JP2667028B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2667028B2
JP2667028B2 JP1344412A JP34441289A JP2667028B2 JP 2667028 B2 JP2667028 B2 JP 2667028B2 JP 1344412 A JP1344412 A JP 1344412A JP 34441289 A JP34441289 A JP 34441289A JP 2667028 B2 JP2667028 B2 JP 2667028B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真法を用いる画像形成装置に係わ
り、特に現像手段によりクリーニングを行う工程を含む
画像形成装置に関する。
(従来の技術) 近年、この種の画像形成装置として、感光体などの像
担持体上に形成した静電潜像に、現像手段を用いて現像
剤であるところのトナー(着色粉)を付着せしめてトナ
ー像を形成する現像工程を行い、その後、この像担持体
上のトナー像を普通紙等の記録媒体に転写する一方、転
写後に像担持体上に残った残留現像剤としての未転写ト
ナーを次の画像形成サイクルで、前記現像手段により像
担持体から除去(クリーニング)するようにした画像形
成装置が開発されている。
この種の画像形成装置は、専用のクリーナを必要とせ
ず、像担持体の小径化が可能となり、さらには装置全体
の小形化、低コスト化、および保守性の向上が図れると
いった大きな特長を有し、実用化が強く切望されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この種の装置においては、前の画像形
成サイクル中の転写工程時に転写されずに像担持体にト
ナーが残った場合には、次のサイクルにおいて像担持体
に対する帯電・露光工程がこの未転写トナーを通して行
われるために帯電あるいは露光むらが生じ、不要な画像
が発生するといった重大な問題がある。
本発明は上記事情に基づきなされたもので、その目的
とするところは、帯電手段により帯電された像担持体を
露光して電化パターンを形成する露光手段と、この露光
手段により形成された像担持体の電荷パターンに現像剤
を付着せしめて可視像を形成する現像手段と、この現像
手段により現像された可視像を像担持体から被転写材に
転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前
の画像形成サイクルの残留現像剤による不要な画像の発
生を防止して良好な画像を得ることができ、ひいては装
置全体の小型化、低コスト化および保守性の向上を図る
ことができる画像形成装置を提供しようとするものであ
る。
[発明の構成] (課題を解決する手段) この発明は、上述した問題点に基づきなされたもの
で、像担持体を特定の極性に帯電する帯電手段と、前記
帯電手段にて帯電された前記像担持体に露光して静電潜
像を形成する露光手段と、前記特定の極性と同極性に帯
電する現像剤を担持する現像剤担持体と、この現像剤担
持体にバイアス電圧を印加する第1の電圧印加手段とを
具備し、前記像担持体の帯電電位と前記現像剤担持体に
印加されるバイアス電圧との差に応じて、前記現像剤担
持体から前記像担持体に現像剤を供給して前記静電潜像
を現像すると同時に、前記像担持体に付着している残留
現像剤を除去する反転現像方式の現像清掃手段と、前記
像担持体に向けて被転写材を順次供給する供給手段と、
前記現像清掃手段にて現像された現像剤像を、前記供給
手段にて供給された被転写材上に転写する転写手段と、
前記転写手段にて前記現像剤像が転写された後に、前記
像担持体上に残留した残留現像剤を撹乱し、前記残留現
像剤によるメモリを除去するメモリ除去手段と、前記メ
モリ除去手段に対し、前記残留現像剤を撹乱するため
の、前記特定の極性と逆極性の電圧を印加する第2の電
圧印加手段と、この第2の電圧印加手段から前記像担持
体に印加される電圧を変化させることにより、前記メモ
リ除去手段に付着した残留現像剤を強制的に前記像担持
体に放出させる放出手段とを具備し、前記供給手段にて
供給される被転写材の間隔を所定の大きさとして、前記
被転写材の搬送間隔において、前記放出手段による前記
残留現像剤の放出を行うことを特徴とする画像形成装置
を提供するものである。
(作用) 以上説明したように、この発明の画像形成装置は、感
光体上に残留した残留トナーを、吸着限界まで吸着し、
さらに自然に落下させることで撹乱して残留トナーによ
るメモリを除去するメモリぼかし手段と、メモリぼかし
手段に、メモリぼかし手段の吸着限界まで付着した残留
トナーを強制的に感光体に放出させる放出装置を有し、
メモリぼかし手段に吸着限界まで吸着された残留トナー
を所定のタイミングで放出させることで、メモリぼかし
手段の吸着力を長期に亘って維持することができる。
これにより、前の画像形成サイクルの残留現像剤によ
る不要な画像の発生を防止して良好な画像を得ることが
でき、さらには装置全体の小型化、低コスト化および保
守性の向上が図れるといった特長を有するクリーナレス
の画像形成装置の実用化が可能となる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第2図は、半導体レーザを用いた電子写真方式の画像
形成装置の外観を示し、第3図はその内部構成を示す。
この画像形成装置(レーザプリンタ)は、電子計算機,
ワードプロセッサなどの外部出力装置であるホストシス
テム(図示しない)とインターフェイス回路等の伝送コ
ントローラを介して結合された状態となっている。そし
て、ホストシステムにより印字開始信号を受けると、画
像記録動作を開始し、被転写材としての用紙に記録して
出力させるようになっている。
この画像形成装置は、次のような構成となっている。
すなわち、図中1は装置本体であり、この装置本体1
内の中央部には主制御基板2が配置されている。そし
て、この主制御基板2の後方(第3図の状態において右
側方向)には画像を形成するための電子写真プロセスユ
ニット3が配置されており、また、前方下部には複数毎
の機能追加用制御基板4を複数枚収容する制御基板収容
部5が、また、前方上部には排紙部6が形成された状態
となっている。
また、装置本体1内下部は、給紙カセット7を収容す
るカセット収容部8となっている。
前記排紙部6は、第2図に示すように装置本体1の前
部上面に形成された凹所からなり、その前端縁部には、
排紙部6に折り重ねたり、図のように展開できる回動可
能な排紙トレイ9が設けられている。さらに、この排紙
トレイ9の前端中央部には、切欠部9aが形成されている
と共に、この切欠部9aに収容したり、図のように展開で
きる回動可能なコ字状の補助排紙トレイ10が設けられて
いる。そして、排紙される洋紙Pのサイズに応じて排紙
部6の大きさを調節できるようになっている。
さらに、この排紙部6の左側に位置する装置本体の左
枠部1aの上面には、コントロールパネル11が配置されて
いると共に、装置本体1の後面側には、手差トレイ12が
装着された状態となっている。
つぎに、帯電、露光、現像、転写、剥離、清掃および
定着等の電子写真プロセスを行う前記電子写真プロセス
ユニット3について第3図、第4図A及び第4図Bを参
照して説明する。
ユニット収容部のほぼ中央部に位置して像担持体とし
てのドラム状感光体15が配置されており、この感光体15
の周囲には、その回転方向に沿ってスコロトロンからな
る帯電手段16、露光手段(静電潜像形成手段)としての
レーザ露光ユニット17の露光部17a、現像工程と清掃
(クリーニング)工程とを行う磁気ブラシ式の現像手段
18、スコロトロンからなる転写手段19、ブラシ部材から
なるメモリぼかし手段20、および前露光手段21が順次配
設されている。
また、装置本体1内には、給紙カセット7から給紙手
段22を介して給紙された用紙Pおよび手差トレイ12から
手差給紙された用紙Pを前記感光体15と転写手段19との
間の画像転写部23を経て装置本体1の上面側に設けられ
た排紙部6に導く用紙搬送部24が形成されている。
また、この用紙搬送路24の画像転写部23の上流側には
アライニングローラ対25および搬送ローラ対26が配置さ
れ、下流側には定着ユニット27および排紙ローラ対28が
配置されている。さらに、搬送ローラ対26の配設された
状態となっている。なお、13はアライニングスイッチで
ある。
しかして、ホストシステムにより印字開始信号を受け
るとドラム状感光体15が回転すると共に、感光体15は帯
電手段16で帯電される。次にホストシステムよりのドッ
トイメージデータを受けて変調されたレーザビームaを
ポリゴンミラースキャナ30を含むレーザ露光ユニット17
を用いて上記感光体15上を操作露光し、感光体15上に画
像信号に対応した静電潜像を形成する。この感光体15上
の静電潜像は、現像手段18の磁気ブラシD′中の現像剤
としてのトナーtによって現像され顕像化される。
一方、このトナー像の形成動作に同期して給紙カセッ
ト7から取り出された手差トレイ12から手差供給された
用紙Pが、アライニングローラ対25を介して送り込ま
れ、予め感光対15上に形成された上記トナー像が転写手
段19の働きにより用紙Pに転写される。ついで、用紙P
は用紙搬送路24を通過して定着ユニット27に送り込まれ
る。この定着ユニット27はヒータランプ40を収容したヒ
ートローラ41と、このヒートローラ41に押圧された加圧
ローラ42を備え、これらローラ41,42間を通過すること
により前記トナー像が用紙Pに溶融定着される。そし
て、この後、排紙ローラ対28を介して排紙部6に排出さ
れる。
なお、用紙P上にトナー像を転写した後、感光対15上
に残った残留トナーは、導電性ブラシからなるメモリぼ
かし手段20により除去されてメモリ除去がなされ、次の
現像工程に前述したように回収されることになる。
また、本発明にあっては従来の電子写真方式のプロセ
スの簡素化を行うため露光された部分を現像する反転現
像法を採用し、かつ転写残りトナーtの除去を現像と同
時に行う方法を採用した。この際には、感光体15の表面
電位の変化および感光体15上のトナーt…の状況等は第
5図に示すように遷移される。
すなわち、帯電手段16により感光体2が−500Vに帯電
される「第5図の(A)参照]。この時感光体15上の前
のプロセスで転写しきれなかったトナーt…も同時に帯
電される。この時トナーt…をウレタンブレード等で除
去しても表面電位が80〜90%以上保持されているという
実験結果から判明している。
次に、感光体15は先に述べたようにホストシステムよ
りのドットイメージデータを受けて変調されレーザ露光
ユニット17により走査されたレーザビームaを受け、表
面電位を減衰され静電潜像を形成する「第5図の(B)
参照]。この時の露光部の表面電位は−50V(室温)と
なる。ここで感光体15と帯電手段16、およびレーザ露光
ユニット17は次のような工夫がなされている。
感光体15は、OPC(有機光導電体)感光体を使用して
おり、第6図に示すように外径30mmの両切りのアルミ筒
50(肉厚0.8mm)上に電荷発生層51、電荷輸送層52の順
で塗布されている。
電荷発生層51は、γ−型フタロシアニン「東洋インキ
製]とブチラール樹脂を重量比1:1で厚さ0.1μmに塗布
したものである。電荷輸送層52は、9−エチルカルバゾ
ール−3−カルボキシアルデヒド−メチルヒドフゾン
(ECMP)[乾卯薬品製]とポリアリレート(U−100)
[ユニチカ製]を重量比で0.65の割合いで17μm厚に塗
布したものである。この電荷輸送層52は可視光や半導体
レーザに対して透光性であり、電荷発生層52の上部にあ
るため30μm以下のトナー粒子tが表面に依存していて
も第7図に示すように感光体15が露光55された時には、
回折光の56と輸送層52内での反射散乱光57で電荷発生層
51にはトナー粒子tの影はほとんどできないか又は実用
上問題のない程度の薄さでしかできない。しかし、トナ
ー粒子tの径が30μm以上になると、黒ベタ上に白斑と
して画像不良を発生する。また、輸送層52は露光光源に
対して透光性でキャリア輸送機能があれば材料は何で
も、例えばポリカーボネート樹脂にピラゾリン誘導体を
分散したものや、アクリル樹脂にオキサジアゾール誘導
体またはオキサゾール誘導体を分散したもの、またはポ
リカーボネート樹脂にトリフェニルメタン誘導体を分散
したものでもよい。また、厚みはトナーtの平均粒径以
上なれれば画像不良の原因となる。さらに、第8図で示
すように残留電位特性から30μm厚以下が好ましい。
また、感光体15は基本的に電荷発生層51の上に電荷輸
送層52があればよく、第9図のように発生層51と基板58
の間に下引き層59や輸送層52の表面に保護層60等があっ
てもよい。本実施例で用いた感光体15は半減露光量6.2e
rg/cm2の感光度を有する(第10図参照)ものを用いてい
る。ここで、レーザー光量の適正値はは次の根拠をもっ
て決定されている。
本プロセスは専用のクリーナ、またはクリーニングの
ための独立した工程を行わず、現像と同時に静電気的に
クリーニングするため、転写残りトナーtが感光体15上
に存在している上から像露光をする。このため、場合に
よっては転写残りトナーtが存在する部分を露光するこ
とも有り得る。
通常、転写残りトナーtがない部分に対しては感光体
15の表面電位の半減露光量(本実施例の場合6.2erg/c
m2)の3〜4倍程度の露光量であれば画像に対する潜像
電位としては十分な光量であるが(例えば第10図では2
4.8erg/cm2)、転写残りトナーが数個まとまってある部
分に対してはトナーtがフィルタとなってその部分に感
光体15に対して露光不足となってしまいメモリが発生し
画像不良となる。
つまり露光量が4倍未満だと、第11図Bの(イ)で示
すように1ドット幅の白黒のペアラインや第11図Aの
(イ)で示すように1ドットおきの露光による市松紋様
のようなパターンの場合、第11図A,Bの(ロ)で示すよ
うに感光体15上の転写残りトナーt…のパターンに従っ
て被現像部分が欠けてしまい、画像の欠けた部分が第11
図A,Bの(ハ)で示すようにネガパターンとして見える
ようになってしまう。
このため、本発明は後述するように転写残りトナーt
を確実にとるようにしてある。
つぎに、前記の主要の電子写真プロセス構成機器につ
いて詳細に説明する。
まず、帯電手段3は、第12ないし第15図に示すような
スコロトロンで構成されている。シールドケース70内に
60μm径のコロナワイヤ71を張設したもので、コロナワ
イヤ71は表面にホワイトタングステンを用いておりマイ
ナスコロナが不均一な発生をしないようにしてある。
上記コロナワイヤ71は、帯電手段給電部としての給電
ピン73がねじ止めされている金具74に止められている。
上記給電ピン72と金具74は給電ターミナル75内に固定さ
れている。
一方、上記コロナワイヤ71の他端は張力スプリング72
を介してプラスチック製のフック76に留められターミナ
ル77に固定されている。上記ターミナル75,77はターミ
ナルカバー78,79で各々覆われ高圧のかかる部分が露出
しないようになっている。
一方、シールドケース70は0.3mm厚のステンレス製で
第14図に示すように感光体15に対向する側がメッシュに
なっており、スコロトロンチャージャのグリッド70aと
しては役を果たしているという簡単な構成でありながら
サイドケース70b,70cと一体化のためグリッド70aは特別
な部品を用いなくてもその平面性等十分な精度を維持で
きる。
また、両サイドケース70b,70cはコロナ放電がなされ
た時に同一のバイアス電圧がかかるため(後述する)両
サイドケース70b,70cに流れるコロナ電流も減少し電流
効果の良いチャージャーとなっている。
また、シールドケース70は560vのツエナーダイオード
82(第18図参照)のアノードと接続され、ツエナーダイ
オード82のカソードを通してチャージャガイド83(第18
図参照)につながっている。一方、チャージャガイド83
は本体のグランド端子に結合している。
そのためコロナワイヤ71に装置本体の高圧トランス
(図示せず)より高電圧(−5kv)が給電ピン73を介し
て印加されるとシールドケース70にコロナ放電が発生
し、シールドケース70に電流が流れるが、ツエナーダイ
オード82の整流特性によりシールドケース70の電位は−
560vに上昇し、一定に保たれる。
このためクリッド70aも当然−560vとなるためグリッ
ド70aより2mm離れた感光体15の表面電位はグリッド70a
の電位よりやや低い−500vに一定に保たれる。図中80,8
1はチャージャ17を後述するプロセスカートリッジ105
(第4図B参照)に一体に組み込む際に、プロセスカー
トリッジ105に形成された被係合部82(第19図および第2
0図参照)に係合する係合部である。
また、前記レーザー露光ユニット17は、第4図Aおよ
び第16図に示すように、図示しない半導体レーザー発振
器、ポリゴンミラー30とミラーモータ31からなるポリゴ
ンスキャナ32,fθレンズ33,補正レンズ34,走査されたレ
ーザ光aを所定の位置へ走査するための反射ミラー35,3
6等から構成されている。このレーザ露光ユニット17の
配設位置の下方、、すなわち、前記カセット収容部8の
上面側と下面側は開口した状態となっており、給紙カセ
ット7を前方(第3図の矢印方向)に引き抜いた状態で
下方に取出せる構成となっている(第16図参照)。
また、現像手段18は、前述したように、電子写真方式
のプロセスの簡素化を行うために、反転現像法を採用
し、かつ、転写残りトナーtの除去を現像と同時に行う
方法を採用している。この現像手段18は、第4図A及び
第7図に詳図するように現像材収容部90を有したケーシ
ング91内に、感光体15およびこれに対向して現像ローラ
92が設けられていると共に、現像剤収容部90には、現像
剤としてのトナー(着色粉)tとキャリア(磁性粉)c
とからなる二成分現像剤Dが収容されている。
また、現像ローラ92の表面に形成された現像剤磁気ブ
ラシD′の感光体15との摺接部、すなわち現像位置93よ
りも感光体15の回転方向の上流側に現像剤磁気ブラシ
D′の厚みを規制するドクタ94が設けられた状態となっ
ている。さらに、現像剤収容部90には、第1,第2の現像
剤撹拌体95,96が収容されている。
なお、現像手段18には、トナー補給装置(図示しな
い)が装着されていて現像剤収容部90にトナーtを適宜
補給するようになっている。
また、上記現像ローラ92は、第4図Aに示すように3
つの磁極部100,101,102を有した磁気ローラ103と、この
磁気ローラ103に外嵌され図中時計方向に回転する非磁
性のスリーブ104とから構成されている。磁気ロール103
の3つの磁極部100,101,102の内、現像位置93に対向す
る磁極部101はN極であり、他の磁極部100,102はS極と
なっている。また、磁極部100と磁極部101との間の角度
θ1は150゜、磁性部101と磁極部102との間の角度θ2
は120゜に設定されている。
そして、二成分現像剤Dを使用する磁気ブラシ現像に
よる機械的な掻き取り力と反転現象による所の帯電電位
と磁気ブラシD′に印加される現像バイアスの電位差に
より、感光体15上の静電潜像の現像と同時に機械的、電
気的に残留トナーtを回収するようになっている。
さらに、この現像手段18には、第4図B,第17図,第18
図および第19図に示すように感光体15、帯電手段16、メ
モリぼかし手段20等が一体に組み込まれて、プロセスカ
ートリッジ105を構成しており、このプロセスカートリ
ッジ105の一端側にはカートリッジ挿脱用把手110(第18
図,第19図参照)を介して装置本体1内に出し入れでき
るようになっている。また、他端側には現像バイアス給
電部111、メモリぼかし手段給電部112、給電ピン73から
なる帯電手段給電部113が突設されており、このプロセ
スカートリッジ105を装置本体1内の所定位置に押し込
んだとき、これら給電部111,112,113が装置本体1内に
設けられた給電コネクタに挿入されるようになってい
る。
また、プロセスカートリッジ105の上面側には持ち運
び用折り畳み式取手115が設けられているとともにアラ
イニングローラ体25の下側ローラ25aを清掃するクリー
ニングブラシ116が取り付けられた状態となっている。
さらに、現像手段18の他端側には、第4図B及び第20図
に示すように前記現像スリーブ104、第1,第2の現像剤
撹拌体95,96および感光体保護シート120を巻き取るため
の巻取軸121(第17図参照)等と連結状態にあり、互い
に連動する歯車群122が設けられた状態となっている。
そして、歯車122aが装置本体1側に設けられた図示しな
い駆動歯車と噛合し、この歯車122aが駆動されることに
より前記の各回転部材がそれぞれ所定方向に所定のスピ
ードで回転駆動されるよになっている。なお、巻取軸12
1に巻き取られた感光体保護シート120は巻取軸121を囲
繞するガイド筒124内に収容され外部に端部が突出する
ようなことがない。
なお、第20図に示す125は前記帯電手段19の位置決め
溝である。
また、第18図に示す126はプロセスカートリッジ105の
有無検知用スイッチ(図示しない)を押す棒体であり、
127はトナー補強ホッパ(図示しない)を取り付けたと
き開くトナー補給口用シャッタで、128はシャッタ用ス
プリングである。また、129は感光体ドラム固定用ピン
である。
感光体15の一端側には、第18図および第21図に示すよ
うに金属メッキしたキャップからなるオートトナーセン
サリング140が冠着されており、この部分の現像剤濃度
を検知し得る構成となっている。このオートトナーセン
サリング140は第22図に示すようにリン青銅等の導電性
板ばね141を介してドクターブレード94に、さらに、導
電性板ばね142を介して現像スリーブ104に接続されてお
り、前記オートトナーセンサリング140、ドクターブレ
ード94、および現像スリーブ104が同電位となるように
なっている。換言すればオートトナーセンサリング140
への給電を専用の給電手段を用いることなく行えるよう
になっている。
また、オートトナーリング140が設けられた感光体15
他端側には、第21図に示すように板ばね143、ブッシュ1
44を備えたフランジ145が取り付けられており、プロセ
スカートリッジ105を装置本体1内に組み込んだとき、
フランジ145の軸挿通孔145a内に装置本体1側に設けた
感光体駆動軸146が挿入することになっている。そし
て、前記板ばね143の係合舌片部143a…が感光体駆動軸1
46の被係合部(図示しない)に係合することにより、感
光体駆動軸146の駆動力が感光体15に伝達されるように
なっている。
また、転写手段19は第23図ないし第26図に示すように
スコロトロンで構成されている。
シールドケース150内にコロナワイヤ151を張設したも
のであり、このコロナワイヤ151の一端は第23図および
第24図に示すように給電ターミナル152にばね止めされ
た金具153に連結され、他端は第25図に示すように給電
ターミナル154の軸155に張力スプリング156を介して連
結されている。また、シールドケース150の感光体15と
対向する部分は第23図に示すようにメッシュになってお
り、グリッド150aを構成している。
前記給電ターミナル152側には、第23図および第26図
に示すようにグリッド電圧給電部157、およびワイヤ高
圧給電部158が設けられている。
次にメモリぼかし手段20について説明する。
このメモリぼかし手段20は、ブラシ部材160、このブ
ラシ部材160を保持する保持部材204から成る。
ブラシ部材160は、レーヨン,ナイロン,アクリル,
ポリエステル等の樹脂を主成分とし、カーボン粒子,金
属粉,フェノール樹脂等を炭化させたもの、あるいはス
テンレスファイバー等の導電性のものが分散された導電
性の人工繊維を多数本束ねたものである。この人工繊維
は、例えば上記樹脂の液中にカーボン粒子を適量分散し
たものをノズル状の抽出口から抽出することにより作ら
れる。人工繊維の体積抵抗は上記カーボン粒子の分散量
を変えることにより自由に選択できる。また人工繊維の
太さ及び断面形状は、上記ノズルの抽出口の径及び形状
に応じて適宜変えることができる。
本発明のブラシ部材160として用いられる人工繊維は
堆積抵抗が102〜107Ωcmとすることが望ましい。堆積抵
抗が102Ωcmより小の場合は、後述する如く残留トナー
を静電気的に吸引するために、ブラシ部材160に電圧印
加すると、感光体との間で放電現象を起こし、感光体15
の感光層を破壊するといった問題が生じる。また体積抵
抗が107Ωcmより大の場合は、たとえブラジ部材160に電
圧印加しても、感光体15上の未転写トナーtを静電的に
吸着することができず、未転写トナーtがそのままブラ
シ部材160を通過してしまうために、後述するブラシ部
材160の作用効果を得ることができない。
また、本発明のブラシ部材160として用いられる人工
繊維は、断面状が第52図に示す如くなっている。すなわ
ち、人工繊維は、その周面が凹凸160aを有しており、こ
の凹凸は人工繊維の長さ方向にほぼ連続している。従っ
て本発明のブラシ部材160に用いられる人工繊維は、表
面積が大きく、かつ長さ方向に直線的な方向性が保たれ
る。このためブラシ部材160を感光体15に対向接触させ
た場合に、ブラシ部材160が感光体15上のより多くの残
留トナーと触れることが可能であり、かつ折曲くせがつ
くことがないので、後述するブラシ部材160の作用効果
をより促進すると共に、長期間の使用にも耐えることが
できる。
また人工繊維の太さは、1〜50デニールとすることが
望ましい。1デニールより小の場合は、人工繊維が折れ
たり、保持部材204から抜け落ち易くなり、本発明のブ
ラシ部材160として長期間の使用に耐えることができな
くなる。また、50デニールより大の場合は、人工繊維を
感光体に接触させても人工繊維の束が粗になるため、未
転写トナーtがブラシ部材160と十分接触すること無く
通過してしまうといった不具合を生じ、後述するブラシ
部材160の作用効果を得ることができない。
保持部材204は、保持金具162、裏当て部材161及び補
助板金210から成る。保持金具162は導電性の金属、例え
ばアルミニウム合金からなる板材であり、一端側が断面
略L字状に予め折曲されており、かつ感光体15の軸方向
に長く伸びている。
そして、この保持金具162の短手方向中央部よりもブ
ラシ部材160の厚みaを考慮した分、他端側に変位した
部位を中心に板材を折曲してブラシ部材160の基部を挟
む込むことにより、ブラシ部材160を支持する。ブラシ
部材160は、保持金具162の一端と他端との間で略L字状
に折り曲げられた状態となる。この際、上記厚みaの考
慮分bはブラシ部材160の厚みaより小さいと、ブラシ
部材160を板材で挟み込む際にブラシ部材160を切り落と
す虞れがあるため、大きい方が望ましい。
また、ブラシ部材160の厚みと保持金具162とが折曲さ
れた状態の厚みcとの関係は、厚みaが0.5〜2mmに対
し、厚みcが2.5〜4mm程度が望ましく、この範囲を外れ
る場合には、板材を折曲げた際にやはりブラシ部材160
が切れ易くなり、あるいは抜け易くなるといった問題が
生じる。
なお、ブラシ部材160の抜けを防止するために、ブラ
シ部材160と板材との間に導電性接着材を流し込んで補
強してもよい。
裏当て部材161は、ブラシ部材160の感光体15と当接す
る面と反対の両側に沿って設けられ、ブラシ部材160の
自由端側を感光体に押し当てるためのものである。この
裏当て部材は、短手方向の長さがブラシ部材160の自由
端側の長さよりも長くすることにより、ブラシ部材160
が折曲がりぐせを有することを防止するという効果も奏
する。また、裏当て部材161の長手方向の長さをブラシ
部材160よりも長くすることにより、ブラシ部材で一旦
吸着されたトナーの飛散を防止する効果を得ることがで
きる。
また、裏当て部材161は、ポリエステル樹脂等の特に
弾性あるいは可撓性の樹脂部材、とすることにより、万
一、裏当て部材161が感光体15に触れても感光体15の損
傷を防止することができる。
補助板金210は、感光体15とは反対側で裏当部材161に
当接して設けられ、裏当て部材161及びブラシ部材160を
補強するものである。
本実施例では補助板金210と裏当て部材161とを別部材
で構成したが、一個の部材で両者を兼ねることも可能で
ある。本実施例では、前記ブラシ160は、レーヨンにカ
ーボンを含ませて比抵抗106Ω・cmにし、太さ6デニー
ルの繊維にしたものを100本づつの束とし、82束/inchの
密度で繻子織にし、2枚重ね横糸を抜くことにより構成
されている。また、ブラシ部材160は片面に、第30図及
び第33図に示すように厚さt mm(0.1mm程度)のポリエ
ステルフィルムからなる裏当て部材161をブラシ部材160
の穂先よりd mm(1.0mm程度)突き出た状態で保持金具1
62に付けるようになっている。そして、感光体15に対し
θ(15゜)の取り付け角でブラシ部材160の先端より3mm
の位置でブラシ面が接するように帯電手段16の上流に取
付けられている。
メモリぼかし手段20の好ましい形状は固定ブラシ状で
ある。すなわち、回転または左右移動等ブラシを動かす
とトナー飛散するばかりでなく、回転型は大型化すると
ともに駆動系が必要でコスト高となる。
次に、現像同時クリーニング、転写およびイメージぼ
かし等について以後、実験データを含めて原理、条件等
を説明する。
本クリーニング同時現像プロセス(Cleaning&Develo
ping Process:CDP)は反転現像で行うところのにポイン
トがある。それはトナーtの極性と帯電の極性が同じで
あるため帯電手段3によりトナーの極性が反転すること
がないからである。
一方、第34図に示すように正規現像でクリーニング工
程を行おうとすると次のようになる。
この場合、負帯電感光体を用いるとトナーtの極性は
正極性のものを使用することになるが、まず帯電工程で
転写残りトナーtは逆極性の負となってしまう。露光工
程第34図の(B)においてバックグランド(白地部)に
相当する部分は光照射されるが、通常トナーtの下にも
光がまわり込んでしまい、バックグランド部のトナーt
の下の電位も減衰してしまう。次に正極性のトナーtを
用いて未露光部を現像すると感光体15の未露光部の転写
残りトナーtは静電的に除去され、現像されるべきパタ
ーンがネガ状に抜けてしまい、黒ネガ、メモリ画像不良
となる。
また、露光部にある転写残りの負極性トナーtは現像
手段18に吸引されることがないので感光体15上に残った
ままとなる。さらに、場合によっては現像剤D中の正極
性トナーtを吸引してしまう現象も発生する。(D)の
転写工程では露光部上の転写残りトナーtは転写手段19
と同極性のため転写されずに感光体15上に残ってしま
う。そのためプロセスサイクルが繰り返されるたびに感
光体15上の転写残りトナーtは増加してしまう。また転
写残りトナーtにより吸引された正極性トナーtは転写
されるため転写画像の白地部に感光体15の1回転前の画
像が現れてしまう。(白ポジメモリ)。つまり、正規現
像方式ではプロセスサイクルが繰り返されるごとに感光
体15上の転写残りトナーtが増加し、黒ネガメモリや白
ポジメモリの発生が増加してしまう。つまり、これが正
規現像ではクリーニング同時現像は非常に難しく、反転
現像では容易である所以である。
また、本方式は現像手段18で感光体15をクリーニング
するため感光体15に付着した紙カスを現像手段18内に取
り込んでしまう。そのため現像剤Dを現像スリーブに薄
層を形成させるため現像スリーブとドクターブレードを
数百ミクロンと狭くしなければならない磁性一成分方式
や、ドクターブレードをスリーブに摺接する非磁性一成
分方式等の一成分方式は多数枚プリントすると紙カスが
ドクターブレードと現像スリーブの間に入り込み均一な
現像剤層がスリーブ上にできなくなり画像欠陥を起こし
やすい。(但し、一成分現像剤でも画像の程度、使用頻
度においては十分実施可能なことは勿論である。) 一方、二成分現像法はそのようなことがないため5万
枚以上プリントしても画像欠陥はまったく発生しなかっ
た。つまり二成分現像法の方が現像手段のメインテナン
ス期間が長く、本方式に好ましい。
しかしながら本方式CDPでは良質の画像を得るには一
定のプロセス条件が必要である。第35図はここで用いる
内容(用語)の説明図で、感光体15が帯電手段16で帯電
され未露光のまま現像位置93に達した時の電位を帯電電
位Voと呼び、露光手段17により露光され減衰した電位を
露光後電位Ver、現像手段18の現像ローラ94に印加され
る電位を現像バイアスVbと呼び露光後電位Verと現像バ
イアスVbとの差を現像電位Vb=Vb−Ver、帯電電位Voと
現像バイアスVbとの差をクリーニング電位VCL=Vo−Vb
と呼ぶ。
本実施例では感光体15は負帯電用のOPCを用いたが正
帯電タイプも考慮してVb,Ver,Vb−Ver,Vo−Vbは絶対値
として話をすすめる。
第36図の第1象現は横軸に現像電位Vb−Ver、縦軸に
画像濃度とり、測定データをプロットしたものである
が、良好画像濃度1.0以上を得るためには現像電位100v
以上必要なことがわかる。
一方、第2象現は横軸に現像電位Vb、縦軸に帯電電位
Voを示したもので、各プロット点は用紙P上の画像にお
いてクリーニング不良による感光体15の1回転前の画像
によるメモリの発生状況を示したものである。
ここでは現像電位が300Vより多いとクリーニング不良
に起因する白地上に黒いパターンのメモリが発生するこ
とが判明している(以後白地メモリという)。これは現
像電位が300V以上になっても画像濃度は増加しないが、
実際のトナーtの付着量は増加しており、転写残りトナ
ーtも同時に増加しているためと考えられる。
次に第3象現であるが、ここでは横軸にクリーニング
電位Vo−Vb、縦軸に帯電電位Voをとり、用紙P上のメモ
リ画像の発生具合を表わしたものである。
ここでクリーニング電位VCL=Vo−Vbはゼロだとクリ
ーニング不良による白地メモリが確実に発生し、少なく
とも50v以上が必要であることが判明している。
しかしながら、クリーニング電位が大きくなるとトナ
ーtに現像ローラ94からトナーtに正電荷が逆注入して
しまい、負極性から正極性となってしまったトナーtが
感光体15の未露光部(負帯電部)に付着し、フィルタと
なって露光部17aの露光量を減少させ、露光画像がボソ
ボソしたり、ドットパターン中に感光体15の一周前の画
像がポジ状メモリとして発生するなどの画像不良の原因
を引き起こす。そのため、最大クリーニング電位はトナ
ーtやキャリヤcおよびその組合にも多少左右される
が、多くとも300V以下が好ましいことが判明した。
また、メモリぼかし手段20の抵抗依存性を調べた。周
速36mm/秒で回転する30ΦのOPC感光体15を、まず、前露
光装置21で前露光を行い、帯電手段としては帯電スコロ
トロンチャージャにて−500Vに帯電させ、30Φの現像ス
リーブ104を140rpmの回転数で感光体15の回転方向に対
し順方向で回転させ、露光により形成された静電潜像を
クリーニング同時現像し、転写手段19としての転写チャ
ージャで用紙Pに転写させる。
転写後はプロセスカートリッジ105に固定されたブラ
シ200を通過させ、これを1サイクルとし、連続プリン
トを行い、転写画像を評価した。
なお、本実施例では反転現像であり、転写手段19とし
ての転写チャージャは帯電と逆極性であるため転写後の
感光体15の表面電位は帯電の電位を上回ることがなく、
帯電手段16は、電位制御型のコロトロンなので基本的に
は電位変動はないはずだが、実際には長時間同じ画像を
プリントすると第37図に示すように露光部と未露光部で
光疲労で残留電位に差が発生し、別の画像をプリントし
た時に濃度ムラとなるため強制疲労の目的で赤色LEDを
使用した。
メモリぼかし手段20の抵抗依存性を調べ、以下の結果
を得た。
ここで使用したブラシは1本のフィラメント(繊維)
が3デニールのものを100本を束ねて1本の糸とし100,0
00本/inch2の密度でパイル織りブラシ170(第38図A,第3
8図B,第38図C参照)を用いた。なお、図中171は基布横
糸、172は基布縦糸、173はパイルである。
ここでは、ブラシ170の比抵抗20℃60%RH環境下を100
Ω・cm〜1015Ω・cmまで変えて試したところ比抵抗106
Ω・cm以下のものが表1に示すようにハーフトーン(網
目)パターン上の黒ネガメモリに効果的であった。
しかし、実用上では白ポジが除去できる109Ω・cm以
下の抵抗を持つもので十分であった。
103Ω・cm以下だと感光体15へのダメージ(感光体の
絶縁破壊が起きる)があり、また、毛抜けで帯電手段16
に触れた場合リークし、帯電が落ちると反転現像の場合
ベタ黒となる。したがって、好ましくは103Ω・cm〜108
Ω・cmが良い。
また、黒ネガメモリに対しては正または負のバイアス
を印加する必要があった。
ここで、ブラシ170を通過した後の転写残りをメンデ
ィングテープで採取してみたところ、第39図に示すよう
に0Vまたはフロートだとブラシ170を通過後も転写残り
トナーtのパターンは多少薄くなるもののほとんど変わ
らず、画像上にもメモリが発生する。
ところが、トナーtと同極性の負バイアスだと文字パ
ターンの境界部は薄くなる一方、転写残りパターンのラ
インの中央部のトナーtが無かった部分をブラシ170が
現像してしまい、全体的に濃い文字パターンとなる。
しかし、これは画像上ではメモリとしては現れない。
トナーtの極性とは逆の正バイアスだと文字パターンの
境界部が薄くなり、画像上にメモリは発生しない。トナ
ーtの極性とはキャリアcとの摩擦帯電によって得られ
る極性である。ここで、メモリぼかし手段20のブラシ17
0(160)は転写残りの文字特性のトナーパターンを拡散
しているわけではなく、ブラシ170(160)がトナーtを
一旦静電的に吸引し、その後、感光体15へ自然に吐き出
して感光体15におけるトナーtの付着位置を変えている
ことすなわち吸着されたトナーの自由落下が生じている
ことが判明した。なお、トナー位置を変えるだけであれ
ば、メモリぼかしブラシ170(160)ではなく、積極的に
トナーtを拡散する手段を設ければ良いように考えられ
るが、その場合には、装置自体が大型になり、かつ、ト
ナー飛散といった問題が生じ好ましくない。
また、ここで、2万枚画出しのランニングテストの結
果、ブラシ170(160)内には、トナーtはほとんど蓄積
しなかった。
一方、紙の浮上がりや皺、折れに起因する転写抜けに
よる未転写トナーtのクリーニング不良の白ポジメモリ
に対しては0Vまたはフロートまたは正の電圧でなければ
効果はなかった。
これから、ブラシ170(160)に対するバイアスは正で
ある必要が判明した。そこで正バイアス電圧を100Vから
1000Vまで変えて転写残りトナーtのパターンと用紙P
上のメモリの除去効果を調べたところ100V以上で効果は
ほゞ同じで正電圧であれば良いことがわかった。しか
し、+700V以上を印加するとOPC(オーガニック・フォ
トコンダクター)感光体15のわずかな欠陥(ピンホール
と思われる)により電圧がリークしてしまい、ひいては
感光体15に焦げ穴を穿けてしまうことがわかり、適正電
圧は+100〜+700Vまでが実質的に使用できる範囲であ
る。
ここで、実施例では、装置の小型化、低価格化を目指
すため感光体15を30Φの小型とし、用紙Pの腰(剛性)
による剥離のみを用いたため用紙Pが通過しない部分に
転写手段(転写帯電器)19がかかり、第40図に示すよう
に感光体15の電位が転写グリッド電圧に近い+700〜+1
200Vまでその部分が正帯電してしまう。
そのため、ブラシ170(160)付着している負極性のト
ナーtが用紙Pが通過しなかった正帯電した部分を現像
してしまうことが判明した。
特に用紙Pの先端と後端に近い部分に著しくトナーt
が付着し、画像上ではスジ状に白ポジ、黒ネガメモリと
して現れてしまう(第40図参照)。これを防ぐにはブラ
シ170(160)に正のバイアスを印加することと、第41図
のタイミングチャートに示すように用紙Pが転写手段
(転写帯電器)19の下を通過している時のみ転写手段19
のコロナワイヤー151にかける電源をONし、用紙Pの前
後の感光体15のむき出しの部分がプラス帯電しないよう
にすることで解決できた。
なお、本実施例の装置はA3紙までプリントできるが、
A3紙より幅の狭い紙、例えばB5紙をプリントする場合、
感光体15の用紙Pの両端(用紙Pの大きさを問わず用紙
Pの中央を常に同じ位置で送る装置であるため)がプラ
ス帯電するが、この場合はプリント中にはこの部分には
用紙Pが無いので全く問題とならない。
また、後述するが、ブラシ形状も繻子織の布地を複数
枚積層して一端部をブラシ状とした方が好ましいことも
判明した。
ここで、ブラシ170(160)に印加するバイアス電源を
ONするタイミングについて述べる。
ブラシ170(160)には、プラス電圧(帯電と逆極性の
電圧)が印加されるため、基本的には感光体15をプラス
帯電する。そのため、電圧がかかったブラシ170(160)
を通過した感光体15の表面は必ず帯電手段16により帯電
コロナを受けないとその部分が現像手段18を通過すると
現像手段18の中の現像剤のトナー(負帯電)tが付着し
てしまいベタ黒となってしまう。この様なベタ黒はクリ
ーニングしきれず問題となる。
そのため、ブラシ170(160)による負帯電を帯電手段
16により負帯電とすれば良い。
ブラシ接触位置から帯電位置に感光体15の外周が至る
時間をTB-M(第32図参照)とすると、ブラシバイアス電
源をONしてから帯電をONする時間はTB-M以下でなければ
ならない。本実施例では第41図に示すように帯電とブラ
シバイアスONは同時に行うようにした。
また、プリント終了時にもこのような問題が発生す
る。そのためプリント終了時にはブラシバイアスがOFF
となった時の感光体15の表面が帯電位置を通過するまで
帯電手段16の放電を止めてはならない。すなわち、帯電
をOFFする時間はTB-M以上の長さでなければならない。
つぎに、ブラシ170(160)の繊維の太さを変えメモリ
に対する効果を画像およびブラシ通過後の感光体15上の
転写残りトナー像を調べたところ100デニールより太い
と部分的に、特に縦線のメモリが除去できなかった。10
0デニール以下はメモリの発生がなく、転写残りトナー
像も境界部の濃い部分がなくなっていた。結論すると繊
維の太さは100デニール以下が好ましい。
また、ブラシ170(160)の密度はパイル状のものは繊
維1000本/inch2以上のもので厚さ0.5mm以上でないと効
果はなく、また、繻子織のものは繊維10本〜1000本を1
束とし10束/inch以上の割合で縦糸もしくは横糸として
織り込んだ後にブラシ状としたものでなければメモリぼ
かし効果にムラが発生することが判明した。メモリぼか
し効果はブラシ抵抗、繊維の太さ、密度等ではほぼ決定
されるが、実際に装置の実用化に対してはブラシの形
状、当て方によりトナー落ち(飛散)が発生することが
わかった。
ここで、パイル織のブラシ170(第38図参照)と1本
の繊維が3デニールの太さのものを100本束ね1インチ
当たり127束の密度で縦糸として繻子織のブラシ160(第
31図参照)としたものを長さlA、厚さW(繻子織は枚
数)、角度Θ、接触位置lB(第32図参照)などを変えて
1000枚(A4横)プリントをしてスコロトロンからなる帯
電手段16上に飛散または落下するトナーtの量を調べ
た。
その結果、第42図Aで示すようにパイル織ブラシ170
の穂先当て、および第42図Bで示すパイル織ブラシ170
の腹当て共にトナー落ちが多く、スコロトロンからなる
帯電手段16のグリッドが真黒く汚れてしまった。また、
毛抜けが時々発生し、帯電手段16のグリッドと短絡し、
ベタ黒画像が発生するという不具合が発生した。繻子織
のブラシ160は第43図に示すような穂先が感光体15に接
するような当て方はトナー落ちが多く、また、時おり用
紙Pの間隔あとが発生するために好ましくなかった。
一方、第32図に示すように繻子織ブラシ160を穂先で
はなく腹当てにすることでトナー落ちが著しく減少し
た。その最適当て方条件は第32図に示すように感光体15
がなく、ブラシ160に外力が無く、十分にブラシ160が伸
びきった状態で(一度圧力をかけるとブラシはしばらく
変形するため)ブラシ160の中心線Lが感光体15の外径
円と交わった点をP、P点での感光体15に対するブラシ
方向の接線をMとすると、ブラシ長さlAは4mm以上、接
触点Pはブラシ穂先点よりの距離lBは1mm以上、取付角
Θは45゜以下でなければトナー落ちが多く効果が薄れ
た。
また、第32図および第33図に示すようにブラシ160の
感光体15に当接する面とは反対側の面にブラシ160の毛
が広がるのを防止するため裏当てフィルム161を設けた
ところ30万枚プリントしてもトナー落ちが発生しなかっ
た。
この裏当てフィルム161は絶縁性のもので、ポリエス
テル、ウレタン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、ポリ
アセタール、フッ素系樹脂等で厚さ2mm以下の弾力性の
あるものであればなんでも良い。
ただし、裏当てフィルム161の先端はブラシ160の先端
と同じか、それ以上(本実施例では1.5mmとした)突き
出していることが必要で引っ込んでいては効果がなかっ
た。
これは、繊維が先端で広がっていると数十ミクロン径
の繊維1本1本にびっしりとトナーtが付着し、空気の
流れの微妙な変化や振動で落下、飛散するためである。
また、前記感光体15、帯電手段16、およびメモリぼか
し手段20は、前記現像ユニット18に一体的に組込まれた
状態(第4図B、第18図参照)となっており、これらプ
ロセスカートリッジ105を一体的に装置本体1内に出し
入れできるようになっている。
したがって、感光体15を装置本体1から取り外したと
してもこれらの相対的位置関係が変化せず、これにより
メモリぼかし手段20からのトナーtの飛散やメモリぼか
し効果の低下を防止することが可能となる。
また、単なる固定型なので感光体15と一緒に捨てても
コストは余り変わらない。
なお、感光体15上の静電潜像は現像手段18のトナーt
によって顕像化された後、用紙P上に転写手段19によっ
て転写される。
ここでは、次のような工夫がなされている。
本実施例のプロセススピード(感光体周速)は36mm/s
ecと通常の複写機(A4紙縦送り15枚/分のものでプロセ
ススピードは140mm/sec程度)に比べ約1/4とかなり遅く
なっている。この様な遅いプロセススピードの場合、従
来から転写手段として用いられているコロトロンチャー
ジャを用いると次のような不具合が生じる。
コロナ電流が少ないためコロナワイヤーに印加する
電圧が低く、放電開始点に近く、汚れや環境変化に対し
不安定となる。
文字部とベタ部(トナーが広い面積で付いている部
分)の良好な転写を行うコロナの印加電圧または出力電
流の値が異なり、両部において良質な転写像を得るのが
難しい。
これらの原因はプロセススピードが遅いため転写時間
が長くなってしまったことに起因する。
基本的にはトナーtの転写は、用紙Pの電位がトナー
tを静電的に吸引する電位に達するまで用紙Pに電荷を
与えれば良い。
それ故、本プロセススピードは遅いため、コロナワイ
ヤーへの印加電圧が3.5〜4KV程度で丁度良い転写電流を
発生してしまい、それ以上だと転写過剰となってしま
う。ところが、3.5〜4KVという電圧は、第44図に示すよ
うにコロナ放電のほぼ開始電圧であり、温度や湿度、気
圧、汚れの付着具合等で放電したり、しなかったりする
ため安定性に欠け非常に具合が悪い。
また、の文字部とベタ部画像の転写条件の違いを調
べるため、一定面積内にベタまたは多数の文字を印字す
るようにし、感光体15上にトナーtによる顕像を作り、
未転写の場合と、用紙Pに転写した後の感光体15上のト
ナー付着量を一定面積セロハンテープ(ニチバン製)で
テープ上に採取し、採取したテープを一定量のトルエン
で溶かし透過率を測定することにより次の式で転写効率
を算出した。
第45図は本実施例に用いたプロセススピード36mm/sec
の装置の転写手段19をコロトロンにして、コロナワイヤ
ー151に印加する電圧を変えたときの文字(線)画像部
とベタ部の転写効率を調べたもので、文字部とベタ部が
同時に転写効率80%以上となるような印加電圧は無いこ
とがわかる。すなわち、コロトロンを用いるかぎり、文
字かベタかのどちらかの画像濃度が下がることは避けら
れないといえる。
この理由は第46図に用紙Pの電位と電荷の動きを示し
たように、ベタ部では用紙Pは感光体15との間にトナー
tが介在するため感光体15より離れており、端部を除く
ほとんどが転写コロナより受けた電荷を保っているた
め、用紙Pの電位の減少はほとんどせず、電気的な力に
よりトナーtが用紙Pに転写される。
一方、文字部はトナー像の幅が狭いためトナーtの上
の用紙P上の電荷はトナー像の横の感光体15の未露光部
の逆電荷に吸いとられてしまい用紙Pの電位が上がらな
い。
そのため、ベタ部の転写を適正とすれば文字部の用紙
Pの電位が低くなってしまい転写効率が悪化する。逆に
文字部の用紙Pの電位を上げようとすると、ベタ部の電
位が上がり過ぎてベタ部のトナーtが用紙Pからのリー
ク電流を受けて極性が逆転しマイナスからプラスになり
転写し難くくなる。すなわち、転写過剰となる。
このような不具合を無くすために、転写手段19に帯電
手段16と同様なスコロトロンチャージャを用いた。スコ
ロトロンチャージャを用いたことにより5KV以上の電圧
をコロナワイヤー151に用いることができるので放電が
安定する上に汚れなどによるチャージむらの発生が防げ
る。また、ベタ部と文字部の用紙Pの電位を同電位に制
御できるため、ベタ部と文字の両方が良好な転写が画像
が得られるようになった。
第47図はスコロトロンを用いた時の文字部とベタ部の
転写効率をコロトロンを用いた時と同様にして調べたも
ので十分制御が効いており、ベタと文字の両方が同時に
良好な転写を行う(転写効率80%以上)領域が広くとれ
ることを示したものである。スコロトロンの形状は帯電
のものとほぼ同じである。
ここで、転写のスコロトロンは感光体15に対して下向
きで開口しているがプラスコロナなのでオゾンはほとん
ど発生せずマイナスである帯電とは違い全く問題はな
い。ここでスコロトロンのグリッド電圧の適正値を転写
効率を測定することで調べた。
表2はグリッド電圧を変え、各種転写用紙Pにおける
転写効率の良否を求めたものである。
これによると各種紙の違いにより転写の良好な(効率
80%以上)グリッド電圧の領域が異なることが判明し
た。
そのため全ての種類の紙に対して良好な転写をさせる
ためにはグリッドの電圧を用紙に応じて少なくとも2種
類以上の電圧に切換える必要がある。本実施例では封筒
の時は1200V、他の用紙の時は+700Vの2段に、信号に
よりグリッド用トランスの出力を切換えることにした。
なお、グリッド電圧の切換えは各種紙に応じて多段に切
換えて良いのはいうまでもない。
ここで、転写手段19をスコロトロンにする場合考慮す
ることの1つとしてスコロトロンのグリッドの汚れ対策
がある。通常、転写手段19は感光体15に対して下側に取
り付けられている。そのため開口部が上向きになってお
り、用紙Pはその上方を通過することになる。この際、
どうしても感光体15上のトナーtや、用紙Pの紙粉等が
転写手段19の上に落ちてしまう。転写手段19をスコロト
ロンにした場合どうしてもグリッド150aの上にトナーt
や紙粉な落下付着してしまい、数千枚〜数万枚のプリン
ト中にグリッド150aの汚れがひどくなったり、メッシュ
の目がつまったりして転写不良が発生し易くなってしま
う。
そこで、本実施例では転写位置を感光体15上方にし、
スコロトロンの転写手段19をその上方に設けることでグ
リッド150a側の開口部を下向きにすることで上記のよう
なグリッド150aの汚れを防止した(第3図参照)。
第4図Aの案内板180と導電性の案内ローラ25にツェ
ナーダイオードやバリスタ、抵抗や電源による電圧等を
変えて転写性を調べた。その結果転写性はスコロトロン
でも案内板181やローラ25の電位で変わることが判明し
た。
表3はその結果の評価の表である。
スコロトロンを用いた場合は案内部材181,180に電圧
を印加すると転写過剰に起因する転写不良が発生しやす
いことがわかった。
このことから従来のように用紙Pの紙パスの案内板18
1,180に電圧や抵抗、定電圧素子で自己バイアスをかけ
ることはスコロトロンによる転写には転写過剰を引き起
こし悪い結果となる。むしろ最も好ましいのはグランド
(アース)かフロート(電気的に絶縁)である。そこで
本実施例では案内板181とローラ25をアースに接続し、
他の接触部は絶縁性部材(例えばABS樹脂)とした。
ここでクリーニング同時現像(CDP)特有の感光体15
の1周前に現像したパターンが次の画像部上に現れるメ
モリの種類と発生原因について述べる。
メモリは3種類あり白地上に黒のポジパターン(白
ポジ)、ドットまたはラインの集合体で作られるハー
フトーン上のネガパターン(黒ネガ)、ドットパター
ンまたはラインの集合体で作られる網点紋様のハーフト
ーン上のポジパターン(黒ポジ)である(第48図参
照)。
の白ポジの発生原因はクリーニング不良であり帯電
電位と現像バイアスVBの差であるクリーニング電位VCL
が少なすぎると発生する。
の黒ネガメモリの発生原因は転写残りトナー像によ
る露光不良が原因である。
の黒ポジメモリはクリーニング電位の大きすぎると
トナーの抵抗の低さに起因する。
第49図はドット又はライン集合体で作られる網点紋様
のハーフトーン上に現れやすい黒ネガメモリの発生原理
を縦軸を表面電位、横軸を距離で表わしたものである。
(イ)は帯電工程で転写残りトナーが僅かにある(a
部)、多めにある(b部)、まったく無い(c,d部)が
ある感光体15の表面電位を示したものである。
(ロ)は1ドットおきの間隔で感光体15上にレーザス
ポットを照射した時の表面電位を示したもので、(c,d
部)は通常の露光であるためレーザの露光幅とほぼ等し
く電位が減衰する。(a部)は転写残りトナー量が少な
いためトナー下の電位は透過光や回折光等でかなり減衰
し、トナーが存在しない部分の露光部の電位に近くなっ
ている。一方、転写残りトナーが多い(b部)はトナー
下の感光体部に当らず電位が減衰しないので電位の減衰
する部分は狭くなるか、または全くなくなってしまう。
(ハ)(ニ)は(ロ)の露光状態を反転現像した時の
電位図と熱定着後の用紙P上パターンを示したもので、
転写残りトナーが全く無い(c,d部)は露光スポット径
(幅)とほぼ同じ径(幅)のパターンにトナー像が形成
されるが、転写残りトナーの多い(b部)は電位の減衰
した部分が露光スポット径(幅)より狭いため現像され
るパターンも小さいかまたは全くなくなってしまう。そ
して転写残りトナーはクリーニング(現像器に回収)さ
れてしまう。そのた転写残りトナーの多い部分が文字や
数字のパターンを形成していると白抜けのネガメモリと
なってしまう(第48図のの部分)。
一方、転写残りトナーが点在する(a部)はトナー下
の電位も減衰するかまたはある程度減衰するためクリー
ニングされずトナーが付着したままなので現像後のパタ
ーンは(c,d部)と大差なく、露光スポットとほぼ同径
(幅)のパターン像が得られる。また、トナー下の電位
が十分減衰していなくてもトナー粒子1,2個程度の大き
さなら露光スポット径はトナー粒子の径(通常8〜12μ
m)に比べ60μm(400dot/inch)と大きく、さらに現
像されたトナーの層厚が厚いため、現像時または定着時
に埋まってしまい実質上全く問題とならない。
ところで、黒ネガメモリの発生原因は前述したように
転写残りトナーによるフィルタ効果によるものである
が、ベタのソリッド画像、網点画像、5ドットライン
(但し400dot/inch)以上の線についてはレーザの光
量、感光体の構成、トナーの透過率等の工夫で黒ネガメ
モリは発生しない。しかしながら4ドットライン以下は
発生しやすい。特に線のエッジ部が著しく、4ドットラ
イン以下で構成される文字などで代表すると白ぽい縁取
り文字のように見える。
ここで文字画像の感光体15上の転写残りパターンをメ
ンディングテープ(3M社製)に粘着転写させて見ると、
第50図のように被現像部の非現像部との境界部に転写残
りトナーが多い。
第51図は第50図の転写残りパターンのX−X部の断面
で、境界部の転写残りトナーが積層化して多く残ってい
ることがわかる。なお、第51図に示す190はテープであ
る。そのためこの境界部はほとんど光が通過しないため
黒ネガメモリ発生の原因となる。
この文字やラインパターンの境界の積層した転写残り
トナーを崩して、メモリの発生しない単層化にする。ま
たは静電的に吸引して積層部分を除去することにより黒
ネガメモリは妨げる。
そこで上記作用をするメモリぼかし手段20を転写手段
19の下流でかつ帯電手段16の上流に設ける必要がある。
ところで、上述したメモリぼかし手段20を用いた場合
であっても、プリントのランニングテストの結果ではA4
サイズで15000枚を越えると低湿度環境下において、前
記した白ポジメモリが発生することがある。この原因は
現像剤の抵抗が上りクリーニングバイアスが小さくなる
ことと、前記メモリぼかし手段20にトナーtが僅かでは
あるが蓄積するためである。
そこで、第1図に示すように被転写材である用紙Pの
後端とそれに続く用紙Pの先端との間隔Lに相応した感
光体表面に、前記メモリぼかし手段20の印加電圧を0Vに
落とし、トナーtを放出して前記メモリぼかし手段20の
メモリぼかし能力を維持するようにした。このために
は、前記被転写材である用紙Pの後端とそれにつづく用
紙Pの先端の間の間隔を40mmにしなければ十分なトナー
放出が行なわれず、白ポジメモリの発生時期を延ばすこ
とができなかった。
実施例では、前記間隔Lを40mm以上となるように設定
するとともに前記メモリぼかし手段20のバイアスを遮断
することでバイアス電圧が実質的に0Vに低下するまでの
時間を0.2secとし、このバイアスの遮断を2回繰り返す
ことにより、前記メモリぼかし手段20のトナーtを放出
するようにしたところ良好な結果が得られた。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の画像形成装置によれ
ば、感光体上に残留した残留トナーを、吸着限界まで吸
着し、さらに自然に落下させることで撹乱して残留トナ
ーによるメモリを除去するメモリぼかし手段と、メモリ
ぼかし手段に、メモリぼかし手段の吸着限界まで付着し
た残留トナーを強制的に感光体に放出させる放出装置に
より、メモリぼかし手段に吸着限界まで吸着された残留
トナーを所定のタイミングで放出させることで、メモリ
ぼかし手段の吸着力を長期に亘って維持することができ
る。なお、メモリぼかし手段に、吸着限界まで吸着され
た残留トナーが放出される場合、連続的に搬送されてい
る用紙相互間で放出されることから、メモリぼかし手段
から放出された残留トナーが、次の用紙に転写されるこ
とが防止される。
これにより、前の画像形成サイクルの残留現像剤によ
る不要な画像の発生を防止して良好な画像を得ることが
でき、さらには装置全体の小型化、低コスト化および保
守性の向上が図れるといった特長を有するクリーナレス
の画像形成装置の実用化が可能となるといった効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は本発明
の要部の構成を示す図、第2図は画像形成装置全体の外
観斜視図、第3図は同じく概略的縦断面正面図、第4図
Aは主要部の構成を示す概略的縦断正面図、第4図Bは
プロセスユニットの斜視図、第5図は本発明の記録装置
の表面電位の変化および感光体上のトナー状態をプロセ
スに従って模式的に示す説明図、第6図は感光体の断面
図、第7図は感光体にトナーがついているときの照射状
態を示す説明図、第8図はCTL膜厚を変化させたときの
環境条件と残留電位の関係を示す図、第9図は感光体の
断面模式図、第10図は感光体の露光量と表面電位の関係
を示す図、第11図Aは露光パターンが一松模様の場合の
露光量不足による影響を説明するための説明図、第11図
Bは露光パターンか一ラインの場合の露光量不足による
影響を説明するための説明図、第12図は帯電手段のグリ
ッド側から見た平面図、第13図は同じく正面図、第14図
は第12図A−A線に沿う断面図、第15図は第13図矢視B
方向の側面図、第16図は静電潜像形成手段の取り外し状
態を示す説明図、第17図はプロセスユニツトの概略的断
面図、第18図は同じく平面図、第19図は同じく一端側側
面図、第20図は同じく現像手段部のみとした状態を示す
他端側側面図、第21図は感光体の駆動力伝達側付近の断
面図、第22図はオートトナーリングへの給電状態を模式
的に示す図、第23図は転写手段のグリッド側から見た一
部切欠平面図、第24図は第23図の矢視Aの一部切欠正面
図、第25図は第23図B−B線に沿う断面図、第26図は第
23図C−C線に沿う断面図、第27図はメモリ除去手段の
平面図、第28図は同じく正面図、第29図は同じく下面
図、第30図は第27図A−A線に沿う断面図、第31図はメ
モリ除去部材を構成する端子織りブラシの斜視図、第32
図は同じく取り付け状態を示す図、第33図は同じくブラ
シの裏当てフィルムの状態を示す図、第34図は正規現像
と同時クリーニングを行う場合の表面電位の変化および
感光体上のトナーの状態をプロセスに従って模式的に示
す図、第35図は表面電位の内容説明図、第36図は現像電
位と画像濃度、現像電位と帯電電位、及びクリーニング
電位と帯電電位のそれぞれの関係を示す説明図、第37図
は露光後の電位の状態を示す図、第38図Aはメモリ除去
部材を構成するパイル織りブラシの斜視図、第38図Bは
パイル織りのブラシの一部拡大図、第38図Cはパイル織
りのブラシの一部断面図、第39図はブラシ配置部を通過
した後の転写残りパターンを示す説明図、第40図は転写
コロナが連続の場合の転写後の感光体上の表面電位を示
す図、第41図はプリント時のプロセスタイミングを示す
図、第42図Aはパイル織りブラシの穂先を接触して作用
した場合の説明図、第42図Bはパイル織りブラシの腹を
接触して使用した場合の説明図、第43図は繻子織りブラ
シの穂先を接触して使用した場合の説明図、第44図は転
写時の印加電圧と放電電流の関係を示す図、第45図はコ
ロトロンチャージャによる文字部とべた部画像の印加電
圧と転写効率の関係を示す図、第46図は転写紙の電位と
電荷リークの状態を示す説明図、第47図はスコロトロン
チャージャによる印加電圧と転写効率の関係を示す図、
第48図は転写紙上に現れ易いメモリパターンの例を示す
説明図、第49図は黒ネガメモリ発生の感光体の電位と転
写残りトナーの関係を示す図、第50図は転写残りパター
ンの例を示す図、第51図は第50図のX−X部のトナーの
状態を示す説明図、第52図はブラシの断面図である。 15……像担持体(感光体)、16……帯電装置、17……露
光装置、18……現像装置、19……転写手段、20……メモ
リぼかし手段、160……ブラシ、t……現像剤(トナ
ー)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体を特定の極性に帯電する帯電手段
    と、 前記帯電手段にて帯電された前記像担持体に露光して静
    電潜像を形成する露光手段と、 前記特定の極性と同極性に帯電する現像剤を担持する現
    像剤担持体と、この現像剤担持体にバイアス電圧を印加
    する第1の電圧印加手段とを具備し、前記像担持体の帯
    電電位と前記現像剤担持体に印加されるバイアス電圧と
    の差に応じて、前記現像剤担持体から前記像担持体に現
    像剤を供給して前記静電潜像を現像すると同時に、前記
    像担持体に付着している残留現像剤を除去する反転現像
    方式の現像清掃手段と、 前記像担持体に向けて被転写材を順次供給する供給手段
    と、 前記現像清掃手段にて現像された現像剤像を、前記供給
    手段にて供給された被転写材上に転写する転写手段と、 前記転写手段にて前記現像剤像が転写された後に、前記
    像担持体上に残留した残留現像剤を撹乱し、前記残留現
    像剤によるメモリを除去するメモリ除去手段と、 前記メモリ除去手段に対し、前記残留現像剤を撹乱する
    ための、前記特定の極性と逆極性の電圧を印加する第2
    の電圧印加手段と、 この第2の電圧印加手段から前記像担持対に印加される
    電圧を変化させることにより、前記メモリ除去手段に付
    着した残留現像剤を強制的に前記像担持体に放出させる
    放出手段とを具備し、 前記供給手段にて供給される被転写材の間隔を所定の大
    きさとして、前記被転写材の搬送間隔において、前記放
    出手段による前記残留現像剤の放出を行うことを特徴と
    する画像形成装置。
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