JPH0212509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、一般家屋等の屋根斜面に取付けて自
然な風流の出入りで屋内の空調を図る換気フード
に関するものである。

従来の技術 従来、この種の換気フードには板金製で棟包み
として取付ける中空横長な函体の側面に換気口を
設けたものが知られている。

考案が解決しようとする問題点 この種の棟包みは鉄骨コンクリート等の洋風建
築には用いられず、勿論、多額な費用を掛けて洋
風建築にマツチした換気塔等を屋根上に設置すれ
ばよいが、一般家屋の洋風建築では特別な換気設
備を設けずに専ら窓等の開放で換気が行われてい
る。然し、窓等の開放による換気では余程上手に
行えばともかく、壁面等に結露やカビ等が発生す
るのを避けられない。

その鉄骨コンクリート家屋等でも、屋根の斜面
を利用して安価に作成できる棟包みに類した函形
の換気フードを取付けることにより換気を行うこ
とは可能であるが、唯、その場合には換気口から
入る雨水を如何に屋内に浸入させないようにする
かが問題である。

問題点を解決するための手段 本考案に係る板金製換気フードにおいては、屋
根の斜面上で下向きに位置する前面側を開放させ
て天板、左右側板並びに背板から形成したフード
本体の前面開放端より内側に、平板材の中央部分
をＶ溝に折曲すると共に少なくとも前端側を下り
斜面に折曲した複数枚の風導板を各Ｖ溝の突端で
夫々一致させて所望間隔毎に上下に取付けること
により構成されている。

作 用 この換気フードでは複数枚の風導板で仕切つた
各空間が風流の出入り通路となり、特に風流が雨
天時に雨水を伴つて流入するときには風は前端側
の斜面で上方に吹上げられて風導板の内面に突当
つた後内側に流れ込むため、雨水は風導板の内面
に付着して屋内側には移動せず、また、風導板の
内面に付着しないでなおも奥に入り込む若干の雨
水は上側に位置する風導板のＶ溝面に当つて下側
に位置する風導板のＶ溝内に滴下するようになる
ため、屋内への浸入を完全に遮断することができ
る。

実施例 以下、添付図面を参照して説明すれば、次の通
りである。

この換気フードは屋根の斜面上に設置するもの
であり、その斜面に設ける開口を介して屋外と屋
内とを連通するよう取付けられている。このフー
ド本体はアルミ板等の板金材料を用いて天板１０
と左右の側板１１並びに背板１２とから形成さ
れ、屋根の斜面上で下向きに位置する前面側と上
述した開口に整合配置する底面側とが風の出入り
口として開放されている。その前面側の開放端よ
り内側には屋根の斜面と略平行で天板１０と平行
させて、複数枚の風導板１３，１４，１５…が取
付けられている。これら風導板１３，１４，１５
…は平板材の中央部分をＶ溝１３ａ，１４ａ，１
５ａ…に折曲し、また少なくとも前端側を下り斜
面１３ｂ，１４ｂ，１５ｂ…に折曲することによ
り形成されている。その各風導板１３，１４，１
５…は、Ｖ溝１３ａ，１４ａ，１５ａ…の突端を
上下で一致させて所望間隔毎に取付けられてい
る。

なお、各風導板１３，１４，１５のフード本体
内に位置する後端側は風流を上下にガイドするべ
く下り斜面１３ｃ，１４ｃ，１５ｃに折曲するこ
とができる。また、フード本体は屋根斜面の開口
と整合する長孔１６ａを持つた底板１６を組付け
て構成してもよく、その底板１６を含めて左右の
側板１１、背板１３から屋根瓦の下に敷込む設置
板１７，１８，１９を設けることができる。

このように構成する換気フードでは、設置板１
７，１８，１９を屋根の基礎面上に配置し、前
後、左右から平瓦をあてがい載置することにより
屋根の斜面上に据え付けることができる。その
際、設置板１７，１８，１９と屋根瓦との間で必
要個所にはコーキング材、コンツプリバンド等の
パツキング材を充填するとよい。

この据え付け状態では、風が前面側の開放口と
底板１６の長孔１６ａとの間に風導板１３，１
４，１５…を介して通過するため、屋外と屋内と
を連通できるようになる。その風流に伴つて雨天
時には雨水が屋内側に入り込む虞れがあるが、こ
の換気フードでは風導板１３，１４，１５…の傾
斜面１３ｂ，１４ｂ，１５ｂ…に沿つて風を上向
きに取り込んで風導板１３，１４，１５…の板面
に突当てるようガイドすることにより雨水を風導
板１３，１４，１５…の板面に付着させる。その
雨水は、各風導板１３，１４，１５…の板面から
傾斜面１３ｂ，１４ｂ，１５ｂ…に伝わつて外方
に滴下するところから排出するようにできる。ま
た、若干の雨水が奥に移動したときには中央部分
に下方に突出するＶ溝１３ａ，１４ａ，１５ａ…
に突当るため、その斜面に付着して下方に位置す
るＶ溝内に滴下する。このＶ溝内に溜る雨水は晴
天になれば乾燥するところから特に排出する必要
はなく、また必要であれば各Ｖ溝１３ａ，１４
ａ，１５ａ…の左右から連続させて開口側に樋状
の流出路を設けることにより簡単に排出すること
ができる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係る換気フードに依れ
ば、屋根の斜面に設置して室内換気を行うフード
を安価に提供できるものであり、また雨水も風導
板で完全に遮断できるから雨天時に屋内を湿らし
てしまう虞れもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る換気フードの横断面図、
第２図は同換気フードの取付け状態を示す斜視図
である。 １０：天板、１１：左右の側板、１２：背板、
１３，１４，１５…：風導板、１３ａ，１４ａ，
１５ａ…：Ｖ溝、１３ｂ，１４ｂ，１５ｂ…：前
端側の斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根の斜面上で下向きに位置する前面側を開放
   させて天板、左右側板並びに背板から形成したフ
   ード本体の前面開放端より内側に、平板材の中央
   部分をＶ溝に折曲すると共に少なくとも前端側を
   下り斜面に折曲した複数枚の風導板を各Ｖ溝の突
   端で夫々一致させて所望間隔毎に上下に取付けた
   ことを特徴とする板金製換気フード。