JP5324074B2 - 感光体、感光体を形成する方法および画像を形成する方法 - Google Patents

感光体、感光体を形成する方法および画像を形成する方法 Download PDF

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Description

本開示は、広くは電子写真画像形成部材を、より具体的には、約95パーセントから約100パーセントの純度を有するN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む電荷輸送層、およびN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン以外の正孔輸送物質を場合によって含む保護オーバーコート層を備えた層状の感光体構造物を対象とし、前記感光体は、電子写真帯電および約1erg/cm2から約5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から約40ミリ秒の間にその表面電位の約85%から約100%を放電する。本開示は、また、前記画像形成部材を製造および使用する方法にも関する。
<関連出願のためのクロスリファレンス>
米国特許第5702854号は、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、およびオーバーコート層で被覆されており、前記オーバーコート層が架橋ポリアミドマトリックス中に溶解もしくは分子分散されているジヒドロキシアリールアミンを包含する支持基材を含む電子写真画像形性部材について記載している。そのオーバーコート層は、アミド窒素原子に結合しているメトキシメチル基を含有するポリアミド、架橋触媒およびジヒドロキシアミンを含む架橋性コーティング組成物を架橋させ、そのコーティングを加熱してポリアミドを架橋させることによって形成される。その電子写真画像形成部材は、画像形成部材を均一に帯電させるステップと、その画像形成部材に画像形状の活性化放射線を当てて静電潜像を形成させるステップと、その潜像をトナー粒子で現像してトナー画像を形成させるステップと、そのトナー画像を受像部材に転写するステップとを含む方法で画像化することができる。
ゼログラフィーとしても知られる電子写真、電子写真画像形成もしくは静電写真画像形成においては、導電層上に光伝導性絶縁層を含有する電子写真プレート、ドラム、ベルトなど(画像形成部材または感光体)を最初に均一に帯電させる。その画像形成部材は、次に、光などの活性化電磁波放射のパターンにさらす。その放射は、光伝導性絶縁層の照射領域の帯電を選択的に消散し、同時に非照射領域には静電潜像を残す。この静電潜像は、次に、光伝導性絶縁層の表面に微粉化した検電性(electroscopic)マーキング粒子を溶着させることにより現像して可視画像を形成させることができる。得られた可視画像は、次に、画像形成部材から直接または間接的に(例えば転写部材またはその他の部材などによって)プリント基材例えばトランスペアレンシー(透明基材)または紙に転写することができる。この画像形成プロセスは再使用可能な画像形成部材によって何度も繰り返すことができる。
電子写真画像形成部材は、多くの形で提供することができる。例えば、画像形成部材は、単一物質の均質層例えばガラス質のセレンなどでありえ、または画像形成部材は光伝導体および他の物質を含有する複合層であることができる。加えて、その画像形成部材は、層状にすることができ、部材を構成している各層は、一定の機能を果たす。最新の層状にした有機画像形成部材は、少なくとも1つの基材層と2つの電気活性層すなわち写真活性層を一般に有する。これらの活性層は、(1)光吸収物質を含有する電荷発生層、および(2)正孔輸送分子または物質を含有する電荷輸送層を一般に含む。これらの層は、機能デバイスを作り出すためにさまざまな順番にすることができ、時には単一層または混合層に一体化することができる。基材層は、導電物質から形成することができる。別法では、導電層は、限定はされないがスパッタコーティングなどの技術によって非導電性の不活性基材上に形成することができる。
電荷発生層は、電荷を光発生し、その光発生した電荷を電荷輸送層またはその他の層に注入することができる。
電荷輸送層においては、正孔輸送分子がポリマーバインダー中にありうる。この場合正孔輸送分子は、正孔をすなわち電子輸送特性を提供し、一方電気的に不活性なポリマーバインダーは、機械的特性を提供する。別法では、電荷輸送層は電荷輸送性ポリマー例えばビニルポリマー、ポリシリレンまたはポリエーテルカーボネートから製造することができ、電荷輸送特性は機械的に強固なポリマー中に化学的に組み込まれる。
画像形成部材は、また、電荷発生層と導電性基材層の間に電荷障壁層(1つまたは複数)および/または接着層(1つまたは複数)を含むことができる。加えて、画像形成部材は、保護オーバーコートを含有することができる。これらの保護オーバーコートは、電気活性または不活性のいずれであってもよく、電気活性のオーバーコートが一般に好ましい。さらに、画像形成部材は、特別の機能、例えばレーザー光線の非干渉性反射、ドットパターンおよび/または絵の画像形成を提供する層あるいは化学シールおよび/または滑らかな塗布表面を提供するサビング層(subbing layer)を含むことができる。
画像形成部材は、露出した電荷輸送層またはそれに代わるその最上層を機械磨耗、薬品による攻撃および熱にさらす反復的な電子写真サイクルに一般にさらされる。この反復的なサイクルにより、露出した電荷輸送層の機械的および電気的特質の漸進的な劣化がもたらされる。
優れたトナー像が重層化されたベルトまたはドラム感光体により得ることができるが、より進歩した高速の電子写真コピー機、複写機およびプリンターが開発されるに連れて、コピー品質に対するより大きな要求があることが分かっている。画像電位およびバイアス電位をかける微妙なバランス、ならびにトナーおよび/または現像剤の特質は維持しなければならない。このことが、感光体製造の質に対し及び生産高に対してさらなる制約を提起する。
米国特許第5702854号 米国特許第4050935号 米国特許第5681679号
画像形成部材を形成するためのさまざまな取り組みがなされてきているにもかかわらず、改良された画像形成性能、より長い寿命などを提供するための改良された画像形成部材設計に対する必要性は、そのまま残留している。
本開示は、基材、電荷発生層、5パーセントから100パーセントの純度を有するN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む電荷輸送層、および、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンと4,4’−(3,4−ジメチルフェニルアザンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジメタノールとから成る群から選択される正孔輸送材料を含む保護オーバーコート層を備えた感光体であって、前記感光体が、電子写真帯電および1erg/cm2ら5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から40ミリ秒の間にその表面電位の85%から100%を放電することを特徴とする感光体を提供することによって上記問題のいくつかまたはすべておよびその他に対応する。
一実施形態において、本開示は、感光体基材を用意するステップと、電荷発生層を塗布するステップと、5パーセントから100パーセントの純度を有するN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む電荷輸送層を塗布するステップと、前記基材上に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンと4,4’−(3,4−ジメチルフェニルアザンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジメタノールとから成る群から選択される正孔輸送材料を含む保護オーバーコート層を塗布するステップとを含む感光体を形成する方法であって、前記感光体が、電子写真帯電および1erg/cm2ら5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から40ミリ秒の間にその表面電位の85%から100%を放電することを特徴とする方法を提供する。
別の実施形態において、本開示は、5パーセントから100パーセントの純度を有するN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む電荷輸送層、およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンと4,4’−(3,4−ジメチルフェニルアザンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジメタノールとから成る群から選択される正孔輸送材料を含む保護オーバーコート層を少なくとも含む感光体に電荷を加えるステップと、前記感光体を電磁放射線にさらすステップと、前記感光体を電磁放射線にさらすことによって形成された潜像を現像して可視画像を形成するステップと、前記可視画像をプリント基材に転写させるステップとを含む画像を形成する方法であって、前記感光体が、電子写真帯電および1erg/cm2ら5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から40ミリ秒の間にその表面電位の85%から100%を放電することを特徴とする方法を提供する。
本開示によって提供される利点としては、実施形態における望ましい電気特性および機能特性を有する感光体が挙げられる。実施形態において、N,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含まないオーバーコート層の含有物は、優れた亀裂抵抗、磨耗抵抗および引っ掻き抵抗性を与え、同時に、電荷輸送層中におけるN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンの含有物は、長期にわたる電気サイクル(例えば10,000サイクル)の間の無視できるほど小さい変化(すなわち無視できるほど小さいサイクルアップ)、著しく低い露光後電位(約25ボルトのVLow)ならびに実行中の消失に対する抵抗性増進および改善された放電量を与える。
電子写真感光体は、当技術分野では公知である。電子写真感光体は、任意の適当な技術によって調製することができる。一般的には、導電性表面を有する柔軟性のまたは硬質の基材が用意される。次いで電荷発生層を導電性表面に塗布する。電荷障壁層は、電荷発生層を塗布する前に導電性表面に場合によっては塗布することができる。必要に応じて、接着層を電荷障壁層と電荷発生層の間に設けることができる。通常は、電荷発生層は障壁層上に塗布され、電荷輸送層は電荷発生層上に形成され、次に任意のオーバーコート層が続く。この構造は、電荷輸送層の表面または下面に電荷発生層を有することができる。
電荷輸送層は、フィルム形成性の電気的に不活性なポリカーボネート等のポリマー中に溶解または分子分散した正孔輸送小分子を含む。本明細書で使用される用語の「溶解した」とは、小分子がポリマー中に溶解して均一相を形成している溶体を形成している状態としてここでは定義される。本明細書で使用される表現の「分子分散した」とは、ポリマー中に分散した正孔輸送小分子であってその小分子がポリマー中に分子レベルの大きさで分散している状態として定義される。電荷輸送層には任意の適当な正孔輸送性または電気的に活性な小分子を使用することができる。正孔輸送「小分子」という表現は、輸送層中で光発生した自由電荷が輸送層のいたるところに輸送されることを可能にするモノマーとしてここでは定義される。典型的な正孔輸送小分子としては、例として、ピラゾリン類、例えば1−フェニル−3−(4’−ジエチルアミノスチリル)−5−(4”−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなど、ジアミン類、例えばN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンなど、ヒドラゾン類、例えばN−フェニル−N−メチル−3−(9−エチル)カルバジルヒドラゾンおよび4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,2−ジフェニルヒドラゾンなど、ならびオキサジアゾール類、例えば2,5−ビス(4−N,N’−ジエチルアミノフェニル)−1,2,4−オキサジアゾールなど、スチルベン類などが挙げられる。前述の通り、適当な電気的に活性な小分子の正孔輸送化合物を、電気的に不活性なフィルム形成性ポリマー物質中に溶解または分子分散させる。顔料からの電荷発生層中への高い効率での正孔の注入を可能にし、それらを非常に短い輸送時間で電荷輸送層のいたるところに輸送する小分子正孔輸送化合物は、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、N,N,N’N’−テトラ−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン、およびN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[4−(1−ブチル)フェニル]−[p−テルフェニル]−4,4’−ジアミンである。必要に応じて、電荷輸送層中の正孔輸送物質は、正孔輸送ポリマー物質または小分子正孔輸送物質と正孔輸送ポリマー物質との混合物を含んでもよい。
複数の実施形態によれば、電子写真感光体の少なくとも1層は、改良された電気的特性をその感光体に与えるために、置換ビフェニルジアミン、例えばN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンなどを含む。特定の実施形態において、この置換ビフェニルジアミンは、少なくとも電荷輸送層中に分散されている。
複数の実施形態において、感光体に改良された電気的および機械的特性を与えるために、従来の小分子正孔輸送化合物などの電荷輸送物質の一部または全部は、一般構造が
Figure 0005324074
(ただし、各Xは、1個から約20個の炭素原子を含むアルキル基であり、各Xは同じもの、例えばN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンである)の置換ビフェニルジアミンである特定の小分子正孔輸送化合物によって置換されている。置換ビフェニルジアミンのこの分散によって、長期にわたる電気サイクルの間の無視できるほど小さい変化、著しく低い露光後電位、実行中の消失に対する抵抗性増進、放電量の増加などによって実証されるように、感光体性能の顕著な改良がもたらされる。
置換ビフェニルジアミンにおいて、その置換は、許容できる電荷輸送物質を提供するための任意の適当な置換を含むことができる。例えば、適当なアルキル基置換としては、1個から約20個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが挙げられ、それは直鎖でも分枝していてもよく、場合によってその他の官能基により置換されていてもよい。複数の実施形態において、各アルキル基置換は、例えばN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンにおけるように同一物である。
複数の実施形態において、電荷輸送層は、高品質の置換ビフェニルジアミンを含み、その結果、感光体に組み込まれたときにその感光体はその表面電位の改良された放電量を示すことができる。例えば、その感光体は、電子写真帯電および約1erg/cm2から約5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から約40ミリ秒の間にその表面電位の約85%から約100%を、例えば電子写真帯電および約2erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から約40ミリ秒の間にその表面電位の約85%から約100%を放電することができる。複数の実施形態において、高品質の置換ビフェニルジアミンを含む感光体は、消去エネルギーが約200erg/cm2である場合、約400ボルトから約1000ボルトの初期充電電圧から、約0ボルトから約10ボルトまでの消去後電圧を有することができる。置換ビフェニルジアミンは、また、10,000サイクルを越える安定した電子写真サイクルを発揮することができる。
本明細書で使用されている置換ビフェニルジアミンを指している「高品質」とは、上に述べたように、感光体に組み込まれた場合、その感光体が電子写真帯電および約1erg/cm2から約5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から約40ミリ秒の間にその表面電位の約85%から約100%を放電させる置換ビフェニルジアミンを表す。
複数の実施形態において、電荷輸送層は、高品質の置換ビフェニルジアミンに加えて、感光体に組み込まれるときは、例えば、HPLC、NMR、GC、LC/MS、GC/MSによるかまたは融点のデータによって測定して、例えば約95パーセントから約100パーセント、例えば約98パーセントから約100パーセントといった純度の置換ビフェニルジアミンを含むことができ、置換ビフェニルジアミン正孔輸送成分が、複数の実施形態において、少なくとも感光体の電荷輸送層中に約30重量パーセントから約65重量パーセント(全体を通して数値はその間にあるすべての数字を含むことが意図されており、したがって約30から65は、30、31、32、33、34、35、36、37、38から最高65までの少なくともすべての数値を含む)、約40重量パーセントから約60重量パーセント、または約45重量パーセントから約55重量パーセントの量で存在し、任意の接着層、任意の正孔障壁層もしくはアンダーコート層、および任意のオーバーコート層を含む。
特定の理論に限定されるものではないが、置換ビフェニルジアミンの高品質およびそれによって与えられる特性は、その化学的純度だけに直接関係するのではなく、それよりむしろ化学的純度、種類および残留不純物の量などに関係しうるものと考えられる。
電荷輸送層は、正孔輸送層上に置かれた帯電器が照明されないときは、その上の静電潜像の形成および保持を防止するのに十分な程度に帯電しない範囲内の絶縁体であるべきである。一般に、電荷輸送層対電荷発生層の厚さの比率は、望ましくは約2:1から200:1に維持され、場合によっては400:1の大きさである。電荷輸送層は、意図した用途の範囲の可視光または放射線に対しては実質的に非吸収性であるが、それが光導電層すなわち電荷発生層からの光発生した正孔の注入を可能にし、これらの正孔がそれ自身を通って輸送され、活性層表面上の表面電荷を選択的に放電することを可能にするという点において電気的に「活性」である。
特定の実施形態において、この正孔輸送物質は、例えば、Farbenfabriken Bayer A.G.から市販されており、約50,000から約100,000の分子量平均を有している公知のポリカーボネート樹脂、MAKROLON 5705(登録商標)のようなポリカーボネートなどのポリマーバインダー中に分散させる。また一方、例えば以下に記載したもの等の他のタイプのバインダーも使用に適している。電荷輸送層の厚さは、さまざまであってよく、例えば1ミクロンから100ミクロンの間の厚さ、例えば約10ミクロンから約50ミクロンの間の厚さまたは約25ミクロンから約30ミクロンの間の厚さでありうる。電荷輸送層は、完全にポリマーバインダー中のテトラアルキル置換ビフェニルジアミンから組み立てることができ、あるいは、場合によっては、それは1つ以上のさらなる成分、例えば、1つ以上のさらなるバインダー、1つ以上のさらなる正孔輸送物質、および/または1つ以上の架橋剤を含むことができる。
オーバーコート層を塗布するために使用するアルコール溶媒に不溶性の電気的に不活性な任意の適当な樹脂バインダーを電荷輸送層に採用することができる。代表的な不活性樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル、ポリアクリラート、ポリスルホンなどが挙げられる。分子量は、例えば、約20,000から約150,000とさまざまでありうる。例示的なバインダーとしては、ポリカーボネート類、例えば、ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニレン)カーボネート(ビスフェノール−A−ポリカーボネートとも呼ばれる)、ポリ(4,4’−シクロヘキシリジンジフェニレン)カーボネート(ビスフェノール−Zポリカーボネートと呼ばれる)、ポリ(4,4’−イソプロピレイデン−3,3’−ジメチル−ジフェニル)カーボネート(ビスフェノール−C−ポリカーボネートとも呼ばれる)などが挙げられる。電荷輸送層中には任意の適当な正孔輸送ポリマーも利用することができる。その正孔輸送ポリマーは後述する次のオーバーコートの塗布で使用するアルコール溶媒などの溶媒に不溶性でなければならない。これらの電気的に活性な正孔輸送ポリマー物質は、電荷発生物質からの光発生正孔の注入を支援することが可能であるべきであり、そこを通るこれら正孔の輸送を許容するものであってはならない。
混合し、その後その電荷輸送層コーティング混合物を電荷発生層に塗布するためには任意の適当な従来技術を利用することができる。代表的な塗布技術としては、吹付け塗り、浸漬塗工、ロール塗工、巻線ロッド塗工などが挙げられる。付着したコーティングの乾燥は、任意の適当な従来技術、例えばオーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥などにより達成することができる。
感光体の耐摩耗性を改良するため、保護オーバーコート層を光発生層(またはその他の下位層)上に備えることができる。さまざまなオーバーコート層が技術的に知られており、感光体の機能特性が悪影響を受けない限り使用することができる。
複数の実施形態によれば、保護オーバーコート層はポリマーバインダー中に分散させることができる正孔輸送物質を含む。保護オーバーコート層のポリマーバインダーの組成は、電荷輸送層のポリマーバインダーの組成と類似していても類似していなくてもよいが、オーバーコート層中の正孔輸送物質は、N,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含むことができない。保護オーバーコート層の厚さは、さまざまであってよく、例えば、1ミクロンから10ミクロンの厚さの間、例えば約2ミクロンから約5ミクロンの厚さの間であることができる。保護オーバーコート層は、全く正孔輸送物質とポリマーバインダーだけからなるか、場合によってそれは、例えば、1つ以上のさらなるバインダー、1つ以上のさらなる正孔輸送物質、1つ以上の架橋剤、および/または必要であり得るときは1つ以上の触媒を含むことができる。保護オーバーコート層には多くの正孔輸送物質を使用することができるが、望ましくない感光体の実行中の消失挙動または望ましくない感光体の電気サイクルの上昇を減少するには特定の正孔輸送物質がより適している。特に、N,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンは、オーバーコート層中に存在することはできない。保護オーバーコート層用の適当な正孔輸送物質は、これに限るものではないが、ジ−ヒドロキシメチル−トリフェニル−アミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどであってよく、その正孔輸送物質は、別法では、熱硬化すると架橋したオーバーコートを形成するヒドロキシル基含有電荷輸送分子、ポリオールポリマーバインダーおよびメラミン系硬化剤を含むいくつかのPASCOオーバーコート層配合物中で使用することができる。保護オーバーコート層バインダーには、さまざまなポリマーを、それらが被覆性、機械的構造安定性および感光体の電気的要求事項を満足させる限り、使用することができる。適当なポリマーバインダーとしては、ポリエステルポリオール類(例えば、デスモーフェン800など)、ポリプロピレングリコール類(例えば、PPG2000など)、アクリルポリオール類(例えば、OPC Polymers社のB−60、Johnson Polymers社のジョンクリル(Joncryl)510またはジョンクリル517など)などが挙げられるがこれらに限定されない。適当な架橋剤としては、メラミンホルムアルデヒド(例えば、サイメル(Cymel)1130またはサイメル303など)が挙げられるがこれらに限定されない。
テトラアルキル置換ビフェニルジアミンを含有する層を形成するステップにおいては、それが電荷輸送層であっても別のものであっても、その置換ビフェニルジアミンを、その他の層成分と単に混合して、均一なもしくは実質的に均一な分散物を形成させ、その後その層を形成させるために塗布することができる。例えば、置換ビフェニルジアミンを電荷輸送層中に含有させる場合は、電荷輸送層を形成するためにはその置換ビフェニルジアミンを、ポリマーバインダー物質およびCH2Cl2などの適当な溶媒とそのまま混合することができる。
置換ビフェニルジアミンは、電荷輸送層中に電荷輸送層の約0%から約75重量%の任意の望ましい量、例えば電荷輸送層の約25重量%から約50重量%の間の量などで含有させることができる。また一方、層の形成には置換ビフェニルジアミンのはるかに少ない量を使用することもできる。
基材は、不透明または実質的に透明であることができ、必要な機械的特性を有する任意の適当な材料を含むことができる。したがって、基材は無機組成物または有機組成物等の非導電性または導電性物質の層を含むことができる。非導電性物質としては薄いウェブのようにしなやかであるポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリウレタン類などを含むこの目的に対して公知のさまざまな樹脂を採用することができる。導電性基材は、任意の金属、例えば、アルミニウム、ニッケル、スチール、銅などまたは導電性物質、例えばカーボン、金属粉などまたは有機導電性物質を充填した上記のようなポリマー物質でありうる。電気絶縁性または導電性基材は、柔軟なエンドレスベルト、ウェブ、剛体円柱、シートなどの形とすることができる。基材層の厚さは、必要な強度および経済的考察を含めた多数の要因に依存する。したがって、ドラムについてこの層は、例えば最高数センチメートルまでの実質的な厚さまたは最低1ミリメートル未満の厚さのものでありうる。同様に、柔軟なベルトは、例えば実質的な厚さが約250ミクロンのもの、または最終の電子写真装置に対して悪影響がなければ、最低の厚さが50ミクロン未満のものでありうる。
基材層が導電性ではない実施形態においては、その表面は導電性コーティングによって導電性にすることができる。その導電性コーティングは、光透過性、必要な柔軟性の度合い、および経済的要因によって相当広範囲にわたって厚さが変動しうる。したがって、柔軟な光応答性画像形成装置に対しては、その導電性コーティングの厚さは、約20オングストロームから約750オングストローム、例えば導電性、柔軟性および光透過性の最適な組み合わせに対しては約100オングストロームから約200オングストロームなどでありうる。柔軟な導電性コーティングは、例えば基材上に任意の適当な塗布技術、例えば真空蒸着技術または電着などによって形成された導電性金属層でありうる。代表的な金属としては、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウムおよびハフニウム、チタン、ニッケル、ステンレススチール、クロム、タングステン、モリブデンなどが挙げられる。
任意の正孔障壁層を基材に塗布することができる。正孔に対する電子バリアを隣接する光導電層と下にある基材の導電性表面との間に形成することができる任意の適当な従来の障壁層を利用することができる。
任意の接着層を正孔障壁層に塗布することができる。技術的に公知の任意の適当な接着層を利用することができる。代表的な接着層物質としては、例えば、ポリエステル類、ポリウレタン類などが挙げられる。満足な結果は、約0.05ミクロン(500オングストローム)から約0.3ミクロン(3,000オングストローム)の接着層の厚さで得ることができる。接着層コーティング混合物を電荷障壁層に塗布する通常の技術としては、吹付け塗り、浸漬塗工、ロール塗工、巻線ロッド塗工、グラビア塗工、バードアプリケータ塗工などが挙げられる。付着したコーティングの乾燥は、任意の適当な従来技術、例えばオーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥などにより達成することができる。
接着層、障壁層または基材上には少なくとも1つの電子写真画像形成層が形成される。その電子写真画像形成層は、技術的に公知である電荷発生機能および正孔輸送機能の両方を果たす単一層でありえ、または電子写真画像形成層は電荷発生層および正孔輸送層などの複数の層を含むことができる。電荷発生層は、真空蒸発すなわち蒸着によって加工されるセレンおよびセレンとヒ素、テルル、ゲルマニウムなどとの合金、水素化非晶質ケイ素ならびにケイ素とゲルマニウム、炭素、酸素、窒素などの化合物類の非晶質膜を含むことができる。電荷発生層は、また、フィルム形成性ポリマーバインダー中に分散され、溶媒塗布技術によって加工される、結晶性セレンおよびその合金の無機顔料;II〜VI族の化合物;およびキナクリドン類、ジブロモアンサンスロン顔料等の多環式顔料、ペリレンおよびペリノンジアミン、多核芳香族キノン、ビス−、トリス−およびテトラキス−アゾを含むアゾ顔料などの有機顔料などを含むことができる。
フタロシアニン類は、赤外線暴露システムを利用するレーザプリンタで使用するための光発生物質として採用されてきた。赤外線感受性は、低コストの半導体レーザダイオード光露光装置に暴露される感光体には必須である。フタロシアニン類の吸収スペクトルおよび感光性は、化合物の中心金属原子に依存する。多数の金属のフタロシアニン類が報告されており、オキシバナジウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、銅フタロシアニン、オキシチタンフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニンおよび無金属フタロシアニンを含む。フタロシアニン類は、光発生に対して強い影響を有する多くの結晶形で存在する。
任意の適当なフィルム形成性ポリマーバインダー物質を、電荷発生(光発生)層におけるマトリックスとして採用することができる。代表的なフィルム形成性ポリマー物質としては、例えば米国特許第3121006号に記載されているものが挙げられる。かくして、代表的なフィルム形成性有機ポリマーバインダーとしては、熱可塑性および熱硬化性樹脂、例えばポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリスチレン類、ポリアリールエーテル類、ポリアリールスルホン類、ポリブタジエン類、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリエチレン類、ポリプロピレン類、ポリイミド類、ポリメチルペンテン類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリ酢酸ビニル類、ポリシロキサン類、ポリアクリラート類、ポリビニルアセタール類、ポリアミド類、ポリイミド類、アミノ樹脂、フェニレンオキシド樹脂、テレフタル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリスチレンとアクリロニトリルのコポリマー、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、アクリラートコポリマー、アルキッド樹脂、セルロース系被膜形成剤、ポリ(アミドイミド)、スチレンブタジエンコポリマー、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、酢酸ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、スチレン−アルキッド樹脂、ポリビニルカルバゾールなどが挙げられる。これらのポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーでありうる。
光発生組成物または顔料は、樹脂バインダー組成物中にさまざまな量で存在する。しかしながら、一般に、光発生顔料の約5容量パーセントから90容量パーセントが樹脂バインダーの約10容量パーセントから約95容量パーセント中に、例えば光発生顔料の約20容量パーセントから30容量パーセントが樹脂バインダー組成物の約70容量パーセントから約80容量パーセント中に分散している。
光発生層コーティング混合物を混合し、その後塗布するには任意の適当な従来技術を利用することができる。代表的な塗布技術としては、吹付け塗り、浸漬塗工、ロール塗工、巻線ロッド塗工、真空昇華などが挙げられる。いくつかの塗布において、発生剤層は、ドット模様または線模様に加工することができる。溶媒塗布層の溶媒の除去は、任意の適当な従来技術、例えばオーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥などにより達成することができる。
本開示によって提供される利点としては、複数の実施形態において、望ましい電気的特性および機能特性を有する感光体が挙げられる。例えば複数の実施形態において感光体は、(i)長期にわたる電気サイクル(例えば10,000サイクル)の間の無視できるほど小さい変化(すなわち無視できるほど小さいサイクルアップ)、(ii)著しく低い露光後電位(約25ボルトのVLow)ならびに(iii)実行中の消失に対する抵抗性増進および改善された放電量の1つ以上を有する。
また、本開示の範囲に含まれるのは、本明細書に示した画像形成部材により画像形成および印刷をする方法である。これらの方法は、一般に、画像形成部材に静電潜像を形成することと、それに続いて例えば熱可塑性樹脂、顔料等の着色料、電荷添加剤、および表面添加剤を含むトナー組成物により画像を現像するステップと、その後その画像を適当な基材に転写するステップと、その画像をそこに恒久的に付着させるステップとを含む。その装置が印刷モードで使用されるような環境においては、その画像形成方法は、露光をレーザ装置またはイメージバーで達成することができることを除いて同じプロセスを含む。
以下の実施例は、本開示の実施形態を説明するために提示されている。これらの実施例は、説明に役立つことのみが意図されており、本開示の範囲を限定することが意図されているものではない。また、部および百分率は、別段の指摘がない限り重量によるものである。比較例および比較データも提供される。
比較例1−保護オーバーコート層なしでN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む感光体の調製:
以下の手順に従って画像形成部材または光導電部材を調製した。金属化マイラー基材を準備し、その基材上にHOGaPc/ポリ(ビスフェノール−Zカーボネート)光発生層を機械塗布した。その光発生層に、琥珀色のガラス瓶に、上記のようにして合成し、HPLCおよびNMRで測定して約99パーセントから約100パーセントの純度を有する高品質のN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(化合物1)の50重量パーセントと、Farbenfabriken Bayer A.G.から市販されており、約50,000から約100,000の分子量平均を有する公知のポリカーボネートであるMAKROLON 5705(登録商標)の50重量パーセントを入れて調製した電荷輸送層を上塗りした。得られた混合物は次に塩化メチレンに溶解し、15重量パーセントの固形分を含有する溶液を形成した。この溶液を光発生層に塗布して乾燥すると(120℃で1分間)30ミクロンの厚さを有するコーティング層を形成した。電荷輸送層に保護オーバーコート層は塗布されておらず、したがって、この装置は本開示の確かな実施形態とは一致しない。
比較例2および3−生産グレードの感光体:
比較の目的で、「標準」対照装置としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン輸送分子を約43%(比較例2)および約50%(比較例3)の濃度で含有する市販の感光体を使用する。
実施例1〜3−電荷輸送層および保護オーバーコート層中に置換アリールジアミンを含む電子写真感光体の調製:
比較例1と同じやり方で、N,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンとMAKROLON 5705(登録商標)の重量比50:50の混合物で電荷輸送層を造り、厚さが約29ミクロンのこの混合物のコーティングを電荷発生層に塗布することによって3個の感光体試験装置を用意する。さらに、約2〜3ミクロンの厚さの3つの異なる保護オーバーコート層を、その電荷輸送層に塗布する。オーバーコート層配合物Aを実施例1に塗布し、オーバーコート層配合物Bを実施例2に塗布し、オーバーコート層配合物Cを実施例3に塗布する。その保護オーバーコート配合物を下の表1に示す。
Figure 0005324074
「HTMA」は、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンを表し、「TPA」は、4,4’−(3,4−ジメチルフェニルアザンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジメタノールを表し、「ポリケム 7558−B−60」は、アクリルポリオールを表し、「PPG−2000」は、Mnが2000に等しいポリプロピレングリコールを表す。
実施例4−電気サイクル:
長期間の電気サイクル性能を、実施例1〜3および比較例2〜3について、周囲条件で10,000サイクルを越えて測定した。
図1は、実施例および比較例2および比較例3の感光体に対する消去後の電位(Vresidual)の変化を示す。図1から、実施例1〜3の感光体は、実施例1〜3の装置に対するVresidual挙動の著しく低いサイクルアップ変化で明らかなように、両方の比較例の装置より性能が優れており、オーバーコート層の組成物が起因して増大したサイクル安定性を示すことが分かる。
実施例5−サイクル後光放電曲線(PIDC):
実施例1〜3の装置ならびに対照装置の比較例2のPIDCを、装置を10,000サイクルのサイクルにかけた後測定した。
測定による結果を、以下の図2に示す。図2から分かるように、実施例1〜3の装置は、露光後の電位(VLow)が低いことを示し、例えば25erg/cm2の露光エネルギーに対して約25ボルトであるのに対して比較例2の対照感光体で測定されたものは、25erg/cm2の露光エネルギーに対して約50ボルトに達している。この実施例1〜3の感光体の低い電位は、市販のN,N’−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンに基づく感光体より良好な電気的性能を反映している。
実施例6−実行中のLCM(側方電荷移動)消失:
実施例1〜3の装置についてと、また比較例1〜3の対照装置について、実行中のLCM消失性能の評価をする予備試験を実施した。その結果は、実施例1〜3の装置は、比較例2〜3の装置より少ない消失を示しているものの、比較例1(保護オーバーコート層なしの感光体装置)は、比較例2〜3の装置よりさらに望ましくないはるかに高い消失を示した。この観察結果は、電荷輸送層が置換アリールジアミンを含む場合、感光体に保護オーバーコートを含むことの重要性を強調している。
本開示の実施例および比較例の感光体に対する消去後の電位(Vresidual)の変化を示すグラフである。 本開示の実施例および比較例の感光体に対するPIDC(光に感応した放電曲線(Photo−Induced Discharge Curve))グラフである。

Claims (3)

  1. 基材と、
    電荷発生層と、
    5パーセントから100パーセントの純度を有するN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む電荷輸送層と、
    N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンと4,4’−(3,4−ジメチルフェニルアザンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジメタノールとから成る群から選択される正孔輸送材料を含む保護オーバーコート層と、
    を備えた感光体であって、
    前記感光体が、電子写真帯電および1erg/cm2ら5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から40ミリ秒の間にその表面電位の85%から100%を放電することを特徴とする感光体。
  2. 感光体基材を用意するステップと、
    電荷発生層を塗布するステップと、
    5パーセントから100パーセントの純度を有するN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む電荷輸送層を塗布するステップと、
    前記基材上に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンと4,4’−(3,4−ジメチルフェニルアザンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジメタノールとから成る群から選択される正孔輸送材料を含む保護オーバーコート層を塗布するステップと、
    を含む感光体を形成する方法であって、
    前記感光体が、電子写真帯電および1erg/cm2ら5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から40ミリ秒の間にその表面電位の85%から100%を放電することを特徴とする方法。
  3. 5パーセントから100パーセントの純度を有するN,N,N’N’−テトラ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む電荷輸送層と、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンと4,4’−(3,4−ジメチルフェニルアザンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジメタノールとから成る群から選択される正孔輸送材料を含む保護オーバーコート層を少なくとも含む感光体に電荷を加えるステップと、
    前記感光体を電磁放射線にさらすステップと、
    前記感光体を電磁放射線にさらすことによって形成された潜像を現像して可視画像を形成するステップと、
    前記可視画像をプリント基材に転写させるステップと、
    を含む画像を形成する方法であって、
    前記感光体が、電子写真帯電および1erg/cm2ら5erg/cm2の放射エネルギーの照射にさらされると、0から40ミリ秒の間にその表面電位の85%から100%を放電することを特徴とする方法。
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