JPH0214486Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のウインドモールを取付ける
ためのクリツプの連結構造の改良に関するもので
ある。

一般に、ウインドモールを取付けるモールクリ
ツプは、合成樹脂で一体成形されて、第１図Ａに
示す如く、その帯状基板２の一側に張出し爪４を
有する湾曲片２ａを連続形成して、該湾曲片２ａ
と帯状基板２の対向面間にモール保持クリツプ６
の係合空間３を画成し、該係合空間３内にモール
５を直接保持する別体の保持クリツプ６を上記爪
４を介して係合すると共に、帯状基板２の他側に
逆方向に湾曲するリツプ片２ｂを形成し、該リツ
プ片２ｂと帯状基板２に両面接着テープ７を取付
けて、該接着テープ７を介して車体パネルの対応
部位に固定される構成となつている。

しかし、例えば高級車のリアー側に使用される
ベンデングガラス８は、第１図Ｂに示す如く、両
サイドが折曲する直線周縁８ａと角隅周縁８ｂを
有する形状を呈しているので、このベンデングガ
ラス８に対して、上記クリツプを用いてモール５
を取付ける場合には、クリツプ自体にも、該ベン
デングガラス８の周縁形状に沿つた形状が当然に
要求される。

この為、斯る直線周縁８ａと角隅周縁８ｂを有
するベンデングガラス８に対しては、モールクリ
ツプ全体を統一して一体成形することが不可能で
あるので、該クリツプを直線周縁８ａに対応し且
つ上記構成を有する直線クリツプと、角隅周縁８
ｂに対応するコーナークリツプに分けて別々に成
形して、後から両クリツプの端部同士を連結する
方法が一般に採用されている。

そして、従来における直線クリツプとコーナー
クリツプの連結構造としては、第２図Ａ・Ｂに示
す如く、コーナークリツプ１Ｂの端部に延長片９
を形成する一方、直線クリツプ１Ａの帯状基板２
の端部下面に両面接着テープ７が取付けられてい
ない空部１０を画成して、該空部１０内で延長片
９と帯状基板２を単に重合わせることにより、直
線クリツプ１Ａとコーナークリツプ１Ｂの端部同
士を連結するか、或いは、第３図Ａ・Ｂに示す如
く、直線クリツプ１Ａとコーナークリツプ１Ｂの
端面同士を溶着１１することにより、両者１Ａ・
１Ｂの端部同士を連結する構造が使用されてい
る。

然し乍ら、斯る従来の連結構造は、いずれも連
結作業が頗る大変となつて、製造コスト高となる
欠点を有している。特に、この欠点は、後者の連
結構造の場合が一層顕著であるが、前者の連結構
造の場合には、更に確実な連結状態が得られない
と言う欠点をも併せて有していた。

而して、本考案は、斯る従来の連結構造の欠点
に鑑み案出されたもので、帯状基板の一側に張出
し爪を有する湾曲片を連続形成して、該湾曲片と
帯状基板の対向面間にモール保持クリツプの係合
空間を画成する直線クリツプと、ウインドの角隅
形状に沿つたコーナークリツプの端部同士を連結
する連結構造を前提として、直線クリツプの端部
側に存する湾曲片の所定部位に、該湾曲片の先端
縁側で開口する切欠孔を穿設する一方、コーナー
クリツプの端部に、上記直線クリツプの係合空間
内に差し込まれるジヨイント片を延設し、該ジヨ
イント片の一面に上記湾曲片の張出し爪と係合す
る凹溝部を形成すると共に、ジヨイント片の先端
部に上記切欠孔内に係入するロツク片を形成し
て、係合空間内におけるジヨイント片の凹溝部に
対する湾曲片の張出し爪の係合と、ロツク片の切
欠孔に対する係入で、直線クリツプとコーナーク
リツプの端部同士を連結する構成を採用すること
により、上記欠点を有効に解決せんとするもので
ある。

以下、本考案を図示する一実施例に基いて詳述
すれば、該実施例に係る連結構造も、従来と同様
な構成を有する直線クリツプ１Ａと、コーナーク
リツプ１Ｂの端部同士を連結するものであるが、
特徴とするところは、以下の点にある。

即ち、本実施例にあつては、第４図に示す如
く、直線クリツプ１Ａの湾曲片２ａに、該直線ク
リツプ１Ａの端部から一定距離隔てて、湾曲片２
ａの先端縁側で開口する切欠孔２１を穿設する一
方、コーナークリツプ１Ｂの端部上部に、直線ク
リツプ１Ａの係合空間３内に湾曲片２ａの先端縁
側から差し込まれるジヨイント片２２を一体に延
設し、該ジヨイント片２２の表面中央長手方向
に、湾曲片２ａの張出し爪４と係合する凹溝部２
３を形成すると共に、ジヨイント片２２の先端部
に上記切欠孔２１内に係入するロツク片２４を一
体に形成して、係合空間３内におけるジヨイント
片２２の凹溝部２３に対する湾曲片２ａの張出し
爪４の係合と、ロツク片２４の切欠孔２１に対す
る係入で、直線クリツプ１Ａとコーナークリツプ
１Ｂの端部同士を連結する構成となしたものであ
る。

又、本実施例にあつては、コーナークリツプ１
Ｂのジヨイント片２２が設けられていない側に、
薄肉のガイド片２５をジヨイント片２２と同方向
に一体に延設する。

依つて、斯る構成の下で、直線クリツプ１Ａと
コーナークリツプ１Ｂの端部同士を連結する場合
には、まず、コーナークリツプ１Ｂのロツク片２
４を、直線クリツプ１Ａの湾曲片２ａに穿設され
ている切欠孔２１と対向させて、ジヨイント片２
２を湾曲片２ａの先端縁から端部側の係合空間３
内に係入すると同時に、ロツク片２４をその開口
から切欠孔２１内に係入すれば、第５図Ａに示す
如く、直線クリツプ１Ａとコーナークリツプ１Ｂ
の端部同士は、同一方向に対するワンタツチ作業
をもつて直ちに連結されることとなる。

しかも、斯る連結状態にあつては、ロツク片２
４が湾曲片２ａの切欠孔２１内に係入しているの
で、長さ方向に対する直線クリツプ１Ａとコーナ
ークリツプ１Ｂの抜け外れが完全に防止できると
共に、第５図Ｂに示す如く、係合空間３内に係入
されたジヨイント片２２の凹溝部２３に湾曲片２
ａの張出し爪４が係合しているので、ジヨイント
片２２が係合空間３から外方に抜け外れることも
完全に防止できることとなる。

又、本実施例にあつては、コーナークリツプ１
Ｂのガイド片２５が、直線クリツプ１Ａの帯状基
板２のリツプ片２ｂの内側に重合することとなる
ので、斯る重合状態によつても、直線クリツプ１
Ａとコーナークリツプ１Ｂの連結時の連続性が保
障されることとなる。

以上の如く、本考案は、従来から使用されてい
る直線クリツプとコーナークリツプを利用して、
直線クリツプの端部側に存する湾曲片の所定部位
に、該湾曲片の先端縁側で開口する切欠孔を穿設
する一方、コーナークリツプの霜部に、上記直線
クリツプの係合空間内に差し込まれるジヨイント
片を延設し、該ジヨイント片の一面に湾曲片の張
出し爪と係合する凹溝部を形成すると共に、ジヨ
イント片の先端部に切欠孔内に係入するロツク片
を形成して、係合空間内におけるジヨイント片の
凹溝部に対する湾曲片の張出し爪の係合と、ロツ
ク片の切欠孔に対する係入で、直線クリツプとコ
ーナークリツプの端部同士を連結することを特徴
とするものであるから、極めて簡単なワンタツチ
作業をもつて、直線クリツプとコーナークリツプ
の端部同士を、確実に連結することが可能となる
ので、従来の連結構造とは比較にならない作業性
が得られると共に、これに伴い、製造コストの低
廉化にも大きく貢献できることとなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａはクリツプを用いてウインドモールを
取付けた状態を示す断面図、同図Ｂは自動車のリ
アーウインドガラスの形状を示す要部斜視図、第
２図Ａは従来の直線クリツプとコーナークリツプ
の連結構造を分解して示す斜視図、同図Ｂは同連
結構造を示す側面図、第３図Ａ従来の直線クリツ
プとコーナークリツプの別の連結構造を分解して
示す斜視図、同図Ｂは同連結構造を示す側面図、
第４図は本考案に係る直線クリツプとコーナーク
リツプの連結構造を分解して示す斜視図、第５図
Ａは同連結構造を示す斜視図、同図Ｂは同Ａ−Ａ
断面図である。 １Ａ……直線クリツプ、１Ｂ……コーナークリ
ツプ、２ａ……湾曲片、３……係合空間、４……
爪、２１……切欠孔、２２……ジヨイント片、２
３……凹溝部、２４……ロツク片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯状基板の一側に張出し爪を有する湾曲片を連
   続形成して、該湾曲片と帯状基板の対向面間にモ
   ール保持クリツプの係合空間を画成する直線クリ
   ツプと、ウインドの角隅形状に沿つたコーナーク
   リツプの端部同士を連結する連結構造において、
   上記直線クリツプの端部側に存する湾曲片の所定
   部位に、該湾曲片の先端縁側で開口する切欠孔を
   穿設する一方、コーナークリツプの端部に、上記
   直線クリツプの係合空間内に差し込まれるジヨイ
   ント片を延設し、該ジヨイント片の一面に上記湾
   曲片の張出し爪と係合する凹溝部を形成すると共
   に、ジヨイント片の先端部に上記切欠孔内に係入
   するロツク片を形成して、係合空間内におけるジ
   ヨイント片の凹溝部に対する湾曲片の張出し爪の
   係合と、ロツク片の切欠孔に対する係入で、直線
   クリツプとコーナークリツプの端部同士を連結す
   るように構成したことを特徴とするモールクリツ
   プの連結構造。