JPH02127652A - 電子写真用感光体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、光導電体を用いて電子写真用の像形成を行
う電子写真用感光体に関し、たとえば、有機光導電体（
ＯＰＣ）により構成される電荷発生層（ＣＧＬ）と電荷
輸送層（ＣＴＬ）とからなる機能分離型の電子写真用感
光体に関するものである。

従来の技術 従来、電子写真用感光体における光導電層を構成する光
導電体（光導電材）としては、Ｓｅ、　ＣｄＳ、　Ｚｎ
Ｏ。

アモルファスシリコン（ａ−３ｉ）等の無機系のものが
多く使用されてきたが、これらの光導電体のいずれにも
、それぞれの欠点があるため、各目的に応じ、あるいは
個々の欠点を相補って、実用化が図られて■ いるが、いまだ満足できないのが実状である。

たとえば、上記Ｓｅにおいては、一般に、分光感度領域
を拡げるためにＴｅ　−ｆ　Ａｓが添加されるが、それ
により光疲労が大きくなるという欠点がある。

また、Ｓｅ、　ＴｅおよびＡｓは、いずれも、人体に対
して有害であるという問題もある。さらに、Ｓｅ系光導
電層はアモルファス状態で使用されるが、６５℃付近に
おいて、このアモルファス状態が再結晶により失われる
ため、暗抵抗が小さくなってしまうという欠点も伴われ
ていた。他方、上記ＣｄＳやＺｎＯ等を使用する場合に
は、それらを適当な樹脂に分散させる必要があるが、そ
のために、光導電特性の再現性や光導電層の耐湿性に問
題が生じていた。また、ＣｄＳは人体に有害であり、Ｚ
ｎＯについては光感度が低いという欠点もある。さらに
、上記アモルファス−８１は、優れた光導電特性、耐刷
性等を有している反面、製造方法が複雑で高価であると
いう欠点を抱えている。

以上のような無機光導電体に代わり、近年、有機系の、
いわゆるＯＰＣの研究開発が進み、既に実用化レベルの
ＯＰＣも提供されている。特に、最近では光源として半
導体レーザが用いられるようになってきたことから、近
赤外域に感度を有するＯＰＣの開発が盛んに行われてい
る。このＯＰＣは、合成が容易という長所の他、可視光
感度に関しては分子設計によって感光波長域を比較的容
易に変えることができる点、あるいは、成膜性や軽量性
の点でも優れている。

ＯＰＣを用いる電子写真用感光体は、通常、上記のよう
に、光を吸収してキャリアを発生させるＣＧＬと、生成
したキャリアを移動させるＣＴＬの２層に分かれた、積
層タイプの機能分離型感光体になっている。各光導電層
は、電荷発生物質あるいは電荷輸送物質を必要に応じて
バインダ樹脂等と混合し、これをドラムやベルト等の基
板上に塗布することにより形成される。なお、この積層
タイプの感光体におけるＣＧＬとＣＴ　Ｌ　２層の上下
の位置関係に、帯電が正か負かにより変わってくる。

発明が解決しようとする課題 このように、ＯＰＣには、塗布という簡単な方法で光導
電層を形成することができるという利点があるが、一方
で、使用時の環境の変化に対する安定性や耐久性などが
問題となる場合がある。具体的には、帯電プロセスで発
生するオゾンやＮ。

に対する化学的安定性、耐光性および耐摩耗性の点で、
さらなる改善が要望されている。

上記事情に鑑み、この発明は、安定性および耐久性に優
れた電子写真用感光体を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段 安定性や耐久性は、電荷発生物質や電荷輸送物質の特性
から決まることが多いが、バインダとなる樹脂による影
響も大きい。そこで、層の安定化を可能とするようなバ
インダ樹脂の開発を進め、この発明を完成させるに至っ
た。

したがって、この発明にかかる電子写真用感光体は、光
導電層に含まれるバインダとして硬化性樹脂を用いろよ
うにしている。

作用 バインダとして硬化性樹脂を用いると、塗工後に光や熱
等の任意の方法により硬化反応を行わせることで、層の
安定化をはかることができる。その結果、化学的安定性
、耐光性、耐摩耗性等が改善されて、耐久性が向上する
。

実施例 以下に、この発明の詳細な説明する。

はじめに、光導電層の基板となる導電性支持体としては
、特に限定はされず、用途等に応じて適宜選択すること
ができる。具体的には、Ｍ等の金属板や、ガラス、紙あ
るいはプラスチック等の表面にＡＩ等の金属蒸着膜を形
成したものなどが好ましく用いられる。また、形状につ
いても、シート状、ベルト状、ドラム状など、様々な形
をとることができる。

上記支持体上に形成される光導電層の構造については、
電荷発生機能と電荷輸送機能とを兼ね備えた単層であっ
ても、上記２機能が各層に分けられてなる多層であって
もよく、特に限定されるものではない。また、層の厚み
についても任意に選択される。

たとえば、積層タイプの感光体は、上述のように、任意
の電荷発生物質を含むＣＧＬと、任意の電荷輸送物質を
含むＣＴＬとが基板上に積層されてなるものである。こ
こで、上記２層のうちの少なくとも１層には、バインダ
樹脂として硬化性樹脂を用いるようにする。

上記ＣＧＬに含まれる電荷発生物質としては、ペリレン
系化合物、フタロシアニン系化合物、チアピリリウム系
化合物、アンスアンスロン系化合物、アズレニウム系化
合物、アクアリリウム系化合物、トリスアゾ系化合物、
ビスアゾ系化合物等の有機染顔料が挙げられる。これら
は、単独で用いらｊｃる他、複数種が併用されてもよい
。

ＣＴＬ材料となる電荷輸送物質としては、種々のヒドラ
ゾン系化合物、ピレン系化合物、ピラゾリン系化合物、
オキサゾール系化合物、トリフェニルメタン系化合物、
アリールアミン系化合物等が挙げられ、やはり単独で用
いられる他、複数種が併用されてもよい。

次に、この発明の特徴であるバインダ用の硬化性樹脂と
しては、紫外線、電子線、Ｘ線等のエネルギー線、ある
いは熱等により硬化しうるものであれば、特に限定はさ
れない。また、必要に応じては重合開始剤等の各種添加
剤を加えたり、ビニル系モノマー等を併用したりしても
よい。具体的には、側鎖にエポキシ基やビニル基、もし
くは主鎖にビニル基を有するポリメタクリル系樹脂、環
化ゴム、シリコーン樹脂およびこれらとの共重合体、ま
だ、電子線やＸ線のような高エネルギーの光源において
は架橋反応の可能性の高い４級炭素を含む樹脂、たとえ
ばポリメタクリル系樹脂、ポリα−メチルスチレン、シ
リコーン樹脂まだはこれらにハロゲン基を有するような
樹脂等の１種以上を好ましく用いることができる。

なお、上記以外の通常のバインダ、すなわち、絶縁性を
有する樹脂であって、有機溶媒に対する溶解性を持つも
の（ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、アクリル樹脂等）を併用することもできる。

また、光導電層形成のだめの溶液（光導電体溶液）は、
有機溶媒により適宜希釈し、塗布することが好ましい。

この有機溶媒は、使用する溶質成分、すなわち電荷発生
物質、電荷輸送物質、バインダ樹脂等に応じて、任意に
選択され５る。

他方の単層タイプの感光体では、電荷発生・輸送機能を
併せ持つ有機化合物を光導電体として用いるものの他、
別々の電荷発生物質および電荷輸送物質を共に含む単一
の光導電層を形成する場合もある。いずれの場合も、バ
インダとしては硬化性樹脂を用いるようにする。

支持体上への光導電体溶液の塗装は、常法に従って行わ
れ、塗装後に、バインダ樹脂が硬化しうる条件で、樹脂
の硬化を行う。積層タイプの感光体で、ＣＧＬとＣＴＬ
の双方に硬化性樹脂が用いられている場合には、まず両
層を塗装し、その後まとめて硬化させることもできるし
、最初の層を単独で先に硬化させた後、他方の層を塗装
し、硬化させてもよい。また、どちらか一方の層を硬化
させる場合でも、初めに積層を終えてしまい、最後に必
要層の硬化を行うようにしてもよい。

以上述べてきたこの発明にかかる電子写真用感光体は、
たとえば、複写機、プリンター、ファク／ミリ等の様々
な記録方式に用いることができ、その用途等は何ら限定
されない。なお、この発明にかかる電子写真用感光体は
、上記例に限定されることはなく、たとえば必要に応じ
ては、光導電層上にさらに絶縁性樹脂による表面保護層
を形成したり、光導電層と基材等との街にＳｅ層等を設
けたりすることもできる。また、必要に応じては、無機
系の光導電体を用いてもよい。

次に、この発明のさらに詳しい実施例を比較例と併せて
説明する。

実施例 電荷発生物質としてＸ型フタロシアニン（犬日本インキ
■製ファストゲンプルー；　Ｆａｓｔｏｇｅｎ　Ｂｌｕ
ｅ８１２０Ｂ）　、電荷輸送物質としてヒドラゾン化合
物（亜南香料産業■製ＣＴＣ−２３６）、バインダとし
て側鎖にエポキシ基とビニル基を有するメタクリル系樹
脂より成る光硬化性樹脂（富士薬品工業■雫ＦＶＲ）を
それぞれ用いた。まず、上記Ｘ型フタロシアニンをジオ
キサン中に分散し２、同溶液をＡ１基板に、厚み約０５
μｍとなるようにスピナーを用いて塗布した。得られた
ＣＧＬ上に、上記ヒドラゾン化合物およびＦＶＲのシク
ロヘキサノンまたはテトラヒドロフラン溶液（樹脂濃度
５％）を浸漬法により塗布（厚み１５μｍ程度）し、そ
の後、紫外線（水銀）ランプによる照射を行ってＦＶＲ
を硬化させて、積層型電子写真用感光体を得た。

比較例 バインダとしてポリエステル（東洋紡績■製画品名パイ
トン）を用いるようにする他は、上記実施例と同様にし
て積層型電子写真用感光体を製造した。

上記得られた実施例および比較例の電子写真用感光体を
、静電複写紙試験装置（川口電機■製ＥＰＡ、−８１０
０を用いてスタチック方式により一５ｋＶでコロナ帯電
し、暗所で３秒間保持Ｉ−だ後、照度５１ｘで露光し、
帯電特性を調べた。

上記帯電特性としては、表面電位（Ｖｏ）、３秒間暗減
衰させた時の電位（Ｖｉ）、および同Ｖｉを１／２に減
衰させるのに必要な露光量（ＥＬ／２）を、初期および
５０００回繰り返し後についてそれぞれ測定した。さら
に、摩擦試験機を用いてガーゼで表面摺動して、表面に
傷が目視確認できるまでの試験回数を求めた。

以上の結果を、第１表に示す。

第１表 第１表にみるように、実施例の電子写真用感光体では、
比較例に比べ、化学的安定性および耐久性が格段に優れ
ていることが判明した。

発明の効果 この発明にかかる電子写真用感光体は、以上述べてきた
ように、非常に優れた化学的安定性、耐久性を有してい
る。したがって、この電子写真用感光体を用いることに
より、複写機等のメインテナンスにおいて、−層の改善
がはかられることが期待される。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 光導電層に含まれるバインダとして硬化性樹脂が用いら
   れている電子写真用感光体。