JP3107982B2 - レーザーマーキング用樹脂組成物 - Google Patents

レーザーマーキング用樹脂組成物

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JP3107982B2
JP3107982B2 JP06266900A JP26690094A JP3107982B2 JP 3107982 B2 JP3107982 B2 JP 3107982B2 JP 06266900 A JP06266900 A JP 06266900A JP 26690094 A JP26690094 A JP 26690094A JP 3107982 B2 JP3107982 B2 JP 3107982B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒色もしくは暗色系の
成形された材料の表面にレーザー光線を照射することに
より文字、記号、図柄等のマークを高感度で視認性が高
く鮮明に発色させ、かつ、マークの色を白色系以外の赤
色系、青色系、黄色系など任意の色に発色させることの
できるレーザーマーキング用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術】樹脂成形品の表面に所望の文字、記号、図
柄等のマーキングを行う方法として、従来より熱硬化性
インキ、あるいはUV硬化性インキを用いた印刷等の方
法が一般的に行われているが、この方法ではマーキング
に時間がかかる、硬化不足によりマーキングの一部が取
れる、あるいはインキの密着性不足により耐久性が劣る
などの問題があった。これに対して、再現性良く簡便か
つ高速にマーキングを行う方法としてレーザー光を利用
して文字、記号、図柄等のマーキングを行うレーザーマ
ーキング方法が提案され、注目されている。しかしなが
ら従来の樹脂組成物からなる成形品をレーザー光でマー
キングする場合、照射部分が局所加熱され、樹脂表層部
にある添加物あるいは樹脂が融解、気化、炭化等の熱的
な変化を起こす。この熱的変化によりマーキングを行う
ため、得られるマーキング文字は凹状の蝕刻文字あるい
は黒褐色系に焦げた状態の文字になる。このようにして
得られたマーキング文字はコントラストが不十分で識別
しにくく印刷文字に比較してかなり見劣りするため、実
用性に乏しい。
【0003】レーザーマーキングを効果的に施すには、
プラスチックを予め感光し易いように改質しておく必要
がある。これは、材料の中に光や熱を吸収する充填剤を
予め配合しておくことによってレーザー照射時に発泡、
分解等によってマーキングが可能とする技術である。例
えば、特開平1−254743号公報には、YAGレー
ザーによるプラスチックスのマーキング性の改善手段に
二酸化チタン又はこれとカーボンブラックを配合するこ
とが開示されている。また特開平4−246456号に
は高熱伝導度のカーボンブラックおよび/またはグラフ
ァイトを添加することによってコントラストの良いマー
キングが可能であることが提案されている。しかしなが
らこれらの組成物に施されたマーキングのマークは樹脂
が焦げた状態になり、マークの色はくすんだ茶色から発
泡による白色であった。また、特開昭60−16648
8号には金属水酸化物又は/及び金属含水化合物と着色
剤を添加することによって着色剤の分解による着色が消
失して材料色のマーキングが可能であることが提案され
ている。また、特開平2−48984号および特開平3
−281286号には非黒色の鉛化合物と着色剤を添加
することによって黒色のマーキングが可能であることが
提案されている。また、特開平5−25317号および
特開平6−48042号には水酸化アルミニウムと着色
剤を添加することによって白色のマーキングが可能であ
ることが提案されている。しかしながらこれらの組成物
に施されたマーキングのマークの色は白色または黒色で
あった。また、特開平6−8633号には壁膜物質によ
り被われて無色化された着色剤粒子を添加することによ
って白色の成形品に対して青色、赤色、緑色等の有色の
マーキングが可能であることが提案されている。しかし
ながらこの組成物においては着色剤を無色化するために
着色剤粒子を壁膜物質で被う特殊な処理を施す必要があ
り高価なものになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題を解決し、産業上有用なレーザーマーキング用樹脂組
成物を提供することにあり、組成物にレーザー光を照射
することで黒色または暗色系の地色に隠蔽されていた着
色剤(レーザーの作用によって分解しない着色剤)由来
の有彩色がマーク中に顕在化し、マークの色が赤色系、
青色系、黄色系など任意の色に発色することを利用し、
高感度で視認性が高く鮮明な有彩色のマークを得ること
のできる組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な従来技術の課題を解決するために鋭意研究した結果、
成形品の地色を黒色もしくは暗色系にすることで、地色
が白色系の成形品では得られない鮮明な有彩色のマーク
を得ることができることを究明し、さらに検討を重ねて
本発明を完成した。
【0006】即ち本発明は、 (A)熱可塑性樹脂100重量部に対して(B)低次酸
化チタンおよび/またはカーボンブラックを0.001
〜20重量部及び(C)レーザーの作用によって分解し
ない着色剤を0.001〜20重量部配合してなる樹脂
組成物であり、該着色剤が、芳香族ポリカーボネート樹
脂および低次酸化チタンおよび/またはカーボンブラッ
クからなる樹脂組成物に対してレーザー光線を照射して
マーキングを行なうに際し、マークを高感度で視認性の
高い鮮明な白色に発色させることのできるマーキング条
件にて、芳香族ポリカーボネート樹脂および着色剤だけ
からなる樹脂組成物にレーザー光線を照射したとき、レ
ーザー光照射前の成形品表面とレーザー光による発色表
面部分の間の明度差(△Ldec.)が1以下となる有機顔
料系着色剤、有機染料系着色剤であるレーザーマーキン
グ用樹脂組成物によって目的を達成できる。
【0007】以下発明を詳細に説明する。まず本発明に
おいて(A)成分として用いる熱可塑性樹脂としては特
に限定されるものではなく、例えばポリカーボネート樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリスルホ
ン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等の公知の熱可塑性
樹脂がいずれも使用できる。これらの樹脂は単独あるい
は2種以上を混合して使用することも可能である。これ
らの熱可塑性樹脂のうち、本発明においては芳香族ポリ
カーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂ま
たはポリブチレンテレフタレート樹脂等の芳香族ポリエ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン系樹脂の単独あ
るいは2種以上を混合して使用することが好ましい。更
に好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂及びその混合
樹脂であり、混合樹脂100重量部の時ポリカーボネー
ト樹脂40重量部以上、最も好ましくは60重量部以上
である。
【0008】本発明において用いられる芳香族ポリカー
ボネート樹脂は二価フェノールとカーボネート前駆体と
の反応によって製造される。2価フェノールの代表的な
例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(通称、ビスフェノールA)、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロム
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン等があげられる。好ましい多価フェノール
は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン
系、特にビスフェノールAを主原料とするものである。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カー
ボネートエステルまたはハロホルメート等が挙げられ、
具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フ
ェノールのジハロホルメート等があげられる。芳香族ポ
リカーボネート樹脂を製造するに当たり、前記の二価フ
ェノールを単独でまたは2種以上を使用することができ
る。得られた芳香族ポリカーボネート樹脂を2種以上混
合して使用しても良い。また、適当な分子量調節剤、分
岐剤、反応を促進するための触媒等も使用できる。
【0009】本発明において用いられるポリエチレンテ
レフタレート樹脂は、テレフタル酸またはそのエステル
形成性誘導体とエチレングリコールまたはそのエステル
形成性誘導体を主原料として縮合反応させて得られる重
合体であり、テレフタル酸成分の一部やエチレングリコ
ール成分の一部、通常30モル%以下を他のジカルボン
酸、オキシカルボン酸やジオールで置き換えた共重合体
であっても良い。かかる共重合体に使用される第三成分
としては例えばイソフタル酸、アルキル置換テレフタル
酸、アジピン酸、オキシ安息香酸、ポリメチレン−α、
ω−ジオール類、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール等があげられる。ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂の分子量は、ο−クロルフェノールを溶媒として
25℃で測定した固有粘度で表して0.4〜1.2のも
のである。
【0010】本発明において用いられるポリブチレンテ
レフタレート樹脂は、テレフタル酸またはそのエステル
形成性誘導体とテトラメチレングリコールまたは、その
エステル形成性誘導体を主原料として縮合反応させて得
られる重合体であり、テレフタル酸成分の一部やテトラ
メチレングリコール成分の一部、通常30モル%以下を
他のジカルボン酸、オキシカルボン酸やジオールで置き
換えた共重合体であっても良い。かかる共重合体に使用
される第三成分としては例えばイソフタル酸、アルキル
置換テレフタル酸、アジピン酸、オキシ安息香酸、ポリ
メチレン−α、ω−ジオール類、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール等があげられる。本発明で使
用するポリブチレンテレフタレート樹脂の分子量は、ο
−クロルフェノールを溶媒として25℃で測定した固有
粘度で表して0.6〜1.3のものである。
【0011】本発明において用いられるポリアミド樹脂
としては、例えば環状ラクタムの開環重合物、アミノカ
ルボン酸の重縮合物、二塩基酸とジアミンとの重縮合物
などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、
ポリ(メタキシレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレ
ンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタ
ルアミド)、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)
などの脂肪族−芳香族ポリアミド、およびこれら共重合
体や混合物を挙げることができる。これらの中で特にナ
イロン46が好ましい。ナイロン46樹脂としては、酸
成分としてアジピン酸、またはその誘導体を用い、アミ
ン成分としてテトラメチレンジアミンまたはその誘導体
を用いて縮合反応より得られるポリアミドを主たる対象
とするが、そのアジピン酸成分またはテトラメチレンジ
アミン成分の一部を他の共重合体成分で置き換えたもの
でもよい。
【0012】本発明で用いられるナイロン46樹脂は、
m−クレゾールを用い35℃で測定したときの固有粘度
が0. 80〜1. 90、更には0. 90〜1. 50の範
囲にあることが望ましい。1.90を越える固有粘度の
ナイロン46を用いた場合には成形の際における流動性
が悪く、得られる成形品の外観の光沢が失われるのみな
らず、その機械特性、熱特性のバラツキが大きくなるた
め好ましくない。一方、固有粘度が0. 80未満では、
成形品の機械的強度が小さくなる欠点を生ずる。
【0013】本発明で使用されるポリアセタール樹脂と
しては、例えばホモポリマー、コポリマーおよびブロッ
クコポリマーなどが挙げられる。
【0014】本発明で使用されるポリオレフィン樹脂と
しては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−
4−メチルペンテン−1、アイオノマなどが挙げられ
る。
【0015】本発明で使用されるスチレン系ポリマーと
しては、ABS樹脂、AES樹脂および、ポリスチレン
・AS樹脂、MBS樹脂などを挙げることができる。
【0016】本発明で使用されるポリスルホンおよびポ
リエーテルスルホンは、当業界で良く知られている方法
で製造することができるが、例えば実質的に無水の状態
で特定の液状有機スルホキシドまたはスルホン溶剤の存
在下に、二価フェノールのアルカリ金属複塩とジハロベ
ンゼノイド化合物との実質的に等モルの一段反応であ
る。該ポリマーは、二段法でも製造することができる。
この方法では、まず二価フェノールを、最初の反応溶剤
中で、アルカリ金属複塩、アルカリ金属水素化物、アル
カリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシドまたはア
ルカリ金属アルキル化合物との反応により、その場でア
ルカリ金属塩に転化する。好ましくは、アルカリ金属水
酸化物が用いられる。実質的な無水状態を確実にするた
めに、存在する、または生成した水を除去した後、二価
フェノールのジアルカリ金属塩をほぼ化学量論量のジハ
ロベンゼノイド化合物と混合し反応させる。
【0017】該重合反応は、高められた温度で有機スル
ホキシド溶剤またはスルホン溶剤の液相中で進行させ
る。
【0018】該高分子ポリマーを確保するために、系は
実質的に無水状態でなければならず、好ましくは反応混
合物中、水は0.5重量パーセント以下である。
【0019】該ポリマーは、個々のスルホンに応じて適
当な溶剤中で適当な温度で測定して、例えばメチレンク
ロリド中25℃で測定すると、約0.4〜1.5までの
固有粘度を有する。
【0020】(B)成分として使用する低次酸化チタン
および/またはカーボンブラックのうちカーボンブラッ
クはその製法によりファーネスブラック、チャネルブラ
ック、サーマルブラック等に、また原料の違いによりア
セチレンブラック、ケッチェンブラック、オイルブラッ
ク、ガスブラック等に分類されるが、本発明においては
これらのいずれも使用できる。特に導電性の高い、アセ
チレンブラック、ケッチェンブラック等が好ましい。こ
のカーボンブラックの配合割合は、(A)成分である熱
可塑性樹脂組成物100重量部に対してカーボンブラッ
クを0.001〜20重量部であり特に好ましくは0.
01〜10重量部である。カーボンブラックの配合量が
0.001重量部未満では十分なマーキングを行うこと
ができず、20重量部をこえるとレーザーによる発熱量
が多くなり樹脂の熱変色が進みマーキング色が黄色く変
色し、視認性が悪くなる。
【0021】低次酸化チタンは、その製造方法、または
原料の違いにより分類される。例えば、金属チタニウム
と二酸化チタンを目的とする酸化物のTiとOの比率に
なるように化学量論的に混合し、不活性ガス中で焼成す
る方法がある。このようにして得られる代表的な低次酸
化チタンとしては一酸化チタン、二・三酸化チタン、三
・五酸化チタンなどが挙げられ、一般にはTin 2n-1
(n=1、2、3)で表される。また、二酸化チタンを
還元処理する方法もある。二酸化チタンを還元処理して
得られる低次酸化チタンはその還元の程度によって酸化
数が異なり、一般にはTiOm (m=1〜1.99)で
表される。両者の低次酸化チタンを総称してTiOk
示した時、kが1.00〜1.86が好ましい。このよ
うに低次酸化チタンは、その製造方法、または原料の違
いにより分類されるが、本発明においてはいずれの低次
酸化チタンも使用できる。この低次酸化チタンの配合割
合は、(A)成分である熱可塑性樹脂100重量部に対
して低次酸化チタンを0.001〜20重量部であり、
特に好ましくは0.01〜10重量部である。低次酸化
チタンの配合量が0.001重量部未満では十分なマー
キングを行うことができず20重量部をこえるとレーザ
ーによる発熱量が多くなり樹脂の熱変色が進みマーキン
グ色が黄色く変色し、視認性が悪くなる。
【0022】(B)成分としては低次酸化チタン、カー
ボンブラック各々単独で用いても良く、両者を併用して
も良い。好ましくは低次酸化チタンとカーボンブラック
の併用、さらに低次酸化チタン単独が最も好ましい。
【0023】(C)成分として使用するレーザーの作用
によって分解しない着色剤とは、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂および低次酸化チタンおよび/またはカーボンブ
ラックからなる樹脂組成物に対してレーザー光線を照射
してマーキングを行なうに際し、マークを高感度で視認
性の高い鮮明な白色に発色させることのできるマーキン
グ条件にて、芳香族ポリカーボネート樹脂および着色剤
だけからなる樹脂組成物にレーザー光線を照射したとき
レーザーの照射部分に発泡、分解等による変化や変色を
起こしにくい着色剤のことである。詳しくは、前記マー
キング条件にて、芳香族ポリカーボネート樹脂および着
色剤だけからなる樹脂組成物にレーザー光線を照射した
とき、レーザー光照射前の成形品表面とレーザー光によ
る発色表面部分の間の明度差(△Ldec.)が1以下とな
るような着色剤のことである。
【0024】通常プラスチックの着色に使用される白色
系以外のプラスチック用着色剤としては、アゾ系有機顔
料、フタロシアニン系有機顔料、キナクリドン系有機顔
料、ペリレン系有機顔料、ペリノン系有機顔料、ジオキ
サジン系有機顔料、アンスラキノン系有機顔料、イソイ
ンドリノン系有機顔料、アゾ系有機染料、メチン系有機
染料、アンスラキノン系有機染料、キノフタロン系有機
染料、ペリレン系有機染料、アンスラピリドン系有機染
料、チタンイエロー、酸化鉄系無機顔料、群青、コバル
トブルー、酸化クロムグリーン、スピネルグリーン、黄
鉛、クロムバーミリオン、カドミウムエロー、カドミウ
ムレッドなどの着色剤があり、本発明においては上記の
定義によるレーザーの作用によって分解しない着色剤の
条件を満たす有機顔料系着色剤、有機染料系着色剤を使
用する。
【0025】このレーザーの作用によって分解しない着
色剤の配合割合は、(A)成分である熱可塑性樹脂10
0重量部に対して0.001〜20重量部であり、特に
好ましくは0.01〜10重量部である。レーザーの作
用によって分解しない着色剤の配合量が0.001重量
部未満では十分に任意の色に発色させることができず2
0重量部をこえるとレーザー照射による成形品表面の蝕
刻が激しくなり視認性の良いマーキングが難しくなる。
【0026】本発明において用いられる熱可塑性樹脂組
成物には、必要に応じて無機充填剤を配合しても良い。
配合される無機充填剤の形状には特に制限がなく、粉粒
状、繊維状、板状のいずれでもよい。特に好ましいの
は、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスビーズ、タル
ク、炭酸カルシウム、シリコンビーズ等が挙げられる。
これらの無機充填剤をさらに配合するにあたっては、そ
の添加量は(A)成分の100重量部に対して、1〜5
0重量部が好ましく、更に好ましくは5〜30重量部で
ある。また、本発明を損なわない範囲で有効発現量の熱
安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、難燃剤等を配合しても
よい。
【0027】本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物
を製造するには、任意の方法が採用される。例えば熱可
塑性樹脂、低次酸化チタンおよび/またはカーボンブラ
ック、レーザーの作用によって分解しない着色剤及び適
宜その他の添加剤を例えばV型ブレンダー等の混合手段
を用いて充分に混合した後、ベント式一軸ルーダーでペ
レット化する方法、熱可塑性樹脂、低次酸化チタンおよ
び/またはカーボンブラック、レーザーの作用によって
分解しない着色剤及びその他の添加剤をスーパーミキサ
ー等の強力な手段で予め混合したものを用意しておき、
これをベント式の二軸ルーダーの第一シュートより供給
し、無機充填剤はルーダー途中の第二シュートより供給
して混練し、ペレット化する方法等の一般に工業的に用
いられる方法が適宜用いられる。
【0028】本発明においては、かかる樹脂組成物から
なる成形品に対し、その所望位置にレーザー光線を照射
するだけで、容易に文字、記号、図柄等のマークを高感
度で視認性が高く鮮明に発色させ、かつ、マークの色を
赤色系、青色系、黄色系など任意の色に発色させること
のできる。所望の形状のマーキングを行うには例えばレ
ーザー光線を適当なスポットにして対象物の表面を走査
する方法、レーザー光線をマスクすることによって所望
形状のレーザー光としこれを対象物の表面に照射する方
法などが挙げられる。使用されるレーザーの種類として
は特に限定はなく、炭酸ガスレーザー、ルビーレーザ
ー、半導体レーザー、アルゴンレーザー、エキシマレー
ザー、YAGレーザーなどがいずれも可能である。特に
YAGレーザーが好ましい。YAGレーザーは、波長が
1.06μmであり、樹脂自身によってそのエネルギー
が吸収されることが殆どないため樹脂の燃焼・気化が起
こり難い。その発振形態は連続発振であってもパルス発
振であってもよいが、特に好ましいのはQスイッチを用
いた連続発振であるスキャン式のNd:YAGレーザー
である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて更に説明するが、本発
明はそれに限定されるものではない。尚、マーキング条
件及び評価方法は下記の通りである。 <マーキング条件> 装 置 :日本電気(株)製レーザーマーカ
ー SL475E 電 流 値 :18A スキャンスピード :100mm/sec バイトサイズ :20μm <評価方法>上記条件により7mm×25mmの長方形
を印字し、成形された成形品の色およびマーキングのマ
ークの色を肉眼で観察した。マーキング性のコントラス
トの評価は成形品表面とレーザー光による発色表面部分
の間の明度差(△L)と発色表面部分のLabのb値で
評価した。測定装置は、東京電色(株)製カラーアナラ
イザーTC−1800MK−IIを用いた。
【0030】また、実施例に使用する熱可塑性樹脂、低
次酸化チタンおよび/またはカーボンブラック、レーザ
ーの作用によって分解しない着色剤、レーザーの作用に
よって分解しやすい着色剤及び無機充填剤は以下の略称
を用いる。 <(A)熱可塑性樹脂> 熱−1;ビスフェノールAとホスゲンより製造される粘
度平均分子量25、000の芳香族ポリカーボネート樹
脂(帝人化成(株) パンライト L−1250) 熱−2;ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)
製 TR8580、固有粘度 0.8) 熱−3;ポリブチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)
製 TRB−H、固有粘度 1.07) 熱−4;ABS樹脂(三井東圧化学(株) UT−6
1) <(B)低次酸化チタン> 黒−1;チタンブラック(三菱マテリアル(株)製 1
3M) <(B)カーボンブラック> 黒−2;ファーネスブラック(三菱化成工業(株)製
MA−100) 黒−3;ケッチェンブラック(ケッチェン・ブラック・
インターナショナル(株製 EC) <(C)レーザーの作用によって分解しない着色剤> 着−1;赤色系着色剤(有本化学工業(株)製 Pla
st Red 8315) 着−2;青色系着色剤(住友化学(株)製 Sumit
one CyanineBlue GH) 着−3;黄色系着色剤(有本化学工業(株)製 Pla
st Yellow 8010) <レーザーの作用によって分解しやすい着色剤> 着−4;黄色無機顔料系着色剤(バイエル(株)製 チ
タンイエロー 6R) <無機充填剤> 充−1;ガラス繊維(日本電気硝子(株)製 T−51
1) 充−2;タルク(日本タルク(株)製 ミクロエース
P−2) レーザーの作用によって分解しない着色剤等(着−1〜
4)のレーザー照射前後の明度差(△Ldec.)は以下の
方法によって測定した。表1組成からなる樹脂組成物を
実施例1と同様にペレット化して角板を得た。当該角板
を実施例1と同様の条件でマーキングして実施例1と同
様の方法で明度差を測定した。
【0031】
【表1】
【0032】[実施例1〜10及び比較例1〜5]表
2、3記載量の熱可塑性樹脂、低次酸化チタンおよび/
またはカーボンブラック、レーザーの作用によって分解
しない着色剤、レーザーの作用によって分解しやすい着
色剤および無機充填剤を表2、3記載の量(重量部で表
示)タンブラーにて配合し、40mmφベント付き押出
機にて280℃にてペレット化した。得られたペレット
を120℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射
出成形機[ファナック(株)T−150D]によりシリ
ンダー温度290℃、金型温度90℃で評価用の試験片
として、150mm×150mm×3mmtの角板を得
た。次にこの角板にスキャン式のNd:YAGレーザー
を用いてマーキングを行った。評価結果は表4、5に示
す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【発明の効果】表4、5より明らかなように、本発明の
組成物では、黒色もしくは暗色系の成形された材料の表
面へレーザー光線を照射することにより文字、記号、図
柄等のマークを高感度で視認性が高く鮮明に発色させる
ことができ、かつマークの色を赤色系、青色系、黄色系
など任意の色に発色させることができる。特に、低次酸
化チタン単独使用の実施例2はカーボンブラック単独使
用の実施例4、5より青味(b値がマイナス)が強く、
本発明の樹脂組成物はレーザーマーキング用樹脂組成物
として極めて有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂100重量部に対し
    て(B)低次酸化チタンおよび/またはカーボンブラッ
    クを0.001〜20重量部及び(C)レーザーの作用
    によって分解しない着色剤を0.001〜20重量部配
    合してなる樹脂組成物であり、該着色剤が、芳香族ポリ
    カーボネート樹脂および低次酸化チタンおよび/または
    カーボンブラックからなる樹脂組成物に対してレーザー
    光線を照射してマーキングを行なうに際し、マークを高
    感度で視認性の高い鮮明な白色に発色させることのでき
    るマーキング条件にて、芳香族ポリカーボネート樹脂お
    よび着色剤だけからなる樹脂組成物にレーザー光線を照
    射したとき、レーザー光照射前の成形品表面とレーザー
    光による発色表面部分の間の明度差(△Ldec.)が1以
    下となる有機顔料系着色剤、有機染料系着色剤である
    ーザーマーキング用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボ
    ネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
    脂、スチレン系樹脂より選ばれる少なくとも一種以上の
    熱可塑性樹脂である請求項1記載のレーザーマーキング
    用樹脂組成物。
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