JPH06258928A - 電子写真装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】現像装置においてトナーに紙粉が混入しても、
トナーの帯電量を減少させることなく、これによりかぶ
りの発生を抑えて画質良く記録を行う。 【構成】感光ドラム１を正帯電性の光導電部材により構
成する。そしてこの感光ドラム１の周囲に、感光ドラム
１の表面を正極性の所定の帯電電位に帯電する帯電装置
２と、感光ドラム１を露光して静電潜像を形成する露光
装置３と、前記帯電電位と同極性かつ低電位な所定電圧
の現像バイアスの作用により、前記帯電電位と同極性に
帯電したトナーを感光ドラム１に付着させて静電潜像の
現像を行う現像装置４と、感光ドラム１に付着したトナ
ーを記録紙に転写する転写装置５と、感光ドラム１に接
触するブラシ６２と、このブラシ６２に前記帯電電位と
は逆極性の所定の電圧を印加する電源６４とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真プロセスに準
じたプロセスで画像の記録を行う電子写真装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般的に電子写真装置では、記録紙に転
写し切れずに感光体に残留した現像剤はブレードによっ
て掻き落とすことによってクリーニングするものとなっ
ている。ところでこのように掻き落とされた現像剤は、
回収され、廃棄される。このように廃棄される現像剤の
量は、全現像剤消費量の例えば１５〜２５％程度にも及
び、現像剤の利用効率が非常に悪い。

【０００３】そこで、感光体に残留した現像剤を現像装
置において回収し、再利用するクリーナレス方式が考え
られている。この方式は、負帯電感光体に負帯電トナー
を用いた反転現像により、転写残りトナーを現像装置に
おいて回収するシステムである。

【０００４】ところで転写工程においては、感光ドラム
と記録紙とが接触するため、記録紙の紙粉が感光ドラム
に付着する。このため、前述のようなクリーナレス方式
を採用すると、紙粉も現像装置に回収されることにな
る。紙粉の主要な成分であるタルクは負極性に帯電しや
すい性質をもつので、トナー内に混入するとトナーを正
極性に帯電させるように働く。現像装置では、トナーを
負極性に帯電し、静電的に感光体に付着させるが、タル
クが混入しているとトナーの帯電量が大幅に減少してし
まい、非画像領域（白地部）にトナーが付着する「かぶ
り」が生じる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上のようにクリーナ
レス方式を採用すると、紙粉までも現像装置に回収さ
れ、この紙粉によってトナーの帯電量が大幅に減少して
しまうため、非画像領域（白地部分）にトナーが付着す
る“かぶり”が生じ、画質が大幅に低下してしまうとい
う不具合があった。

【０００６】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、その目的とするところは、現像装置にお
いてトナーに紙粉が混入しても、トナーの帯電量を減少
させることなく、これによりかぶりの発生を抑えて画質
良く記録を行うことができる電子写真装置を提供するこ
とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに本発明は、正帯電性の光導電部材により構成された
例えば感光ドラムなどの無端状の感光体と、この感光体
の表面を正極性の所定の帯電電位に帯電する例えば帯電
装置などの帯電手段と、この帯電手段に対して前記感光
体の回転方向下流側に位置し、前記感光体を露光して静
電潜像を形成する例えば露光装置などの露光手段と、こ
の露光手段に対して前記感光体の回転方向下流側に位置
し、前記帯電電位と同極性かつ低電位な所定電圧の現像
バイアスの作用により、前記帯電電位と同極性に帯電し
た現像剤を前記感光体に付着させて前記静電潜像の現像
を行う例えば現像装置などの現像手段と、この現像手段
に対して前記感光体の回転方向下流側に位置し、感光体
に付着した前記現像剤を記録紙に転写する例えば転写装
置などの転写手段と、この転写手段に対して前記感光体
の回転方向下流側、かつ前記帯電手段に対して前記感光
体の回転方向上流側に位置し、前記感光体に接触するブ
ラシと、このブラシに電圧を印加する電源とを具備し
た。

【０００８】

【作用】このような手段を講じたことにより、感光体
は、帯電手段により正極性に帯電されたのち、露光手段
によって露光されて正極性の静電潜像が形成される。こ
の正極性の静電潜像は、正極性で、かつ感光体の帯電電
位よりも低い現像バイアスの作用により、正極性に帯電
した現像剤で現像される。現像により感光体に付着した
現像剤は転写手段によって記録紙に転写されるが、一部
が感光体に残留した場合、この残留した現像剤はブラシ
に印加された負極性の攪乱用電圧の作用でブラシに吸引
されたのち、再び感光体に戻るとともに、残留現像剤の
集団が攪乱される。このように攪乱された現像剤は、帯
電装置によって帯電電位に帯電され、現像装置により現
像バイアスの作用によって回収される。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
き説明する。図１は本実施例に係る電子写真装置の要部
構成を一部破断して示す図である。図中、１は正帯電性
の感光ドラムであり、図示しない駆動系によって図中の
矢印イの方向に回転駆動されるものとなっている。この
感光ドラム１の周囲にはこの感光ドラム１に対向して、
帯電装置２、露光装置３、現像装置４、転写装置５およ
びメモリ除去部６がそれぞれ設けられている。

【００１０】このうち帯電装置２は、スコロトロン帯電
器２１およびこのスコロトロン帯電器２１に正極性で所
定電圧の高電圧を印加する帯電電源２２より構成されて
いる。露光装置３は、記録すべき画像の画データに応じ
てＯＮ／ＯＦＦする周知のＬＥＤアレイ等である。

【００１１】現像装置４は、現像剤としてのトナー（図
示せず）を貯留したホッパー４１の開口部に、その一部
がホッパー４１の内部に位置する状態で円筒状の現像ロ
ーラ４２を設けてなる。またホッパー４１の内部には現
像ローラに平行に供給ローラ４３を設ける。そして、現
像ローラ４２および供給ローラ４３には、現像バイアス
用高圧電源４４が発生する正極性で所定電圧の現像バイ
アスが印加されている。４５はブレードであり、現像ロ
ーラ４２に担持されてホッパー４１の外部へと導かれる
トナーを一定の薄層に保つためのものである。なお、現
像ローラ４２および供給ローラ４３は、それぞれ図示し
ない駆動系によって図中の矢印ロ，ハのそれぞれの方向
に回転駆動されるものとなっている。

【００１２】転写装置５は、感光ドラム１に接触した転
写ローラ５１およびこの転写ローラ５１に負極性で所定
電圧の転写電圧を印加する転写用高圧電源５２より構成
されている。

【００１３】メモリ除去部６は、それぞれ感光ドラム１
に接触したブラシ６１，６２、ブラシ６１に正極性の所
定電圧を印加する電源６３およびブラシ６２に負極性の
所定電圧を印加する電源６４より構成される。

【００１４】次に以上のように構成された電子写真装置
の動作を説明する。まず感光ドラム１の表面を帯電装置
２によって所定の帯電電位（例えば５００Ｖ）に帯電し
たのち、記録すべき画像に応じて画像領域のみに露光装
置３から光を照射する。これにより、感光ドラム１の表
面は、図２に示すように光が入射した領域のみの電位が
例えば５０Ｖに低下し、静電潜像が形成される。

【００１５】このように感光ドラム１の感光面に形成さ
れた静電潜像は、現像装置４によって現像される。現像
装置４においてトナーは、感光ドラム１の帯電電位と同
極性である正極性に摩擦帯電されている。現像ローラ４
２は、このように正極性に帯電したトナーを担持し、感
光ドラム１に接触させる。現像ローラ４２には現像バイ
アス電源４４から感光ドラム１の帯電電位と同極性かつ
低電圧（例えば２５０Ｖ）な現像バイアスが印加されて
いるので、静電潜像と現像バイアスとの作用により、感
光ドラム１に選択的にトナーが付着する。すなわち、感
光ドラム１上の非画像領域では、トナーにとって感光ド
ラム１のほうが現像ローラ４２よりも高電位である。こ
のため、トナーは現像ローラ４２に留まり、感光ドラム
１には付着しない。一方画像領域では、トナーにとって
感光ドラム１のほうが現像ローラ４２より低電位であ
る。このため、図２に示すようにトナーはクーロン力に
よって感光ドラム１側に吸引され、トナーが感光ドラム
１に付着する。このように感光ドラム１に付着したトナ
ーは、転写装置５によって記録紙に転写される。

【００１６】さて、記録紙に転写し切れずに感光ドラム
１の表面に残留したトナーは、やがてブラシ６２の当接
位置まで移動する。ブラシ６２には負極性の電圧が印加
されているので、正極性に帯電しているトナーはブラシ
６２に吸引され、帯電電荷を失って行く。そしてある程
度の帯電電荷を失うと、トナーは感光ドラム１表面の移
動に伴って再び感光ドラム１（主に電位の低い部分）に
戻る。このブラシ６２での一連の動作は、転写残りトナ
ーを攪乱し、トナーの集団を散らすように作用する。

【００１７】こののち、感光ドラム１の表面は帯電装置
２によって再度５００Ｖに帯電される。この際、感光ド
ラム１の表面に残留しているトナーも５００Ｖに帯電さ
れる。

【００１８】続いて、感光ドラム１は前述と同様に露光
装置３によって露光がなされる。このとき、感光ドラム
１の表面に付着したトナーは散らされているため、トナ
ーが付着している部分であっても感光ドラム１まで十分
に光が到達し、感光ドラム１の表面電位は十分に減衰
し、静電潜像が形成される。

【００１９】さらに現像装置４では、前述と同様に現像
が行われる。このとき、図３に示す如く感光ドラム１の
非画像領域に残留しているトナーにとっては、感光ドラ
ム１のほうが現像ローラ４２よりも高電位である。この
ため、トナーは感光ドラム１から反発され、現像ローラ
４２側に吸引される。従って、感光ドラム１に残留して
いたトナーが、現像装置４に回収される。

【００２０】さて、転写工程において感光ドラム１に付
着した紙粉は、前述した残留トナーと同様にして現像装
置４に回収される。現像装置４内では、紙粉中のタルク
がトナーとともに摩擦帯電されるが、タルクは負極性に
帯電される。これによりタルクは、現像装置４内ではト
ナーを正極性に帯電させるように働き、トナーの帯電量
を低下させることがない。

【００２１】一旦現像装置４に混入したタルクは、前述
の如く負極性に帯電されるので、感光ドラム１に当接し
た時には非画像領域に吸引され、付着する。しかし、転
写装置５では、負極性の転写電圧により転写を行ってい
るので、負極性に帯電したタルクはほとんど転写されな
い。なお、一部のタルクは記録紙の接触力によって記録
紙に付着するが、通常タルクは白色または半透明である
ので、かぶりにはならない。

【００２２】このように負極性に帯電して感光ドラム１
に付着したタルクは、電源６３から正極性の電圧が印加
されたブラシ６１により吸引され、回収される。従っ
て、タルクが感光ドラム１および現像装置４に蓄積され
ることがない。なおブラシ６１および電源６３を排除し
た場合、タルクは現像装置４への回収および感光ドラム
１への放出が繰り返されることになり、感光ドラム１お
よび現像装置４に蓄積されて行くが、タルクと感光ドラ
ム１との接触力はそれ程強くないため、画像形成に大き
く影響することはないが、システムの寿命を考えるとブ
ラシ６１を具備することが望ましい。さらには、ブラシ
６２のみにして交流電圧を印加する方法もある。

【００２３】以上のように本実施例によれば、トナーを
正極性に帯電するようにしているため、タルクが負極性
に帯電することによってトナーを正極性に帯電するよう
に作用し、トナーの帯電量を減少させることはなく、逆
に増加させるように働く。従って、かぶりを生じさせる
ことがなく、高画質な記録が行える。なおこれは、現像
装置４が１成分非磁性接触現像方式であるときに特に効
果が大きい。なぜならば、この方式は感光ドラム１と現
像ローラ４２とが接触しているために現像電界が十分に
大きく、トナーの回収に適しているが、２成分方式に比
べるとトナーの摩擦帯電能力が劣るためにタルクによる
トナーの帯電量減少の影響が顕著なためである。

【００２４】また本実施例では、感光ドラム１が正帯電
性であり、現像装置４は正極性の電荷を発生することか
ら、負極性の電荷を発生するのに比べてオゾンの発生量
が、例えば１／１０〜１／２０と著しく減少するので、
環境保護の面で有利である。

【００２５】なお本発明は上記各実施例に限定されるも
のではない。例えば上記実施例では、感光体としてドラ
ム状のものを適用しているが、例えば無端ベルト状等の
他の形態であっても良い。また各部の電圧，電位などの
数値は装置での諸条件によって変わり、上記実施例に挙
げたものには限定されずに任意の値であって良い。この
ほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施
が可能である。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、正帯電性の光導電部材
により構成された例えば感光ドラムなどの無端状の感光
体と、この感光体の表面を正極性の所定の帯電電位に帯
電する例えば帯電装置などの帯電手段と、この帯電手段
に対して前記感光体の回転方向下流側に位置し、前記感
光体を露光して静電潜像を形成する例えば露光装置など
の露光手段と、この露光手段に対して前記感光体の回転
方向下流側に位置し、前記帯電電位と同極性かつ低電位
な所定電圧の現像バイアスの作用により、前記帯電電位
と同極性に帯電した現像剤を前記感光体に付着させて前
記静電潜像の現像を行う例えば現像装置などの現像手段
と、この現像手段に対して前記感光体の回転方向下流側
に位置し、感光体に付着した前記現像剤を記録紙に転写
する例えば転写装置などの転写手段と、この転写手段に
対して前記感光体の回転方向下流側、かつ前記帯電手段
に対して前記感光体の回転方向上流側に位置し、前記感
光体に接触するブラシと、このブラシに電圧を印加する
電源とを具備したので、現像装置においてトナーに紙粉
が混入しても、トナーの帯電量を減少させることなく、
これによりかぶりの発生を抑えて画質良く記録を行うこ
とができる電子写真装置となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る電子写真装置の要部構
成を一部破断して示す図。

【図２】図１に示す電子写真装置の動作状態を模式的に
示す図。

【図３】図１に示す電子写真装置の動作状態を模式的に
示す図。

【符号の説明】

１…感光ドラム、 ２…帯電装置、２
１…スコロトロン帯電器、 ２２…帯電電源、３
…露光装置、 ４…現像装置、４１
…ホッパー、 ４２…現像ローラ、４
３…供給ローラ、 ４４…現像バイアス
用高圧電源、５…転写装置、 ５１
…転写ローラ、５２…転写用高圧電源、 ６
…メモリ除去装置、６１，６２…ブラシ、
６３，６４…電源。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 正帯電性の光導電部材により構成された
   無端状の感光体と、 この感光体の表面を正極性の所定の帯電電位に帯電する
   帯電手段と、 この帯電手段に対して前記感光体の回転方向下流側に位
   置し、前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手
   段と、 この露光手段に対して前記感光体の回転方向下流側に位
   置し、前記帯電電位と同極性かつ前記帯電電位に比べ低
   電位な所定電圧の現像バイアスの作用により、前記帯電
   電位と同極性に帯電した現像剤を前記感光体に付着させ
   て前記静電潜像の現像を行う現像手段と、 この現像手段に対して前記感光体の回転方向下流側に位
   置し、感光体に付着した前記現像剤を記録紙に転写する
   転写手段と、 この転写手段に対して前記感光体の回転方向下流側、か
   つ前記帯電手段に対して前記感光体の回転方向上流側に
   位置し、前記感光体に接触するブラシと、 このブラシに電圧を印加する電源とを具備したことを特
   徴とする電子写真装置。