JPH02159368A - 耐熱性および耐食性に優れたａ１合金蒸着めっき鋼材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は耐熱性および耐食性に優れたＡｌ合金蒸着めっ
き鋼材に関するものである。

［従来の技術］ 自動車のマフラー、各種ストーブの熱反射板。

ゴミ焼却炉構成部材等の機械部品は高温且つ腐食性の強
い環境に曝される為、高温下における耐酸化性及び耐食
性に優れた材料で形成することが必要とされている。こ
うした用途に適用される材料としては耐酸化性及び耐食
性に問題のある普通鋼は使用できず、ステンレス鋼が適
用されてきたが、ステンレス鋼は高価である為経済的理
由から近年ＡＩめっき鋼材が賞月されつつある。即ちＡ
ｌめっき鋼材はＡＩのもつ優れた耐酸化性及び耐食性を
利用したものであり、製造に際して専らは溶融めっき法
が採用されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかるにＡｌめっき鋼材はＣＩ−イオンの様なハロゲン
イオンが存在する環境下においては、Ａｌめっき層表面
の不働態皮膜がハロゲンイオンによって破壊され、孔食
を発生して素地鋼材を露出させて赤錆を発生するという
問題がある。又孔食が発生すると、ＡＩめっき層表面に
腐食生成物であるＡＩ（ＯＨ）、等を主成分とする白錆
が発生し、外観を著しく悪化させるという問題がある。

又溶融めっき法においては溶融状態のＡＩ浴中に鋼材を
浸漬させつつ通過させるので鋼材表面温度は約７００℃
まで上昇し、鋼材とＡＩめっき層との界面にＦｅ２Ａｌ
、等のＦｅ−Ａｌ金属間化合物が生成するという現象が
みられる。そしてこの金属間化合物は脆弱で加工性に乏
しいものである為、ＡＩめっき鋼材の成形加工時にめっ
き層の剥離を起こすという別の問題をかかえている。そ
こで通常の溶融ＡＩめっきにおいては、めっき時の金属
間化合物の生成を抑制するためにめっき浴中にＳｔを７
〜１０％程度添加しているが、このＳｔはＡｌめっき層
目体の耐食性を劣化させる原因ともなっている。

この様な事情に鑑み、本発明においては成形加工時等に
もめっき層の剥離を起こすことがなく、高温下において
優れた耐食性を示す様な、自動車マフラー素材等として
最適な品質を備えＡｌ合金蒸着めっき鋼材について検討
した。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決することのでせた本発明のＡｌ合金めっ
き鋼材とは、 Ｃｒ：１　〜５０％ 鉄族元素の１種以上：１〜２０％ を含有し、残部がＡＩおよび不可避不純物からなるＡｌ
合金蒸着めっき層を素地鋼材上に厚さ０．１μｍ以上施
したものであることを要旨とするものである。

［作用］ 本発明における鋼材とは棒、板、管等の形状を特定しな
いが、以下板材を代表例として本発明を説明する。

かねてより本発明者等はＡｌ合金めっき鋼板の耐食性を
向上させる目的で種々検討しており、その結果Ｃｒを含
有するＡｌ合金めっき鋼板は耐食性に優れているという
知見を得ており、この技術に関して特願昭６２−１７７
８２号として出願済みである。その後さらに検討を重ね
た結果、Ｃｒの他にＮｉ、Ｆｅ、Ｃｏ等の鉄族元素のう
ち１種以上を含有する多元素含有Ａｌ合金蒸着めっき鋼
板は耐食性のみならず、耐熱性および耐酸化性において
も優れているという知見を得た。

これは鉄族元素金属の添加により、ＡＩおよびＣｒ不働
態皮膜の生成が促進されると共に不働態皮膜が安定化す
るためと考えられる。さらにＡＩとＣｒが合金化するこ
とによって耐熱性および耐酸化性が向上するものと考、
えられる。

Ａｌ合金蒸着めっき層におけるＣｒの添加効果は、僅か
なＣｒを添加するだけでも耐食性向上効果が現われるが
、１％以上でその効果が顕著となる。しかし含有量が５
０％を超えるとＡｌ合金蒸着めっき層の電位が素地鋼板
の電位より責となるので、めっきピンホールがあったり
、素地鋼板に達する様な傷があったりすると素地鋼板の
腐食を促進するおそれがある（第１図参照）６またＮｉ
、Ｆｅ、Ｃｏ等の鉄族元素についても、これらの金属の
１　ｆｉ！以上を添加することによって僅かな添加量で
も耐食性向上効果が現われ、添加総量が１％以上で添加
効果が顕著となる。しかし２０％を超えるとＡｌ合金蒸
着めっき層が素地鋼板に対し犠牲防食能を持たなくなる
。

ここで、Ｃｒを１０％添加し％Ｎｉ添加量の異なるＡｌ
−Ｃｒ−Ｎ１３元蒸着めっき層を施した鋼板における赤
錆発生時間について調べた結果を第２図に示す。　第２
図から明らかな様にＮｉの添加効果は１％で顕著となり
、２０％を超えると低減することが分かる。この傾向は
他の鉄族元素であるＦｅ、Ｃｏについても同様であり、
鉄族元素の１種以上を添加したものについても同様であ
った。

めっき膜厚については、０．１μｍ未満では素地鋼板表
面の被覆が不完全であり、めっきピンホールが発生する
ため、さほどの防食効果は期待できない。しかし０．１
μｍ以上になると耐食性および耐熱性はいずれも優れた
ものとなる。

本発明に係る蒸着めっき鋼板の製造方法に関しては、Ａ
ｌ．Ｃｒ、および鉄族元素等の特性から、一般蒸着、イ
オンブレーティングあるいはスパッタ等の蒸着方法を適
用することが好ましい。

なぜならば従来めっき方法として多用されている電気め
っきでは水溶液からのＡＩの電析が不可能であり、また
溶融めっき法ではＣｒや鉄族元素の融点は非常に高いた
め、Ａｌ溶渇中にＣｒや鉄族元素を任意割合で溶解させ
るには溶湯温度を相当に高くする必要がある。しかしこ
れらの金属を任意割合で含有する浴を得ることは実際上
は困難であって、溶融めっきではＣｒや鉄族元素の含有
比率が非常に低くなり、これら添加元素の効果を十分に
発揮させることができない。その点上記した蒸着法では
これらの金属はすべて任意割合で混合してめっきするこ
とが可能であり、本発明に係るめっき鋼板を得る方法と
しては最適である。

［実施例］ 冷延鋼板をアルカリ溶液中で脱脂後乾燥し、これに真空
蒸着法でＡｔ−Ｃｒ−鉄族元素金属の多元素合金めフき
を施した。得られた多元素合金蒸着めっき鋼板について
耐熱性および耐食性を下記の様にして調べた。その結果
を第１表に示す。尚本発明で規制した範囲内のものを実
施例、範囲外のものを比較例とした。

耐熱性二大気中において６００℃で４００時間加熱処理
を行ない、加熱にともなう酸化増量により評価した。

耐食性：マフラー用促進腐食試験（Ｗａｌｋｅｒ　Ｔｅ
５ｔ）における腐食減量により評価した。

第１表より明らかな様に本発明で規制した組成範囲内の
Ａｌ合金蒸着めっき鋼板は耐熱性および耐食性に優れて
いることが分かる。

第　　１　　表 ［発明の効果コ 本発明は以上の様に構成されているので、本発明のＡｌ
合金蒸着めっき鋼材は耐熱性および耐食性に優れたもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はＡｌ−Ｃｒ合金蒸着めっき鋼材におけるＡｌ−
Ｃｒ合金めつき層中のＣｒ含有量と赤錆発生時間の関係
を示す図、第２図はＡｌ−Ｃｒ−Ｎｉ合金蒸着めっき鋼
材におけるＡｌ−Ｃｒ−Ｎｉ合金めつき層中のＮｉ含有
量と赤錆発生時間の関係を示す図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 Ｃｒ：１〜５０％（重量％の意味、以下同じ）鉄族元素
   の１種以上：１〜２０％ を含有し、残部がＡｌおよび不可避不純物からなるＡｌ
   合金蒸着めっき層を素地鋼材上に厚さ０．１μｍ以上施
   したものであることを特徴とする耐熱性および耐食性に
   優れたＡｌ合金蒸着めっき鋼材。