上記着色粉末が白色
に変化してマーキング部分を表示することを特徴とする
樹脂組成物。 (2)上記(1)の樹脂組成物において、厚さ100μmに
成型した条件下で全光透過率10%以上の透過性を有す
る樹脂組成物。 (3)着色粉末の含有量が0.01wt%〜1.0wt%であ
る上記(1)または(2)の樹脂組成物。 (4)着色粉末の粒径がBET径で1.0μm以下である
上記(1)、(2)または(3)の樹脂組成物。 (5)レーザマークした後の白色度(L値)が60以上で
ある上記(1)〜(4)の何れかの樹脂組成物。 (6)着色粉末と共に着色剤が添加されている上記(1)
〜(5)の何れかの樹脂組成物。 (7) 樹脂が熱可塑性樹脂である上記(1)〜(6)の何れ
かの樹脂組成物。
て詳細に説明する。本発明に係る樹脂組成物は、樹脂中
にTiNxOy(x=0.1〜1.0、y=0〜1.9)
の組成を有する着色粉末を含有しており、レーザマーキ
ングによって上記着色粉末が白色に変化してマーキング
部分を表示することを特徴とするものである。
末は、TiNxOy(x=0.1〜1.0、y=0〜1.
9)の組成式で表される窒化チタンないし酸窒化チタン
である。ここで、xが0.1未満のものは着色性に問題
がある。また、xが1.0を上回るNは含有できない。
一方、yが1.9を超えるものは顔料としての色調に難
点がある。この着色粉末(TiNxOy)はそのO/N重量
比が0.2〜8の範囲であるものが好ましい。
0μm以下のものが好ましい。粒径が1.0μmより大き
いと顔料用として適さず、しかも樹脂の透明性が失われ
る。また、着色粉末の含有量は0.01〜1.0wt%が適
当である。着色粉末が0.01wt%より少ないと白色化
の程度が弱くマーキングが不明瞭になる。一方、この量
が1wt%を上回ると樹脂の透明性が損なわれ、しかも樹
脂中の粉末量が多過ぎるためマーキング加工の際に着色
粉末の一部が樹脂中より周囲に飛散し、マーキング部分
の樹脂の性質を劣化させるために明瞭にマーキングでき
ない場合がある。
調整することによって、厚さ100μmに成型した条件
下において全光透過率10%以上、好ましくは20%以
上の高い透明性を有するシート樹脂組成物を得ることが
できる。従って、このシート状樹脂組成物は包装材や外
装材などに用いた場合、内部を透過して確認することが
できる。なお、全光透過率は標準光源による人射光量に
対する透過光量の割合によって示される。ただし、厚み
や形状は、使用される用途や素材によって自由に選択し
得る。
光の照射を受けて白色の二酸化チタン(TiO2)に変化
し、レーザ光が照射されたマーキング部分が明瞭な白色
に表示される。このマーキング部分はL値が60以上の
明瞭な白色度を有することができる。なお、レーザ光を
照射しない部分は透明性を維持する。
は、透明性であって上記着色粉末と反応しないものであ
れば良い。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、アク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエ
ーテルスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリフェニレンスルファイド等の
公知の熱可塑性樹脂がいずれも使用できる。これらの樹
脂は単独あるいは2種以上を混合して使用することも可
能である。また、これらの樹脂は適当な分子量調節剤、
分岐剤、反応を促進するための触媒等を添加したもので
も良い。
塑性樹脂組成物には、要求される用途に応じて、熱硬化
性樹脂などの他の重合体を配合することができる。他の
重合体としては、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ
アミドエラストマー、ポリアミドイミドエラストマー、
ポリエステルエラストマー、ポリエーテルエステルアミ
ド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂な
どが挙げられる。この重合体の配合量は、熱可塑性樹脂
成分100重量部に対して、1〜150重量部、好まし
くは5〜100重量部が適当である。
00重量部に対してポリカーボネート樹脂40重量部以
上、最も好ましくは60重量部以上を混合したものなど
が好ましい。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂は
テレフタル酸成分の一部やエチレングリコール成分の一
部(通常30モル%以下)を他のジカルボン酸、オキシカ
ルボン酸やジオールで置き換えた共重合体であっても良
い。
フタル酸成分の一部やテトラメチレングリコール成分の
一部(通常30モル%以下)を他のジカルボン酸、オキシ
カルボン酸やジオールで置き換えた共重合体であっても
良い。また、ポリアミド樹脂は例えば環状ラクタムの開
環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物、二塩基酸とジ
アミンとの重縮合物などを用いることができる。なお、
これらのポリアミド樹脂のうちではナイロン46が好ま
しい。ナイロン46樹脂はアジピン酸成分またはテトラ
メチレンジアミン成分の一部を他の共重合体成分で置換
したものでもよい。
しては、例えばホモポリマー、コポリマーおよびブロッ
クコポリマーなどが挙げられる。また、ポリオレフィン
樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ−4−メチルペンテン−1、アイオノマなどが挙げ
られる。さらに、スチレン系ポリマーとしては、Hi−
PS樹脂、ABS樹脂、およびポリスチレン・AS樹
脂、MBS樹脂などを挙げることができる。
いはゴム状重合体に単量体を配合してなるゴム強化樹脂
でも良い。ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−プロピレ
ン−(非共役ジエン)共重合体、エチレン−ブテン−1
(非共役ジエン)共重合体、イソブチレン−イソプレン共
重合体、アクリルゴム、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン
ラジアルテレブロック共重合体、スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体、SEBSなどの水素添加
ジエン系重合体、ポリウレタンゴム、シリコーンゴムな
どが挙げられる。シリコーンゴムを用いる場合はその中
にグラフト交叉剤を配合すれば耐衝撃性にも優れる熱可
塑性樹脂組成物が得られる。また、ゴム粒径の異なる2
種以上のゴム状重合体を用いればさらに耐衝撃性、物性
バランスに優れる熱可塑性樹脂組成物が得られる。
ニル化合物、シアン化ビニル化合物(メタ)アクリル酸エ
ステル、酸無水物系単量体およびマレイミド系化合物の
群から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体を用い
ることができる。これらは2種以上を併用することがで
きる。代表的なゴム強化樹脂としてはABS樹脂、AE
S樹脂、ASA樹脂などが挙げられる。代表的な重合体
としてはAS樹脂、スチレン−アクリロニトリル−メタ
クリル酸メチル共重合体、スチレン−N−フェニルマレ
イミド共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレ
ートなどが挙げられる。
脂組成物は上記着色粉末と共に他の着色剤を含有するこ
とができる。着色剤を添加することによって透明性を維
持しながら樹脂組成物に多用な色調を与えることができ
る。着色剤としては各種の染料や有機顔料、無機顔料な
どが挙げられる。使用される着色剤は特に制限されない
が透明性を維持するためには染料が望ましい。
料、アゾ顔料、スチルベンアゾ顔料、ケトイミン染料、
トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン
染料、キノリン染料、メチン染料、チアゾール染料、イ
ンダミン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン
染料、硫化染料、アミノケトン染料、アントラキノン染
料、インジゴイド染料、キノフタロン、アンスラピリド
ンなどが挙げられる。
ゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン
系、ペリノン系、ジオキサジン系、アンスラキノン系、
イソインドリノン系など金属配位した有機顔料が挙げら
れる。無機顔料としてはたとえば、硫酸鉛、チタンイエ
ロー、酸化鉄系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロ
ムグリーン、スピネルグリーン、ジンクイエロー、クロ
ムバーミリオン、クロムイエロー、クロムグリーン、カ
ドミウムイエロー、カドミウムレッド、炭素粉末、酸化
亜鉛、酸化チタンなどが挙げられる。
なわない範囲で配合される。具体的には着色剤の配合割
合は、例えば、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.
001〜1重量部であり、好ましくは0.01〜0.1重
量部である。着色剤の配合量が0.001重量部未満で
は着色が十分ではない。一方、この量が1重量部を上回
ると樹脂の透明性を損ない、かつレーザ光の照射による
樹脂表面の蝕刻が激しくなり、視認性の良いマーキング
が難しくなる。
要に応じて無機充填材を配合しても良い。無機充填材の
形状は制限されない。粉粒状、繊維状、板状のいずれで
もよい。なお、好ましい形状は、ガラス繊維、ガラスパ
ウダー、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、シリ
コンビーズ等である。また、無機充填材の種類として
は、例えば二酸化珪素、雲母類、カオリン類、高炉スラ
グ、珪砂、珪醸土、タルク等の珪素化合物、炭酸カルシ
ウム、アルミナ、ガラス繊維、ワラストナイト、ガラス
フレーク、ミルドファイバー、硬化亜鉛ウィスカー、チ
タン酸カリウムウィスカーなどを1種または2種以上併
用することができる。無機充填材の配合量は、樹脂成分
100重量部に対して0.01〜30重量部が適当であ
り、0.1〜1重量部が好ましい。無機充填材の配合量
が30重量部を超えると樹脂が透明性を失い、かつレー
ザマーキング性が損なわれる。
は滑剤や可塑剤を添加することができる。滑剤は、例え
ばスチアリン酸、ベヘン酸及びそのエステル、又は塩、
カルナウバワックス、ポリエチレンワックス等のワック
ス類及び各種界面活性剤が用いられる。これらは樹脂1
00部に対して通常0.1〜5.0重量%の割合であれば
良い。可塑剤としてはフタル酸、リン酸、セパシン酸等
のエステルが用いられる。
を損なわない範囲で、有効発現量の熱安定剤、離型剤、
紫外線吸収剤、難燃剤(ハロゲン系化合物、有機リン系
化合物、窒素系化合物、金属水酸化化合物、アンチモン
化合物などを単独あるいは併用して使用)、酸化防止
剤、光安定剤、カップリング剤、耐候剤(リン系、イオ
ウ系の有機化合物、水酸基を含有する有機化合物が好ま
しい)などの通常のプラスチック加工において常用され
ている添加剤を添加してもよい。これらの添加剤の好ま
しい配合量は樹脂成分100重量部に対して0.01〜
10重量部が適当であり、0.1〜1重量部が好まし
い。
樹脂組成物の製造方法は限定されない。例えば、熱可塑
性樹脂、着色粉末(TiOxNy)、必要に応じてその他
添加剤を、(イ)V型ブレンダー等の混合手段を用いて充
分に混合した後にベント式一軸ルーダーでペレット化す
る方法、(ロ)スーパーミキサー等の強力な手段で予め混
合したものを用意しておき、これをベント式の二軸ルー
ダーの第一供給口より定量供給し、無機充填剤はルーダ
ー途中の第二供給口より定量供給して混練し、ペレット
化する方法など一般の工業的製法を適宜用いることがで
きる。
は、各配合粉未を濃度の高いマスターバッチにして上記
方法を適用すればよい。濃度の高いマスターバッチは、
黒色粉末(TiOxNy)、必要に応じて着色剤、充填
剤、滑剤、可塑剤、熱安定剤等の添加剤を熟可塑性樹脂
に加え、エクストルーダー、バンバリーミキサー、二軸
ニーダー、ロールミル等の混練機を用いて均一に配合
し、ペレット状やマーブル状等の所望の形状に成形する
ことにより得られる。
00℃の範囲が適当である。混練に際しては、各成分を
一括混練してもよく、また任意の成分を混練りした後に
残りの成分を添加して混練する多段分割混練り法を採用
しても良い。なお、押し出し機を用いるのが好ましく、
押し出し機としては二軸スクリュー型が良い。
形するには、通常の熱可塑性樹脂のフィルム化に適用さ
れるインフレーション加工、多層インフレーション加
工、Tダイフィルム加工、フラットフィルム法による縦
横同時二軸遠心法、あるいは縦横逐次二軸遠心法、縦横
逐次二軸遠心法、チュープラフィルム法などによること
ができる。また、各種成形体への3次元の成形は射出成
形、シート押し出し成形、真空成形、異形押し出し、発
泡成形、中空成形、回転成形など公知の方法を適用する
ことができる。
用樹脂組成物はその表面をレーザ光で照射することによ
って樹脂に含まれる着色粉末(酸窒化チタン粉末)が白色
に変色してマーキング部分を表示する。所望の形状のマ
ーキングを行うには、例えばレーザ光線を適当なスポッ
トにして対象物の表面を走査する方法、レーザ光線をマ
スクすることによって所望形状のレーザ光としこれを対
象物の表面に照射する方法などが挙げられる。
酸ガスレーザ、He−Ne、ルビーレーザ、半導体レー
ザ、アルゴンレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザな
どがいずれも可能である。レーザマーカ装置として、C
O2レーザマーカ、YAGレーザマーカが市販されてい
る。なおYAGレーザは波長が1.06μmであり、樹脂
自身によってそのエネルギーが吸収されることが殆どな
いため樹脂の燃焼や気化が起こり難いので好ましい。そ
の発振形態は連続発振であってもパルス発振であっても
よい。
は、発振するレーザーの種類、エネルギーの強さ、ビー
ムの絞り、走査速度、パルスの場合はパルス発振条件、
サンプルとの距離等などを最適化することが必要であ
る。これらによって単位面積あたりに照射されるエネル
ギー量などが大きく異なるので、マーキング状態は大き
く影響を受ける。レーザーの照射量が少ない場合には、
TiNxOyが十分に酸化チタンに変化しないため明確に
マーキングがされない。また、過剰に照射した場合に
は、樹脂組成物まで炭化するなどの熱的変化が起こるた
め好ましくない。
組成物の成形表面をレーザ光で照射すると、レーザ光照
射部分は未照射部分よりやや盛り上がる。この照射部分
の好ましい盛り上がり高さは1〜500μm程度である
が、10〜100μm程度が、レーザマーキング発色、
照射(文字)部分の認識が鮮明で好ましい。また、この文
字高さを利用して、点字用の成形品を作製することも可
能である。
組成物は透明性と明瞭なマーキング性を有するので幅広
い用途に用いることができる。具体的には、ICなどの
半導体、抵抗体、コンデンサー、インダクター等の電子
部品、リレー、スウィッチ、コネクター、印刷回路板等
の電気部品、電気製品のハウジング、自動車部品、機械
部品、ケーブル、シート、包装シート、カード、食品、
化粧品、トイレタリー用品、医薬品等の各種容器類やそ
のキャップ等の表面にメーカー名、物品名、製造年月日
等のマーキングする場合、あるいはバーコードシステム
におけるバーコードを表示する場合などに好適である。
維包装、雑貨包装、薬品類の包装、テープ、絶縁材料、
農業用フィルム、各種シート、各種シール、ラベル等通
常の熱可塑性樹脂フィルムが用いられる分野と同様の分
野で用いられる。この他にフィルム状のものは各種基材
すなわちクラフト紙や上質紙などの紙類、プラスティッ
クフィルム類、アルミニウム等の金属箔などと密着させ
てラミネートすることができる。このラミネート品の用
途としては牛乳、酒類などの食品容器、医薬品の包装材
料、食品の包装材料、各種シート、各種シール、ラベル
等の用途が挙げられる。
家電製品、車両用途などのボタン、ハウジング、スイッ
チなどの成形品に適用することができる。また、建築材
料として、敷居、窓枠、手すり材料などにも使用でき
る。これらの製品表面をレーザ光照射することにより明
瞭な白色に発色させることができる。このレーザマーキ
ングで発色させた文字部分などは印刷した文字部分より
も耐候性が優れ、かつ、耐摩耗性にも優れるので、印刷
よりも遙かに実用上好ましい。
ザ光線の照射によって文字、記号、図柄等のマークを高
感度で視認性が高く鮮明に白色に発色させることのでき
るレーザマーキング用樹脂組成物を得ることができる。
この樹脂組成物は透明性と明瞭なマーキング性を必要と
する各種の用途において広く用いることができる。
す。表1に示す組成と粒径の酸窒化チタン粉末を表1の
含有量になるようにPET樹脂またはPC樹脂に配合
し、一部に黄色のアンスラキノン系染料(Pigment Yell
ow 147)、赤色のペリノン系顔料(Solvent Red135)、
またはシリカガラス粉末を加え、二軸押出し混練機によ
って混練し、得られたペレットを熱プレス機によって
0.1mm厚のシート状に成形した。この樹脂シートにつ
いて、規格(JIS-K7015)に従い、シングルビーム方式に
基づき直読ヘーズメータ(スガ試験機社製品)を使用して
全光透過率を求めた。また、これにYAGレーザーマー
カ装置(キーエンス社製品MY-9500)を用い、YAGレー
ザーを照射してレーザーマーキングを施した。このマー
キング部分のL値を測定した。この結果を表1に示した
(試料No.1〜No.14)。
1に示す粒径の酸化チタン粉末と炭素粉末を用い、これ
を表1に示す含有量になるようにPC樹脂に配合し、上
記試料No.1〜No.14と同様にして樹脂シートを形成し、
全光透過率を求め、レーザマーキングを施した。この結
果を表1にまとめて示した。
範囲に属する試料(No.1〜No.10)は何れも全透過率が1
0%以上、大部分は30%以上であり、透明性を維持し
ている。また、樹脂シートの色調は染料を添加したもの
を除き黒色系であり、染料を添加したものは所定の色調
を有し、試料No.6を除きマーキング部の白色度(L値)
は70以上であって優れた視認性を示す。また、酸窒化
チタン粉末の含有量が0.02wt%と少ない試料No.6に
おいても、マーキング部のL値は60と高く、明瞭な視
認性を有する。
を用いた試料(No.11、No.12)、および酸窒化チタン粉末
の含有量が多過ぎる試料(No.13)は何れも樹脂シートの
全光透過率が2%および5%と低く、酸窒化チタン粉末
の含有量が少ない試料(No.14)は透明性が高いもののマ
ーキング部の白色度は30と低く視認性が低い。従っ
て、酸窒化チタン粉末の粒径は1.0μm以下が適当であ
り、樹脂中の含有量は0.01〜1.0wt%が好ましい。
もマーキング部の白色度が30と低く、マーキング部の
視認性が劣る。また、酸化チタン粉末を用いた比較試料
(No.15)はこの粉末が白色であるために樹脂シートが灰
白色を呈し、マーキング部の白色度が高くても視認性が
劣る。
を施した場合に樹脂本来の物性を損なわずに透明性を維
持し、かつ優れた視認性を有する明瞭なマーキング部を
得ることができる。従って、本発明の樹脂組成物は内部
が透けて見える用途や、下地の表示を浮き立たせる用途
などに最適であり、例えば、包装材料や各種ハウジング
材などの用途、あるいはスケルトン構造などのファッシ
ョン性を有する用途などの広い分野において利用するこ
とができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 樹脂組成物中にTiNxOy(x=0.
1〜1.0、y=0〜1.9)の組成を有する着色粉末を
含有しており、レーザマーキングによって上記着色粉末
が白色に変化してマーキング部分を表示することを特徴
とする樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1の樹脂組成物において、厚さ1
00μmに成型した条件下で全光透過率10%以上の透
過性を有する樹脂組成物。 - 【請求項3】 着色粉末の含有量が0.01wt%〜1.0
wt%である請求項1または2の樹脂組成物。 - 【請求項4】 着色粉末の粒径がBET径で1.0μm以
下である請求項1、2または3の樹脂組成物。 - 【請求項5】 レーザマークした後の白色度(L値)が6
0以上である請求項1〜4の何れかの樹脂組成物。 - 【請求項6】 着色粉末と共に着色剤が添加されている
請求項1〜5の何れかの樹脂組成物。 - 【請求項7】 樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1〜6
の何れかの樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000388682A JP3479698B2 (ja) | 2000-12-21 | 2000-12-21 | レーザマーキング用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2000388682A JP3479698B2 (ja) | 2000-12-21 | 2000-12-21 | レーザマーキング用樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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