JPH0211443Y2

JPH0211443Y2 -

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Publication number: JPH0211443Y2
Application number: JP1986144280U
Authority: JP
Priority date: 1986-09-19
Filing date: 1986-09-19
Publication date: 1990-03-23
Also published as: JPS62110303U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は橋梁または高架道路の道路継目に構築
する道路継目伸縮装置に関する。

（従来の技術）従来、道路継目伸縮装置の一例として、例えば
特公昭45−20344号公報或いは実開昭52−35835号
公報に開示されている如く、床版上に配設された
シール板に対して適用する一対の押え部材の相対
する端面に波形の凹凸部を設け、かつ、一方の押
え部材の凸部を対向する他方の床版に敷設したシ
ール板の上に床版遊間を跨いで橋架状に設けたも
のがある。

一方、対向面を凹凸にしたフエイスプレートを
アンダープレートに対しウエブプレートを介して
支持し、このアンダープレートを鋼桁に支持した
所謂フインガージヨイントも一般に知られてい
る。

（考案が解決しようとする問題点）上記両従来技術は、いずれも遊間両側の互いの
凸部同志を噛合わせて道路継目部に波形間隙を形
成したものがあるが、最大遊間時（冬期）におい
ても互いの凸部同志に20mm程度のラツプ、つまり
最小ラツプ長を設けることを必須の要件としてお
り、この最小ラツプ長を確保すため凸部の突出長
を大としなけれだならない。前者の従来技術で
は、突出長さ大の凸部を相手側の床版上に橋架状
に支持せしめているが、該床版の橋長方向の中央
部が通行車両の荷重により下方へ撓み、遊間側の
端部が上動した際に上記橋架した凸部が無理に持
ち上げられる。従つて、押え部材を固定するアン
カーボルトに大きな負担が加わり、アンカーボル
トあるいは押え部材の破損やアンカーボルトに締
付けたナツトの弛みを招くという不具合がある。

一方、後者の従来技術においては、凸部の橋架
は一般には行なわれないが、突出長さ大の凸部に
輪荷重が作用した場合のジヨイント破損（脱落）
を防止するためジヨイントの固定には、主として
アンダープレートを鋼桁にボルトで結合する桁固
定方式の採用が望まれ、また凸部が長いためフエ
イスプレートをウエブプレートよりもさらに後方
へ大きく延ばし、その下面にリブを設けて凸部の
先端荷重を受け止める必要があり、このフエイス
プレート下面へのコンクリートの充填不足を招き
易く、ジヨイント部材の製作に手間がかかるだけ
でなく、施工が難しく、施工不備を招いて耐久性
の点で不満足な結果に終わることが多いという問
題がある。

（問題点を解決するための手段）本考案は、かかる点に鑑み、従来の最小ラツプ
長を設けた波形間隙方式、及び、一方の押え部材
の凸部を床版遊間を跨いで橋架状に設けた橋架状
方式とは異なる考え方、つまり、最小ラツプ長を
設けず、かつ、凸部が床版遊間を跨がない波形間
隙方式でもつて車両走行性が良く、振動、騒音の
低減効果が高いという利点をもちながら、なおか
つ、構造が簡単で施工が容易であると共にアンカ
ーボルトに負担のかからない道路継目伸縮装置を
提供しようとするものである。

すなわち、本考案の道路継目伸縮装置は、道路
継目部の遊間の両側に位置する道路本体の取付部
にそれぞれ上面を路面高さに合わせた一対の横板
が取り付けられ、この両横板に、前記遊間側に凹
部と凸部を継目長手方向において交互に設けてな
る凹凸部が形成されていて、前記両横板の互いの
凹部と凸部とが遊隙を存して略同一高さで対向
し、前記両取付部が互いに最も離間した状態にお
いて自由端である両横板の凸部先端同志の間に側
方からみて遊間上の隙間が設けられており、前記
両取付部が互いに最も接近した状態において前記
両横板の各凸部先端は遊間上に位置するよう形成
されている構成とするものである。

（作用）上記道路継目伸縮装置の場合、車両は一方の凹
凸部の凹部からタイヤの一部が若干落ちん込だ後
に、凸部から上記隙間にタイヤの巾方向の残部が
落ち込み、その後、他方の凹凸部の凸部からタイ
ヤの一部が乗り上げた後、残部が凹部から乗り上
げるという挙動をとり、直線状の間隙で生ずるよ
うなタイヤの急激な上下動がなくなる。また、タ
イヤは上記他方の押え部材に乗り上げる際、タイ
ヤ巾の全体ではなくその一部が先に凸部に当つて
局部的に凹むから、この凹む過程で衝撃がタイヤ
により弾性的に吸収される（タイヤ巾全体が同時
に押え部材に当たると、タイヤは実質的な凹みが
なく剛に衝突したようになる）。

つまり、従来の波形間隙方式は最小ラツプ長を
設けることによりタイヤの落ち込みを零にしよう
とするものであるが、本考案は、最小ラツプ長を
設けず、タイヤの若干の落ち込み自体は許容して
タイヤの急激な上下動を防止する波形間隙方式を
採用するものである。

言い変えると、凸部先端同志に遊間上の隙間が
生じるように設定されているために、凸部の突出
長さを短くすることができ、また、自由端である
凸部の先端が相手材の床版に支持されておらず、
この相手材の床版の中央部が通行車両の荷重によ
り下方へ撓み、遊間側の端部が上動しても凸部の
先端が無理に持ち上げられることがない。

（考案の効果）従つて、本考案によれば、遊間が広く且つ大き
な伸縮量が要求される道路継目部においても、凸
部の突出長さが短い横板によつて、タイヤの急激
な上下動を防止し、良好な車両走行性の確保、振
動および騒音の低減を図ることができ、そして、
上記凸部の突出長さを短くすることができること
により、輪荷重に対する耐力が向上するととも
に、道路橋端部に対する横板の支持構造の簡易
化、従つて、施工の容易化を図り、取付安定性な
いしは取付精度が高く、また、凸部の先端が相手
材の床版に支持されていないことにより、床版の
遊間側の端部が上動してもアンカーボルトに負担
がかからず、アンカーボルトあるいは横板の破損
やアンカーボルトに締付けたナツトの弛みを招く
という不具合の生じない伸縮装置を得ることがで
きるようになる。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図において、１は道路継目伸縮装置であ
る。２はゴムなどの弾性材料によつて形成され、
両側にアンカーボルト３の間隔と同じ間隔Ｐをも
つて透孔４が穿設された板状クツシヨン部５，５
を有し、中間に可撓性伸縮部６が形成されたシー
ル部材である。相対向する道本体としてのコンク
リート床版７，７の部材取付部８，８には切欠段
部１０，１０が形成されていて、この切欠段部１
０，１０に前記アンカーボルト３，３…の根部を
埋設した後打ちコンクリート部が設けられ、この
後打コンクリート部に上記シール部材２の両板状
クツシヨン部５，５が橋架状に設置されている。

そして、上記両板状クツシヨン５，５の上に一
対の横板１１Ａ，１２Ａが設けられている。この
両横板１１Ａ，１２Ａは、対向端面１３，１４，
つまりり遊間側に凹部１６と凸部１７を継目長手
方向において交互に設けた角波形の凹凸部１５が
形成されていて、互いの凹部１６と凸部１７とが
遊隙１８を存して略同一高さで対向している。そ
して、両横板１１Ａ，１２Ａは、締め付けナツト
１９，１９…により前記板状クツシヨン部５，５
とともにアンカーボルト３，３…に締結され、か
つ該横板１１Ａ，１２Ａの上端面２０，２０が舗
装２１表面に一致するように設けられている。２
２は遊間、２３は主筋、２７は固定ナツト、２８
は座金である。

さらに、前記横板１１Ａ，１２Ａ間の遊隙１８
および前記シール部材２の可撓性伸縮部６の上部
空間に柔軟性、可撓性の流しみシール材２９が充
填されている。上記道路継目伸縮装置１におい
て、横板１１Ａ，１２Ａの凹部１６の端面は床版
端面と面一であり、凸部１７の端面は遊間２２の
上に位置し、両横板１１Ａ，１２Ａの互いの凸部
が遊間上において波形の遊隙１８を存して噛合し
ている。そして、第１１図に示す如く、床版端面
から横板の凸部１７の端面に至る凸部の突出長さ
（波形の高さｈ）は凸部の付け根巾Ｗよりも小さ
く設定されており、これにより、凸部先端に加わ
る輪荷重によつて凸部の付け根部に作用する曲げ
応力が大きくならないようにしている。

また、シール材２９はシール部材２の伸縮部６
の上に位置するシール材と横板１１Ａ，１２Ａの
遊隙１８に位置するシール材とが一体になつてお
り、伸縮部６の上のシール材は横板１１Ａ，１２
Ａで押えられている。

しかして、上記波形の高さｈ、つまり凸部１７
の突出長さは遊間２２が通常40〜60mmの場合、ほ
ぼ10〜15mmに設けられ、従つて、両横板１１Ａ，
１２Ａの凸部１７，１７の先端は自由端に形成さ
れると共に、互いの凸部１７，１７の先端の間に
は側方からみて20〜30mmの隙間が形成される。す
なわち、上記道路継目伸縮装置１においては、コ
ンクリート床版の最大収縮時、つまり、コンクリ
ート床版７，７の部材取付部８，８が互いに最も
離間した時に凹凸部１５，１５の互いの凸部１
７，１７の先端同志がラツプせず、第２図に示す
如く側方（道路巾方向）からみてこの凸部１７，
１７の先端同志に隙間４０を生ずるように設定さ
れている。また、コンクリート床版の最大膨張
時、つまり部材取付部８，８が互いに最も接近し
た時に、各凸部１７，１７の先端は遊間２２上に
位置しており、これにより各凸部１７，１７の先
端と対向する道路本体とは互いに間隔をおいてい
る。

上記本考案装置の設置に際しては、横板１１
Ａ，１２Ａはアンカーボルト３，３の位置規制枠
の一部として使用することができる。たとえば、
第２図に示す如く、横板１１Ａ，１２Ａを平行に
して、これらにライナー３０，３０を介して横杆
３１，３１……を直角に交叉せしめ、後述のねじ
孔３８，３８……にボルト３２を締めてアンカー
ボルト位置規制枠３３を構成する。そして、前記
横板１１Ａ，１２Ａは、後述の取付孔３７，３７
……にアンカーボルト３，３……を仮取付けし
て、アンカーボルトの根部を、床版を切欠いて設
けた切欠段部１０，１０の所定位置に位置せしめ
て横杆３１を舗装２１の上面に載置し、該切欠段
部１０，１０に幕板２６を利用して後打ちコンク
リートを打設するものである。後打ちコンクリー
トが固化したのち、横杆３１，３１……、横板１
１Ａ，１２Ａおよびライナー３０，３０を取り外
し、そのあとに、シール部材２の板状クツシヨン
部５，５を後打ちコンクリートのシール部材取付
面３４，３４に載置し、該板状クツシヨン部上に
前記横板１１Ａ，１２Ａを載置して、アンカーボ
ルト３，３に締め付けナツト１９を適用して固定
する。なお、第２図において、２４は配力筋、２
５は埋込み鉄筋である。また、上記ライナー３
０，３０としては、対向端の形状が第３図に示す
角波形の凹凸形状のもの以外に直線形状のものを
用てもよい。

本例の横板１１Ａ，１２Ａは、第４図にも示す
如く鋼製の下部横基層３５とゴムなどの弾性材の
上部クツシヨン層３６を一体にして、ほぼ長方形
断面の長尺ものに形成され、該橋長方向幅のほぼ
中間に一定間隙Ｐをもつたアンカーボルト用の取
付孔３７と、セツターに使用する場合の前記横杆
３１を取付けるねじ孔３８とが設けられている。
該ねじ孔３８はソケツト３９に雌ねじを設け、こ
のソケツトを横板１１Ａ，１２Ａに埋設したもの
である。また、後述の全鋼製の横板の場合は、単
にねじを設ける。なお、横板１１Ａ，１２Ａは第
６図および第７図に示すように、下部横基層３５
と上部クツシヨン層３６の幅を同じにした横板１
１Ｂ，１２Ｂ、下部横基層３５の幅を上部クツシ
ヨン部３６の幅より狭くして該クツシヨン層内に
埋設した横板１１Ｃ，１２Ｃに形成したり、他の
材料たとえば全部を鉄鋼材もしくはコンクリート
等の硬質材または合成樹脂モルタルもしくは内部
にガラス繊維を埋設した強化合成樹脂（FRP）
等の可塑材で形成したり、また、前記凹凸部１５
の波形形状を第９図および第１０図に示すよう
に、大きな折線波形もしくは曲線波形に形成した
りすることも可能である。

実施例の上記構成による効果は以下のとおりで
ある。

(i) 横板の凸部の端面が遊間の上に位置している
ため、道路橋の撓みによつ〃て遊間を存して相
対する道路橋端部の上面高さに段違いが生じて
も、横板やアンカーボルトの破損を招くことが
なく、道路継目伸縮装置の耐久性が向上すると
共に、相対する両横板の形状、大きさを同じに
することができるため該横板の製作および取付
施工が容易となる。

(ii) 横板の凸部の突出長さをその付け根巾よりも
小さくしたから、凸部先端に加わる輪荷重によ
つて凸部の付け根部に付用する曲げ応力が小さ
くなり、凸部は耐荷強度が高くなつて輪荷重に
よる折損が防止される。

(iii) シール部材の伸縮部上空間から横板間の遊隙
にかけて流し込みシール材を充填したから、上
記伸縮部上のシール材と遊隙のシール材とが一
体になり、伸縮部上のシール材が横板の凸部で
上から押えられ、シール材全体の路面上への大
きな盛上がりが防止されて良好な車輛走行性が
得られるとともに、車輛によるシール材の損傷
がなく、橋下への漏水、騒音の伝藩が確実に防
止されて長期間にわたつて良好な止水性、防音
性が維持できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は道
路継目伸縮装置の一部を橋長方向断面で示す斜視
図、第２図はアンカーボルト位置規制枠の使用状
況を示す縦断面図、第３図はアンカーボルト規制
枠の斜視図、第４図は横板の一部を橋長方向の断
面で示す斜視図、第５図は第４図の−線にお
ける断面図、第６図および第７図は第４図に示す
横板の他の実施例の−線における断面図、第
８図ないし第１０図は波形凹凸部が異る各実施例
の横板を対に配置した平面図、第１１図は横板の
平面図である。１…道路継目伸縮装置、２…シール部材、３…
アンカーボルト、６…可撓性伸縮部、８…部材取
付部、１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ，１２Ａ，１２
Ｂ，１２Ｃ…横板、１５…凹凸部、１６…凹部、
１７…凸部、１８…遊隙、２２…遊間、２９…流
し込みシール材、４０…隙間。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

道路継目部の遊間の両側に位置する道路本体の
取付部にそれぞれ上面を路面高さに合わせた一対
の横板が取り付けられ、この両横板に、前記遊間
側に凹部と凸部を継目長手方向において交互に設
けてなる凹凸部が形成されていて、前記両横板の
互いの凹部と凸部とが遊隙を存して略同一高さで
対向し、前記両取付部が互いに最も離間した状態
において自由端である両横板の凸部先端同志の間
に側方からみて遊間上の隙間が設けられており、
前記両取付部が互いに最も接近した状態において
前記両横板の各凸部先端は遊間上に位置するよう
形成されていることを特徴とする道路継目伸縮装
置。