JP2009166419A - レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】柔軟性やソフト感が要求されるタグ用材料へのレーザーマーキング性に優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部に、カーボンブラック0.0001〜0.5質量部と金属酸化物から選ばれる少なくとも1種を0.01〜20質量部含む軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザーマーキング性、柔軟性やソフト感に優れた軟質レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物に関する。特に、車載部材、電気・電子部品、ICタグや一般のタグなどに用いられる軟質プラスチックスに関し、生地色と印字部とのコントラストが高く、鮮明な文字、記号、画像が得られ、優れた柔軟性を有する軟質レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
現在、産業のほとんどあらゆる分野で、製品のラベルやマークづけは必要不可欠なものであり、ラベル又はマークに記される内容も、製造日付、使用有効日付、バーコード、会社ロゴ、連続番号等、複雑かつ多種多様なものとなっている。これらのラベル又はマークは、従来から、主に印刷、エンボス、スタンプ、又は、ラベルづけ等の方法を用いて付けられている。
しかしながら、プラスチックの場合にはレーザーを使用して非接触的に非常に速く、しかも、自在にラベル(マーク)を付ける重要性が増しつつある。レーザーを使用して、図形的なマーキングを行う場合、例えば、バーコードを平らでない表面に施す場合には、その表面の凹凸に関係なく、高速度で容易にマーキングできるからである。しかも、この銘刻はプラスチック物品それ自体のなかにあるので、耐久性があり摩耗に対して強いという利点があるからである。
ところで、このようにレーザーを用いてプラスチックにマークする場合には、一般的に、COレーザーのほかにNd−YAGレーザーを使用され、1064nm又は532nmの波長を特徴とするパルスエネルギー光線を放射するYAGレーザーが通常使用される。但し、このようなレーザー光照射によるレーザーマーキングは、どの種類の樹脂にでも可能ではなく、限られた樹脂であった。
例えば、ポリオレフィン、又は、ポリスチレンの場合には、10.6μmの赤外線領域で光を出すCOレーザーでは、極めて高い出力で照射しても、レーザーマーキングはほとんど判読しがたいものでしかなかった。
また、熱可塑性エラストマーである熱可塑性ポリウレタンの場合には、Nd−YAGレーザーではレーザーマーキングでの発色が弱く、COレーザーでは熱可塑性ポリウレタン成形体表面を損傷してしまうだけであった。
このような問題に対して、下記の特許文献1〜6がある。
特許文献1〜3では、レーザーマーキング可能なプラスチックス材料としスチレン系樹脂にカーボンブラック、黒色酸化鉄及びチタンブラックなどの黒色系化合物を0.01〜5質量部配合することにより、レーザーマーキング性を向上させたプラスチックスが開示されている。また、特許文献4では、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂からなる樹脂組成物に黒色系物質を配合したレーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
しかし、これらの特許文献1〜4に開示されるレーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物は、いずれも硬質のプラスチックスであり、柔軟性やソフト感が要求されるタグ用材料としては不適であった。
一方、特許文献5では、デュロ硬度Dが60以下の柔軟性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、カーボンブラック及び低次酸化チタン、珪素化合物を合計で0.01〜10質量部含有してなるレーザーマーキング用樹脂組成物を開示され、柔軟性やソフト感が要求されるタグ用材料への試みがなされている。
更に、特許文献6では、熱可塑性プラスチックスに、薄片状基質をベースに、これにドープされた二酸化錫の被覆を有する顔料の割合が0.1〜3質量%含むことを特長とするレーザーマーク可能なプラスチック組成物が開示されており、そのプラスチックスの1種にポリウレタンが開示されている。
しかし、これらのレーザーマーキング用樹脂組成物、或いは、プラスチック組成物では、レーザーマーキングによる黒発色性が不十分であり、実用上問題を残しているものであった。
以上のように、いずれの特許文献に開示されるレーザーマーキング用樹脂組成物柔軟性では、ソフト感が要求されるタグ用材料として不十分なものであり、更なる改良が望まれている。
特開2000−212378号公報 特開2000−265029号公報 特開2003−147155号公報 特開2004−83833号公報 特開2007−106840号公報 特許第3591654号公報
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、柔軟性やソフト感が要求されるタグ用材料へのレーザーマーキング性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
本発明により、以下の軟質レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物が提供される。
[1] 熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部に、カーボンブラック0.0001〜0.5質量部と金属酸化物から選ばれる少なくとも1種を0.01〜20質量部含む軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
[2] 前記金属酸化物が、三酸化アンチモンである[1]に記載の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
[3] 更に、顔料及びまたは染料を含む[1]又は[2]に記載の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
[4] 前記軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物が、ICタグまたは家畜タグ用である[1]〜[3]のいずれかに記載の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物からなる成形体に、ビーム径が20〜40μm、レーザー媒質がイットリウム−四酸化バナジウムであるレーザー光線を照射して印字する、レーザーマーキング方法。
本発明によれば、レーザーマーキング性に優れた柔軟性やソフト感が要求される各種タグを提供することができる。とりわけ、電気・電子用途における各種スイッチ類やレバー・ハンドル、自動車の内装用途における各種スイッチ類やレバーなど、更に、ICタグ等のタグ、家畜タグ等に、優れたレーザーマーキング性と柔軟性やソフト感を兼ね備えた材料を提供できるという優れた効果を有する。
以下、本発明の優れたレーザーマーキング性と柔軟性やソフト感を兼ね備えた材料を実施するための最良の形態について具体的に説明する。但し、以下の実施形態に限定されるものではない。
[1]本発明における軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物:
本発明のレーザーマーキング性と柔軟性やソフト感に優れた熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部に、カーボンブラック0.0001〜0.5質量部と金属酸化物から選ばれる少なくとも1種を0.01〜20質量部含むことを特徴とする軟質レーザーマーキング樹脂組成物である。
[1―1]熱可塑性ポリウレタン樹脂:
本実施形態における熱可塑性ポリウレタン樹脂は、ポリオールと鎖延長剤としてのジオール及びジイソシアネートとの付加重合体である。具体的には、ジイソシアネートと鎖延長剤の反応でできたハードセグメントとポリオールとジイソシアネートとの反応でできたソフトセグメントからなるブロックコポリマーである。
すなわち、この2つのセグメントはお互いに相溶せずミクロ相分離状態で存在し、水素結合を主とする分子間凝集力により結晶相を形成するハードセグメントドメインと、ソフトセグメント主体の弱い分子間力によって運動性の高いマトリックスからなる高次構造を形成している。この時に、ソフトセグメントはゴム弾性や柔軟性を付与する働きをし、ハードセグメントドメインは常温でのソフトセグメントの塑性変形を防止し、加熱により可塑化し、冷却することにより再硬質化する熱可塑性の働きをすると共に、その分子間凝集力により加硫ゴムによる架橋点及び補強材としての自己補強性の働きをする。従って、この熱可塑性を活かして、射出成形や押出成形等により優れた柔軟性と成形性を有する成形品が得られる。
なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、用いるポリオールによりその性質が異なる。例えば、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールが挙げられるが、これらは、使用される用途に応じて使い分ければよい。
具体的には、熱酸化劣化においてはポリエーテルポリオールの方がポリエステルポリオールより影響を受けにくいため、耐熱劣化性が要求される用途にはポリエーテルポリオールが好適に使用される。
また、熱可塑性ポリウレタン(TPU)は水が存在すると加水分解を受けやすく物性低下を引き起こすが、ポリエステルポリオールを使用したTPUはそのエステル結合が、ポリエーテルポリオールを使用したTPUはそのウレタン結合が優先的に切断されるが、その程度はポリエステルポリオールを使用したTPUの方が一般的に大きく、従って、屋外使用や耐湿性などが求められる用途にはポリエーテルポリオールを使用したTPUが好適に使用される。
なお、前述の熱可塑性ポリウレタン樹脂は工業的には、DICバイエル、クラレ、BASFジャパン等より商業的に入手可能である。
[1―2]カーボンブラック:
本実施形態におけるカーボンブラックは、レーザーマーキング材として用いられる。ここで、本実施形態に用いられるカーボンブラックは、後述の金属酸化物と共に、熱可塑性ポリウレタン樹脂に所望量を含有させることで、レーザー光線の照射により、カーボンブラックと金属酸化物が相俟って(さらには、それらと熱可塑性ポリウレタン樹脂が相俟って)、相乗効果的に生地色と印字部とのコントラストを高め、さらには、文字、記号、画像を鮮明にするという役割を担うものである。換言すれば、カーボンブラックのみの使用(或いは、金属酸化物のみの使用)では、熱可塑性ポリウレタン樹脂との関係から、生地色と印字部とのコントラストを際立たせ、さらには、鮮明な文字、記号、画像が得づらいため、本願の効果を奏することができない。
この理由は、カーボンブラック単独では、その配合量を増加させるとレーザーマーキングによる黒発色性が向上してくるが、反面、熱可塑性ポリウレタン樹脂成形体の生地色が黒ずんでくるため、商品価値が損なわれる。一方、金属酸化物である三酸化アンチモンなどの白色金属酸化物または粒子径100nm未満の金属酸化物微粒子は、配合量を増加させても熱可塑性ポリウレタン樹脂成形体の生地色が黒ずんでくる事はないが、レーザーマーキングによる黒発色性が不十分であるとの問題がある。そこで、この両者を併用する事で熱可塑性ポリウレタン樹脂成形体の生地色の黒ずみを抑制し、レーザーマーキングによる黒発色性のよい熱可塑性ポリウレタン樹脂成形体を得る事ができる。特に、熱可塑性ポリウレタン樹脂に彩度の高い着色が求められる場合には非常に有効であり、商品価値と性能の両立を計ることができる。
カーボンブラックとしては、その製法によりファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等に、また原料の違いにより、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、オイルブラック、ガスブラック等に分類されるが、本実施形態では、これらのいずれも使用することができる。
また、カーボンブラックの配合量は、熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、0.0001〜0.5質量部であり、好ましくは0.0003〜0.1質量部であり、更に好ましくは、0.0005〜0.05質量部である。0.0001質量部未満ではレーザー照射による黒発色性に劣り、0.5質量部を超えると色調が黒ずんでくるため、レーザー照射による発色部分とのコントラストが小さくなり、結果としてレーザー発色性に劣ることになり好ましくない。
また、カーボンブラックの平均粒子径は、1〜100nmでジブチルフタレート(DBT)給油量が50〜200ml/100grのものが好ましい。カーボンブラックは平均粒子径が1〜100nmでジブチルフタレート(DBT)給油量が50〜200ml/100grのものが好ましい。平均粒子径が1nm未満ではレーザー照射による黒発色性に劣り、100nmを超えると色調が黒ずんできて好ましくない。また、DBT給油量が50ml/100gr未満では樹脂への分散性が悪く、200ml/100grを超えるといんぺい性に劣り好ましくない。
[1―3]金属酸化物:
金属酸化物は、使用されるべきレーザーの特徴的な波長範囲を吸収し、そしてこのことにより、それが埋め込まれたプラスチックマトリックス中に可視的な局所的変化をもたらすことができる全種の無機金属酸化物、例えば金属酸化物、金属混合酸化物、錯体酸化物が含まれる。
また、金属酸化物を構成する金属として、より好ましいのは、例えば、錫、アンチモン、チタン、インジウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、鉄、銅、マンガン、コバルト、バナジウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、タングステン、パラジウム、銀、白金などが挙げられるが、白色性、汎用性、価格などの点から、錫、アンチモン、チタン等が挙げられる。
さらに、金属ドープ酸化インジウム、金属ドープ酸化錫、金属ドープ三酸化アンチモン等も挙げられる。また、これらの金属酸化物及び金属ドープ金属酸化物のナノ微粒子等も挙げられるが、白色性、汎用性、価格の点から、三酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン等が好適に用いられる。これら金属酸化物から選ばれる少なくとも1種を0.01〜20質量部をカーボンブラックと併用することにより、優れたレーザーマーキング性を熱可塑性ポリウレタン樹脂に付与できる。
また、これらの金属酸化物から選ばれる少なくとも1種の添加量は熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部であり、好ましくは0.1〜20質量部、更に好ましくは1〜15質量部である。添加量が、0.01質量部未満ではレーザー照射による黒発色性に劣り、20質量部を超えると物性の低下を生じて好ましくない。
また、その他の着色剤、滑材、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機または有機フィラーなどを添加してもよい。
[1―4]顔料:
顔料としては、有機顔料と無機顔料がある。
有機顔料としては、黄色としてモノアゾ、縮合アゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色としてキナクリドン、アンスラキノン、ペリレン、モノアゾ、青色としてフタロシニアン、緑色としてフタロシニアン等が挙げられる。
無機顔料としては、白色顔料として酸化チタン、酸化バリウム、酸化亜鉛、黄色顔料として酸化鉄、チタンイエロー、赤色顔料として、酸化鉄、青色顔料としてコバルトブルー群青などが挙げられる。
[1―5]染料:
染料としては、フタロシアニン系、複素環系、ベンゾピラン系、アンスラキノン系、ペリノン系、クマリン系などが挙げられる。
これらの顔料、染料の配合量は0.001〜10質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。これらの配合量は商品として求められる色、濃度などで異なるものである。
また、本実施形態の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物は、ICタグまたは家畜タグ用に好適に用いることができるため好ましい形態の一つである。ICタグは、取り付ける素材(製品、又は、商品等)が柔軟性やソフトなものである場合には、その素材を傷つけないようにするだけでなく、デザイン等の販売戦略的な問題から、その素材に応じた柔軟性やソフト感が求められることが多い。而して、本実施形態における、軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物では、そのような柔軟性やソフト感に十分対応できるため好ましい。さらに、家畜等に取り付けるタグは、例えば、一般的に家畜等の耳等に取り付けられることが多いが、そのような部位に、硬質の組成物を取り付けることは、家畜にダメージを与えることにもなるため、好ましくない。而して、本実施形態における、軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物からなるタグは、好適に用いることができ好ましい。
本実施形態における軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物は、レーザー光線を照射して発色させるものであるが、レーザー光としては、He−Neレーザー、Arレーザー、Coレーザー、エキシマレーザー等の気体レーザー、YAGレーザー等の固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザー等が挙げられる。これらのうち、Coレーザーエキシマレーザー、エキシマレーザー、YAGレーザーが好ましい。
なお、上記樹脂組成物には、必要に応じて、その特性を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば離型剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、強化剤などを添加することができる。
[1―6]レーザーマーキング方法:
本実施形態のレーザーマーキング方法において、レーザ光線としては、レーザビームは、シングルモードでもマルチモードでもよく、また、ビーム径が20〜40μmのように絞ったもののほか、ビーム径が80〜100μmのごとく広いものについても用いることができるが、シングルモードで、ビーム径が20〜40μmの方が、印字発色部と下地のコントラストを3以上とし、コントラストが良好な印字品質を得る点で好ましい。
本実施形態の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物を用いて成形してなる成形体は、レーザーマーク性に優れ、その表面、又は支持体と被覆体の界面部にレーザー光線で黒下地に白文字、白色記号及び白色図柄などを、容易かつ鮮明に描くことが出来、特に、バーコード等の情報コードを解像度よくマーキングすることが可能である。しかも、本発明の成形体は柔軟性に富むため、車載部材、電気・電子部品、ICタグや一般のタグ等に極めて効果的に使用できる。
[1−7]成形方法:
本実施形態の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダー等を用いて、各成分を混練りすることにより得られる。各成分を混練りする際は、一括して混練りしても、数回に分けて添加混練りしてもよい。
本実施形態の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、シート押出、真空成形、異形押出、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形等によって、車載部材、電気・電子部品、ICタグや一般のタグ等の各種成形体とすることができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における「部」及び「%」は特に断りのない限り質量部及び質量%を意味する。また、実施例、比較例における各種の評価、測定は下記の方法により実施した。
[1]レーザー発色性:
Nd・YAGレーザー(ロフィンバーゼル社製、RSM30D)を使用して、レーザー照射速度400mm/secにてレーザー発色性の評価を行った。評価に際しては、レーザー照射により発色した部分と生地部分とのコントラストの良否を以下の基準により目視判定した。
○:黒発色視認性が良好。
△:黒発色視認性がある。
×:黒発色視認性に劣る。
[2]成形品外観
成形品外観を以下の基準により目視判定した。
○:成形品外観が良好。
△:成形品外観がやや劣る。
×:成形品外観が劣る。
[3]硬さ:
1mm厚成形品を用いてショア硬度計(Aスケール)により成形品の硬さを測定した。
[4]引張破断強度及び引張破断伸び:
2mm厚成形品を用い、JIS−K7311に準拠して引張試験を行い、試験片が破断した時点での強度と伸びを求めた。
(実施例1)
熱可塑性ポリウレタン樹脂(DICバイエル社製、商品名「T−8198N」、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂)(以下TPUと略す)100質量部に、カーボンブラック(三菱化学製、#10、平均粒子径=75nm、DBT給油量=86ml/100gr)0.001質量部、三酸化アンチモン(鈴裕化学製)8質量部を配合し、190℃で押出成形により樹脂組成物ペレットを得た。 このものを90℃にて予備乾燥3時間した後、210℃にて射出成形を行い、1mm及び2mmプレートを成形して供試試料とし、表1に示した各種評価を行った。
(実施例2)
酸化チタン(石原産業製、商品名「CR−60−2」)0.6質量部及び複素環系黄色顔料(BASF製、商品名「Paliotol Yellow K0961HD」) 0.3質量部を加えた他は実施例1と同様に行った。
(実施例3)
熱可塑性ポリウレタン樹脂(DICバイエル社製、商品名「T−8198N」、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂)に代えて、熱可塑性ポリウレタン樹脂(クラレ製、商品名「クラミロン 9195E―000−M7」、ポリエステルポリウレタン樹脂)を使用した他は実施例1と同様に行った。
(比較例1)
実施例1の三酸化アンチモンを使用しない他は実施例1と同様にして行った。その結果を比較例1として表1に示す。
(比較例2)
実施例1のカーボンブラックを使用しない他は実施例1と同様にして行った。その結果を比較例2として表1に示す。
(比較例3)
実施例1のカーボンブラックを2質量部使用した他は実施例1と同様にして行った。その結果を比較例3として表1に示す。
(比較例4)
実施例1の三酸化アンチモンを30質量部使用した他は実施例1と同様にして行った。その結果を比較例4として表1に示す。
Figure 2009166419
表1に示すように、実施例1〜3は、レーザー発色性と成形品外観に優れ、軟質性を有し、かつ、引張破断強度と引張破断伸びに優れ、軟質レーザーマーク材料として適するものであった。
他方、いずれの比較例も、軟質レーザーマーク材料としては不十分なものであった。具体的には、比較例1は、三酸化アンチモンを使用しないため、レーザー発色性に劣るものであった。比較例2は、カーボンブラックを使用しないため、レーザー発色性に劣るものであった。比較例3は、カーボンブラックの使用量が多すぎたため、成形品の生地色が黒ずんでおり、結果としてレーザー発色性に劣るものであった。比較例4は、三酸化アンチモン量が多すぎたため、レーザー発色性は良好なものの、成形品外観がやや劣り、更に、引張破断伸びが大きく低下し、軟質レーザーマーク材料として不適なものであった。
本発明は、レーザーマーキング性に優れた柔軟性やソフト感が要求される各種タグに、とりわけ、電気・電子用途における各種スイッチ類やレバー・ハンドル、自動車の内装用途における各種スイッチ類やレバーなど、更に、ICタグ等のタグ、家畜タグ等に、優れたレーザーマーキング性と柔軟性やソフト感を兼ね備えた材料として好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部に、カーボンブラック0.0001〜0.5質量部と金属酸化物から選ばれる少なくとも1種を0.01〜20質量部含む軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記金属酸化物が、三酸化アンチモンである請求項1記載の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
  3. 更に、顔料及び/又は染料を含む請求項1又は2に記載の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物が、ICタグまたは家畜タグ用である請求項1〜3のいずれか1項に記載の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の軟質レーザーマーキング熱可塑性樹脂組成物からなる成形体に、ビーム径が20〜40μm、レーザー媒質がイットリウム−四酸化バナジウムであるレーザー光線を照射して印字する、レーザーマーキング方法。
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