JPS6335526Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は歩行形田植機における車輪跡整地装置
に関するものである。

従来より複数個のフロート間に車輪跡整地装置
を配設する技術は、例えば実開昭55−56515号公
報に示される如く既に広く知られているが、この
種の車輪跡整地装置はフロート間の狭巾部に設け
られ、この直後に植付位置が設定されていたの
で、フロート間の車輪跡整地装置近傍の水流の通
路が狭くなり、従つてフロートと車輪跡整地装置
の間で水流が速くなり、その直後にある植付位置
に悪影響を与え、植付時点での苗の植付姿勢を乱
す等の不具合を有するものであつた。

そこで本考案は、叙上の不具合を解消すべく為
したもので、フロート間に車輪跡整地装置を設け
るものでありながら、車輪跡整地装置近傍の流速
を緩かに出来、植付苗に対する水流の影響を極力
少なくするよう工夫したものである。

次に、図面に示す実施例について説明する。

第１図は４条植田植機の平面図を示し、機体の
前部にはエンジンＥを搭載し、エンジンＥの両側
方から後方へ延設する両スイング伝動ケース９，
９の後部に両車輪１，１をそれぞれ伝動自在に架
設し、機体の後部にはハンドル１１，１１を後方
に向け延設し、ハンドル１１，１１の前方に斜設
した苗載台１３を横方向に往復動自在にして４本
の各植付爪８が苗載台１３の下部から苗を掻取つ
て各植付位置イに苗を植付けるように構成する。

機体の下部には前後方向に長い主フロート６
を、その両側方には短い補助フロート７，７をそ
れぞれ装設するが、主フロート６における両側お
よび補助フロートの内側には植付圃場面を整地均
平する幅広均平部６ｂ，７ｂを形成し、主フロー
ト６の幅広均平部６ｂの後部並びに補助フロート
７，７の幅広均平部７ｂの後部には、フロート幅
を幅狭にした凹所６ａ，６ａ、７ａ，７ａをそれ
ぞれ形成し、各凹所から各フロート後端までのフ
ロート幅を同一幅として主フロート６と補助フロ
ート７，７間に幅広の空間部Ｘを形成するととも
に、この空間部Ｘの前方寄り位置を各植付爪８に
よる植付位置イとする。

前記凹所６ａ，７ａの位置より前方となる主フ
ロート６の両側と両補助フロート７，７間には車
輪１，１を配設し、この車輪１，１を架設する両
スイング伝動ケース９，９の前部両側方に延出す
る支持体１０，１０により両補助フロート７，７
の前部を支持するよう連設し、フロートと機体側
との間に装設する苗植深さ調節杆１２によりフロ
ートの上下調節ができるように装設して構成す
る。

前記苗載台１３の下部後方には丸パイプ製支持
フレーム５を横方向にして支持フレーム１４によ
り固定し、断面コ状の支持金具１５の上部を支持
フレーム５の後面に接合し、支持フレーム５に掛
合したＵ字杆１６の一端を支持金具１５の上部切
欠き１５ａに挿通するとともに、その一端に抜止
用ピン１７を挿着し、支持金具１５の後面におけ
る孔１８に挿通するＵ字杆１６の他端ねじ部１６
ａには外方から蝶ナツト１９を螺合し、前後位置
となつて横方向にも位置がずれる平行リンク２，
３の上部には対応方向に屈折部２ａ，３ａを屈折
形成し、支持金具１５の下部前後に屈折部２ａ，
３ａをそれぞれ回動自由に嵌挿し、リンク２が垂
直状態より前方に回動しないように当接するスト
ツパー２０を支持金具１５の下部前方に形成し、
引張形スプリング４の一端フツク４ａを屈折部２
ａに引掛けて構成する。

Ａは整地板で後部２１が水平面となつて前部２
２にかけて前高となるように形成するとともに、
前部２２にかけての両側縁２３，２３が平面傾斜
し後部２１には切欠部２４，２４を形成して、整
地板Ａの中央上面にはコ状の支持板２５を固定
し、平行リンク２，３の下部においてそれぞれ対
応方向に屈折形成した屈折部２ｂ，３ｂを支持板
２５の前後に回動自在に嵌挿し、屈折部３ｂに一
端を回動自由に連繋した引掛片２６の先端および
中間位置にフツク部２６ａ，２６ｂを形成し、前
記スプリング４の他端フツク４ｂを両フツク部２
６ａ，２６ｂのいずれか一方に引掛けて構成する
が、平行リンク２，３を介しての支持状態で整地
板Ａが前高に傾斜する姿勢となるように取付け構
成する。

また、前記整地板Ａを、前記空間部Ｘ内にあつ
て前記植付位置イの後側方でかつ前記車輪１，１
の後方でさらに主フロート６並びに補助フロート
７，７後端より前方に配設して構成する。

主フロート６および補助フロート７，７が田面
を滑走する状態で、４本の各植付爪８が植付位置
イにそれぞれ植付けを行い、両車輪１，１の走行
跡には整地板Ａ，Ａが追従滑走して均平整地を行
う。。

その状態で、平行リンク２，３によつて支持さ
れる整地板Ａ，Ａは前傾状態となりながらスプリ
ング４により田面側に弾圧される状態で田面を滑
走し車輪１，１の跡を均平整地することになる
が、苗植深さ調節杆１２の操作により植付深さ調
節を行つても平行リンク２，３の支持により整地
板Ａは姿勢を変えないでスプリング４により弾圧
されながら田面を滑走することができる。

圃場が軟弱の場合にはスプリング４のフツク４
ｂを引掛片２６の先方フツク部２６ａに引つかけ
ると整地板Ａの接地圧を低くし、硬い場合にはフ
ツク４ｂをフツク部２６ｂに引つかけると整地板
Ａの接地圧を高くしてそれぞれに適応させること
ができる。

また、蝶ナツト１９を弛めてＵ字杆１６および
支持金具１５を支持フレーム５に対し少しく回動
させると整地板Ａを上下位置変更させることがで
き、大きく回動させると整地板Ａを上方高くにし
て不使用時の収納状態にさせることができる。

さらに、整地板Ａ，Ａは、主フロート６および
補助フロート７，７間に形成した幅広の空間部Ｘ
にあつて前記植付位置イの後側方でかつ車輪１，
１の後方でさらに前記両フロート６，７，７の後
端より前方に設けられ、車輪１，１の走行跡を均
平整地するために、両フロート６，７，７間を通
過する泥水流が幅広の前記空間部Ｘでその流れの
勢いを弱められ、この水流が弱められた状態で苗
を植え付けることができるとともに、その後車輪
の跡を整地することができることとなつて、苗の
植付姿勢の乱れを極力少なくすることができる。

また、整地板Ａ，Ａによる整地均平作用時にお
いては整地板Ａ，Ａが泥水を機体進行方向に対し
横方向に押しやる現象が多少なりとも生起し整地
板Ａ，Ａの側方に位置する植立苗が横方向に移動
しがちであるが、前記空間部Ｘにより泥水流が弱
められていることに加え、整地板Ａ，Ａの側方に
は主フロート６並びに補助フロート７，７が位置
しているために、これらが泥水の横移動を阻止す
ることとなつて植立苗の横移動を防止し、植立苗
の条間を適切に保持することができる。

しかも整地板Ａ，Ａは両フロート６，７，７の
後端より前方に位置し、こらの後方には突出して
いないために、機体後方のハンドル１１位置にて
機体操作を行う作業者が機体旋回時等において足
を整地板Ａ，Ａに引つ掛けて転倒するといつた事
故も生起せず、極めて安全に作業を行うことがで
きる。

このように本考案は、機体の前部にエンジンを
配設すると共に前記機体の後部に後方に向けハン
ドルを延設して構成する歩行形田植機において、
前記機体の下部には主フロートを、その両側方に
は補助フロートをそれぞれ装設し、前記両フロー
ト間に車輪を配設する一方、前記両フロートには
植付圃場面を整地均平する幅広均平部を形成し、
該幅広均平部の後部におけるフロート幅を幅狭に
形成して前記両フロート間に幅広の空間部を形成
するとともに、該空間部における前方寄り位置を
植付位置とし、しかも前記空間部には前記植付位
置の後側方でかつ前記車輪の後方でさらに前記両
フロート後端より前方に車輪跡整地装置を設けた
ことから、フロート間を通過する泥水流は両フロ
ート間の幅広の空間部でその流れの勢いが弱めら
れ、この水流が弱められたときに苗を植えること
が出来るとともに、その後車輪の跡を整地するこ
とが出来るので、苗植時点の泥水流の植付苗に対
する影響を極めて小さくすることができ、従来の
ようにフロートと車輪跡整地位置の間で泥水流が
速い時点で苗を植える結果、良好なる植付姿勢を
保ち難いという問題を解決することができる。

また、車輪跡整地装置による整地均平作用時に
おいては、車輪跡整地装置が泥水を機体進行方向
に対し横方向に押しやる現象が多少なりとも生起
して植付後の植立苗が横方向に移動しがちである
が、前記空間部により泥水流が弱められている上
に車輪跡整地装置の側方には両フロートが位置し
ているために、これらが泥水の横移動を阻止する
こととなつて植立苗の横移動を防止し、植付苗の
条間を適切に保持することができる。

しかも車輪跡整地装置は両フロート前方に位置
し、これらの後方には突出していないために、機
体後方のハンドル位置にて機体操作を行う作業者
が機体旋回時等において足を車輪跡整地装置に引
つ掛け転倒するといつた事故の発生を未然に防止
し得、極めて安全に作業を行うことができ、さら
にはトラツク等による機体の運搬時における載置
スペースを小さくすることができる等、種々の効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は田植機
の平面図、第２図は側面図、第３図は要部の側面
図、第４図は要部の拡大側面図、第５図はその背
面図、第６図は第５図の側断面図、第７図は説明
のための該略平面図を示す。 １……車輪、６……主フロート、７……補助フ
ロート、６ｂ，７ｂ……幅広均平部、１１……ハ
ンドル、イ……植付位置、Ｘ……幅広空間部、Ｅ
……エンジン、Ａ……整地板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の前部にエンジンを配設すると共に前記機
   体の後部に後方に向けハンドルを延設して構成す
   る歩行形田植機において、前記機体の下部には主
   フロートを、その両側方には補助フロートをそれ
   ぞれ装設し、前記両フロート間に車輪を配設する
   一方、前記両フロートには植付圃場面を整地均平
   する幅広均平部を形成し、該幅広均平部の後部に
   おけるフロート幅を幅狭に形成して前記両フロー
   ト間に幅広の空間部を形成するとともに、該空間
   部における前方寄り位置を植付位置とし、しかも
   前記空間部には前記植付位置の後側方でかつ前記
   車輪の後方でさらに前記両フロート後端より前方
   に車輪跡整地装置を設けたことを特徴とする歩行
   形田植機における車輪跡整地装置。