JPS6237815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用のカウル部のボデー構造であ
つて、カウル部の寸法を縮小し、自動車の長さを
縮小でき省資源を図ることを可能とし、またフロ
ントガラスを大きく傾斜できるため、空力特性の
良い自動車のボデー構造を提供することを目的と
するものである。

従来自動車前面のカウル部の構造は、第２図の
如くワイパーの取付けられている部分では、エン
ジンフードパネル１とカウルアウターパネル２と
の間にワイパーピボツト３が取付けられており、
前記カウルアウターパネル２とカウルインナーパ
ネル４とで形成されている筐体Ｐがエアーダクト
とされており、該筐体Ｐ内にワイパーリンクＱが
収納されている。

前記の構造に於て、フロントガラス５端縁とワ
イパーピボツト３との間隔ａを確保し、また、前
記筐体Ｐ内におけるワイパーリンクＱとカウルア
ウターパネル２との間隙ｂとを確保すると、前記
カウルアウターパネル２と面一のダツシユボード
６とフロントガラス５端縁との間隔Ｃが必要であ
る。

また、カウル部のワイパーの取付けられていな
い部分は第３図のように、カウルアウターパネル
２に空気導入孔７を形成し、これにルーバ８が取
付けられており、前記エンジンフードパネル１と
フロントガラス５との間から前記ルーバ８を通し
てエアーダクトたる筐体Ｐ内へ空気を供給し、筐
体Ｐのサイド（図示省略）に設けられている室内
への空気導入孔から新鮮な空気を室内へ供給する
ようになつており、前記ルーバ８の取付けのため
にも前記間隔Ｃが必要である。

従つて、従来のボデー構造では、前述の制約の
ために、ダツシユボード６とフロントガラス５下
端縁との間隔Ｃを縮小することが困難で、その分
自動車の全長が長くなり材料費が嵩む欠点があ
る。

そればかりでなく、フロントガラス５とダツシ
ユボード６との間隔Ｃに制約されるため、フロン
トガラス５の傾斜を大きくすることが困難である
と云う欠点もある。

本考案は前述欠点を改善するべく研究の結果、
実用新案登録請求の範囲に記載した構成とするこ
とによつて、フロントガラス端縁とダツシユボー
ドとの間隔を縮小することによつて、自動車の全
長を縮小できると共に、フロントガラスの傾斜を
従来より大きくすることによつて空力特性を向上
できる構造たらしめることができた。

第４図は本考案の一実施例を示したものである
が、つぎに図示例によつて本考案を説明する。フ
ロントガラス９下端部のほゞ直下に、カウルイン
ナーパネル１０及びカウルアウターパネル１１で
形成されている筐体Ｐが形成されてエアダクトを
形成している。

また、前記フロントガラス９は、カウルアウタ
ーパネル１１の上端部に取付けられており、前記
フロントガラス９下端縁より後方に空気導入孔１
２が形成されており、該空気導入孔１２に、ルー
バ１３が嵌着されており、該ルーバ１３の下側か
らエンジンフードパネル１４側に向つて取付パネ
ル１５が突出形成されている。

前記取付パネル１５には、ワイパーピボツト１
６が取付けられており、該取付パネル１５の上側
にワイパーアーム１７、その下側にワイパーリン
クＱが位置するように取付けられている。

また、エンジンフードパネル１４とフロントガ
ラス９との間、即ちワイパーアーム１７が突出し
ている間隙Ｄは、外部より空気が導入するように
なつており、さらに導入した空気がフロントガラ
ス９下端縁より後方に位置しているルーバ１３か
らカウルインナーパネル１０及びカウルアウター
パネル１１とで形成されているエアダクトたる筐
体Ｐ内へ導通するようになつている。尚、第４図
中符号Ｅはエンジンである。

本考案は以上の如き構成になるものであつて、
カウルインナーパネル１０及びカウルアウターパ
ネル１１とで形成されている筐体Ｐが、フロント
ガラス９の下端縁の位置Ｏより後方に位置してい
るため、カウルアウターパネル１１と面一に取付
けられているダツシユボード１８は、従来取付け
られている位置Ｘより長さｌの分だけ後退した位
置Ｙに位置せしめることができる。即ち、ダツシ
ユボード１８が位置Ｘより後退した位置Ｙに位置
できることは、フロントガラス９を相対的に従来
より前方位置に設けることができるから長さｌの
分丈自動車の全長を縮小することができ、従つて
自動車の材料費を低減できると云う利点がある。

それと同時に、ワイパーリンクＱが筐体Ｐの外
に取付けられているため、従来の如くフロントガ
ラス９の下端縁とダツシユボード１８との間隔Ｃ
を全く考慮する必要がないから、フロントガラス
９の傾斜を従来より大きくとることができるか
ら、自動車の空力特性の向上が図られる結果省エ
ネルギーに資することができ、またスタイリツシ
ユの自動車のボデーとすることができる。

さらに、本考案ではワイパーリンクＱがダクト
たる筐体Ｐの外に取付けられているため、ワイパ
ーリンクＱの保守、点検が極めて容易である。

また、従来は第３図のようにカウルアウターパ
ネル２に形成する空気導入孔７はワイパーピボツ
トの取付部をさけて取付けなければならないが、
本考案ではワイパーピボツトの位置如何に関係な
く取付けることができるから、空気動圧の高い中
央部利用が可能となり従つて換気性能の向上を図
ることができるばかりでなく、エアダクトたる筐
体Ｐ内にワイパーリンクＱの如き障害物がないか
ら、導入空気の動圧抵抗を大巾に軽減できる。

第５図は本考案の他の実施例であるが（第５図
中第４図と同一符号は同一部材である）、カウル
インナーパネル１９とカウルアウターパネル２０
とで形成されているエアーダクトたる筐体Ｐの断
面形状が、水平方向に対し垂直方向が長く形成さ
れたものであつて、第４図に示したものに比較し
て、更に自動車の全長を縮小することができ、ま
た、部品点数を軽減することができ、筐体Ｐの断
面形状の自由度は大巾に改善できる。

以上の如く本考案はワイパーリンクをダクトた
る筐体と分離することによつて筐体の位置、該筐
体の断面形状の自由度を大巾に改善でき、これに
よつて自動車の全長の縮小が図られ省資源に資す
ることができる。

また、フロントガラスがダクトたる筐体に対し
て従来より前方位置に取付けることが可能であ
り、さらにフロントガラスの傾斜を大きくできる
から、自動車の空力特性を大巾に向上できるから
省エネルギーに資することができ、また、スタイ
リツシユな自動車のボデー構造たらしめることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の概略斜視図、第２図は第１図
中−線断面図、第３図は第１図中−線断
面図、第４図は本考案の一実施例の要部断面図、
第５図は本考案の他の実施例の要部断面図であ
る。 ９……ウインドガラス、１０，１９……カウル
インナーパネル、１１，２０……カウルアウター
パネル、１２……空気導入孔、１３……ルーバ、
１４……エンジンフードパネル、１５……取付パ
ネル、１６……ワイパーピボツト、１７……ワイ
パーアーム、１８……ダツシユボード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カウルインナーパネルとカウルアウターパネル
   で形成されている導入空気のエアーダクトたる筐
   体が、フロントガラスのほぼ直下に形成されてお
   り、またフロントガラスの下端縁より後方の筐体
   に空気導入孔が形成されていると共に、該筐体よ
   り前方にパネルが突出しており、該パネルにワイ
   パーピボツトが取付けられていることを特徴とす
   る自動車用カウル部のボデー構造。