JPH0211734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、バツクボード又はマザーボードに搭
載されたコネクター或いはワイヤラツプポスト付
コネクター間の電源給配電として使用する為の電
源母線に関する。

「従来の技術」 このような目的に使用される電源母線のある種
のものでは、第２図〜第４図に示すような構造の
ものが知られている。第２図の電源母線では、導
体板５の長手方向に所定間隔で平行な２本の切れ
目を設け、この部分を成形してコネクターのピン
を挿通可能なクリツプ６を導体板５の長手方向に
並設するように構成されており、これらクリツプ
６の成形加工時に該クリツプを導体板５の幅方向
に整列させるように処理すれば、第３図の如きク
リツプ７を有する電源母線を構成できる。また、
第４図のように、導体板５の長手方向一側にコネ
クターピン挿通用の孔を設けた舌片を一体成形
し、この舌片を折曲げてバネ性を有するクリツプ
８を構成した電源母線も知られている。

「考案が解決しようとする問題点」 第２図〜第４図の電源母線は、基本的には半田
付け不要の構造のものであるが、第２図及び第３
図の構造では、クリツプ６，７の成形加工が複雑
化しコスト高となるという難点があり、また、ク
リツプ式にも拘わらずコネクターピンと半田付け
して使用しているという実態がある。また、第４
図のタイプは、クリツプ８を形成する為に材料の
歩留りを極端に悪化させ、製品コスト高の大きな
要因となる。

「問題点を解決するための手段」 本考案は斯かるクリツプ式電源母線の問題点を
改善する為に、帯状の導体板の長手方向に断面が
山形、台形ないしは半円状等の適宜な隆起部を一
様に形成し、この隆起部にコネクターピンを挿通
可能な上下一対の孔を所要間隔で多数設けると共
に、上記導体板の長手方向側端に突起部を適数個
形成するように構成した電源母線を提供するもの
である。

「作用」 このような構造の電源母線は、導体板に対して
先ず上下一対の孔を所要間隔で多数穿設すると共
に、導体板の長手方向側端に突起部を適数個設け
るように打抜き加工したのち、各一対の孔が同一
線上に位置するように隆起部を一様に曲げ加工で
形成することにより簡単に製作できるので、製品
の低コスト化を図れる。また、この構造の電源母
線は、導体板の長手方向側端に突起部を備えるの
で、回路基板等を介在させてコネクターピンにこ
の電源母線を装着させるような場合、突起部の高
さ相当分だけ回路基板面から電源母線を離隔させ
て接続可能となり、電源母線と回路基板の回路配
線パターンとの簡便な絶縁手段を確保できる。

「実施例」 第１図は、本考案の一実施例による電源母線の
部分拡大斜視図を示し、銅板等からなる帯状の導
体板１には、その長手方向の中央部に沿つて断面
が略台形状の隆起部２を形成してあり、該隆起部
２の両斜傾部には上下に一線となる位置に一対の
孔３，３Ａを所要の間隔で複数個設けるように構
成されている。１Ａは導体板１の長手方向両側端
に同一高さで複数個設けた突起部であり、その位
置は図のように各一対の孔３，３Ａの位置に合致
させて設けることもできる。そして、各一対の孔
３，３Ａには、破線で例示する如くコネクターピ
ン４が挿通されてこの電源母線とコネクターピン
との電気的接続が半田付けすることなく好適に達
成される。即ち、第５図に示すように、多数のコ
ネクター９上に回路基板１０を配装し、該基板１
０上に突出するコネクターピン４に対して本考案
の電源母線を装着するような実装例の場合、導体
板１に形成した突起部１Ａは回路基板１０に当接
して導体板本体を回路基板面から適当な間隔で浮
き上らせるので、回路基板１０の配線パターン１
０Ａとシヨートする危険性を好適に防止しながら
コネクターピン４相互の所要の接続処理を能率良
く行なえるようになる。

上記に於いて、導体板１の長手方向に沿つて連
続して一様に形成される隆起部２は、図示の台形
状に制約されず、その他山形状又は半円状等適宜
な断面形状を採用することができるが、斯かる隆
起部２の高さはコネクターピン４を孔３，３Ａに
挿通するに十分な程度に可及的に小さく形成する
のが望ましい。また、この隆起部２は、導体板１
に対して適当なバネ性を与えてコネクターピン４
に適度な保持力を付与するので、実装処理を更に
好適なものにする。また、上下一対の孔３，３Ａ
の形状は、コネクターピン４の形状に対応させて
円状その他のものに穿設することができる。この
ような構造の電源母線は、所要幅の導体板１を用
意し、これに突起部１Ａ及び一対の孔３，３Ａを
所要の間隔で多数その長手方向に設けるように打
抜き処理した後、曲げ加工を施すことにより隆起
部２を形成して孔３，３Ａが一線に合致するよう
に構成できるので、その製作は非常に簡単であ
る。

なお、斯かる電源母線に、メツキ等の防錆処理
を施すこと、またはその一方面ないしは全面に電
気的絶縁処理を施すこと等は任意可能である。こ
のような絶縁処理は、コネクターピン４の挿通用
孔３，３Ａの打抜き及び隆起部２の曲げ加工前に
予め導体板１に設けることもできる。

「考案の効果」 本考案の電源母線は、導体板の長手方向に連続
した一様な隆起部を形成し、この隆起部に上下一
対のコネクターピン挿通用孔を多数設けると共
に、導体板の長手方向両側端に適数個の突起部を
配設するという簡単な構成を有し、特に製品の大
幅な低コスト化を図れるという特長がある。隆起
部は導体板の長手方向に連続して形成されるので
製品の強度アツプと導体板に対する適当なバネ性
の付与により、コネクターピン４への挿通処理の
容易化とこのコネクターピン４に対する適度な保
持力を与えるように有効に寄与する。従つて、導
体板としては可及的に薄い素材を使用できると同
時に製品の実質的な厚さも薄く構成して、ピンの
列間隔の狭いコネクターに対しても好適に採用で
きるという利点の他、回路基板を介してコネクタ
ーピンに接続するような場合には、導体板の上下
の挿入方向に左右されることなく上記突起部が回
路基板の配線パターンとのシヨートを防止する作
用を備えるので、実装作業能率を格段に高めるこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に従つた電源母線の
概念的な部分拡大斜視図であり、第２図、第３図
及び第４図は従来のクリツプ式電源母線の構造例
を示す同様な部分拡大斜視図であり、そして、第
５図は、本考案に係る電源母線の実施例を概念的
に示す部分斜視構成図である。 １……導体板、１Ａ……突起部、２……隆起
部、３，３Ａ……一対の孔、４……コネクターピ
ン、９……コネクター、１０……回路基板、１０
Ａ……配線パターン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向に一様に隆起部を形成した導体板を有
   し、コネクターピンを挿通させる為の上下一対の
   孔を上記隆起部に所要間隔で複数個設けると共
   に、上記導体板の長手方向両側端に適数個の突起
   部を形成し、該突起部により方向性を与えること
   なくコネクターピンへいずれ側からでも挿通可能
   とすると共に、上記隆起部によるバネ性の付与に
   より上記コネクターピンに対する保持力を与える
   ように構成したことを特徴とする電源母線。