JPH0211631B2 - - Google Patents

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JPH0211631B2
JPH0211631B2 JP60075368A JP7536885A JPH0211631B2 JP H0211631 B2 JPH0211631 B2 JP H0211631B2 JP 60075368 A JP60075368 A JP 60075368A JP 7536885 A JP7536885 A JP 7536885A JP H0211631 B2 JPH0211631 B2 JP H0211631B2
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JP
Japan
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printing
printing ink
present
ink
norbornene
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JP60075368A
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JPS61235477A (ja
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Shoji Iwase
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Taniguchi Ink Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Taniguchi Ink Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Taniguchi Ink Manufacturing Co Ltd filed Critical Taniguchi Ink Manufacturing Co Ltd
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Publication of JPH0211631B2 publication Critical patent/JPH0211631B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、印刷インキに関し、更に詳しく云え
ば、各種の被印刷材の印刷に際し、優れたインキ
乾燥性と印刷作業性を与える印刷インキに関す
る。 (従来の技術) 従来、各種の被印刷材に図柄を与えるために
種々の印刷インキが知られている。 例えば、プラスチツクフイルム、金属、ガラス
等の非吸収性被印刷材の印刷に対しては、含有す
る溶剤の蒸発によつて乾燥する溶剤蒸発型の印刷
インキが使用され、また紙を代表とする吸収性被
印刷材に対しては、含有する溶剤が吸収されて乾
燥する印刷インキ、例えば、平版印刷インキ、凹
版印刷インキ、凸版印刷インキ、シルクスクリー
ン印刷インキ等が知られている。 上述の如き各種の印刷インキは、いずれもそれ
ぞれの印刷形式に応じた印刷版の表面にインキを
付与し、付与されたインキを被印刷材に転写し、
溶剤の蒸発、溶剤の吸収、ワニスの酸化重合等に
よつて乾燥させて印刷インキをセツトするもので
ある。 従つて、これらの印刷インキは、転写後は速や
かに乾燥するのが好ましく、そのように工夫され
ているが、一方では印刷インキの保存中あるいは
印刷中は、これらの印刷インキがなるべく乾燥し
ないことが要求される。これらの相反する要求を
調整すべく、その乾燥性がコントロールされてい
る。 (発明が解決しようとしている問題点) 従来、このような印刷インキ、特に酸化重合型
の印刷インキの乾燥のコントロールは、主として
ワニス成分の選択やドライヤーと称される多価金
属の脂肪酸塩あるいは皮張り防止剤等の添加によ
つて行われている。 すなわち、印刷インキの乾燥性が高すぎると、
印刷インキの貯蔵中や印刷機上で乾燥して酸化重
合膜が生じて、これが印刷インキに混入したり被
印刷材に移行して種々の問題が生じる。 また、印刷インキの乾燥性が低すぎるときは、
上記の如き問題点は生じないが、被印刷材上での
乾燥が遅く、印刷作業性が極端に悪化する。 従つて、このような相反する要求に妥協するた
めに、被印刷材上での乾燥速度も当然ある程度犠
牲にされ、印刷作業性という点での種々の不都合
を生じている。 また、従来の印刷操作は、なかには長時間連続
して行われるものもあるが、大部分は、時々中断
される場合が多い。例えば、一日の作業が終了す
ると、その後は翌朝の作業まで印刷機が放置され
ることになる。このような場合においては印刷イ
ンキは上述の如き適度の乾燥性が付与されている
ため、中断時に印刷機の印刷版やブランケツトト
に付着している印刷インキ層がその中断中に印刷
機上で乾燥することになる。 このように印刷機上で乾燥すると、そのままで
は次回の印刷開始時に満足できる印刷が行なえな
いために、印刷の中断後は直ちに印刷インキを取
除くか、あるいは印刷の開始前に乾燥した印刷イ
ンキを取除くことが必必要となる。 このような作業は、例えば1〜2時間の時間が
要求されるため、その間は印刷ができず、またそ
の作業に人員を要するため、工業上非常に不経済
な事態となつている。 従つて、印刷インキの保存中、印刷前の準備段
階あるいは印刷中断時に印刷機上で乾燥せず、そ
れにも係わらず、印刷後の被印刷材上では十分な
乾燥速度を有する印刷インキが理想であり、且つ
そのような印刷インキが強く要求されている。 これらの要求は、相反する要求であるため、従
来は上記の如き特性を有する印刷インキは提供し
得なかつた。 本発明者は上述の如き従来技術の欠点を解決
し、上述の業界の要望に応えるべく鋭意研究の結
果、従来の印刷インキ、特に酸化重合型の印刷イ
ンキに、特定の化合物を添加するときは、保存中
や印刷機上では非常に乾燥が遅く、従つて印刷操
作を、例えば夜間中断したとしても、その印刷機
上では印刷インキが乾燥しないため、次の印刷開
始時に印刷機の機掃が不要で直ちに印刷が開始で
き、それにも係わらず被印刷上では付与された印
刷インキの乾燥が十分に速いという理想的な印刷
インキが得られることを知見して本発明を完成し
た。 (問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、着色剤、ワニスおよび添
加剤を主要成分とする印刷インキにおいて、該添
加剤の1種として、無水―5―ノルボルネン―
2,3―ジカルボン酸と熱反応性フエノール樹脂
との反応生成物を含有することを特徴とする印刷
インキである。 次に本発明を更に詳細に説明すると、本発明の
印刷インキを構成する着色剤は、従来の印刷イン
キに使用されている顔料あるいは染料であつて、
従来公知の顔料あるいは染料は本発明の印刷イン
キの着色剤としていずれもそのまま使用できるも
のである。また、その使用量も従来公知の印刷イ
ンキと同様でよく、例えば、印刷インキ100重量
部中で、例えば約10〜40重量部を占める割合が一
般的である。 また、本発明の印刷インキを構成するワニス
も、従来公知の印刷インキ用ワニスはいずれも本
発明においてそのまま使用できるものであり、そ
の使用量も従来と同様に、例えば印刷インキ100
重量部中で約50〜80重量部を占める割合が一般的
である。 本発明の印刷インキのワニスとして好ましいも
のは、従来の平版印刷インキ等に使用されている
後述の如き天然または合成の酸化重合型樹脂、す
なわちそれらの構造中に重合性二重結合を有し、
空気中の酸素によつて重合硬化して被膜を構成す
るものである。これらの平版印刷インキ用のワニ
スは、多数のものが公知であり、本発明において
はこれらの公知のものがいずれも使用し得る。 本発明の印刷インキは上記の着色剤およびワニ
ス成分を主要な構成材料としており、その他イン
キ溶剤、ドライヤー、レベリング改良剤、増粘
剤、皮張り防止剤その他従来公知の添加剤は本発
明の印刷インキにおいていずれも使用できるもの
である。 例えば、インキ溶剤は、インキの粘度、稠度、
フロー等を修正するために加えられるものであ
り、印刷インキ用として従来使用されている各種
の有機溶剤、例えば軽油、スピンドル油、各種イ
ンキソルベント、マシン油等はいずれも使用し得
るものであり、その使用量は、印刷インキ100重
量部中で約5〜80重量部を占める割合が一般的で
ある。 ドライヤーとしては、コバルト、マンガン、セ
リウム、ジルコニウム、鉛、鉄、亜鉛、銅、バナ
ジウム、バリウム、カルシウム等の多価金属のナ
フテン酸、オクチル酸、樹脂酸、トール油等の油
溶性カルボン酸の塩等であり、これらのドライヤ
ーは、印刷インキ100重量部中金属として約0.005
〜0.5重量%を占める割合で使用するのが一般的
である。 本発明においては、上記の如き添加剤の1種と
して特定の化合物、すなわち無水―5―ノルボル
ネン―2,3―ジカルボン酸と熱反応性フエノー
ル樹脂との反応生成物(以下特定化合物という)
を使用することを主たる特徴としており、このよ
うな特徴故に本発明の目的が達成された。 本発明において使用する特定化合物は、従来公
知の方法、例えばシクロペンタジエンに無水マレ
イン酸を付加することにより得られる無水―5―
ノルボルネン―2,3―ジカルボン酸と従来塗
料、印刷インキあるいは各種の樹脂成形技術で使
用されている熱反応性フエノール樹脂との反応に
よつて得られるものである。 このような熱反応性フエノール樹脂としては、
フエノールやパラ置換フエノールに、アルカリ触
媒を用いて、ホルマリンまたはパラホルムアルデ
ヒドを反応させたもの、ノボラツク樹脂にアルカ
リ触媒を用いて、ホルマリンまたはパラホルムア
ルデヒドを反応させたものが挙げられる。 パラ置換フエノールとしては、メチルフエノー
ル、エチルフエノール、プロピルフエノール、ブ
チルフエノール、ペンチルフエノール、オクチル
フエノール、ノニルフエノール等のアルキルフエ
ノール、シクロヘキシルフエノール等の脂環状フ
エノール、フエニルフエノール、クミルフエノー
ル、ビスフエノールA、ビスフエノールF等の芳
香族含有フエノール、アリルフエノール等が挙げ
られる。 このようなフエノール類から得られる熱反応性
フエノール樹脂は本発明においていずれも使用で
きるが、あまりに重合度の高いものでは、最終的
に得られる特定化合物のインキ溶剤に対する溶解
性、ワニス成分との相溶性(あるいは反応性)等
が悪くなり、その結果、印刷物の光沢等が低下す
る原因となるので好ましくない。本発明の詳細な
研究によれば、それらの重合度が1〜10、最も好
ましくは1〜5の範囲であることを見い出した。 このような熱反応性フエノール樹脂と無水―5
―ノルボルネン―2,3―ジカルボン酸との反応
は非常に容易であり、有機溶剤中または有機溶剤
の不存在下で、あるいは前記の如き印刷インキワ
ニス成分中で50〜200℃、好ましくは80〜150℃の
温度で約0.1〜20時間反応させることによつて得
られる。 無水―5―ノルボルネン―2,3―ジカルボン
酸と熱反応性フエノール樹脂との反応割合は、特
の限定されないが、熱反応性フエノール樹脂1モ
ル割合に対して無水―5―ノルボルネン―2,3
―ジカルボン酸が約0.02〜2.0モル割合が好適で
ある。無水―5―ノルボルネン―2,3―ジカル
ボン酸の使用割合が上記範囲未満であると本発明
の目的の達成が不十分であり、上記範囲を超える
量を使用しても、それに比例して効果がそれだけ
向上するものでなく、逆に多量のカルボシル基の
存在によつて、印刷インキの物性を低下させる恐
れが生じる。 このようにして得られる特定化合物の構造は必
ずしも明確ではないが、本発明者の想像によれば
下記の如き構造で示されるものと考えられる。 式中のXは―CH2―O―CH2―または―CH2
であり、Rは前記例示の化合物に存在する置換基
を表する。 上記の如き本発明で使用する特定化合物を添加
剤の1種として印刷インキ中に包含させる場合に
は、特定化合物のカルボキシル基の量を基準とし
て添加するのが好ましく、印刷インキ100gに対
し、特定化合物のカルボキシル基が0.0001〜
0.005モル、好ましくは0.001〜0.02モルとなる量
が好適である。 添加量が上記範囲から外れる量となると本発明
の所期の効果、すなわち容器中の印刷インキや印
刷機上での印刷インキの乾燥抑制効果および被印
刷材上での速乾性が達成すれず、一方、上記範囲
以上の使用量では、印刷インキの品質が変化し、
例えば、過剰のカルボキシル基の存在によつて、
インキ中の着色剤が塩基性の顔料である場合には
これらの顔料と反応したり、また印刷インキが経
時的に変化したり、水を用いるオフセツト印刷で
は、版材へのよごれや水まけの原因ともなるので
好ましくない。 本発明で使用する特定化合物は、印刷インキの
製造工程の任意の段階で添加することができ、且
つ特定化合物は反応性のあるメチロール基、フエ
ノール性水酸基あるいはカルボキシル基等を有し
ているため、添加された特定化合物がそのままの
状態で印刷インキ中に存在している必要はなく、
例えばワニス成分の製造中に無水―5―ノルボル
ネン―2,3―ジカルボン酸と熱反応性フエノー
ル樹脂を添加して、ワニス成分の製造とともに特
定化合物を形成し、該特定化合物を更にワニス成
分に反応させたものでもよい。 また、一旦特定化合物を調製し、該特定化合物
と少量のワニス成分とを反応させて変化し、この
変性物をインキワニス成分中に添加してもよい。 更に、印刷インキの調製時に他の成分とともに
混練して添加してもよい。 いずれにしても特定化合物がワニス成分と反応
してもなくても、特定化合物がワニス成分と均一
に相溶する限り、その添加時期やその印刷インキ
中での存在の形態は問われない。 しかしながら、最も好ましい態様は、特定化合
物はインキ溶剤に対して溶解性が不十分であるの
で、特定化合物とワニス成分、特に不飽和化合物
と一旦反応させて得れる反応生成物をインキ成分
中に添加するのが好ましい。 このような不飽和化合物としては、例えばロジ
ン、ロジン誘導体、キリ油、アマニ油、エノ油、
サフラワー油、麻実油、綿実油、トウモロコシ
油、ゴマ油、ナタネ油、コメヌカ油、イカ油、魚
油、鯨油等の天然の乾性油、半乾性油、あるいは
これから得られる脂肪酸あるいはそれらの誘導
体、また、脱水ヒマシ油、脱水ヒマシ油脂肪酸、
ハイジエン脂肪酸(綜研科学)、トール油脂肪酸
等の天然物の変性タイプ、ロジン、乾性油、半乾
性油等で変性されたアルキツド樹脂、フエノール
樹脂、ビニル樹脂、キシレン樹脂、ウレタン樹脂
等、更に平均分子量が2500以下のポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ブタジエンオリゴマー、イ
ンデン樹脂、クマロン樹脂、シクロペンタジエン
樹脂、石油樹脂等が挙げられる。 特にこれらの不飽和化合物のなかで、前記の特
定化合物と反応し易く、好ましいものとしては、
二重結合、特に共役二重結合や多数の二重結合を
有する化合物、例えばライムロジン等のロジン金
属塩、ロジングリセリンエステル、ロジンペンタ
エリストールエステル等のロジン多価アルコール
エステル等のロジン誘導体、キリ油、アマニ油、
脱水ヒマシ油、脱水ヒマシ油脂肪酸多価アルコー
ルエステル、ハイジエン脂肪酸アルコールエステ
ル等が好ましいものである。 このような不飽和化合物と特定化合物との反応
は、100〜250℃、好ましくは150〜200℃で約0.1
〜20時間加熱することにより、脱水反応等により
反応し、特定化合物がワニス成分に対し十分に相
溶性となることができる。 このような特定化合物と不飽和化合物との反応
割合は特に限定されず、要するに特定化合物がワ
ニス成分中に十分に相溶するようになれば良い
が、好ましくは、特定化合物100重量部あたり、
不飽和化合物約0.1〜100重量部の割合で反応させ
る。 またこのようにして得られた反応生成物をワニ
ス成分中に添加する量は、特定化合物と不飽和化
合物の反応比率によつて変化するが、印刷インキ
中でこれらの反応生成物が少なくとも1重量%、
好ましくは5重量%以上を占める添加量が好まし
い。 また、印刷インキのワニス成分として前記の如
き不飽和化合物以外のワニス成分、例えば、フエ
ノール樹脂、石油樹脂、アルキルフエノール樹
脂、ギルソナイト、環化ゴム、ケトン樹脂、ビニ
ル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等も併用し
得るが、本発明においては、これらの樹脂と前記
の特定化合物とを前記と同様に反応させて同様に
使用してもよい。 本発明の印刷インキは上述の成分から構成され
るが、本発明者の更に詳細な研究によれば、上記
成分からなる本発明の印刷インキ中に更に添加剤
として還元性有機化合物を添加することによつ
て、印刷インキの容器内および印刷機上での早す
ぎる乾燥が一層抑制され、しかも上記本発明によ
る印刷インキの被印刷材上での優れた速乾性が何
ら阻害されないことを知見した。 このような還元性有機化合物としては、従来酸
化防止剤や安定剤等として使用されている有機化
合物、すなわちワニス成分よりも酸化され易い化
合物であればいずれの化合物でも使用できるが、
本発明者の詳しい研究によれば、特に本発明の目
的に好ましい還元性有機化合物は下記の還元性有
機化合物であることを知見した。 〔但し、上記式中のR1
【式】― OH、―NH2、―NH・CH3、―NH・C2H5、―
N(CH32、―N(C2H52―NH・CH2OHまたは
―NHC2H5OHあるいはこれらの中和塩を表わ
し、R2、R3、R4はH、F、Cl、Br、I、炭素数
1〜4のアルキル基、―CH2OH、―OH、―
NH2、―NHCH3、―NHC2H5、―N(CH32
―N(C2H52、―NH―CH2OHまたは―NH・
C2H4OH、あるいはこれらの中和塩を表わす。〕 このようなワニス成分の具体例としては、例え
ば、1―フエニル―3―ピラゾリドン、パラジオ
キシベンゼン、オルトジオキシベンゼン、2,6
―ジオキシフエノール、3,5―ジターシヤルブ
チル―4―ヒドロキシトルエン、パラアミノフエ
ノール、オルトアミノフエノール、パラフエニレ
ンジアミン、オルトフエニレンジアミン、モノメ
チルパラアミノフエノール、モノメチルメタアミ
ノブチル、2,4―ジアミノフエノール、2―ク
ロル―4―オキシフエノール、4―アミノ―N,
N―ジエチルアニリン、4―アミノ―N,N―ジ
メチルアニリン、4―アミノ―N,N―ジエチル
アミノメタトルイジン、またはそれらの中和塩が
挙げられる。 以上の如き還元性有機化合物の添加量は任意の
量でよいが、例えば印刷インキの固形分100重量
部中で約0.001〜2.0重量部を占める割合で添加す
るのが好ましい。 添加量が上記の範囲未満の量では目的とした効
果の達成が十分でなく、また上記範囲を超える添
加量では、被印刷材上での乾燥性が十分でなくな
るので好ましくない。 このような還元性有機化合物の添加によつて、
本発明の印刷インキの容器内や印刷機上での乾燥
が一層抑制されることになる。 (作用・効果) 以上の如き本発明によれば、本発明の印刷イン
キは容器中や印刷機上の如く、印刷インキが塊状
あるいは比較的厚い膜状で存在する場合には、酸
化重合性が低く、従つて容器中で有害な乾燥膜を
形成する傾向が著しく低減され、また印刷機上で
の印刷インキの乾燥が非常に遅くなつている。 従つて、既に述べた通り、容器内あるいは印刷
機上での早すぎる乾燥が十分に抑制されているの
で、従来技術における如き酸化重合膜による種々
のトラブルが解決されている。 また、従来は印刷作業を中断するときは、その
まま中断すると印刷機上の印刷インキが乾燥して
酸化重合膜を形成するために、中断時または次の
印刷開始時に印刷機の機掃が不可欠でり、そのた
め多くの労力を浪費していたが、本発明の印刷イ
ンキは、例えば1夜程度印刷機を放置しても印刷
機上の印刷インキが乾燥しないために、直ちに次
の印刷操作を開始できるという従来技術では考え
られなかつた利点を有するものである。 本発明の印刷インキは上記の如き利点を有する
にも関わらず、紙の如き被印刷材に印刷された後
は、十分に速い乾燥性を示すものであつた。 以上の如き作用効果の理論的な根拠は正確には
判明していないが、本発明者の研究によれば、本
発明の印刷インキ中に配合されている前記の特定
化合物が、別に加えられたドライヤーの金属を、
その遊離のカルボキシル基、エステル基、フエノ
ール性水酸基等の極性基により、ノルボルネン環
の二重結合の近くに配位されて印刷インキ中で均
一且つ安定に存在し、空気中の酸素の供給が不十
分である容器中や印刷機上では酸化による印刷イ
ンキの乾燥が十分に抑制され、一方、被印刷材上
に付与された印刷インキの如く極めて薄膜状の状
態、すなわち十分に酸素が供給される状態では、
上記配位されたドライヤーの金属がノルボルネン
環の二重結合を容易に活性化して、ワニス成分の
酸化重合が迅速に開始されるものと考えられる。 このような本発明の印刷インキの作用効果は、
本発明の印刷インキ中に前記の如き還元性有機化
合物を添加することにより更に著しく向上するも
のであつた。 また、従来の印刷インキの場合には、使用した
着色剤がドライヤー金属に作用するため、例えば
着色剤がカーボンブラツクである場合には、この
カーボンブラツクが経時的にドライヤー金属を吸
着するために、印刷インキの乾燥性が変化し易
く、そのため必要以上のドライヤーを添加する如
く、使用した着色剤ごとにドライヤーの添加量を
変えねばならず、そのため非常に煩雑であつた。 これに対して、本発明の印刷インキにおいては
このような傾向が全く認められず、いかなる着色
剤を用いても、添加するドライヤーは一定でよい
ことを知見した。 このような作用効果もまた本発明において使用
した特定化合物が着色剤よりも強力に且つドライ
ヤーの作用を何ら損なうことなく、ドライヤーの
金属を配位して安定に保持するためであると考え
られる。 以上の通り、本発明の印刷インキは、従来は不
可能であると考えられていた容器あるいは印刷機
上での印刷インキの早すぎる乾燥を十分に抑制で
きるとともに、紙等の被印刷材では十分に早い乾
燥が達成されるため、種々の印刷作業性が著しく
改善し得たものである。 次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明
する。なお、文中、部または%とあるのは特に断
りの無い限り重量基準である。 実施例 1―1 温度計、撹拌棒、還流冷却器および窒素ガス導
入管を備えた四ツ口丸底フラスコに、レジトツプ
PS2600(群栄化学社製、熱反応型ターシヤルブチ
ル変性フエノール樹脂、平均分子量600、重合度
約2)600部、無水―5―ノルボルネン―2,3
―ジカルボン酸16.4部(0.1モル)、トルエン600
部を仕込み、窒素ガスでフラスコ内の空気を置換
した後、撹拌しながら、120℃に昇温し、15時間
エエステル化反応を行い、酸価が計算量だけ低下
したことを確認した後、アマニ油2000部を加え、
温度を180℃に昇温し、トルエンと水を回収しな
がら3時間反応を続け、二塩基酸フエノール変性
アマニ油を得た。 この二塩基酸フエノール変性アマニ油25部に、
ベツカサイトF―180(大日本インキ社製、ロジン
フエノール樹脂)25部、5号ソルベント29部、カ
ーミン6BC(顔料)20部、オクチル酸マンガン
(金属として8%)1.0部をを混合練肉し、本発明
の印刷インキを得た。 実施例 1―2 実施例1―1の無水―5―ノルボルネン―2,
3―ジカルボン酸の使用量を41.0部(0.25モル)
としたことを除いて、実施例1―1を操返し、本
発明の印刷インキを得た。 実施例 1―3 実施例1―1の無水―5―ノルボルネン―2,
3―ジカルボン酸の使用量を82.0部(0.5モル)
としたことを除いて、実施例1―1を繰返し、本
発明の印刷インキを得た。 実施例 1―4 実施例1―1の無水―5―ノルボルネン―2,
3―ジカルボン酸の使用量を123.0部(0.75モル)
としたことを除いて、実施例1―1を繰返し、本
発明の印刷インキを得た。 実施例 1―5 実施例1―1の無水―5―ノルボルネン―2,
3―ジカルボン酸の使用量を164.0(1.0モル)と
したことを除いて、実施例1―1を繰返し、本発
明の印刷インキを得た。 実施例 2 温度計、撹拌棒、還流冷却器および窒素ガス導
入管を備えた四ツ口丸底フラスコに、レジトツプ
PS2600(群栄化学社製、熱反応型ターシヤルブチ
ル変性フエノール、平均分子量600、重合度約2)
600部、無水―5―ノルボルネン―2,3―ジカ
ルボン酸82部(0.5モル)およびトルエン600部を
仕込み、窒素ガスでフラスコ内の空気を置換した
後、撹拌しながら、120℃に昇温し、15時間エス
テル化反応を行い、酸価が計算量だけ低下したこ
とを確認した後、中国キリ油2000部を加え、温度
を180℃に昇温し、トルエンと水を回収しながら
3時間反応を続け二塩基酸フエノール変性キリ油
を得た。 この二塩基酸フエノール変性キリ油25部に、ベ
ツカサイトF―180(大日本インキ社製、ロジン変
性フエノール樹脂)25部、5号ソルベント29部、
カーミン6BC(顔料)20部、オクチル酸マンガン
(金属として8%)1.0部を混合練肉し、本発明の
印刷インキを得た。 実施例 3 温度計、撹拌棒、還流冷却器および窒素ガス導
入管を備えた四ツ口丸底フラスコに、レジトツプ
PS2655(群栄化学社製、熱反応型ターシヤルブチ
ル変性フエノール樹脂、平均分子量800、重合度
約2.5)600部、無水―5―ノルボルネン―2,3
―ジカルボン酸82部(0.5モル)およびトルエン
600部を仕込み、窒素ガスでフラスコ内の空気を
置換した後、撹拌しながら、120℃に昇温し、15
時間エステル化反応を行い、酸価が計算量だけ低
下したことを確認した後、ロジンペンタエリスリ
トールエステル(酸価5.2)2000部を加え、温度
を180℃に昇温し、トルエンと水を回収しながら
3時間反応を続け、二塩基酸フエノール変性ロジ
ンペンタエリストールエステルを得た。 この二塩基酸フエノール変性ロジンペンタエリ
ストールエステル25部に、ハリフタールSL889
(ハリマ化成社製、アマニ油変性アルキツド樹脂)
25部、5号ソルベント29部、カーミン6BC(顔料)
20部、オクチル酸マンガン(金属として8%)
1.0部を混合練肉し、本発明の印刷インキを得た。 実施例 4 実施例1―2で得られた本発明の印刷インキ
100部(固形分)に対し、還元性有機化合物フエ
ニレンジアミンを0.25部の割合で添加し、均一に
混合して本発明の印刷インキを得た。 実施例 5 実施例2で得られた本発明の印刷インキ100部
(固形分)に対し、還元性有機化合物パラアミノ
フエノールを、0.25部の割合で添加し、均一に混
合して本発明の印刷インキを得た。 実施例 6 実施例3で得られた本発明の印刷インキ100部
(固形分)に対し、還元性有機化合物オルトジオ
キシベンゼンを、0.25部の割合で添加し、均一に
混合して本発明の印刷インキを得た。 比較例 1 実施例1―2の無水―5―ノルボルネン―2,
3―ジカルボン酸を加えないで、実施例1と同様
の反応を行い得られたフエノール変性アマニ油を
用いて、実施例1と同様の方法で比較用の印刷イ
ンキを試作した。 比較例 2 実施例2の無水―5―ノルボルネン―2,3―
ジカルボン酸を加えないで、実施例2と同様の反
応を行い得られたフエノール変性キリ油を用い
て、実施例2と同様の方法で比較用の印刷インキ
を試作した。 比較例 3 実施例3の無水―5―ノルボルネン―2,3―
ジカルボン酸を加えないで、実施例3と同様の反
応を行い得られたフエノール変性ロジンペンタエ
リストールエステルを用いて、実施例3と同様の
方法で比較用の印刷インキを試作した。 評価テスト 実施例1〜6および比較例1〜3で得られた印
刷インキを使用して、厚膜の乾燥時間および薄膜
の乾燥時間を測定し、その比を求めた。 厚膜の乾燥は、印刷インキ10部をガラス板上に
肉厚に盛り、25℃の恒温室に入れて表面の指触が
なくなつた時間を測定した。 薄膜の乾燥時間は、印刷インキ0.4mlをRIテス
ターで硫酸紙に展色後、印刷インキ乾燥試験機で
乾燥時間を測定した。 その結果を、第1表に示した。
【表】 以上の通り、本発明の印刷インキは、厚膜状態
での乾燥時間と薄膜状態での乾燥時間の差が極め
て大であり、臨容器内や印刷機上での優れた安定
性と被印刷材上での優れた速乾性を示すものであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 着色剤、ワニスおよび添加剤を主要成分とす
    る印刷インキにおいて、該添加剤の1種として、
    無水―5―ノルボルネン―2,3―ジカルボン酸
    と熱反応性フエノール樹脂との反応生成物を含有
    することを特徴とする印刷インキ。 2 無水―5―ノルボルネン―2,3―ジカルボ
    ン酸と熱反応性フエノール樹脂との反応生成物が
    ワニス成分と反応している特許請求の範囲第1項
    に記載の印刷インキ。 3 無水―5―ノルボルネン―2,3―ジカルボ
    ン酸と熱反応性フエノール樹脂との反応生成物に
    多価金属が配位している特許請求の範囲第1項に
    記載の印刷インキ。 4 多価金属がドライヤーとして添加された多価
    金属である特許請求の範囲第3項に記載の印刷イ
    ンキ。 5 着色剤,ワニスおよび添加剤を主要成分とす
    る印刷インキにおいて、該添加剤として、無水―
    5―ノルボルネン―2,3―ジカルボン酸と熱反
    応性フエノール樹脂との反応生成物と還元性有機
    化合物とが添加されていることを特徴とする印刷
    インキ。 6 還元性有機化合物が、下記一般式で表わされ
    る化合物である特許請求の範囲第5項に記載の印
    刷インキ。 [但し、上記式中のR1は【式】― OH、―NH2、―NHCH3、―NHC2H5、―N
    (CH32、―N(C2H52、―NHCH2OHまたは―
    NHC2H5OHあるいはこれらの中和塩を表わし、
    R2、R3、R4はH、F、Cl、Br、I、炭素数1〜
    4のアルキル基、―CH2OH、―OH、―NH2
    ―NHCH3、―NHC2H5、―N(CH32、―N
    (C2H52、―NHCH2OHまたは―NHC2H4OHあ
    るいはこれらの中和塩を表わす。
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