JPH0212089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は自動車のフロントウインドシールド
ガラス構造に係り、特に、セミコンシールド又は
フルコンシールドタイプのワイパー装置を備えた
自動車におけるフロントウインドシールドガラス
構造の改良に関する。

【従来技術】

セミコンシールド又はフルコンシールドタイプ
のワイパー装置を備えた自動車においては、フロ
ントウインドシールドガラスの下端は、フロント
フードの後端縁よりも下前方に延在され、カウル
パネルの上面の後約半分を被うようにされてい
る。 ここで一般的に、カウルパネルには、カウルベ
ンチレータが設けられ、アウタカウルパネルに形
成された開口部から外気を車室内に導入するよう
にされている。 しかしながら、上記のようなセミコンシールド
又はフルコンシールドタイプのワイパー装置を備
えた自動車の場合は、前述の如く、フロントウイ
ンドシールドガラスの下端がアウタカウルパネル
の上面の約半分を被つているために、充分な開口
を形成することが困難であり、このためカウルベ
ンチレータの充分な換気性能を確保することがで
きないことがあるという問題点があつた。 これに対して、フロントウインドシールドガラ
スの、アウタカウルパネル上面と重なる部分を短
くすることにより、カウルベンチレータの開口部
を大きく取ることができるが、このようにする
と、ワイパーの格納範囲が狭められると共に、フ
ロントフードの後端縁もカウルパネルに対して相
対的に上方に延在されてフロントウインドシール
ドガラスの開口面積が狭められてしまうという問
題点が生じる。

【考案の目的】

この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、ワイパーの充分な格納面積を確保
し、且つ、フロントウインドシールドガラスの開
口面積を犠性にすることなく、カウルベンチレー
タの充分な換気性能を確保することができるよう
にした自動車のフロントウインドシールドガラス
構造を提供することを目的とする。

【考案の構成】

この考案は、下端がフロントフードの後端縁よ
りも下前方に延在されたフロントウインドシール
ドガラスを備え、ワイパーの少なくとも一部が前
記フロントフードの後端縁よりも下側に格納され
ると共に、前記フロントウインドシールドガラス
の下端近傍にカウルベンチレータが配置された自
動車のフロントウインドシールドガラス構造にお
いて、前記フロントウインドシールドガラスの下
端の少なくとも前記カウルベンチレータ上方部分
に、該カウルベンチレータ上部形状に対応する形
状の切欠きを形成すると共に、該カウルベンチレ
ータの少なくとも一部を、前記切欠き内に配置す
ることにより上記目的を達成するものである。

【考案の作用】

この考案において、フロントウインドシールド
ガラスの下端の、カウルベンチレータ上部に対応
する部分に切欠きを形成し、これによつてカウル
ベンチレータとの干渉を避けつつ、該カウルベン
チレータの開口面積を充分に取るようにしたもの
である。

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。 この実施例は、第１図乃至第３図に示されるよ
うに、下端１０Ａがフロントフード１２の後端縁
１２Ａよりも下前方に延在されたフロントウイン
ドシールドガラス１０を備え、ワイパー１４が前
記フロントフード１２の後端縁１２Ａよりも下側
に格納されると共に、前記フロントウインドシー
ルドガラス１０の下端１０Ａ近傍にカウルベンチ
レータ１６が配置された自動車１８のフロントウ
インドシールドガラス構造において、前記フロン
トウインドシールドガラス１０の下端１０Ａの前
記カウルベンチレータ１６上方部分に、該カウル
ベンチレータ１６の上部形状に対応する形状の切
欠き２０を形成すると共に、該カウルベンチレー
タ１６の上部を、前記切欠き２０内に位置して配
置したものである。 前記カウルベンチレータ１６はアウタカウルパ
ネル２２の上面に形成された開口部２４に取り付
けられ、そのフイン１６Ａ部分の一部が前記フロ
ントウインドシールドガラス１０の下端１０Ａに
形成された切欠き２０内に入り込むようにして取
り付けられている。 前記車体幅方向切欠き２０は、ワイパー１４の
ワイパーブレード１４Ａ及びワイパーシヤフト１
４Ｂと干渉しないように形成されている。 ここで、切欠き２０の上下方向の深さは、ワイ
パー１４の作動範囲と干渉することなく、且つ、
車体外方からみてフロントフード１２の内側に隠
される範囲であれば、可能な限り大きく形成する
のがよい。 図の符号２０Ａは左側のワイパー１４における
ワイパーシヤフト１４Ｂが入り込むように、フロ
ントウインドシールドガラス１０の下端１０Ａに
形成された切欠き、２６はカウルインナパネル、
２８はフロントフード１２とボデイ側との間をシ
ールするウエザストリツプをそれぞれ示す。 この実施例においては、ワイパー１４の機能を
妨げない範囲で、且つ、カウルベンチレータ１６
の一部と重なり合う部分のみにおいて切欠き２０
を、フロントウインドシールドガラス１０の下端
１０Ａに形成することによつて、該フロントウイ
ンドシールドガラス１０の下端１０Ａの下端の位
置を可能な限り下前方に位置させて、且つ、カウ
ルベンチレータ１６のための開口部２４の充分な
開口面積を確保することができる。 従つて、フロントフード１２の後端縁１２Ａを
後上方に延在させてフロントウインドシールドガ
ラス１０の開口面積を狭めることもない。 なお上記実施例は、車体幅方向に隣接する左右
一対のカウルベンチレータ１６に対応して一つの
切欠き２０を形成したものであるが、本考案はこ
れに限定されるものでなく、カウルベンチレータ
１６の車体幅方向の位置が離間していれば、これ
らに対応して２個の切欠きを形成するようにして
もよい。

【考案の効果】

本考案は上記のように構成したので、簡単な構
造で、ワイパーの機能を犠性にしたり、且つ、フ
ロントウインドシールドガラスの開口面積を狭め
たりすることなく、カウルベンチレータのための
充分な開口部を確保することができるという優れ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車のウインドシール
ドガラス構造を適用した自動車を示す斜視図、第
２図は本考案に係る自動車のウインドシールドガ
ラス構造の実施例を示す平面図、第３図は第２図
の−線に沿う拡大断面図である。 １０……フロントウインドシールドガラス、１
０Ａ……下端、１２……フロントフード、１２Ａ
……後端縁、１６……カウルベンチレータ、１８
……自動車、２０……切欠き、２２……カウルア
ウタパネル、２４……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端がフロントフードの後端縁よりも下前方に
   延在されたフロントウインドシールドガラスを備
   え、ワイパーの少なくとも一部が前記フロントフ
   ードの後端縁よりも下側に格納されると共に、前
   記フロントウインドシールドガラスの下端近傍に
   カウルベンチレータが配置された自動車のフロン
   トウインドシールドガラス構造において、前記フ
   ロントウインドシールドガラスの下端の少なくと
   も前記カウルベンチレータ上方部分に、該カウル
   ベンチレータ上部形状に対応する形状の切欠きを
   形成すると共に、該カウルベンチレータの少なく
   とも一部を、前記切欠き内に配置してなる自動車
   のフロントウインドシールドガラス構造。