JPH0214851Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （関連産業分野） 本考案は彎曲型連続鋳造機における彎曲部に配
置される鋳片案内セグメントの交換装置に関する
ものである。

（従来技術） 従来、鋳片案内セグメント（以下に単にセグメ
ントという）の交換装置としては、(1)、通常、天
井走行式クレーンを用いるか、あるいは(2)、特公
昭52−30252号公報に記載されるごとき特殊揺動
ブーム等が用いられている。前者は、連続鋳造機
の彎曲部分に配置されたセグメントの交換に使用
することは、その機能上極めて困難である。又、
後者においては揺動ブームのまわりに２種類の台
車を必要とし、交換装置がそれだけ複雑高価なも
のとなるだけでなく、交換作業に長時間を要し、
時間的にも不経済である。

本出願人はこのような従来技術の欠点を除去す
ることのできるセグメント交換装置を開発し、先
に実願昭59−1762（以下先出願という）として開
示した。このセグメント交換装置は、彎曲型連続
鋳造機の架構に、鋳片搬出方向と同方向に揺動自
在に枢着した旋回ガイドを設け、鋳片搬出方向と
直交する側には、連続鋳造機の彎曲部分に配置さ
れた鋳片案内用のセグメントに沿つてその両側に
放射状案内部材を固設し、該案内部材の上端には
前記旋回ガイド下端部の移動軌跡と略同等の弧状
をしたガイドフレームが設けられ、又、鋳片搬出
方向と同方向に移動可能な移動台車を設け、該移
動台車には、鋳片案内用のセグメントを放射状案
内部材及び旋回ガイドに沿つて上方へ移動させる
吊り上げ装置を設けたものである。

（考案が解決しようとする問題点） このような先出願のセグメント交換装置は、セ
グメント旋回ガイドが前記放射状案内部材と同じ
サイドスパン間隔で架構にピン着されていること
から、鋳片案内セグメントをクレーンに吊持して
搬入・搬出する際に、鋳片案内セグメントの車輪
並びにフツク台車の車輪が旋回ガイドと干渉する
不都合を生じる。

この不都合を解消するため、旋回ガイドを部分
的に切欠き、この切欠き部に中継レールを移動装
備したり、又、吊持されたセグメントの下部車輪
が旋回ガイドの上端部を乗り越えるようにセグメ
ントを高く吊り上げ得る高揚程のクレーンを設け
ることが考えられるが、前者の場合、搬出入の都
度、吊持されているセグメントの車輪並びにフツ
ク台車の車輪と切欠部との位置合せを要し、搬
入・搬出能率が阻害され、又、後者の場合には建
屋からの制限を受け、高揚程クレーンが装備でき
ないという欠点がある。

（問題点を解決する手段） 本考案は、セグメントガイドビームの開閉機構
を設けることにより、上述した欠点を取り除くよ
うにしたものであり、セグメントのストランドへ
の吊込み、吊出し時にはガイドビームがガイドの
役割をなし、クレーンでセグメントを運搬移動す
る際には両ガイドビームを離隔させることによ
り、ガイドビームとセグメントが干渉することな
く、クレーンが自由に移動することが出来るよう
にしたものである。

（考案の実施例） １はセグメント、２はセグメント吊出し及び吊
込み時のガイド部材である。３はセグメント交換
クレーン、４はセグメント交換クレーンの吊フツ
ク、５はフツク台車である。６はフツク台車５と
セグメント１の昇降移動を案内するガイドビー
ム、７はガイドビーム６を架構８に取付けるブラ
ケツトである。９はガイドビーム６を回転移動さ
せるロープである。

１０はガイドビーム６をブラケツト７に対し回
転可能に軸支する軸受ピン、１１は軸受ピン１０
を支える軸受である。ガイドビーム６は軸受１３
とスリーブ１２を介し軸受ピン１０と一体となつ
ている。１４はガイドビーム６を軸受ピン１０の
軸方向に移動させるアクチエータ、１５はフツク
台車５に取付けられた車輪、１６はセグメント１
に取付けられた車輪で、フツク台車５及びセグメ
ント１はそれぞれこれら車輪がガイドビーム６上
を転動案内されて移動する。

（作用） セグメント１はセグメント交換クレーン３の吊
フツク４に吊持されて運搬される。このときガイ
ドビーム６は第３図の如く、仮想線の位置から実
線の位置までアクチエータ１４により軸受ピン１
０を引張ることにより開放され、フツク台車５の
車輪１５と干渉しない状態となつている。

セグメント１が第２図の状態に吊上げられて運
搬されたとき、アクチエータ１４を作動して、軸
受ピン１０を押し出してガイドビーム６を鎖線で
示した位置に移動する。すると第４図に示す如
く、ガイドビーム６がフツク台車５の車輪１５並
びにセグメント１の車輪１６を受ける状態とな
る。

さて、ウインチロープ９（第１図）を作動し、
ガイドビーム６を軸受ピン１０のまわりに回動し
て第５図の如く所定の挿込みすべき位置まで移動
させる。セグメント交換クレーン３のフツク４を
下げると、フツク台車５の車輪１５及びセグメン
ト１に取付けた車輪１６がガイドビーム６に案内
されて移動し、更に吊フツク４を緩めるとガイド
部材２にガイドされながらストランドの中にセツ
トされる。

（考案の効果） 本考案によればガイドビームをアクチエータに
よつて移動される軸受ピンによつて開閉できるよ
うにしたのでガイドビームがセグメントをストラ
ンドへ吊込み又はストランドから吊出す時には軸
受ピンのガイドの役割をなし、又クレーンでセグ
メントを運搬移動する際はガイドを開くことによ
り、ガイドとセグメントが干渉することなくクレ
ーンが自由に移動することが出来る。その結果、
セグメントを能率よく搬入・搬出でき、連続鋳造
機の操業能率向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は連続鋳造機の側面図。第２図は同じく
正面図。第３図はガイドビームの軸受部詳細図。
第４図はガイドビームによつてフツク台車とセグ
メントがガイドされる状態を示す。第５図はガイ
ドビームを回動し、セグメントを所定挿込位置へ
取付けようとしている状態を示す。 図において；１……セグメント、２……（セグ
メントの）ガイド部材、３……セグメント交換ク
レーン、４……吊フツク、５……フツク台車、６
……ガイドビーム、７……ブラケツト、８……架
構、９……ロープ、１０……軸受ピン、１１……
（軸受ピンを支持する）軸受、１２……スリーブ、
１３……軸受、１４……アクチエータ、１５……
（フツク台車の）車輪、１６……（セグメントに
取付けた）車輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 彎曲型連続鋳造機の架構に対し、セグメント交
   換クレーン３から独立したセグメントガイドビー
   ム６を軸受ピン１０を介して枢支し、該軸受ピン
   １０をアクチエータ１４によつてセグメント吊出
   クレーン走行方向と直交する方向に移動可能に支
   持し、セグメントの吊込、吊出時にはフツク台車
   ５及びセグメント１をガイドし、セグメント交換
   クレーンによつてセグメントを運搬するときはセ
   グメントと干渉しないようにしたことを特徴とす
   る彎曲型連続鋳造機におけるセグメント交換装
   置。