JP2008144281A - 軽量合金を基礎とする保護用多機能複合被膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非鉄合金製構成材の有効寿命全体に渡って良好な耐摩耗性と低い摩擦係数を示し、攻撃性媒体に耐性を示し、かつ、動的接触負荷および振動に耐える能力を有する非鉄合金製構成材用複合被膜を開発する。
【解決手段】 軽金属およびそれらの合金(Al、Mg、Ti、Nb、Al−Ti、Al−Be、Ti−Nb)を含有するマトリックスと前記マトリックスの孔の中に入り込んでいる機能的組成物の形態の堅くて耐性のある酸化物セラミック層で構成されている保護用多機能複合被膜が提供される。この被膜は、基材に電解プラズマ方法による酸化を受けさせ、孔の中に機能的組成物を入り込ませ、そして機械的処理で仕上げを実施することによって得られる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、非鉄金属(non−ferrous metals)およびそれらの合金が用いられる工学、電子、医薬および他の分野のいろいろな部門で利用可能である。本発明は、そのような金属および合金およびまたそれらから作られた構成材および製品に保護被膜を付着させる技術に関する。
伝統的な材料[セラミック、高合金(high−alloy)鋼および鋳鉄]で作られた構成材の代わりに硬化セラミック被膜(hardening ceramic coating)を持たせた非鉄合金構成材を用いることができれば、急速に摩耗する高荷重(highly−loaded)構成材の耐久性および信頼性をかなり高くすることが可能になり、重量を軽くすることが可能になりかつ装置の動的特性(dynamic characteristics)を向上させることが可能になる。
今日では硬質セラミック被膜がかなりの量で作られるようになってきてはいるが、それらを注油が充分でないか或は注油が全くなされない極端な条件下で用いた時には非常に重大な欠点が見られる。TiN、TiCNの如き耐摩耗性被膜は薄いと湿潤性(wettability)が充分でないことから潤滑膜(lubricant film)がしばしば壊れ、それによって、高い度合の摩耗がもたらされる。相対的に厚いセラミック被膜は摩擦による摩耗(friction wear)の性質の点で焼結セラミックに近い。それらの主な欠点は摩擦係数が高いことと、注油が充分でない場合には摩擦界面が熱くなることと、微細切断(micro−cutting)効果の結果として相手(counter−body)が過度に摩耗することと、セラミック粒子の剥離およびミクロチッピン(micro−chipping)が起こりそしてそれらが研磨による摩耗(abrasive wear)の加速に参与することが含まれる。このような問題を解決する目的で表面仕上げ操作を粗度がRa0.04−0.06μmになるまで強力に行ったとしても得られる解決の度合はある程度のみである。
最近、操作が苛酷で極端な条件下であっても低い摩擦係数を示し、高い耐摩耗性を示しかつ攻撃的媒体に対して良好な耐性を示し得る万能の保護被膜を非鉄金属合金構成材に作り出す試みが益々頻繁に行われるようになってきた。
そのような被膜を作り出す1つの方法は、保護すべき構成材の上に多孔質のセラミック被膜を生じさせそして前記孔の中にいろいろな充填材を入り込ませる方法である。
このように、Al、MgおよびTiの合金の上に保護用多孔質酸化物層で構成されている複合層を生じさせそしてその孔の中にフルオロポリマーの粒子を入り込ませる公知方法が存在する(特許文献1)。
Al、MgおよびTiの合金の上に多孔質酸化物層を生じさせそしてその孔の中にSiOの粒子をゾル−ゲル技術で入り込ませる公知方法も存在する(特許文献2)。
また、アルミニウム合金製構成材の上に生じさせた酸化物層の中にケイ素−有機オリゴマーを入り込ませた後に熱処理を300−500℃で行う公知方法も存在する(特許文献3)。
前記方法の全部に共通した欠点は、そのような構成材を極端な条件で用いた時の操作で
温度が高くなる時の適用が制限される点と、そのような被膜が示す伝熱等級および導電等級が低い点にある。
摩耗の性質および摩擦対から生じる摩耗生成物は摩擦電気および熱放出要因の影響を大きく受ける。従って、複合被膜に金属または金属様成分を含めることでそれらの伝熱および導電性の向上を達成することができる。
スクリューポンプのローターの表面に処理を受けさせる公知方法(特許文献4)が存在し、この方法は、最初に気体熱粉付け方法(gas−thermal dusting−on process)を用いてローター表面に粗い粒子の炭化タングステンの層を50−125μmの厚みで付着させた後に厚みが75−150μmのニッケル−クロム層を前記炭化物層が完全に覆われるまで付着させることを伴う。最終的な研磨で前記ローターを要求される寸法になるまで小さく(reduces)することで前記炭化物層の保護頂点(protecting apexes)(これがローター使用時に主な負荷を受ける)を出現させる。
この記述した方法のローターは鋼で作られている。しかし、このような気体熱粉付け方法を用いて実質的に如何なる組成の被膜もあらゆる基材に付着させることができる。しかしながら、このような方法を用いたのでは複雑な形状の構成材に均一な被膜を生じさせるのは困難である。更に、気体熱粉付け方法を用いて取り付けられた被膜は、基材との接着の確実さが充分ではない。このような欠点は基材が非鉄合金で作られている時にひどくなる、と言うのは、それらはプラズマジェット(plasma jet)の影響下で迅速に熱を逸散しかつ薄い酸化物膜を強力に生じるからである。また、非鉄合金は前記粉付け方法の高温に非常に反応する、と言うのは、アルミニウム合金およびマグネシウム合金の場合には表面が融解を起こす可能性がありそしてチタン合金の場合には過熱されることで耐疲労性が低下するからである。
ホウ化物、炭化物、窒化物、オキシ窒化物およびケイ化物が豊富なセラミック膜で構成されている多機能複合被膜(multifunctional composite coatings)を付着させる公知方法が存在する(特許文献5)。このような方法では、第一段階で、水酸化物セラミック層を電気化学的に基材に付着させ、第二段階で、温度が450−800℃の気体流または蒸気中で前記セラミック層に耐火性化合物による富裕化(enrichment)(浸入)を受けさせる。
そのような方法で生じさせた被膜は強くて耐摩耗性を示しかつ高温における腐食に耐性を示す。しかしながら、このような技術では高い温度が用いられていることからそのような被膜を非鉄合金で作られた構成材に付着させるのは不可能である。
耐摩耗性で抗摩擦性の被膜をアルミニウムおよびアルミニウム合金に付着させる公知方法が存在する(特許文献6)。最初に、アルミニウム基材に陽極酸化を15%の硫酸溶液中で受けさせる。次に、この多孔質の陽極酸化物(anode−oxide)表面に軟質金属、即ちインジウム、錫、ガリウムまたはそれらの組み合わせの層を付着させる。前記陽極−酸化物被膜の厚みは1−500μmから成りかつ前記金属層の厚みは10−100μmから成る。この過程で前記陽極金属が有する孔の少なくとも80%が金属で満たされるようにすべきである。
この記述した方法の主な問題は、機械的強度が低い点と基礎の陽極−酸化物被膜が安定でない点にある。
陽極被膜の厚みが10μmを越えると、孔の数が多くなることで水和をかなりの度合で
受け(被膜内の水含有量が10%を越え)、かつその組成物はまた前記被膜の構造の中に入り込んだ電解質アニオンを10−20%含有する。その被膜を120℃を越える温度に加熱すると、前記電解質成分および水が前記被膜の構造から出て行くことで陽極−酸化物層の破壊と破砕がもたらされ、これはそれの保護特性にとって有害である。更に、そのような陽極−酸化物層は主に酸化物の非晶質相で構成されており、その結果として、それらの強度および微細硬度(micro−hardness)は高くない。
米国特許第5,487,826A号明細書 WO 97/05302明細書 RU 2073752明細書 米国特許第5,645,896A号明細書 米国特許第5,364,522A号明細書 WO 91/13625明細書
本発明の1つの課題は、非鉄合金製構成材の有効寿命(working life)全体に渡って良好な耐摩耗性と低い摩擦係数を示し、攻撃性媒体に耐性を示しかつ動的接触負荷および振動に耐える能力を有する非鉄合金製構成材用複合被膜を開発することにある。
本発明の2番目の課題は、高い耐摩耗性と耐引っ掻き傷性を示し、侵食摩耗(erosion wear)に耐性を示しかつ研磨性媒体(abrasive media)が高温で示す作用に耐性を示しかつまた腐食に対しても耐性を示す非鉄合金製構成材用複合被膜を開発することにある。
本発明の3番目の課題は、複合被膜を非鉄合金に付着させるに適していて連続生産で用いることができる生態的に安全で比較的安価な技術を開発することにある。
前記および他の特定の課題を、本発明では、保護を受けさせるべき材料の表面層にプラズマ電解酸化方法(plasma−electrolytic oxidation method)による酸化を受けさせることで多孔質の酸化物−セラミック被膜(porous oxide−ceramic coating)を生じさせた後に前記被膜の孔の中にNi、Cu、Co、Fe、Cr、Mo、Ti、Al、Sb、Ag、Zn、Cd、Pb、Sn、Bi、In、Gaまたはそれらの混合物の如き金属またはメンデレエフ(Mendeleyev)の周期システムのIVB−VIB族の金属の炭化物、酸化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物またはそれらの混合物を入り込ませることで生じさせた形態を持たせた被膜を生じさせることで解決する。
プラズマ−電解酸化方法を用いて非鉄合金に多孔質の酸化物−セラミック被膜を生じさせることを本発明の著者が先行国際出願PCT/RU97/00408(公開WO 99/31303)の中で提案した。
そのような被膜と基材の接着力は気体熱粉付けによる被膜が示す接着力の5−10倍強くかつそれらの強度および微細硬度も陽極−酸化物層のそれよりも2−5倍高い。
酸化を15−55℃の温度の生態的に無害な弱アルカリ性電解質水溶液中で起こさせる。当該構成材に100−1000Vのパルス電圧(振幅値)をかける。
連続パルスの周波数を50−3000Hzにする。電流密度を2−200A/dmにする。
非鉄合金製構成材の表面にプラズモ化学反応(plasmo−chemical reactions)の影響下で生じる微細結晶性酸化物層の微細硬度は前記合金基材の組成に応じて300−2000Hvである。この層の厚みは1から600μmであり得る。
電解の管理および電解質の組成を変えることで、酸化物−セラミック被膜の物理機械的特性、特にそれらの開放間隙率(open porosity)の度合を大きく変えることができ、この間隙率を5から35%の範囲で変えることができる。
試験の結果、上述した金属または周期システムのIVB−VIB族の金属の炭化物、酸化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物またはそれらの混合物を前記被膜の孔の中に入り込ませると前記被膜が特殊な特性、例えば強度および硬度などを取得することに加えて可塑性、高い耐摩耗性および耐引っ掻き傷性と高い耐腐食性を示すようになりかつ機械的接触負荷および振動に対して耐性を示すようになることを見いだした。
そのような孔の大きさは直径が数十ナノメートルから数ミクロンに及んで多様である。大きが1ミクロンを越える孔が孔の全体積の90%を越えるパーセントを構成している。そのような機能的化合物(functional compounds)の主要質量(main mass)が前記孔の中に入り込む。
そのような酸化物−セラミック層は多孔質構造を有することから、これは多機能複合被膜を生じさせる時のマトリックス(matrix)として作用する。そのような被膜の間隙率はこの被膜の深さによって変わることを注目されたい。この間隙率は表面の所が最大であり、基礎金属に近づくにつれて2−6倍小さくなる。前記孔の中に入り込んだ機能的化合物の濃度は下記の特徴に従う:この濃度は表面に近い層の濃度が最大でありそして被膜の深さが増すにつれて指数的に低下する。酸化物−セラミック被膜の開放間隙率が10−20%の時に複合被膜の形成に理想的なマトリックスが生じ、このマトリックスを特定の機能(抗摩耗、伝熱性、抗腐食など)を満足させる特定の特性を有する化合物で満たす。
他方、酸化物−セラミック被膜の微細硬度は、基礎金属に近い所が最大値になり、被膜の外側表面に向かって一様に低下する(20−30%だけ)。
そのようなマトリックス層の表面に多孔質構造を強力に生じさせると機能的化合物と酸化物被膜が優れた接着力を示すようになる。それによって、そのような複合被膜が最大の凝集力を示すようになる。
前記酸化物層の孔の中に入り込ませる1番目の群の機能的化合物には軟質金属であるNi、Cu、Co、Fe、Cr、Mo、Ti、Al、Sb、Ag、Zn、Cd、Pb、Sn、Bi、In、Gaおよびそれらの混合物が含まれる。
このような金属は複合被膜に可塑効果を与える。この被膜がそのような特定の性質を示すようになる理由はそれが熱機械的負荷下で変形を起こすと言った挙動による。このようなセラミックと金属の2相構造物が示す衝撃粘度(shock viscosity)は純粋なセラミックのそれに比べて5倍大きい。
そのような被膜をまた抗摩耗被膜として用いることも可能である。前記酸化物−セラミック層に仕上げ処理を受けさせることである領域(sectors)を出現させる(la
id bare)。そのようなより強い領域が摩擦表面上で主な負荷を受け持つことで、前記表面が耐える能力が高くなる。
更に、前記表面の柔らかい領域が摩滅して微細な凹部および溝を形成してそれらが潤滑油の貯蔵所として働きそして前記潤滑油の存在によって摩擦接触時の摩擦レジーム(friction regime)が変化し、摩耗生成物の除去が助長されることで、表面の作業能力(working capabilities)が向上する。
そのようなユニット(unit)における摩擦レジーム、潤滑油の存在および接触表面の状態を考慮に入れて複合被膜の孔の間隙率を最適にしかつ前記孔に入り込ませる機能的化合物の組成を最適にすることで、特定の使用条件に最適に対応する複合被膜を生じさせることができる。
前記酸化物層の孔に中に入り込ませる2番目の群の機能的化合物には、メンデレエフの元素周期律表(periodic system of elements)のIVB−VIB族の金属の耐火性化合物:炭化物、酸化物、窒化物、ホウ化物およびケイ化物が含まれる。
前記被膜のセラミックマトリックスの中に入り込ませる機能的材料として前記化合物を単独で用いるか或は金属と一緒に用いることで、その複合被膜に高い硬度および強度、高温に対する耐性および非常に高い耐摩耗性などの如き特性を与える。そのような化合物を前記孔の中に位置させると、その複合被膜が堅くなりかつそれの熱物理的および機械的特性が変化する。
この上に挙げた機能的化合物を前記多孔質セラミックマトリックス層に付着させる時、それらの全部で、水溶液または有機溶液[超分散(ultra−disperse)粉末の使用を包含]を用いた公知の電解方法または化学的沈澱、気相または蒸気相を用いた化学的もしくは物理的沈澱方法、または粉末、バー(bars)、ブラシなどを用いた摩擦−機械的方法(こすりつけ)を用いる。
本方法を用いると、酸化物被膜自身の深さおよびそれに含まれる孔の容積に応じて、そのような機能的化合物が酸化物−セラミックマトリックス被膜の孔の中に1−150μmの深さにまで入り込む。
作業表面に機械的仕上げ[研磨、ラップ仕上げ(lapping)、微細研削(fine grinding)、研ぎ仕上げ(honing)、超仕上げ(superfinish)]を前記構成材が必要な寸法および必要な表面粗度になるまでか或は前記酸化物−セラミック被膜の頂点が現れる(出現する)まで受けさせる。このような機械的処理によって、機能的化合物の余分な層を除去して残りの部分を表面に均一に分布させることが可能になる。機械的処理は、また、摩擦表面に使い馴らし(run in)を受けさせる必要がないことも意味する。
以下に示す実施例を請求する発明の具体的な説明として示す。しかしながら、本発明を示す実施例で考慮する具体的な構成材に限定すると解釈されるべきでない。
実施例1(比較)
合金D16(AlCuMg)の試験片を寸法がD=40mm、d=16mmおよびh=12mmの環の形態にする。外側の円柱表面にプラズマ電解酸化を温度が30℃の燐酸塩−ケイ酸塩電解液(pH11)中で120分間受けさせる。このレジームは下記であ
る:陽極−陰極、電流密度:20A/dm、最終電圧の大きさ(振幅):陽極600V、陰極190V。酸化物−セラミック被膜の深さは120μmで微細硬度は1800Hvで開放間隙率は20%である。
実施例2
合金D16(AlCuMg)の試験片に実施例1の場合と同じ処理を受けさせ、これは下記の特徴を示す:酸化物被膜の深さ:120μm、微細硬度:1800Hv、開放間隙率:20%。
この試験片に化学的ニッケルメッキを受けさせた後、研磨を受けさせた。研磨後のニッケルの浸入深さ(depth of penetration)は約10μmである。ニッケル濃度は表面に近い層が最大でありそして被膜の深さが増すにつれて指数的に低くなる。
実施例3
合金AK4−2(AlCu、MgFeNi)の試験片にプラズマ電解酸化を温度が30℃の燐酸塩−ケイ酸塩電解液(pH11)中で90分間受けさせる。このレジームは下記である:陽極−陰極、電流密度:15A/dm、最終電圧の大きさ:陽極550V、陰極120V。酸化物−セラミック被膜の深さは70μmで微細硬度は1550Hvで開放間隙率は16%である。
気相による化学沈澱方法を用いて前記試験片にCrが20%でCrが80%の複合層を付着させる。沈澱を起こさせる過程で前記試験片を300℃に加熱した。その後、前記試験片に研磨を受けさせた。機能的化合物であるCr−Crが多孔質構造の中に入り込んだ深さは約7μmである。
実施例4
合金VT6(TiAl)の試験片に酸化を温度が20℃のアルミン酸塩−硫酸塩電解液(pH9)中で20分間受けさせる。レジーム:陽極;電流密度:50A/dm;最終陽極電圧の大きさ:300V。酸化物被膜の深さ:15μm、微細硬度:690Hv、開放間隙率:12%。
気相による化学沈澱方法を用いて前記試験片にニッケルの層を付着させる。沈澱を起こさせる過程で前記試験片を200℃に加熱した。その後、前記試験片の円柱表面に研磨を受けさせた。ニッケル化合物が多孔質構造の中に入り込んだ深さは3μmである。
実施例5
合金VMD12(MgZnMnCu)の試験片に酸化を温度が20℃のアルミン酸塩−フッ化物電解液(pH12)中で40分間受けさせる。レジーム:陽極−陰極;電流密度:8A/dm;最終電圧の大きさ:陽極:350V、陰極:130V。酸化物−セラミック被膜の深さ:30μm、微細硬度:750Hv、開放間隙率:25%。
気相による化学沈澱方法を用いて前記試験片にニッケルの複合層を付着させる。沈澱を起こさせている間、前記試験片を200℃に加熱した。その後、前記試験片の円柱表面に研磨を受けさせた。ニッケル化合物が前記層の多孔質構造の中に入り込んだ深さは10μmである。
実施例6
合金ABM−3(AlBe60Mg)、即ち「ロカロイ(localloy)」型の合金の試験片に酸化を温度が30℃の燐酸塩−ケイ酸塩電解液(pH11)中で120分
間受けさせる。レジーム陽極−陰極;電流密度:15A/dm;最終電圧の大きさ:陽極:480V、陰極:110V。酸化物−セラミック被膜の深さ:100μm、微細硬度:790Hv、開放間隙率:18%。
気相による化学沈澱方法を用いて前記試験片にニッケルの複合層を付着させる。沈澱を起こさせる過程で前記試験片を200℃に加熱した。その後、前記試験片の円柱表面に研磨を受けさせた。ニッケル化合物が酸化物層の多孔質構造の中に入り込んだ深さ:8μm。
いろいろな種類の被膜を持たせた構成材と硬化鋼で出来ている対抗試験片(counter−specimens)から生じさせた摩擦対の試験を万能摩擦試験機(universal friction machine)で行った。
軸が交差して点接触が生じるような環−円柱配置を選択した。試験下の被膜を付着させておいた試験片(環)を動かしながらこれに硬度HRCが58−60の鋼ShKh15の固定試験片を押し付ける。
この試験を境界摩擦レジーム(boundary friction regime)で実施し、この試験を受けさせる前の被覆試験片にスピンドル油を数滴加えておく。スリップ速度(slip rate)を2m/秒にし、試験片の接触点の通常負荷を75Nにする。この試験を60秒間行った。各環毎に同じ試験を10回実施した。特徴付けでは、前記試験の結果から平均値を計算した。
この試験を用いて、また、耐摩耗性、摩擦係数および負荷容量(load capacity)などの如き摩擦特徴も評価した。鋼試験片上の点の寸法を比較しかつ被覆試験片の質量損失を比較することで耐摩擦性を摩耗重量および摩耗寸法に基づいて評価した。
この技術的摩擦試験の結果を表1に示す。
前記試験の結果は、いろいろな基材に複合被膜を付着させた方がアルミニウム合金に通常の酸化物−セラミック被膜を生じさせた場合よりも有効であることを立証している。このように、摩擦係数は約半分であり、相手が摩耗する度合は2−5倍小さくかつ環の被膜自身の摩耗も10倍に及んで小さい。
ここで提案する複合被膜は強度が高くかつ硬度が高いと言った無比な特性を有すること
に加えて特定の可塑性、例外的な耐摩耗性および耐引っ掻き傷性を示しかつ腐食および振動に対して高い耐性を示すことから、我々は、非鉄金属製構成材の用途をかなり広げる機会が得る。
また、構成材をこれがいろいろな形態の摩耗の影響(高温における研磨性摩耗そして攻撃性媒体、動的接触負荷および振動)を同時に受ける極端な条件下で機能させた時の耐久性および信頼性も向上する。
多孔質セラミックマトリックスの中に入り込ませる機能的材料として幅広い範囲の金属および耐火性化合物を用いることができることから、実際の使用条件に最適な特徴を選択してそのような特徴を複合被膜に持たせることが可能になる。
ここで提案する保護被膜形成方法は生態的に無害で低コストであることで区別されかつ産業規模で用いるに適する。
図1は、複合被膜が付着している試験片を貫く断面図であり、ここで、1=結合している機能的材料、2=酸化物マトリックス被膜内の孔、3=酸化物−セラミックマトリックス被膜、4=基礎金属と酸化物被膜の間の転移層、5=基礎金属。 図2は、複合被膜に仕上げ処理(研磨)を受けさせた後の試験片の断面図であり、ここで、1=結合している機能的材料、2=酸化物マトリックス被膜内の孔、3=酸化物−セラミックマトリックス被膜、4=基礎金属と酸化物被膜の間の転移層、5=基礎金属、6=作業表面に突き出ている酸化物被膜。

Claims (12)

  1. 非鉄金属、それらの合金および金属間化合物およびまたそれらから作られた構成材の上に付着している保護用複合被膜であって、保護を受けさせるべき材料の表面層にプラズマ電解酸化方法による酸化を受けさせることで多孔質の酸化物−セラミックマトリックス被膜を生じさせた後に前記被膜の孔の中に下記の群の金属;Ni、Cu、Co、Fe、Cr、Mo、Ti、Al、Sb、Ag、Zn、Cd、Pb、Sn、Bi、In、Gaおよびそれらの混合物そして下記の化合物:メンデレエフの元素周期律表のIVB−VIB族の金属の炭化物、酸化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物およびそれらの混合物から選択される機能的化合物の少なくとも1種を入り込ませることで生じさせた形態を持つことを特徴とする複合被膜。
  2. 非鉄金属であるAl、Mg、Ti、Nbおよびそれらの合金かつまた化合物Al−Ti、Ti−NbおよびAl−Beに付着している被膜であることを特徴とする請求項1記載の複合被膜。
  3. 前記酸化物−セラミックマトリックス被膜が5−35%、好適には10−12%の開放間隙率を有していて間隙率が被膜の厚みを通して外側層から内側に向かう方向に低下しており、前記酸化物−セラミック被膜が300−2000HVのミクロ硬度を有していてミクロ硬度が厚みを通して外側層から内側に向かって高くなっておりそして前記酸化物−セラミック層の全厚が1−600μm、好適には3−150μmから成ることを特徴とする請求項1記載の複合被膜。
  4. 前記機能的化合物が前記酸化物−セラミックマトリックス被膜の孔の中に1−150μm、好適には2−100μmの深さにまで入り込んでいることを特徴とする請求項3記載の複合被膜。
  5. 保護用複合被膜を非鉄金属、それらの合金および金属間化合物およびまたそれらから作られた構成材に付着させる方法であって、下記の段階:
    (a)保護を受けさせるべき材料の表面層にプラズマ電解酸化を受けさせ、
    (b)段階(a)で生じさせた酸化物層の孔の中に下記の群の金属:Ni、Cu、Co、Fe、Cr、Mo、Ti、Al、Sb、Ag、Zn、Cd、Pb、Sn、Bi、In、Gaおよびそれらの混合物そして下記の化合物:メンデレエフの元素周期律表のIVB−VIB族の金属の炭化物、酸化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の機能的化合物を入り込ませ、
    (c)その複合被膜の表面に機械仕上げを受けさせる、
    段階を包含することを特徴とする方法。
  6. 前記プラズマ電解酸化を10−55℃の温度の弱アルカリ性電解質水溶液中で100−1000Vの電圧、2−200A/dmの電流密度、周波数が50−3000Hzの連続パルスを用いて行うことを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 超分散粉末の使用を包含する水溶液または有機溶液を用いた電気化学的沈澱によって前記機能的化合物を前記被膜の孔の中に入り込ませることを特徴とする請求項5記載の方法。
  8. 水溶液または有機溶液を用いた化学的沈澱によって前記機能的化合物を前記被膜の孔の中に入り込ませることを特徴とする請求項5記載の方法。
  9. 気相を用いた化学的沈澱によって前記機能的化合物を前記被膜の孔の中に入り込ませる
    ことを特徴とする請求項5記載の方法。
  10. 物理的沈澱方法を用いて前記機能的化合物を前記被膜の孔の中に入り込ませることを特徴とする請求項5記載の方法。
  11. 粉末、バーまたはブラシを用いて摩擦−機械的にこすることで前記機能的化合物を前記被膜の孔の中に入り込ませることを特徴とする請求項5記載の方法。
  12. 前記複合被膜の仕上げ機械処理を下記の操作:研磨、微細研削、ラップ仕上げ、研ぎ仕上げおよび超仕上げから選択しそしてそれを実際の寸法が必要な寸法に相当するまでか或は前記酸化物−セラミックマトリックス層の突出部の頂点が現れるまで行うことを特徴とする請求項5−11のいずれか記載の方法。
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