JPH0210886Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、平面視において後方に向かつて開口
したほぼＵ字形状の田植機用サイドフロートに関
する。

一般に田植機用サイドフロートは、苗植付装置
を支持した状態で機体走行に伴つて泥面上を滑走
するものであり、既植苗の倒れを防止するために
サイドフロート横外側への泥押しが少く、かつ、
苗植付装置のローリングに対する安定性の良いも
のが望まれている。

上記Ｕ字形状の田植機用サイドフロートは、苗
植付箇所２０を両横側から挾むようにフロート横
側部分を位置させるものであり、接地底面積が同
程度の例えば第６図イ及びロに示すように苗植付
箇所２０の片側に位置させてあるサイドフロート
２１…と比べると、泥押し防止及び対ローリング
安定性がバランス良く優れており、総合機能とし
て優秀なものである。つまり、第６図イに示すよ
うに、苗植付箇所２０よりもサイドフロート２１
を内側寄りに位置させたものは、サイドフロート
２１の外側への泥押しは少いが、左側サイドフロ
ートと右側サイドフロートの浮心間隔は、左右両
外側の苗植付箇所よりも挾いものであり、ローリ
ングに対する安定性が非常に悪いという欠点があ
り、また、第６図ロに示すように苗植付箇所２０
よりもサイドフロート２１を外側寄りに位置させ
たものは、左側サイドフロートと右側サイドフロ
ートの浮心間隔が、左右両外側の苗植付箇所より
も広く、安定性が良好な反面、サイドフロート外
側への泥押しが非常に大きく隣接した既植苗を押
し倒したり、隣接圃場を乱すという欠点がある。
一方、Ｕ字形状のサイドフロートは、左側サイド
フロートと右側サイドフロートの浮心間隔は、略
左右両外側の苗植付箇所付近にあつて、安定性が
良く、またサイドフロート外側に位置するフロー
ト構成部の巾が挾いため泥押しが少く、全体とし
て、サイドフロートに望まれる機能をバランス良
く満足するという特徴を有するものである。

本考案は、このように優れた総合機能を有する
田植機用サイドフロートにさらに改良を加えて、
より確実に泥押しにより苗倒れの発生を防止でき
るものにすることを目的とする。

本考案は、冒記田植機用サイドフロートにおい
て、接地底面のうち少くとも両横外側縁部を、そ
の前後方向ほぼ全長にわたつて、進行方向に直交
する方向での断面視において、その横外側縁側ほ
ど低くなる傾斜面に形成してある事を特徴とす
る。

本考案の特徴構成による作用効果は次の通りで
ある。

つまり、サイドフロート接地底面に設けられた
傾斜面が、サイドフロートの押圧によつて横方向
に流動する泥圧を、サイドフロート内側に案内す
るように作用し、その結果、サイドフロート外側
への泥押しは極めて少なくなり、泥押しによつて
隣接する既植苗を倒すといつたトラブルを従来よ
りも一層確実に防止することができ、全体とし
て、田植機用サイドフロートとして要求される機
能をバランス良くかつ優れた状態で備えた極めて
優れたものを提供し得るに至つた。

次に実施例を示す。

第１図に示すように、前後にラグ車輪１，２を
軸架した自走車体の前部に、エンジン３等から成
る原動部、操向ハンドル７等の操作具及び予備苗
載せ台８を搭載すると共に、後部に、運転座席６
を取付け、かつ、苗植付装置４をリンク機構２４
により昇降自在に取付け、苗植装置４に、そのロ
ーリングを規制するサイドフロート１０を連設す
ると共に、油圧シリンダー５を自動操作して苗植
付深をほぼ一定に維持するためのセンサーフロー
ト９を設けて、乗用型田植機を構成してある。

前記苗植付装置４は、苗載せ台１１、植付爪１
２を備えた植付リンク機構１３等から成り、苗載
せ台１１を車体左右方向に往復運動させながら４
個の植付爪１２で植付作業を行なうように構成し
てあり、他方、第２図に示すように、センサーフ
ロート９により整地された箇所に２条分の苗を植
付けるように、センサフロート９の両側夫々に配
置されたサイドフロート１０により整地された箇
所に１条分づつの苗を植付けるように構成してあ
る。サイドフロート１０はいずれも、平面視にお
いて後方に向かつて開口したほぼＵ字状に形成さ
れて、その切欠部において苗が植付けられるよう
に構成してある。

第２図及び第３図に示すように、泥土との接触
によつて回転し、泥土上の浮遊夾雑物を泥土深部
に押し込むようにした三枚の遊転円盤１４…を、
左右一対の支持ステー１５の前端部に軸芯P₂周
りで回転自在に取付けると共に、支持ステー１５
をサイドフロート１０夫々の前端部に軸芯P₂周
りで揺動自在に取付け、支持ステー１５の後端部
と、サイドフロート１０から突設した部材１６に
亘つて、円盤１４を下向きに付勢するスプリング
１７を架設すると共に、円盤１４の下限位置を設
定するボルト式ストツパー１８を設け、もつて、
円盤１４が泥土中の土塊等の障害物に当つた際に
スプリング１７に抗して上方に逃げるようにし
て、円盤１４の破損を防止しながら、サイドフロ
ート１０に夾雑物が引きずられて、圃場を乱した
り、隣接苗を倒したりするというトラブルを円盤
１４により防止するように構成してある。

サイドフロート１０夫々に、その前後方向のほ
ぼ全長にわたつて、第４図に示すように、縦断背
面視において、その接地底面２２の両横外側縁部
２３ほど中央側よりも低くなる傾斜面１９を形成
し、もつて、サイドフロート１０の押圧に伴つて
流動する泥土を傾斜面１９によりサイドフロート
１０内側に案内するようにしてある。

次に、別実施例を示す。

傾斜面１９を形成するに、第５図に示すよう
に、サイドフロート１０の両横外側縁部２３を、
部分的に横外側縁側ほど低くなるように形成して
も良く、またこれら傾斜面１９を曲面や複数段傾
斜面等に形成しても良い。

本考案によるサイドフロートは、各種仕様の田
植機にも適用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案に係る田植機用サイ
ドフロートの実施例を示し、第１図は乗用型田植
機の全体側面図、第２図は要部の平面図、第３図
は要部の側面図、第４図は第２図における−
線矢視断面図、第５図は別実施例における要部の
断面図であり、第６図イ及びロは比較構造を示す
図である。 １９……傾斜面、２２……接地底面、２３……
横外側縁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面視において後方に向かつて開口したほぼＵ
   字形状の田植機用サイドフロートであつて、接地
   底面２２のうち少なくとも両横外側縁部２３を、
   その前後方向ほぼ全長にわたつて、進行方向に直
   交する方向での断面視において、その横外側縁側
   ほど低くなる傾斜面１９に形成してある事を特徴
   とする田植機用サイドフロート。