JPH0216087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は液体燃料（石油）燃焼器の臭気除去装
置に関する。

〈従来技術〉 従来の芯上下式石油ストーブにおいては、消火
時に液体燃料（石油）蒸気が室内に流出しそれが
臭気となる欠点があつた。

〈目的〉 本考案は、上記の欠点に鑑み、消火時に液体燃
料蒸気が室内に流出することを自動的に防止する
臭気除去装置の提供を目的としている。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を第１，２図に基いて説
明する。第１図は芯上下式石油ストーブにおける
燃料タンクおよびバーナ部分の断面図、第２図は
芯上下式石油ストーブの制御回路の電気回路図で
あり、図において、１は燃料タンク、２は燃焼時
に上昇し、消火時に下降する円筒形芯、３は該芯
２の内周面の昇降を案内する円筒形芯内筒、４は
芯２の外周面の昇降を案内する円筒形芯外筒で、
該芯外筒４および芯内筒３と芯２との間には間隙
Ａが形成されている。

そして５はバーナ筒で、これは、芯内筒３の上
部の芯天６に載置される内炎筒５ａと、芯外筒４
の上部フランジ４ａに載置される外炎筒５ｂと、
外筒５ｃとから構成されている。

そして、前記芯２の上部の周囲に、例えば、芯
外筒４の一部にその部分と連通するように液体燃
料（石油）蒸気用吸込管７が連結され、該吸込管
７に石油蒸気用の吸込口８ａを開口連通された吸
引機Ｂが設けられ、該吸引機Ｂの駆動用電動機９
を消火操作時に所定時間だけ駆動する制御回路１
０が設けられ、消火時に石油蒸気がバーナ筒（加
熱部）５へ通過するのを防止して臭気を除去する
よう構成されている。

なお、前記吸引機Ｂは、前記電動機９と、その
回転軸に固定された羽根車８と、該羽根車８を包
囲し、吸込口８ａと吐出口８ｂを有するケーシン
グ８ｃとから構成され、その吸込口８ａは前記吸
込管７と継管１１を介して連通され、該継管１１
の途中には必要に応じてフイルターと脱臭剤が収
納されたケース11aが介装され、また吐出口８ｂ
は室内に解放されるか、または室外へ導出され
る。

次に第２図において、乾電池を電源とする吸引
機用電動機９の制御回路１０は、消火時（芯２の
下降時）にONされる芯下連動スイツチ１２と、
芯２の着火後短時間でONし消火冷却時にOFFす
るサーモスタツト１３と、芯下連動スイツチ１
２、サーモスタツト１３のONの通電後に抵抗が
次第に増加して電動機９を減速停止させるための
正特性サーミスタ１４とが電動機９に直列接続さ
れて構成されている。

そして、前記正特性サーミスタ１４の電流減少
特性は第３図ａの如く時間とともに次第に減少す
るが、特に約80秒後に急減する。またこの電流減
少により第３図ｂの如く、吸引機Ｂの電動機９お
よび羽根車８の回転数と通風量も次第に減少し、
約80秒後に急減して約120秒後に停止し通風量も
零となる。

また、ストーブの反射板や天板等に設置される
前記サーモスタツト１３の動作特性は第４図の如
くである。すなわち、ストーブに点火後にサーモ
スタツト１３の設置部の温度が上昇すると、サー
モスタツト１３がONし、使用後にストーブを消
火させた場合は、サーモスタツト１３はその温度
が降下してOFFする。この場合、サーモスタツ
ト１３のON温度P1と使用時（定常安定燃焼時）
の安定温度P2とに、差を設ける必要がある。こ
れはストーブの周囲温度変化に対応するために必
要である。またサーモスタツト１３がON温度P1
に到達する時間は、ストーブの設置場所の周囲温
度条件に左右されるので、このON到達時間は
T1，T2の如く異なり、同様にサーモスタツト１
３の安定温度P2も若干変化する。サーモスタツ
ト１３のON温度P1と安定温度P2との温度差Ｈ、
ON温度P1とOFFF温度P3の温度差ｈとの関連に
より、サーモスタツト１３が安定温度P2から
OFF温度P3に到達するOFF到達時間T3が設定さ
れる。

そして、上記の臭気除去装置においては、消火
操作時すなわち芯２の下降時に、芯下連動スイツ
チ１２がONし、サーモスタツト１３はすでに
ONしているので、電動機９に通電され、これに
より羽根車８が回転して、燃料タンク１や芯２か
らバーナ筒５部へ上昇しようとする石油蒸気は芯
２と芯外筒４との隙間Ａを通して吸込管７へ吸込
まれ、ケース１１ａ内のフイルターと脱臭剤を通
して吐出口８ｂから吐出される。このため消火時
の臭気は除去される。

そして、上記の動作は制御回路１０により次の
如く制御される。

(イ) ストーブに点火して短時間でサーモスタツト
１３がONするので、点火後に誤つて短時間で
消火しても、吸引機Ｂを駆動して正常に臭気を
除去できる。このとき、サーモスタツト１３そ
のON温度P1およびOFF温度P3を低く設定さ
れているので、温度差の和（Ｈ＋ｈ）は大とな
り、OFF到達時間T3が長くなる傾向となるが、
サーモスタツト１３と直列に正特性サーミスタ
１４が接続されているため、サーモスタツト１
３がOFF到達時間T3が例えば120秒以上かかつ
ても正特性サーミスタ１４の働きにより120秒
で電動機９を減連停止できる。

なお、このとき、サーモスタツト１３がON
であるから微小電流が流れ続けるが、サーモス
タツト１３はそのOFF温度P3に達するとOFF
して電流は零となる。

(ロ) 脱臭剤ケース１１ａを設けないときに、電動
機９の駆動時間が長すぎたり、強すぎたりした
場合は、石油の未燃蒸気が吐出口８ｂから逆に
臭気として室内に放出される可能性がある。し
かし、正特性サーミスタ１４が働き電動機９を
減速してから停止させるため、正特性サーミス
タ１４と電動機９の性能を適宜に組合わせるこ
とにより、電動機９の運転に最適な状態が得ら
れる。例えば、電動機９の強運転（大電流）を
短く、弱運転（小電流）を長くできる。

(ハ) 上記(ロ)のように電動機９の無意味な長時間運
転を防止できるため、電源（乾電池）や電動機
９等の部品の寿命を長くできる。

(ニ) 正特性サーミスタ１４により電動機９での駆
動時間を最適に設定できるので、サーモスタツ
ト１３の温度設定は、ON温度P1を優先して
OFF温度P2は比較的ラフに行なえ、このため
サーモスタツト１３にはコスト的に安いものを
使用できる。

(ホ) 上記の如く、サーモスタツト１３のONで電
動機９を駆動可能な状態に確保し、電動機９の
OFFは正特性サーミスタ１４で確保し、最終
的にはサーモスタツト１３で電流を零とする。
また正特性サーミスタ１４はリレーに比較して
接続も少なく低コストであり、制御回路１０全
体も低コストにできる。

〈効果〉 以上の説明から明らかな通り、本考案は、芯上
下式液体燃料燃焼器において、芯の上部の周囲
に、液体燃料蒸気用の吸込口を連通された吸引機
が設けられ、該吸引機の駆動用電動機を消火操作
時に駆動する制御回路が設けられ、該制御回路
は、消火時にONされる芯下連動スイツチと、芯
の着火後短時間でONし消火冷却時にOFFするサ
ーモスタツトと、芯下連動スイツチ、サーモスタ
ツトのONの通電後に抵抗が次第に増加して前記
電動機を減速停止させるための正特性サーミスタ
とが前記電動機に直列接続されて構成されたもの
である。

したがつて、本考案によると、ストーブに点火
して短時間でサーモスタツトがONするので、点
火後に誤つて短時間で消火しても、吸引機を駆動
して正常に臭気を除去できる。そのとき、サーモ
スタツトと直列に正特性サーミスタが接続されて
いるため、サーモスタツトのOFF到達時間が長
くなつても正特性サーミスタの働きにより所定時
間内で電動機を減速停止できる。

なお、このとき、サーモスタツトがONである
から微小電流が流れ続けるが、サーモスタツトは
そのOFF温度に達するとOFFして電流を零とす
ることができる。

その他、上記実施例の(ロ)から(ホ)に掲げるような
優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における燃料タンクお
よびバーナ部の断面図、第２図はその制御回路の
電気回路図、第３図ａはその正特性サーミスタの
特性を示す線図、第３図ｂは同じく吸引機の特性
を示す線図、第４図は同じくサーモスタツトの特
性を示す線図である。 Ｂ：吸引機、２：芯、４：芯外筒、５：バーナ
筒（加熱部）、７：吸込管、８ａ：吸込口、９：
駆動用電動機、１０：制御回路、１１：継管、１
２：芯下連動スイツチ、１３：サーモスタツト、
１４：正特性サーミスタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯上下式液体燃料燃焼器において、芯の上部の
   周囲に、液体燃料蒸気用の吸込口を連通された吸
   引機が設けられ、該吸引機の駆動用電動機を消火
   操作時に駆動する制御回路が設けられ、該制御回
   路は、消火時にONされる芯下連動スイツチと、
   芯の着火後短時間でONし消火冷却時にOFFする
   サーモスタツトと、芯下連動スイツチ、サーモス
   タツトのONの通電後に抵抗が次第に増加して前
   記電動機を減速停止させるための正特性サーミス
   タとが前記電動機に直列接続されて構成されたこ
   とを特徴とする臭気除去装置。