JPH0211159B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は現像装置に係り、特に現像剤中に混入
した異色トナーを分離して除去する機能をもつた
現像装置に関する。

光導電感光記録媒体の表面を一様に帯電した後
に第１の露光を行なつて第１のトナーを付着させ
たい領域の電荷を放出して第１の静電潜像を形成
し、この第１の静電潜像を第１の現像装置で反転
現像して第１のトナー像を形成し、続いて前記一
様帯電の電荷残留領域に第２の露光を行なつて第
２の静電潜像を形成し、この第２の静電潜像を第
２の現像装置で反転現像して第２のトナー像を形
成する２色電子写真記録装置が提案されている。
光導電感光記録媒体が最終的な記録媒体の場合
は、２つのトナー像はそのまま記録媒体に定着さ
れ、光導電感光記録媒体がくり返し利用される感
光ドラムのような中間記録媒体である場合には記
録媒体上の２つのトナー像は普通紙などの記録紙
に転写した後に定着される。

このような記録装置において、第２の現像装置
による第２の静電潜像の現像は、第１のトナー像
が静電力で保持されている記録媒体表面に対して
行なわれるので、第２の現像装置の第２の現像剤
を記録媒体表面に作用させると第１のトナー像の
トナーの一部が記録媒体表面から削り取られて第
２の現像剤中に混入する。記録装置の運転時間が
長くなるとこの混入トナーが第２の現像装置内に
蓄積されるために、第２の現像剤中に含まれる第
１のトナーの量が増えて第２のトナー像が混色
し、鮮明な２色トナー像が得られなくなる。第２
のトナー像の混色を防止するために、第２の現像
剤中に混入した第１のトナーを除去する混入トナ
ー除去手段を備えた現像装置が提案されている。
この混入トナー除去手段は、第２の現像剤中の第
１のトナーと第２のトナーの帯電極性が異なるこ
とを利用して、第２のトナーと同極性（第１のト
ナーと異極性）の電圧が印加された静電吸着ロー
ラを用い、第２の現像剤中に混入した第１のトナ
ーをこの静電吸着ローラに静電吸着させて除去し
ようとするものである。第１の現像装置内におけ
る第１のトナーと第２の現像装置内における第２
のトナーが同極性に帯電しているものであるとき
は、第１のトナーが第２の現像剤中に混入した場
合には帯電極性が反転するように工夫される。

しかし現像剤は現像装置内を層流となつて移動
しているので、層の内部に混入している第１のト
ナーに有効な静電吸着力を作用させることができ
ず、従つて混入トナー除去効果は十分でなかつ
た。

従つて本発明の目的は、第２の現像剤中に混入
した第１のトナーを効率良く除去する混入トナー
除去手段を備えた現像装置を提供することにあ
る。

この目的を達成するため、本発明は、非磁性の
回転スリーブをこの回転スリーブの外周に現像剤
を吸着するために回転スリーブ内に設けられた磁
石とを設け、更にこの回転スリーブの外周面に対
向して設けられた静電吸着電極と対向する位置の
前記磁石に、近接する複数の同極性の磁極を形成
したことを特徴とする。かくすることによつて回
転スリーブの外周面に沿つて搬送される第２の現
像剤は、前記磁極の位置において回転スリーブの
外周面から一時的に遊離して分散撹乱するので静
電吸着電極の静電吸着力は混入した第１のトナー
に有効に作用して混入トナー除去効率が向上す
る。

記録媒体に形成される第１、第２の静電潜像が
ともにネガ潜像（トナーを付着させたい領域の電
荷が消失されている）である場合には、第１の現
像装置内での第１のトナーと第２の現像装置内で
の第２のトナーは共に静電潜像と同極性の帯電状
態で反転現像特性となるようにキヤリアあるいは
その他の摩擦帯電部材との摩擦帯電特性が選定さ
れている。従つてこの場合には、第１のトナーが
第２の現像剤中に混入したときには、第１のトナ
ーは第２の現像剤の第２のトナーまたはキヤリア
あるいはその他の摩擦帯電部材との摩擦帯電で帯
電極性が反転するような摩擦帯電特性であるよう
に材質を選定することが必要である。また第１の
静電潜像がネガ潜像で第１の現像剤が反転現像特
性、第２の静電潜像がポジ潜像（トナーを付着さ
せたくない領域の電荷が消失されている）で第２
の現像剤が正規現像特性である場合には、第１の
現像装置内での第１のトナーと第２の現像装置内
での第２のトナーは異極性の帯電状態であるの
で、第２の現像剤中に混入した第１のトナーは第
２のトナーに対して最初から異極性であるから、
その帯電極性を維持できる摩擦帯電特性に材質を
選定しておく必要がある。

以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本発明の現像装置を適用する２色電子
写真記録装置の概略構成図である。同図におい
て、光導電感光ドラム１は矢印イ方向に一定の回
転速度で駆動され、その表面はコロナ帯電器２に
より一様に、例えば正極性に、帯電される。一様
に帯電された光導電感光ドラム１の表面は、第１
の画像光線３によつて露光されてネガの第１の静
電潜像が形成され、この第１の静電潜像は第１の
現像装置４内の第１の現像剤５によつて現像され
る。この第１の現像装置４は反転現像特性を有す
るもので、現像剤５は正極性に帯電した第１のト
ナー５ａ（誇張して図示してある）と磁性キヤリ
ア（図示せず）から成り、固定磁気ロール４ａと
非磁性回転スリーブ４ｂから成る現像ローラの表
面に吸着されて光導電感光ドラム１の表面をかる
く摺擦する磁気ブラシを形成する。この現像によ
り光導電感光ドラム１の表面には第１の静電潜像
に静電吸着された第１のトナー像５a′が形成され
る。その後、光導電感光ドラム１の未露光領域は
第２の画像光線６により露光されてネガの第２の
静電潜像が形成され、この第２の静電潜像は第２
の現像装置７内の第２の現像剤８によつて現像さ
れる。この第２の現像装置７も反転現像特性を有
し、現像剤８は正極に帯電した第２のトナー８ａ
（誇張して図示してある）と磁性キヤリア（図示
せず）から成り、固定磁気ロール７ａと非磁性回
転スリーブ７ｂから成る現像ローラの表面に吸着
されて光導電感光ドラム１の表面をかるく摺擦す
る磁気ブラシを形成する。この第２の現像装置７
は本発明になる現像装置を使用するもので、詳細
は後述する。この現像により光導電感光ドラム１
の表面には第２の静電潜像の吸着された第２のト
ナー像８a′が形成される。このようにして光導電
感光ドラム１の表面に形成された第１、第２のト
ナー像５a′，８a′は矢印ロ方向に移送される普通
記録紙９に転写器１０（コロナ帯電器）により転
写される。転写後に光導電感光ドラム１の表面は
クリーナ１１で清浄されて一連の電子写真工程を
終了し、次の電子写真工程に入る。この記録装置
において、第１のトナー５ａと第２のトナー８ａ
を異色にすることで普通記録紙９には２色のトナ
ー像５a′，８a′が得られる。

次に第２図を参照して本発明を適用した第２の
現像装置７の一例を詳細に説明する。

第２の現像装置７の現像容器７ｃの底部には第
２のトナー８ａとキヤリアを混合した第２の現像
剤８が収容される。現像ローラの一部を構成する
導電性の非磁性回転スリーブ７ｂの外周面に固定
磁気ロール７ａの磁力で層状に吸着された第２の
現像剤８は、スリーブ７ｂが矢印ハ方向に回転す
ることによつて周方向に搬送される。規制部材７
ｄは、非磁性回転スリーブ７ｂの表面に形成され
る現像剤８の層（磁気ブラシ）の厚さを所定値に
して、この磁気ブラシが光導電感光ドラム１の表
面に作用する程度を規制する。非磁性回転スリー
ブ７ｂの外周面に形成された磁気ブラシは光導電
感光ドラム１の表面に形成された第２の静電潜像
を現像した後に掻き取り部材７ｅによつて掻き取
られて現像容器７ｃの底部に落下する。第２の現
像剤８はこのように循環することで撹拌され、第
２のトナー８ａは正極性に摩擦帯電されている。
混入トナー除去手段１２は、固定磁気ロール７ａ
の外周面に、近接して形成された同極性の複数の
磁極１２ａと、非磁性回転スリーブ７ｂによつて
この磁極１２ａの位置まで搬送されこの搬送力と
同極性の複数の磁極１２ａの反発力によつて非磁
性回転スリーブ７ｂの外周面から一時的に遊離し
て分散撹乱する第２の現像剤８に静電吸着電界が
作用するように該磁極１２ａと対向する位置に設
けた静電吸着ローラ１２ｂと、非磁性回転スリー
ブ７ｂと前記静電吸着ローラ１２ｂに接続され静
電吸着ローラ１２ｂに第２のトナー８ａと同極性
の電位を与える電源１２ｃと、静電吸着ローラ１
２ｂの表面に静電吸着されたトナーを掻き取る掻
き取り部材１２ｄと、分散撹乱する第２の現像剤
８のキヤリアから分離して舞い上つたトナーある
いは静電吸着ローラ１２ｂから掻き取られたトナ
ーを吸引除去するためにこれらの領域に開口する
空気吸引ケース１２ｅとを備えている。前記静電
吸着ローラ１２ｂは導電性基体の表面を絶縁処理
したもので、矢印ニ方向に回転させられる。

このような第２の現像装置７によつて光導電感
光ドラム１を現像すると光導電感光ドラム１の表
面に第２のトナー８ａが付着するが、その以前に
光導電感光ドラム１の表面に付着していた第１の
トナー５ａの一部が削り取られて第２の現像装置
７の磁気ブラシ（第２の現像剤８）中に混入す
る。第２の現像装置７中の第２の現像剤８および
その中に混入した第１のトナー５ａは非磁性回転
スリーブ７ｂの表面を搬送される過程で、または
掻き取り部材１２ｄで掻き取られて落下する過程
で、あるいは現像容器７ｃの底部において撹拌さ
れる。これにより前述した摩擦帯電特性により第
１のトナー５ａは帯電量がゼロ付近に減少しまた
は帯電極性が反転する。このように帯電量または
帯電極性が変化した第１のトナー５ａを含む第２
の現像剤８は、非磁性回転スリーブ７ｂの表面を
搬送される過程で同極性の複数の磁極１２ａの位
置に達すると現像剤８は各磁極S₁，S₂上で連鎖状
になつて起立する。各起立領域は同極性に磁化さ
れ非磁性回転スリーブ７ｂの表面近くでは強く反
発し合うために磁極S₁上では現像剤８の流れがせ
き止められて盛りあがり、その先端部分が押し出
されて分散する。分散した現像剤８は消磁される
ので磁極S₂上の磁力に吸引されて再び非磁性回転
スリーブ７ｂに吸着される。このように現像剤８
が磁極１２ａ上で分散撹乱状態になると、帯電極
性が反転してキヤリアと同極性の混入トナー５ａ
や帯電量がゼロ付近になつた混入トナー５ａおよ
び特性劣化により帯電量が減少したトナー８ａは
キヤリアから分離される。従つて静電吸着ローラ
１２ｂによる静電吸着力は混入トナー５ａに有効
に作用して混入トナー５ａを吸着する。静電吸着
ローラ１２ｂに吸着されたトナー５ａは掻き取り
部材１２ｄで掻き取られた後に吸引除去される
が、掻き取り部材１２ｄの下に回収容器を設けて
回収するようにすることもできる。帯電量がゼロ
付近になつたトナー５ａ，８ａは静電吸着力では
除去されにくいが現像剤８の分散領域には空気吸
引ケース１２ｅが開口しているので、吸引気流に
よつて吸引除去される。

この現像装置７において、混入トナー除去手段
１２は現像容器７ｃや現像ロール等で構成する現
像機構と一体化する必要がないから、第２色目の
色を変えたい場合には、現像機構のみを着脱（交
換）自在としてその切り換え操作が簡単になるよ
にすることができる。

第３図は第２の現像装置７の他の実施例であ
る。この実施例は、第２図で説明した現像装置に
おける静電吸着ローラ１２ｂの代りに金網のよう
な多孔電極１２ｆを設けたものであり、その他の
構成は第２図のものと同一であるので詳細図示を
省略している。この現像装置において分散撹乱状
態の現像剤８には多孔電極１２ｆの静電吸着力が
作用し、帯電極性が反転した第１のトナー５ａは
この多孔電極１２ｆに吸着する。多孔電極１２ｆ
に吸着した第１のトナー５ａは吸引気流によつて
除去されるが、この吸引気流は分散撹乱領域にも
作用するので帯電量がゼロ付近のトナーも同時に
空気流で吸引除去される。またこの実施例の多孔
電極１２ｆは回転しないので構造が簡単になる。

本発明をカスゲード現像方式の現像装置に適用
する例を第４図を参照して説明する。この現像装
置１３は現像容器１３ａの底部に収容された第２
の現像剤８をバスケツト付ベルト１３ｂによつて
搬送して光導電感光ドラム１にふりかけ第２の静
電潜像を現像する。現像後の第２の現像剤８は案
内板１３ｃで受け止められ、混入トナー除去手段
１４を構成する導電性の非磁性回転スリーブ１４
ａの表面に案内される。非磁性回転スリーブ１４
ａ内には固定磁気ロール１４ｂが設けられ、第２
の現像剤８はこの固定磁気ロール１４ｂの磁力で
非磁性回転スリーブ１４ａの表面を層状になつて
搬送される。固定磁気ロール１４ｂの外周面には
近接した同極性の複数の磁極１４ｃが設けられ、
現像剤８はこの磁極１４ｃ上で前述の実施例と同
様に分散撹乱される。静電吸着ローラ１４ｄはこ
の分散撹乱領域に静電吸着電界が作用するように
磁極１４ｃと対向する位置に設けられ、この静電
吸着ローラ１４ｄと光導電感光ドラム１に接続さ
れた電源１４ｅにより静電吸着ローラ１４ｄには
第２のトナー８ａと同極性の電位が与えられる。
仕切板１４ｆは現像容器１３ａとの間にトナー回
収容器１４ｇを形成すると共にその先端が静電吸
着ローラ１４ｄと接して掻き取り部材を形成す
る。トナー回収容器１４ｇは前記した現像剤８の
分散撹乱領域に近接して開口し、かつ空気吸引パ
イプ１４ｈに連結されることにより前記実施例に
おける空気吸引ケースと同じ機能をもつことにな
る。

従つてこの現像装置１３においても第２の現像
剤８中に第１のトナー５ａが混入すれば前述の実
施例と同様に第１のトナー５ａおよび劣化した第
２のトナー８ａが除去される。

以上の各実施例は各現像剤５，８がトナー粒子
とキヤリア粒子を混合した２成分現像剤の場合で
あるが、トナーとキヤリアを一体化した１成分現
像剤を用いる場合でも同様の効果を得ることがで
きる。

また各実施例において、分散撹乱される現像剤
の飛行領域に現像剤の飛行を妨害する撹乱バーを
設ければ分散撹乱作用は更に促進され、不要トナ
ーの除去効率が向上する。

以上のように本発明は、回転スリーブの外周面
に沿つて搬送する第２の現像剤を、近接した複数
の同極性磁極によつて分散撹乱し、この分散撹乱
領域に静電吸着力を作用させるようにしたので混
入トナーを効率良く除去できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
２色電子写真装置の概略構成図、第２図は本発明
になる現像装置の縦断側面図、第３図は他の実施
例を示す現像装置の要部縦断側面図、第４図は更
に他の実施例を示す現像装置の縦断側面図であ
る。 １……光導電感光ドラム、５a′……第１のトナ
ー像、７……第２の現像装置、７ａ……固定磁気
ロール、７ｂ……非磁性回転スリーブ、８……第
２の現像剤、１２……混入トナー除去手段、１２
ａ……同極性の複数の磁極、１２ｂ……静電吸着
ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の静電潜像に吸着された第１のトナー像
   を保持している記録媒体の第２の静電潜像を第２
   のトナーで現像する第２の現像手段であつて、第
   ２のトナーを含んだ第２の現像剤中に混入し第２
   のトナーと異極性に帯電している第１のトナーを
   第２のトナーと同極性の電圧が印加された静電吸
   着電極に吸着して除去する混入トナー除去手段を
   備えた現像装置において、前記混入トナー除去手
   段は、前記静電吸着電極と対向する非磁性の回転
   スリーブと、第２の現像剤をこの回転スリーブの
   外周に吸着するために回転スリーブ内に設けられ
   た磁石とを備え、前記磁石は前記静電吸着電極と
   対向する位置に近接して形成された同極性の複数
   の磁極を有することを特徴とする現像装置。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記回転ス
   リーブはその表面に吸着された第２の現像剤を前
   記記録媒体の表面に作用させる現像ローラを構成
   するものであることを特徴とする現像装置。