JPH0214360Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は脱穀機における送塵口の案内装置に関
するものである。

（従来の技術及び問題点） 扱室の穀稈排出口側に送塵口を設け、該送塵口
から揺動選別体上に排出された送塵物のうち長
藁、屑等の送塵物を排塵室を経由して機外へ放出
するようにした下扱き式の脱穀機においては、送
塵口から排出された送塵物が揺動選別体の片側に
片寄る傾向がある。そのため従来、送塵口の扱胴
による扱き方向下手側に邪魔板を垂下し、該邪魔
板で送塵物の片寄りを阻止するようにした構造の
ものが提供されている（実開昭53−27069号等）。
しかし、従来の邪魔板は一般に送塵口巾と略同巾
でその後端縁は扱室後壁より扱室内方側に位置さ
せた取付構造となつているため、第５図に示すよ
うに扱室後側板イと邪魔板ロの交差部分Ｘに、跳
出されようとする長藁や扱歯ハで持回られようと
する長藁等の送塵物ニが引掛つて堆積し易く、こ
れが送塵口ホ部を順次詰らせて送塵性能を阻害し
たり、或はこれが塊状となつて一挙に揺動選別体
ヘ上に落下し選別の悪化や排塵室での詰りを発生
させる等の欠点があつた。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案は、扱室後側板の下部側を切欠い
て形成した穀稈排出口側に送塵口を設け、該送塵
口から揺動選別体上に排出された送塵物のうち長
藁、屑等の送塵物を排塵室を経由して機外へ放出
するようにした脱穀機において、上記送塵口の扱
胴による扱き方向下手側に、扱室後側板内側部か
ら穀稈排出口を臨むように垂下させたガイド板を
設け、該ガイド板の下端部を揺動選別体上に臨ま
せると共に、ガイド板の穀稈排出口に臨んでいる
部分を扱室後側板よりも穀稈排出方向前方に延出
させたことにより、ガイド板と扱室後側板の交差
部等での長藁の引掛りや堆積をなくして長藁や屑
等の排出をスムーズに行ない送塵性能及び排塵性
能を良好に保持し、ひいては選別性能を一層高め
ることができる脱穀機における送塵口の案内装置
を提供しようとするものである。

（実施例） 本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、第１図及び第２図は脱穀機の全体
構造を示すもので、フイードチエン１で移送され
た穀稈は扱口１ａに沿い扱胴２と扱口板３の間を
通つて扱室４内を通過する過程で扱歯５で脱粒さ
れるようになつていて、下扱式の脱粒方式が採用
されている。そして上記脱粒される際、穀粒のほ
かに屑、長藁等が発生し、大部分の穀粒や屑等比
較的小さいものは受網６から漏下して揺動選別体
７の流板７ａ上に落下し、唐箕８及び吸引フアン
９で生起される選別風により選別されて屑は機外
へ放出され、精粒は精粒漏下網１０を漏下して一
番螺旋１１へ送られ、また精粒漏下網１０を漏下
しない穂切れ粒や枝梗付着粒は二番螺旋１２へ送
られた後、二番物還元スロワー１３により揺動選
別体７上へ還元されて再選別作用を受けるように
なつている。一方、脱穀物のうち比較的大きな穂
切れ粒や長藁、屑等受網６から漏下しないものは
扱室後側板１７の下部側を切欠いて形成した穀稈
排出口１４側に設けられた送塵口１５から揺動選
別体７の上段揺動ラツク７ｂ上に排出され単粒、
穂切れ粒は夫々一番螺旋１１、二番螺旋１２へ、
また長藁、屑等は吸引フアン９により排塵室９ａ
を経由して機外へ排出されるようになつている。

以上の構成は従来の脱穀機と略同様であるが、
本考案においては、上記送塵口１５の扱胴２によ
る扱き方向下手側に、扱室後側板１７の内側部か
ら穀稈排出口１４を臨むように垂下させたガイド
板１６を設け、該ガイド板１６の下端部を揺動選
別体７上に臨ませると共に、ガイド板１６の穀稈
排出口１４に臨んでいる部分を扱室後側板１７よ
りも穀稈排出方向前方に延出させたものである。
図示のものはガイド板１６をコーンケーブ１８の
下部に固定し、ガイド板１６の上端一側を切欠い
て、該切欠部１６ａを扱室後側板１７の下面に当
接せしめると共にガイド板１６の一側を扱室後側
板１７の張出し量よりも更に穀稈排出方向前方に
位置するように延出させる一方、ガイド板１６の
下端部を上段揺動ラツク７ｂ上に適間隔を存して
臨ませたものである。

図中１９は仕切板、２０は仕切板１９から垂下
したゴム製幕体で、この幕体２０は主として受網
６からの漏下物が多方向に乱反発して上段揺動ラ
ツク７ｂ上に乗上げるのを防止するためのもので
ある。したがつてこの幕体２０の下端縁は上段揺
動ラツク７ｂ近傍まで臨ませてある。２１は脱穀
機の機壁である。２２は排藁チエンでフイードチ
エン１の搬送終端部の直上方を始端として機体後
方中央に向け架設されており、この排藁チエン２
２と平行に排藁ベルト２３が設けられている。ま
た上記排藁チエン２２と排藁ベルト２３の下方に
は夫々搬送作用側に弾発付勢された排藁レール２
４が設けられており排藁レール２４下方の受板２
５は第６図に示す如く株元側２５ａが低く穂先側
２５ｂが高く構成されていて、穂先側２５ｂの高
さは排稈挟持搬送時における排藁レール２４の高
さ（第６図仮想線図示の状態）と略同一高さとな
るように設定されている。この受板構成により嵩
の大である株元部の摺擦抵抗を少なくすると同時
に穂先側２５ｂに籾溜りがあつても排稈のはき作
用により排稈と一緒に脱穀後部へ送られ、受板２
５の最後部に設けたササリ粒回収口２６から無駄
なく回収できるようになつている。

また受板２５の穂先側２５ｂにはＡ点からＢ点
までの傾斜部２５ｃが設けてあるので扱深さが変
化しても上記同様の効果を奏するようになつてい
る。

叙上の如き構成において、脱穀作業時送塵口１
５から排出される長藁、屑等の送塵物は扱胴２の
第２図及び第３図における矢印方向への回転力及
びそれに伴う風力や扱歯５の打撃作用等を受ける
ためどうしても扱胴２の回転方向への指向性が与
えられることとなり、これが送塵口１５から排出
される長藁等の分散を悪くするばかりでなく、引
掛りや詰りの原因となるものであるが、本考案の
ガイド板１６は、該ガイド板１６の穀稈排出口１
４に臨んでいる部分を扱室後側板１７よりも穀稈
排出方向前方に延出させて設けてあり、しかも、
コーンケーブ１８の下端及び扱室後側板１７の下
面に連設した取付構造と相俟つて、送塵口１５部
における長藁等の引掛りや詰り等が解消される。
特にコーンケーブ１８下端縁、扱室後側板１７及
びガイド板１６と後側板１７の交差部における引
掛りがなくなり、長藁、屑等送塵物の誘導排出作
用が極めてスムーズに行なわれる。なお、ガイド
板１６の一側を扱室後側板１７の張出し端縁と一
致させても略同様の効果が得られる。

（効果） 上記したように本考案は、扱室後側板の下部側
を切欠いて形成した穀稈排出口側に送塵口を設
け、該送塵口から揺動選別体上に排出された送塵
物のうち長藁、屑等の送塵物を排塵室を経由して
機外へ放出するようにした脱穀機において、上記
送塵口の扱胴による扱き方向下手側に、扱室後側
板内側部から穀稈排出口を臨むように垂下させた
ガイド板を設け、該ガイド板の下端部を揺動選別
体上に臨ませると共に、ガイドの穀稈排出口に臨
んでいる部分を扱室後側板よりも穀稈排出方向前
方に延出させたから、送塵物が揺動選別体上の片
側に片寄るのを防止できるものでありながら、送
塵口部における長藁等送塵物の引掛りや堆積をな
くして送塵物の排出をスムーズに行ない得て、送
塵口部や排塵室等における詰りを防止し、送塵性
能及び排塵性能を常に良好に保持でき、ひいては
選別性能を一層高めることができる。特に本考案
は長藁や屑等の発生が多い材料を脱穀する際に偉
力を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を装備した脱穀機の縦断側面
図、第２図は同上の縦断正面図、第３図は要部の
拡大斜視図、第４図は要部の横断平面図、第５図
は従来例の斜視図、第６図は排藁搬送部の構造を
示す縦断正面図、第７図は同上の平面図である。 図中、２は扱胴、４は扱室、７は揺動選別体、
９ａは排塵室、１４は穀稈排出口、１５は送塵
口、１６はガイド板、１７は扱室後側板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室後側板の下部側を切欠いて形成した穀稈排
   出口側に送塵口を設け、該送塵口から揺動選別体
   上に排出された送塵物のうち長藁、屑等の送塵物
   を排塵室を経由して機外へ放出するようにした脱
   穀機において、上記送塵口の扱胴による扱き方向
   下手側に、扱室後側板内側部から穀稈排出口を臨
   むように垂下させたガイド板を設け、該ガイド板
   の下端部を揺動選別体上に臨ませると共に、ガイ
   ド板の穀稈排出口に臨んでいる部分を扱室後側板
   よりも穀稈排出方向前方に延出させたことを特徴
   とする脱穀機における送塵口の案内装置。