JPH02138495A - 耐摩耗性及び潤滑性を有するａｌ合金ダイカスト及びａｌ合金ダイカストの表面処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野〕 本発明は、潤滑性皮膜を有するＡｌ又はＡ４台金（以下
Ａｌと呼ぶ）及びその表面処理方法（こ関する。

〔従来の技術〕

一般に、材料に陽極酸化処理して生成する陽極酸化皮膜
は、硬度が高（（Ｈｖ３００〜４５０）耐摩耗性は良好
であるが、相手材とのなじみが悪く摩擦係数が大きい。

これが為、耐スカツフ性が悪くかじりや相手材の摩耗（
アタック性）が大きいといった問題点がある。

これら問題点の解決策として、Ａｌ又はＡｌ金合金こ陽
極酸化処理して生成した陽極酸化皮膜の微細孔ｌこ、２
次電解技術を利用してＳｎやＮｉ等の潤滑物を析出し摩
擦係数を低減する工夫がなされている。（特開昭６２−
１．４６２９３号公報参照）〔発明が解決しようとする
課題〕 しかしながら、上記従来の表面処理方法では、健全な皮
膜を生成する展伸材においても、皮膜中の微細孔を潤滑
物質で完全に充填することば困難であり、しかも皮膜中
に有する微細孔は小数量でしかない為、充分な成果を得
るに至っていない。

ましてＡｌダイカスト合金等のＡｌ鋳物合金においては
、例えばＪＩＳ　、　ＡＣ４Ｂの成分から明らかな如く
、Ａｌ！以外の成分（ＳｉやＣｕ等）を多量に含んでお
り、それが共晶相を形成する為、健全な陽極酸化皮膜を
生成する事は不可能であり、又この皮膜に前述の２次電
解を行なっても皮膜中の共晶相Ｉこより潤滑物質の析出
が阻害されたり、又析出しても僅かであったりして所望
の効果を得ることができない問題点がある。

本発明は、従来の技術の有するこのような問題点を解消
しようとしたもので、健全な陽極酸化皮膜を形成するの
を阻害する共晶相を利用し、前述した従来°の２次電解
で析出する潤滑物質に比べて陽極酸化皮膜中の共晶相を
、多量の潤滑性又は耐摩耗の物質（金属）で析出置換し
た形態の陽極酸化皮膜と金属の複合皮膜を生成させるこ
とができ、このことによって、陽極酸化皮膜の耐摩耗性
と保油性に加えて複合金属皮膜の効果による潤滑性を有
した焼き付きの少ない潤滑性皮膜を有するＡｌ又はＡｌ
１合金と、その表面処理方法を提供しようとするのが、
その目的である。

〔課題を解決する為の手段〕

上記目的を達成する為に、本発明の潤滑性皮膜を有する
Ａｌ！又はＡｌ１合金においては、Ａｌ又はＡｌダイカ
スト合金を含むＡｌ鋳物合金等、共晶相を有する材料の
表面に陽極酸化皮膜と、その皮膜中の共晶相を潤滑性又
は耐摩耗性の高い金属で析出置換した金属の覆合皮膜を
有するものである。

そして、前記Ａｌ又はＡ４合金の表面処理方法としては
、Ａｌ又はＡｌダイカスト合金を含むＡｌ鋳物合金等共
品相を有する材料表面〔こある共晶相を選択的Ｉこ溶解
除去し、脱共晶相凹穴を生成する工程と、陽極酸化処理
し、陽極酸化皮膜を生成する工程と、陽極酸化皮膜中の
脱共晶相凹穴に潤滑性又は耐摩耗性の高い金属を電解処
理により析出充填し、金属の複合皮膜を生成する工程と
からなる表面処理方法である。

〔発明の具体的構成〕

以下に、本発明を更ｆこ詳細に説明する。

本発明は耐摩耗性（こ加えて潤滑性を有する表面処理で
あり、対象となる材料は共晶相を有するＡｌ金合金特ｌ
こＡｔ合金鋳物）である。

共晶相を有するＡｌ！合金を陽極酸化処理すると。

その皮膜中に残る共晶相を、Ｎｉ、Ｓｎ等の潤滑性金属
と析出置換した形態の陽極酸化皮膜と金属の複合皮膜を
生成する。

陽極酸化皮膜中の微細孔に比べて共晶相の量（体積、皮
膜表面における面積）は大きいので、潤滑金属の含有量
も多（なり潤滑性も向上す゛る。

即ち、上記複合皮膜は、材料表面にある共晶相を選択的
Ｅこ溶解除去し、陽極酸化処理を行なうと、その皮膜中
に共晶除去した凹穴がそのまま残る。この凹穴にＮｉ＋
ｓｎ等の鍍金処理することによって、凹穴に充填されて
生成される。

通常、陽極酸化皮膜への直接鍍金は困難とされていたが
、共晶相を有する合金の場合、陽極酸化皮膜中の共晶部
へはある条件によって鍍金が生成していくことを発見し
た。

これにより皮膜中の凹穴（脱共晶相）の底から鍍金が生
成し、穴を充填できる。

このよ５１ζして生成された皮膜は投鋲効果により密着
性の優れたものであり、陽極酸化皮膜の持つ、耐摩耗性
や保油効果に加えて複合金属が有する潤滑性を兼ね備え
た焼き付き性の少ない皮膜である。

本発明に係る潤滑性皮膜を有するＭ又はＡｌ金合金基本
的には以上のよ５ｉこ構成されるものであり、以下にそ
の表面処理方法を添付図面を参照しつつ詳細ｌこ説明す
る。

第１図に示したようＥこ、材料１の共晶相２の中で、材
料表面付近ｉこあるものを化学的に溶解除去して第２図
に示した如く多数の凹穴３を生成する。

この時使用されるエツチング液は、α相１ａを溶解し難
く、共晶相２を重点に選択溶解しなければならないので
、材料１によってその種類を選択しなければならないが
、硝酸と７ツ酸、又は硝酸と７ツ酸と酢酸の混酸が有効
である。

次いで陽極酸化処理を行ない、均一な皮膜４を生成する
。第３図に示すよつｊこ、皮膜４の生成にともない形状
の変化が若干あるものの脱共晶部の凹穴３はそのまま残
る。

こ又で、陽極酸化浴としては、通常の硫酸浴、高濃度硫
酸浴、蓚酸浴、混合酸浴等、何れの処理液でも可能であ
り、硬質陽極酸化皮膜であれば、更に耐摩耗性が期待で
きる。又電解条件も特に問わない。

皮膜４の厚さは５〜２５μｍ程度が望ましく、なるべく
均一な皮膜厚さが良い。

次いで、陽極酸化皮膜４中の脱共晶相凹穴３へ電解技術
（鍍金）により金属５を凹穴３の底から析出し第４図に
示したように充填する。

処理液は通常の鍍金浴でも良いが、陽極酸化皮膜４の溶
解を考えると、中性浴で電析速度の大きい方が有利であ
る。

電解条件は重要であり、特に電流の流し方が最も電析に
影響する。処理浴に浸漬し、しばらくなじませた後で低
電流電解（０，Ｉ　Ａｌｄｔｔ？以下）を１〜５分行な
う。

次に、所定の電流値まで徐々に上昇させなければならな
い。こ〜で、電流値を急激に上昇すると、スポーリング
現象を生じ鍍金できなくなる。

処理時間は、脱共晶相凹穴３を充填し、僅かに突出する
程度で良く、短時間で良い。

尚、この工程は低電流電解用と、電析充填用の２工程（
こ分げても良い。その場合析出する金属が違かっても、
同一でも良い。

次いで、皮膜４中の凹穴３を充填した金属５は一部表面
より突出している為、これを機械加工仕上げや、研摩す
ることにより面粗さを調整し、第５図（こ示したようＩ
こ完成する。

〔実施例〕

以下ｌこ、本発明の実施例１こつき具体的Ｆこ説明する
。

〔実施例１〕 ＡＤＣｌ、Ｏを研摩パフで表面を２Ｓ程度に仕上げ、硝
ｅ：クッ酸：酢酸（＝４：［１）の混酸中Ｉこ関秒間浸
漬し、脱共晶相処理を行なった。

続いて、混酸（硫酸４００ｇ／Ｊ、シュー酸５ｇＡ）中
で電流密度２．５　Ａｌｄ背、電解時間加分、浴温１０
℃、対極ｐｂ板の条件で約１６μｍの均一な陽極酸化皮
膜を生成した。

直ちに水洗いした後、Ｎｉ鍍合金浴硫酸ニッケル２８０
ｇ／／、塩・化ニッケル５０　ｙ７ｉ　、ホウ酸４５ｇ
／ｌ。

光沢剤適量、浴温４５℃）ｌこ１分間浸漬した後に、低
電流電解（０，０５Ａｌｄｒｙ？　）を２分間行なった
。

更に、電流値を徐々に上昇させて、１分径１こ１．５Ａ
ｌｄｉとして５分間通電し、鍍金を完了した。

（表面ｔこはＮｉ鍍金が凹穴から突出しているのが顕微
鏡観察で確認できた） 最後に、バフ研摩（こより表面をＩｓに調整した。

上記実施例１で作成した皮膜の断面と、表面の顕微鏡写
真を第６図イ）、（ロ）に示す。

第６図０）、（Ｃ１ｌこ示す写真中、黒い部分が酸化皮
膜であり、その皮膜中の白い部分が金属（Ｎ１）である
。

上述本実施例１をもとｒこ、その効果２次の方法で確認
した。

（１１、エンジンオイルをミスト状ｆご添加しながら、
実施例１の平板と、Ｆｅ１２のビン（ψ球４２．５鰭）
を１０Ｊｔ９ｆの荷重で加分間、６００　ｃｐｍの速度
（ストローク５目）で摩擦させた。

その時の摩擦係数が０．０８で、同一条件で試験を行な
った硬質クロム鍍金と同じであった。

陽極酸化皮膜は、摩擦係数が０．１２であり、本実施例
１の効果が確認できた。

又、摩耗部を見ると、はとんど摩耗していないのを観察
でき、耐摩耗性が良いのが分った。

（２）、本実施例１の平板と、ＡＣ８Ａのピン（グ球４
２．５ｍ）の接触部にエンジンオイル１μ’　ヲ添加し
て荷重１０＃ｆ、速度１１００Ｃｐ、　２トロ一ク５０
ｊＩ１ｍの条件で摩擦させ、オイル切れの試験を行なっ
た。

通常の陽極酸化皮膜が７分でスカッフしたのに対して、
本実施例１は５分以上スカッフを発生しなかった。（硬
質クロムは１３分でスカッフを発生） この結果、本実施例１が陽極酸化皮膜や硬質クロム鍍金
に対して夫々３倍、２倍のスカッフ性能が見られた。

（３）、ベアリング用鋼球（Ｊ　Ｉｓ　Ｂ　１５０１品
）と、本実施例１の平板を荷重０．２ｋｌｆ、速度１０
　ｃｐｍ、ストローク１５器の条件で摩擦試験を行なっ
た。（＠滑油なしン その時の摩擦係数の変化を第７図Ｅこ示す。

同図から、本実施例１の初期なじみ性が良く、摩擦係数
が小さいことは分る。又ベアリング鋼球の摩耗の大きさ
を第８図（こ示す。同図から相手材へのアタック性が小
さいことが分る。

〔実施例２〜６〕 ＡＤＣＩＯを実施例１と同様の前処理を行ない、同様の
陽極酸化処理を行なった。

続いて、銅鍍金浴（硫酸銅１８０　ｇ／ｌ、硫酸５０　
ｇ、々、浴温ゐ℃）中に浸漬して、電流密度２　！’ｙ
’ｄｎ／、時間１分間の鍍金を行なった。

次に、下記の夫々の条件で鍍金を行ない、陽極酸化皮膜
中の脱共晶相凹穴Ｅこ金属を充填した。

実施例２　　Ｎｉ鍍金（実施例１と同様の浴）電流密度
　２　Ａｌｄぜ 時間　　　３分 Ｓｎ鍍金〔市販の中性Ｓｎｎ合金浴デイツプソール社ｇ
Ｓｎ−２３２）ＰＨ６，浴温５℃〕電流密度　Ｉ　Ａｙ
”ｄｍ″ 時間　　　１０分 ＳローＮｉ合金鍍金〔市販品（ハーシゴウ村田社製＝ス
タロイ）ＰＨ８、浴＠５５℃〕 Ｎ４− ７分 電流密度 時間 Ｎ１−Ｐ鍍金 （硫酸Ｎｉ２００シ々、塩化ニッケル１００々ｔ、亜Ｉ
Ｊ、／酸２０　Ｊｌ、リン酸７（’Ｉｇ／／ｌ）　Ｐｉ
（１゜浴温５５℃ 電流密度　５へ／ｄｍ’ 時間　　　５分 実施例３ 実施例４ 実施例５ 実施例６Ｐｂ−Ｓｎ合金鍍金 〔市販品（７’　−１ツブソール社製ＴＩ、−２８０）
ＰＨ７、浴＠５℃ 電流密度　１ん／ｄ、／ 時間　　　１０分 鍍金終了後、表面を研摩してＩＳ＠後に調整した。

表面から観察すると、実施例１に示したと同様ｆこ鍍金
金属がα相とα相の間の共晶相に充填されているのを確
認できた。

〔実施例７〕 Ａ、Ｄ　Ｃ６を研摩パフで２Ｓ程度に仕上げ、硝酸：７
ツ酸（＝４　：　１　）の混酸中に加秒間浸漬し、脱共
晶相処理を行なった。

次に、硫酸浴（Ｈ，Ｓｏ、　１５０ｇ／２’１１５℃）
で、電流密度３Ｖｄｌ？１″、電解時間加分、対極Ｐｂ
板の条件で約Ｉμｍの陽極酸化皮膜を生成した。

その後、直ちに実施例１の鍍金条件（Ｎ　＋鍍金）と同
様の方法で陽極酸化皮膜中の脱共晶相凹穴をＮｉで充填
した。

最後に、バフ研摩で表面の而粗さをＩＳ程度にそろえた
。

〔実施例８〕 ＡＣ４Ｂを実施例１及び実施例６のＡＤＣＩＯと同じ方
法で処理を行なった。

皮膜表面や断面の観察から、脱共晶相凹穴−・鍍金金属
が実施例１による場合と同様に充填されているのが分る
。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明Ｅこ係る潤滑性皮膜を有す
るＡｌ！又ｔｔ　Ａ、／合金によれば、陽極酸化処理す
ると、その皮膜中に残るはずの共晶相を潤滑性又は耐摩
耗性の高い金属で析出置換した形態の陽極酸化皮膜と金
属の複合皮膜を有するので、該陽極酸化皮膜と複合皮膜
の効果により耐摩耗性と潤滑性を向上できる効果がある
。

又本発明の表面処理方法によれば、材料表面にある共晶
相を選択的に溶解除去して陽極酸化皮膜を生成し、その
皮膜中に存在する無数の脱共晶相凹穴に潤滑金属を電解
技術により析出充填することによって多量の潤滑金属を
皮膜中に含有させることが可能となるので、陽極酸化皮
膜の耐摩耗性と保油性ｌこ加えて複合金属により潤滑性
を高めた耐スカツフ性の高い潤滑性皮膜を有するーＡ４
又はＡ７合金を容易に得られる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明番こ係る潤滑性皮膜を有するＡ
ｌ又はＡ１合金及びその表面処理方法の具体的工程を順
番に示す材料の各断面図、第６図（（ｌ　ＩＣ４は本発
明の表面処理方法の実施例１で生成した皮膜の表面顕微
鏡写真と断面顕微鏡写真、第７図、第８図は本発明の表
面処理方法の実施例１で表面処理した材料の効果の確認
試験における摩擦係数の変化を示すグラフと、摩擦試験
終了後ｌこ測定したベアリングの摩耗跡の大きさ（直径
）を示す表である。 １・・・共晶相を有する材料　　２・・・共晶相３・・
・脱共晶相凹穴　　４・・・陽極酸化皮膜５・・・潤滑
性又は耐摩耗性の高い金属翫　６　図 （イ） ｌ！４ 往僕回歩、（ＸＩＯ印 手続補正書く方式） 平成１年１月１１日 昭和６３年特許願第２３５６５８号 ２、発明の名称 潤滑性皮膜を有するＡ１又はＡ１合金 及びその表面処理す法 ３、補正をする者 事件との関係　特許出願人 住　　所　広島県府中市目崎町７６２番地名　称　（６
９４）リョービ株式会社 取締役社長　浦　上　　浩 ４、補正命令の日付 昭和６３年１２月７日 （発送日：昭和６３年１２月２０日） ５、補正の対象 （１）明細書中１図面の簡単な説明」の欄補正の内容 （１）明細書中「図面の簡単な説明」の欄を以下のとお
り補正する。 １）第１５頁第１２行に１表面顕微鏡写真と断面顕微鏡
写真、」とあるのを「表面金属組織を示す写真と断面金
属組織を示す写真、」と補ｉ′Ｅする。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）、Ａｌ又はＡｌダイカスト合金を含むＡｌ鋳物合
   金等、共晶相を有する材料の表面に陽極酸化皮膜と、そ
   の皮膜中の共晶相を潤滑性、又は耐摩耗性の高い金属で
   析出置換した金属の複合皮膜を有することを特徴とする
   潤滑性皮膜を有するＡｌ又はＡｌ合金。
2. （２）、Ａｌ又はＡｌダイカスト合金を含むＡｌ鋳物合
   金等、共晶相を有する材料表面にある共晶相を選択的に
   溶解除去し、脱共晶相凹穴を生成する工程と、陽極酸化
   処理し、陽極酸化皮膜を生成する工程と、陽極酸化皮膜
   中の脱共晶相凹穴に潤滑性又は耐摩耗性の高い金属を電
   解処理により析出充填し、金属の複合皮膜を生成する工
   程とからなることを特徴とするＡｌ又はＡｌ合金の表面
   処理方法。