JPS6317835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシヤツタ装置、特にシヤツタ収納時に
巻込むことなく折畳状態で収納できるようにした
シヤツタ装置に関する。

この種のシヤツタ装置は建物の出入口あるいは
窓などの開口の両側に配置されたガイドレール
と、このガイドレールに沿つて上下動可能に且つ
順次に屈曲自在に連結された複数枚のスラツト
と、上記ガイドレールの上端部に形成された収納
ボツクスと、上記各スラツトに形成されたラツク
と係合して該スラツトを上下動させるように上記
収納ボツクス内に設けられたチエインと、このチ
エインによつて引上げられたスラツトを相互に平
行に吊下げるために上記収納ボツクス内に略水平
に設けられた支持レールとを備えているもので、
以下、このシヤツタ装置の概要を第１図を参照し
ながら説明する。

第１図において、符号１は建物の出入口あるい
は窓などの開口を遮蔽するシヤツタユニツトを構
成する複数枚のスラツトである。各スラツト１は
例えばガラス板の上下に横枠１ａを、左右に縦枠
１ｂを取付けることによつて構成されたもので、
その縦枠１ｂの上部側面に軸２を突設し、この軸
に取付けたローラ３を上記開口の両側に配置され
たガイドレール４に沿つて移動させる。このガイ
ドレール４に支持された状態では各スラツトの前
面が同一平面上におかれるように縦方向に連続し
て配置され、ガイドレール４の上端に連なる収納
ボツクス５の内部に収納された状態では相互に立
て並べた状態で配置される。そして、スラツト１
の上端部側面に上記軸２と平行に設けた軸６に連
結リンク７の一端を取付け、この連結リンクの他
端に設けたガイド棒８を隣接スラツトに形成され
た縦方向の長溝９に抜止め的に係合させて、各ス
ラツト１を相互に屈曲自在に連結している。ま
た、各スラツト１は第３図に示すように、その上
側横枠１ａの上面に横断面半円弧状の係合凸部１
０を、下側横枠１ａの下面に横断面半円弧状の係
合凹部１１を有し、各スラツト１がガイドレール
４に沿つて縦方向に連続して配置されたとき、隣
接スラツトの凹凸部１０・１１同志が係合してス
ラツト間の隙間をなくすと共にスラツト間の厚み
方向への横ずれをなくすものである。

収納ボツクス５内に位置する上記ガイドレール
４の上端部は傾斜レール１２を介して略水平方向
に延びる支持レール１３に連なつている。このた
め、各スラツト１は収納ボツクス５内では水平レ
ール上を移動するローラ３を介して吊下げ支持さ
れることになる。

上記収納ボツクス５内にはガイドレール４の最
上端部に支持されているスラツト１と対向する位
置において、このスラツト１の上端部に設けられ
た短かいラツク１４と係合する無端のチエイン１
５が上部のスプロケツト１６と下部のベアリング
１７間に巻回された状態で配置されている。この
のチエイン１５はスプロケツト１６が駆動源１８
からチエイン１９を介して伝達された動力によつ
て一方向またはその反対方向に回転したときに、
スラツト１を上昇または下降させるように働く。
このチエイン１５の長さは１つのスラツトのラツ
ク１４がチエインから離脱する直前に、後続のス
ラツト１のラツク１４と係合し得るような値に選
ばれている。すなわち、チエイン１５には常に少
なくとも一つのスラツト１のラツク１４がかみ合
つていることになる。

また、ガイドレール４の上端部から傾斜レール
１２へ移るコーナ部に位置して、適当な弾性を有
する例えば板ばねなどの押圧部材２０が設けられ
ている。この押圧部材２０は一端で収納ボツクス
側に固定され、自由端部は各スラツト１がガイド
レール４の最上端部に達したときにこのスラツト
１に設けられた後記のチヤンネル材２３、軸受体
２４と接触して、これを支持レール１３の方向に
押圧するように、軸受体２４の移動径路内に位置
している。

各スラツト１を収納ボツクス５内に収納する動
作は、チエイン１５を係合面上に位置する部分が
上昇する方向に走行させることによつて行われ
る。このチエイン１５の走行によつて該チエイン
と係合しているラツク１４を有するスラツト１は
ガイドレール４に沿つて上昇し、収納ボツクス５
内に進入する。また、このスラツト１と共に下位
のスラツト１もガイドレール４に沿つて引上げら
れる。

上記チエイン１５にラツク１４が係合している
スラツト１が収納ボツクス５内に進入する最後の
段階で、その隣接する後続スラツト１の上端部に
取付けられたスラツト連結用リンク７のく字状突
出部７ａは、収納ボツクス５内に枢支されたアー
ム２１の自由端に軸支された押圧ローラ２２に接
触する。このため、スラツト１は連結用リンク７
を介してその厚み方向と直角方向に作用する押圧
力を受け、前方へ押し出されて後続スラツトの移
動径路外に退避しながら後続スラツトの上昇力に
より押し上げられ、傾斜レール１２を経て支持レ
ール１３上へ移行する。

後続スラツト１が上昇するにつれて、その上端
部に取付けられた連結用リンク７のガイド棒８は
先行スラツトの長溝９内を上方に移動し、この長
溝上端に当ると回動して先行スラツトを前方へ押
圧する。この結果、スラツト１は円滑に支持レー
ル１３上へ移行する。この動作は後続スラツトの
連結用リンク７が押圧ローラ２２と接触する位置
に到達するごとに繰返され、各スラツト１は順次
に支持レール１３にローラ３を介して吊下げ支持
される。

上記とは反対に各スラツト１を繰出す動作は、
チエイン１５を前記とは逆の方向に走行させるこ
とによつて行われる。これによつてチエイン１５
とかみ合つているラツク１４を有するスラツト１
がガイドレール４に沿つて下降する。そして、先
行スラツトの連結用リンク７の自由端に設けたガ
イド棒８が後続スラツトの長溝９の下端に達した
後、そのガイド棒と長溝下端の係合により後続の
スラツト１を傾斜レール１２を経てガイドレール
４上に引出し、この引出したスラツト１のラツク
１４をチエイン１５にかみ合せる。この引出し過
程では、ローラ３はスラツト１の移動に伴なつて
強制的にガイドレール４上に移行されるので、押
圧部材２０がスラツト操出し動作に支障を与える
おそれはない。なお、スラツト降下時にリンク７
の突出部７ａでローラ２２が下方に押圧される
と、アーム２１はその取付軸２１ａを支点にして
第１図矢示方向に回動し、押圧ローラ２２を上記
リンク７の移動経路から退避させるように構成さ
れている。

上記のようにスラツトを昇降させて開口の開閉
を行なうものであるが、チエイン１５からラツク
１４に伝達される力によつて該ラツクの取付軸２
の回りにモーメントが生じ、このモーメントによ
つてスラツトの下部が振られ、そのため、ガイド
レール４との接触抵抗が非常に大きくなつて、ス
ラツトはスムーズな昇降動作が得られない。ま
た、収納ボツクス内の左右に位置するチエイン間
隔とスラツトの左右両端に位置するラツク間隔が
寸法誤差等で不一致であると、開口に対するシヤ
ツタ装置の取付けが困難であり、このため、製作
時における寸法精度がきわめて高く要求されてい
るのが現状である。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、ラツク
取付軸に作用する有害なモーメントを除去し、チ
エイン間隔とラツク間隔を容易に合致させること
ができ、ラツクがチエインから脱落することがな
いシヤツタ装置を得ることを目的とする。

以下、第１図と同一部分に同一符号を付した第
２図乃至第５図について本考案の１実施例を説明
する。スラツト両側の縦枠１ｂの側面縦方向にチ
ヤンネル材２３を固定する。このチヤンネル材２
３の上端に軸受体２４を設け、この軸受体にラツ
ク取付軸２を水平に且つ軸線方向に移動自在に設
ける。このラツク取付軸の両端にガイドレール４
上を転動するローラ３と、一方のローラ３と軸受
体２４の間に位置してラツク取付軸２と直角の垂
直方向にラツク１４を設ける。また、上記軸受体
２４には上記ラツク取付軸２から所定距離はなれ
て該ラツク取付軸と平行にスラツト連結用リンク
７の取付軸６が取付けてある。

本考案は上記のようにスラツト相互を連結する
リンクの取付軸６をラツク取付軸２から適当な距
離はなしてあるから、チエイン１５による昇降力
によつてラツク取付軸２の回りに生ずる有害なモ
ーメントを、リンク取付軸６に伝えられるスラツ
ト相互の引張り力によつて打消すことができる。
また、寸法誤差によつてチエイン間隔とラツク間
隔とが不一致であつてもラツク取付軸２を鎖線示
（第５図）のように軸線方向に移動させることに
より容易に一致させることができるもので、スラ
ツト１の組立が簡単且つ容易にできるとともに収
納ボツクス５およびスラツトの組立寸法の許容誤
差を大きくとれるようになり製作が容易である。
さらに、ラツク１４はチエーン１５に係合してい
る時、ラツクの歯形状により両者の係合をなくす
様な向きの力がラツクとチエーンに作用するが、
ラツク取付軸２の両端にローラ３を設け、その中
間にラツク１４を設けた事により、上記のラツク
とチエーンの係合をなくす様な向きの力に対して
ラツク取付軸２、ローラ３、ガイドレール４、ラ
ツク１４の組合せは両端支持で中間に力が作用す
るビームと考えられ、従来のシヤツタ装置の構造
に比べて非常に容易にチエーン１５とラツク１４
の離脱を防止する事が出来る。上記の力はスラツ
トの自重により作用する為、間口の拡大等による
スラツトの重量の増加による問題に対しての有効
な解決策となるものである。

以上の如く、本考案はラツク取付軸に生ずる有
害なモーメントを自動的に打消し、組立寸法の許
容誤差が大きくとれ、ラツクとチエインの脱落を
防止することができるので、組立てが簡単且つ容
易で開閉動作の安定したシヤツタ装置を簡単な構
成で安価に得ることができる効果がある。

なお、図示例はラツク取付軸２を軸受体２４に
軸線方向に移動自在に取付けたものであるが、ラ
ツク取付軸２は軸受体２４に固定し、ラツク１４
をラツク取付軸２に移動自在に取付ける構成とし
てもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案シヤツタ装置の１実施例を示す
要部の一部切欠側面図、第２図はスラツト片側の
平面図、第３図はスラツト連結部の正面図、第４
図はその側面図、第５図はラツク取付軸部の拡大
縦断平面図である。 １……スラツト、２……軸、３……ローラ、４
……ガイドレール、５……収納ボツクス、６……
軸、７……リンク、８……ガイド棒、９……長
溝、１０……係合凸起、１１……係合凹部、１２
……傾斜レール、１３……支持レール、１４……
ラツク、１５……チエイン、１６，１７……スプ
ロケツト、１８……駆動源としてのモータ、１９
……チエイン、２０……押圧部材、２１……アー
ム、２２……押圧ローラ、２３……チヤンネル
材、２４……軸受体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口の両側に配置されたガイドレールと、この
   ガイドレールに沿つて上下動可能に且つ順次に屈
   曲自在に連結された複数枚のスラツトと、上記ガ
   イドレールの上端部に形成された収納ボツクス
   と、上記各スラツトに形成されたラツクと係合し
   て該スラツトを上下動させるように上記収納ボツ
   クス内に設けられたチエインと、このチエインに
   よつて引上げられたスラツトを相互に平行に吊下
   げるため上記収納ボツクス内に略水平に設けられ
   た支持レールと、を備えたシヤツタ装置におい
   て、上記スラツトの両側上部に設けられ上記ラツ
   クを該スラツトの幅方向に移動自在に支持させる
   ラツク取付軸と、このラツク取付軸の両端部に設
   けた上記ガイドレール上を転動するローラと、上
   記ラツク取付軸から所定距離はなれて該ラツク取
   付軸と平行に上記スラツトの両側上部に設けたス
   ラツト連結用リンクの取付軸と、このスラツト連
   結用リンクの自由端に設けられて隣接スラツトに
   形成された縦方向の長溝に移動自在かつ抜止め的
   に係合する案内棒と、を備えたシヤツタ装置。