JPS6235840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、複数のパネル体を上下方向に一連状
に連結してなるパネルシヤツターにおけるパネル
移送装置に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする問題点］ 一般に、この種パネルシヤツターは、連結体を
介して複数のパネル体を上下方向に一連状に連結
して縦方向の案内レールに沿う直列姿勢と横方向
の収納レールに沿う並列姿勢との変姿できるよう
に構成されているが、従来、パネルシヤツターに
は、パネル体に設けた噛合歯体が歯合してパネル
体を案内レールに沿つて強制的に縦送りして上下
昇降せしめるチエン駆動機構等の強制縦送り機構
と、最上位に上昇したパネル体をタイミングを合
せて押圧して収納レール側に強制横送りをする押
圧ローラ等からなる強制横送り機構とを設ける必
要があつたため構造が複雑になるうえに、後続の
下側パネル体が横送りされる上側パネル体につき
当ることを防止するため、強制横送り機構は少く
ともパネル体の下部側に横送りさせる必要があ
り、この場合には、パネル体の下部側は横送りさ
れて下側パネル体の上昇軌跡外に位置するが上記
側は横移送されないため、上側パネル体の上部側
は、下側パネル体の上昇によつて無理に押し込ま
れて横移送されることになり、従つてパネル体を
上昇せしめるための動力損失をきたすという欠点
があつた。

［問題を解決する手段］ 本考案は上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を
一掃することができるパネルシヤツターにおける
パネル移送装置を提供することを目的として創案
されたものであつて、複数のパネル体を、連結部
材を介して一連状に連結して、縦方向の案内レー
ルに沿う直列姿勢と横方向の収納レールに沿う並
列姿勢とに変姿自在に構成したパネルシヤツター
において、上記案内レールの上部には、収納レー
ル側に位置してパネル体側に設けた噛合歯体に噛
合して、パネル体の強制縦送りをする駆動体を設
けると共に、前記噛合歯体は、パネル体の縦送り
から横送りに至るまで駆動体と連続的に噛合する
円弧状の歯体として、パネル体を噛合歯体の駆動
体との噛合で案内レールから収納レール側への移
送を行うように構成したことを特徴とするもので
ある。

そして本考案は、この構成によつて、強制横送
り機構を格別に設けることなく、パネル体を上下
昇降せしめる強制縦送り機構をそのまま利用して
パネル体を後続の下側パネル体がつき当ることな
く横送りできるようにして、パネルシヤツターの
全体構造を簡略化し得ると共に、下側パネル体の
上部側を下側パネル体で無理に押し込んで横移送
せしめることも無く、動力損失のない移送装置で
ある。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、１は建造物の開口部に取付
けられ たパネルシヤツターであつて、該パネルシヤツタ
ー１を構成する複数のパネル体２は、上下方向所
定間隔を存して配置されているが、パネル体２の
左右両側面上端部にはピン軸３が横方向に突出し
ている。ピン軸３の基端部にはリンク板４が回動
自在に枢支されているが、リンク板４の先端部に
突設したピン４ａが上側パネル体２の左右両側面
に穿設した上下方向に長孔２ａに摺動自動に遊嵌
することによつて、各パネル体２は一連状に連結
されている。そして、各パネル体２は、ピン４ａ
が長孔２ａの下端側に位置して、縦方向に面一状
となる直列姿勢と、ピン４ａが長孔２ａの上端側
に位置して横方向に並ぶ並列姿勢とに自在に変姿
できるようになつている。尚、パネル体２を直列
姿勢と並列姿勢とに変姿できるようにするには上
記実施例のものに限定されるものではなく、第３
図Ａ，Ｂに示す如く、隣接するパネル体２を中間
部で屈曲自在なリンク板４ｂで連結したもの、あ
るいは可撓性のあるワイヤ４ｃで連結したもので
あつてもよいことは言うまでもない。

５は開口部両側に設けられる縦方向の案内レー
ルであつて、該案内レール５の上端には横方向の
収納レール６が延設されている。そして、前記各
レール５，６にはピン軸３の先端に装置したロー
ラ７が転動して、パネル体２をレール５，６に沿
つて移動できるようになつている。案内レール５
の上部側及び収納レール６はブラケツト８で覆蓋
されているが、該ブラケツト８内には、案内レー
ル５を沿う上下方向の駆動チエン９が収納レール
６側に懸回されている。即ち、案内レール５の上
端部には上側の従動スプロケツト９ａと下側の駆
動スプロケツト９ｂとが収納レール側に並列され
ており、前記各スプロケツト９ａ，９ｂ間に本実
施例の駆動体である駆動チエン９が懸回されてい
る。１０は駆動スプロケツト９ｂにチエン伝動で
動力を伝動する駆動モータである。

一方、前記ピン軸３の中間部には駆動チエン９
に噛合する噛合歯体１１が固定されているが、該
噛合歯体１１は、駆動チエン９が従動スプロケツ
ト９ａに噛合する案内レール５側半部でも駆動チ
エン９に噛合すべく本実施例では扇形状に構成さ
れている。そして、駆動チエン９の駆動によつて
最上位まで上昇されたパネル体２は、そのまま駆
動チエン９に噛合して収納レール６に沿う横方向
に移送されるようになつている。尚、本実施例で
は、駆動チエン９のチエンローラ９ｃに各スプロ
ケツト９ａ，９ｂ及び噛合歯体１１に噛合するよ
うに構成したが、第４図Ａ，Ｂ，Ｃに示す如く駆
動チエン１２を二列状のものにしてスプロケツト
９ａ，９ｂと噛合歯体１１とを各別に噛合するよ
うにしたもの、駆動チエン１３を三列状のものに
して、中央部は噛合歯体１１が噛合し、両側部は
二重のスプロケツト９ａ，９ｂが噛合するように
したもの、あるいは駆動チエン１４は一列状であ
るがチエンローラ１４ａを両外側に延長して中央
部はスプロケツト９ａ，９ｂが噛合し、延長部は
噛合歯体１１が噛合するようにしたもの等であつ
てもよく、特にこれらのものにあつてはスプロケ
ツト９ａ，９ｂと噛合歯体１１との噛合位置が完
全に区別されるため両者が不用意に衝接すること
を確実に回避することができる利点がある。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、パネルシヤツター１の開放作動は、駆動チエ
ン９を矢印方向に駆動せしめればよい。即ち、矢
印方向に駆動する駆動チエン９に縦方向の直列姿
勢となつている最上位パネル体２の噛合歯体１１
から噛合して該パネル体２は案内レール５に沿つ
て上昇する。そして最上位まで上昇したパネル体
２は、噛合歯体１１が従動スプロケツト９ａの回
転軌跡位置でも依然として駆動チエン９に噛合し
ているため、従動スプロケツト９ａの周回りの強
制横移送作用を受けて案内レール５側から収納レ
ール６側に継送されることになる。一方、後続の
下側パネル体２は、前記上側パネル体２が横方向
の収納レール６側に強制送りされても依然として
縦方向の案内レール５側に位置することになる
が、第１図に示すように回転自在なリンク板４の
ピンが長孔２ａに案内されて上側に相対移動する
ため上側パネル体２の横移送が阻害されることは
ない。そして、下側パネル体２は、上側パネル体
２が最上位に達したときにはすでに噛合歯体１１
が駆動チエン９に噛合して強制縦送りされてお
り、この様にしてパネル体２は上側のものから順
次駆動チエン９による強制縦送り及び強制横送り
作用を受けて収納レール６に並列姿勢で収納され
ることになる。従つて、本考案では、従来この種
パネルシヤツターで必要とされていた強制横送り
機構を別途設けることなく、駆動チエン９の駆動
作用を有効に利用してパネル体２の強制横送り作
用を行なわせることができるため、構造を簡略化
し得て大幅なコストダウンを図ることができる。
しかも、パネル体２は、従来強制横送り機構を別
途に設けたもののように、下部側という部分的な
横送り作用を受けることなく全体的な横送り作用
を受けることになるため、後続の下側パネル体２
が強制縦送りされて最上位に達する際に、横送り
されたパネル体２を押し込める必要もなく、従つ
て駆動チエン９の動力損失を可及的に減少するこ
とができる。

また、パネルシヤツター１の閉塞作動は駆動チ
エン９を反矢印方向に駆動せしめればよく、この
場合、収納レール６に並列姿勢で収納されたパネ
ル体２は、前記とは逆作動によつて案内レール５
側に移送されて縦方向に面一となる直列姿勢とな
つて閉鎖作動は完了する。

尚、後続の下側パネル体２が上側パネル体２に
つき当るのを効果的に防止するために、第５図に
示す如く駆動チエン９に沿う案内レール５の上部
側を駆動チエン９とともに収納レール６側に傾斜
せしめておくことが有効である。この様にしてお
けば、駆動チエン９を高速で駆動させた場合、横
移送される上側パネル体２の下端部側が慣性によ
つて遅れがちになつても、あらかじめ後続の下側
パネル体２が接当しない収納レール９側に横移送
されているため下側パネル体２によるつき当り現
象が確実に防止できる。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成したも
のであるから、駆動体を縦レール（案内レール）
に対して収納レール側に設け、かつパネル体の噛
合歯体をパネル体の縦送りから横送りに至るまで
連続的に駆動体に噛合するよう円弧状にしただけ
の単純構成によつて、パネル体を案内レールに沿
つて強制縦送りする駆動体をそのまま有効利用し
て最上位に達したパネル体を、駆動体によつて強
制横送せしめて収納レール側に並列姿勢で確実に
収納することができ、もつて、パネルシヤツター
は、格別な強制横送り機構を必要としない簡略な
ものとすることができるうえに、上側パネル体の
上部側を後続の下側パネル体で無理に押し込んで
横送りせしめることをなくし得て、駆動体の動力
損失を効果的に防止することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るパネルシヤツターにおける
パネル移送装置の一実施例を示したものであつ
て、第１図はパネルシヤツターの要部側面図、第
２図は同上要部平面図、第３図Ａ，Ｂは他例を示
す要部側面図、第４図Ａ，Ｂ，Ｃはさらに他例を
示す要部平面図、第５図はされに他例を示す要部
側面図である。 図中、１はパネルシヤツター、２はパネル体、
３はピン軸、４はリンク板、４ｂはリンク杆、４
ｃはワイヤ、５は案内レール、６は収納レール、
７はローラ、８はブラケツト、９は駆動チエン、
９ａは従動スプロケツト、９ｂは駆動スプロケツ
ト、１０は駆動モータ、１１は噛合歯体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のパネル体を、連結部材を介して一連状に
   連結して、縦方向の案内レールに沿う直列姿勢と
   横方向の収納レールに沿う並列姿勢とに変姿自在
   に構成したパネルシヤツターにおいて、上記案内
   レールの上部には、収納レール側に位置してパネ
   ル体側に設けた噛合歯体に噛合して、パネル体の
   強制縦送りをする駆動体を設けると共に、前記噛
   合歯体は、パネル体の縦送りから横送りに至るま
   で駆動体と連続的に噛合する円弧状の歯体とし
   て、パネル体を噛合歯体の駆動体との噛合で案内
   レールから収納レール側への移送を行うように構
   成したことを特徴とするパネルシヤツターにおけ
   るパネル移送装置。