JPH021435Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は各パネル突設されたパネル突設ピン
を係止し、パネルの昇降動作を行うシヤツター用
チエーンに関する。

【従来の技術】

最近、各パネルに突設されたパネル突設ピンの
一部をチエーンに係合し、チエーンの昇降によつ
てパネルの昇降動作を行わせるシヤツター装置が
提案されている。この種のシヤツター装置は、ガ
イドレールに支持された状態では各パネルが同一
平面上に配置され、他方、ガイドレールの一端に
連なる収納ボツクス内では、相互に平行に折畳状
態で収納されるシヤツター装置が提案され、発生
騒音の低減化、パネル幅の拡大等の多くの利点を
有する。

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のシヤツター装置では、チエーン
とパネルのパネル突設ピンとの係合が非常に複雑
であつたり、両者の回動自在な係合がスムーズで
なかつたり、乱暴なパネルの昇降の繰り返しをす
るとチエーンからパネル突設ピンが脱落する等の
課題があつた。 また、パネルを昇降させるチエーンは、上述の
ようにパネルを確実に回動自在に係合するため
に、汎用のチエーンとは別の専用のチエーンを必
要とした。これは、パネルのパネル突設ピンに
は、パネルの重量が作用するので、該パネル突設
ピンを挿入係合する部分のチエーンを太径とする
必要があり、チエーンは、パネル突設ピンの挿入
部分と、それ以外のピンの挿入部分とのローラ径
を異径としたり、また、収納ボツクス内の支持レ
ールにパネルを吊下げるための突出ローラをパネ
ル突設ピンの挿入部分に取付ける必要があるから
である。その結果、前者の場合には、チエーンと
噛合い、チエーンを昇降させるスプロケツトの歯
部も、２つの異なつたピツチのものを混在させて
構成する必要があり、その製造が複雑であると共
に、組立時にスプロケツトにチエーンを噛合せる
作業も非常に手間を費やした。また、後者の場合
には、汎用のチエーンでは、突出ローラを取付け
るのは困難であつた。このように、従来は専用の
チエーンを必要としたので、特殊部品や専用の駆
動用スプロケツト等を新たに製造しなければなら
ず、装置の複雑化およびメンテナンスの手間等を
必要とするという課題があつた。 この考案は上記のような課題を解消するために
なされたものであつて、パネルのパネル突設ピン
との所定条件の係合を簡単な構造で行え、しかも
該ピンの脱落等の虞れがなくパネルの昇降動作を
スムーズかつ確実に行え、しかも通常使用されて
いるローラチエーンと互換性を有するので、専用
のテエーンを製造する必要がなく、特にチエーン
駆動部であるスプロケツトは通常のチエーンに用
いられているものをそのまま使用でき、構造、設
備、メンテナンスの簡単化が達成できるシヤツタ
ー用チエーンを提供することを目的とする。

【実施例】

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。 この考案に係るシヤツター用チエーン１は、第
１図示のようにパネル２の上端に突設されたパネ
ル突設ピン３を挿入係合してガイドレール（図示
せず）に沿つて配置され、噛合つている駆動スプ
ロケツト（図示せず）によつてパネル２と一体と
なつて昇降される。 そこで、まず、通常一般的に使用されているロ
ーラーチエーン４について説明する。通常のロー
ラーチエーン４は第２図示のように、ブツシユ
（第１のブツシユ）５の内部に挿入されたピン６
と、ブツシユ５の外周に遊嵌されたローラー７
と、上記ブツシユ５の両端にカシメられたローラ
ーリンクプレート（第１のプレート）８と、ピン
６の両端にカシメられたピンリンクプレート（第
２のプレート）９とを有し、両リンクプレート８
および９はピン６によつて相互に屈曲自在に形成
されている。 かかる通常のローラーチエーン４と互換性を有
するこの考案に係るシヤツター用チエーン１は、
第１図および第３図示のように、チエーン１に所
定間隔毎に設けられパネル２のピン（パネル突設
ピン）３をピン挿入孔１０ａ内で回動自在に且つ
スラスト方向移動可能に挿入係合するホローピン
１０と、このホローピン１０の外周に回動可能に
配置され、上記ローラ７の外径と同外径を有する
ブツシユ（第２のブツシユ）１１と、このブツシ
ユ１１の両端に位置し、該ホローピン１０の一端
を突出状態でカシメるピンリンクプレート９と、
このピンリンクプレート９の内側に位置し、ブツ
シユ１１の両端にカシメられたローラーリンクプ
レート８とを有する。 そして、上記両プレート８および９はピン３に
よつて相互間で屈曲自在に形成されている。 また、上記ホローピン１０の一端突出部の外周
には突出ローラ１２が回動自在に遊嵌されてい
る。 この突出ローラ１２はパネル２のの収納時に、
収納ボツクス（図示せず）内に略水平に配置され
た支持レール（図示せず）上に吊下げられ、パネ
ル２の移動時のガイド機能を果たす。 そして、このホローピン１０には、その突出端
に突出ローラ脱落防止用のプラグ１３が圧入され
ていると共に、内部には、パネル２のピン３を効
果的に回動、スラスト方向移動させる中空部１４
が設けられている。 ここで、上記ブツシユ１１の外径Ｄは通常のロ
ーラーチエーン４の外径D₁と同一に形成されて
いる。 以上の構成によれば、パネル２の収納、引出動
作はシヤツター用チエーン１の昇降動作によつて
行われる。このチエーン１の昇降に伴つて、各パ
ネル２は昇降するが、この際、パネル２のピン３
は、該チエーン１のホローピン１０によつて回動
自在で、かつスラスト方向移動可能に係合され、
しかもピンリンクプレート９とローラーリンクプ
レート８はこのピン３によつて、相互間で屈曲自
在に形成されているので、パネル２の昇降動作は
極めて確実かつスムーズに行える。このように、
シヤツター用チエーン１とピン３との係合は簡単
な構造によつて確実に行われ、この係合を介して
行われるパネル２の昇降動作は極めてスムーズに
行える。ここで、パネル２のピン３はチエーン１
のピン（第１図のピン６）の機能を果たす。 また、ホローピン１０の一端突出部の外周には
回動自在の突出ローラ１２が遊嵌されているの
で、従来のように特殊部品を必要としないで、パ
ネル２の収納ボツクス（図示せず）への収納時に
支持レール（図示せず）にスムーズに吊下げ支持
でき、パネル移動時のガイド機能を確実に果た
す。 さらに、上記ホローピン１０の外周には、回
転自在なブツシユ１１が遊嵌され、しかもブツシ
ユ１１の外径Ｄは通常のローラーチエーン４のロ
ーラー７の外径D₁と等しく、通常のローラー
チエーン４とは異なる部品としては、ホローピン
１０、ブツシユ１１、ピン３であり、他は全て既
存のものを使用できるので、通常のローラーチエ
ーン４をそのまま利用できる。この結果、特にシ
ヤツター用チエーン１を駆動させる駆動部、例え
ばスプロケツトに２つの異なつた歯部を形成する
必要がなくなつたので、一般的なチエーンを駆動
させる既存のものをものまま適用することがで
き、しかも、チエーン１とスプロケツトとの組立
時の噛合作業が非常に簡単になり、構造、設備、
メンテナンスの簡単化が図れる。

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、パネルのパ
ネル突設ピンとの所定条件の係合を簡単な構造で
行え、しかもパネル突設ピンの脱落等の虞れがな
く、パネルの昇降動作をスムーズかつ確実に行え
る。また、通常使用されているローラーチエーン
と互換性を有するので、専用のチエーンを製造す
る必要がなく、特にチエーン駆動部であるスプロ
ケツトは通常のチエーンに用いられているものを
そのまま使用でき、構造、設備、メンテナンスの
簡単化が達成できる。さらに突出ローラはホロー
ピンに確実に取付けられる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはこの考案を適用したシヤツターの側
面図、第１図ｂはこの考案の一実施例の正面図、
第２図は従来のローラーチエーンの正面図、第３
図はこの考案の一実施例の一部縦断面図を示す。 １……シヤツター用チエーン、２……パネル、
３……パネル突設ピン、１０……ホローピン、１
０ａ……ピン挿入孔、１２……突出ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１のブツシユ５と一体固定された第１のプレ
   ート８、上記第１のブツシユ５を貫通するピン６
   を介して、上記第１のプレート８と屈曲自在に連
   結された第２のプレート９、上記第１のブツシユ
   ５の外周に回動自在に遊嵌されたローラ７を備え
   た既存のチエーン４と、このチエーン４の所定間
   隔隔てた位置の上記ローラ７、第１のブツシユ５
   およびピン６と交換配置され、該ローラ７の外径
   と同外径を有する第２のブツシユ１１と、この第
   ２のブツシユ１１内に貫通配置されたホローピン
   １０と、このホローピン１０内に形成され、上記
   第１のプレート８と上記第２のプレート９とを屈
   曲自在に連結するパネル突設ピン３を回動自在か
   つスラスト方向移動可能に挿入するピン挿入孔１
   ０ａと、上記ホローピン１０の突出部に回動自在
   に連結された突出ローラ１２とを備えたシヤツタ
   ー用チエーン。