JPH0210832Y2

JPH0210832Y2 -

Info

Publication number: JPH0210832Y2
Application number: JP1987088477U
Authority: JP
Priority date: 1981-11-11
Filing date: 1987-06-08
Publication date: 1990-03-16
Also published as: AU8984182A; GB2111146B; IT1154537B; US4582180A; DE3144868C1; FR2516189A1; JPS5888235A; GB2111146A; FR2516189B1; JPS6315337U; IT8224140A0

Description

【考案の詳細な説明】本考案はブレーキ用、特に自動車車両用スポツ
ト型デイスクブレーキ用液圧アクチユエータであ
つて、前端がシリンダから突出してブレーキパツ
ドに当接する段部を有するピストンと、該段部の
外面に前方から嵌め込まれる環状保護シートと、
環状保護シートの後に設けられ、その経方向外縁
とシリンダとの間およびその径方向内縁とピスト
ンとの間の密閉を与える環状弾性スリーブとを含
む液圧アクチユエータに関する。

この種の公知のアクチユエータ（実公昭53−
25111号公報、西ドイツ実用新案登録第7147508号
明細書参照）に於て、保護シートの半径方向内縁
には筒状カラーが構成され、その内面はピストン
に形成された段部分の筒状外面に嵌合している。
保護シートの前側面はピストンの前端面とほぼ同
じ平面に位置し、保護シートの前側面とピストン
前端面は共に対応するブレーキパッドの支持板に
向いあつて位置する。従つて長い時間ブレーキを
かけると、保護シートは殆どブレーキパツドの支
持板と同じように加熱される。このため保護シー
トの後側面にほぼ接触して設けられたスリーブは
保護シートからの放熱と直接の熱伝達の両方によ
る熱を相当程度受ける。従つてスリーブは著しい
熱発生を併なう強いブレーキ操作がしばしば行わ
れるスリーブの老化が早い。その開放端がシリン
ダから突出しているカツプ型ピストンの内壁と係
合する筒状カラー又は壁部分を有する環状又はカ
ツプ型の保護シートを有するもう一つの公知のア
クチユエータ（西ドイツ特許公告公報第1207160
号及び西ドイツ特許公開公報第2236420号参照）
についても同じ事が云える。この場合には、ピス
トンの前端面は保護シートにより完全に被われて
おり、ブレーキパツドには保護シートを介して作
用する。従つてブレーキが掛けられると、保護シ
ートは更に早くブレーキパツド支持板の温度に達
し、スリーブに対する熱の影響は最初に述べた公
知の装置のもの以上と考えられる。

上記の全ての公知の装置は、更に、保護シート
は特に加熱によりしわになり或いは截頭円錐形に
歪曲した時、ピストンと隣接するブレーキパツド
の間にばねのように作用するという事実がある。
この保護シートのばね作用によりピストンはブレ
ーキの解放の際、保護シートが変形しない場合よ
り更にブレーキパツドから離れてシリンダへ後退
する。従つて次のブレーキ作動はより大きな量の
ブレーキ液体をシリンダに供給する事を必要とす
る。これはブレーキをかけるのに必要なペダルの
行程が保護シートのばね作用がない場合より大き
くなる事を意味する。更に、上記の公知技術の場
合、保護シートは、ピストンの筒状外面と保護シ
ートの筒状カラー閉筒面直径の公差の重畳によ
り、嵌め込むのが困難であつたり、反対に、ガタ
つく程弛く嵌合することになる。

従つて、本考案の目的は保護シートが簡単な方
法で確実に固定され、変形した場合もピストンに
戻り力を与えず、従つてスリーブを熱の伝動と放
射に対しよりよい保護が可能であるように最初に
特定した種類の液圧アクチユエータを提供するも
のである。

本考案は、ブレーキ用、特に自動車車両用スポ
ツト型デイスクブレーキ用の液圧アクチユエータ
であつて、前端がシリンダから突出してブレーキ
パツドに当接する段部を有するピストンと、上記
段部の外面に前方から嵌込まれる環状の保護シー
トと、該保護シートの後に設けられ、その径方向
外縁とシリンダとの間およびその径方向内縁とピ
ストンとの間の密閉を与える環状の弾性スリーブ
とを有する液圧アクチユエータに於て、上記段部
はその外面に環状溝を有し、上記保護シートは全
体的には平面状であり、その径方向内縁から内側
に突出して上記環状溝に拘留される弾性舌片を有
し、それにより該保護シートがブレーキパツドお
よび上記弾性スリーブのいずれからも間隔を置い
て保持されるようになされ上記段部に形成された
環状溝は径方向内側に収斂する溝側面で形成さ
れ、上記弾性舌片の少くとも一部が保護シートの
平面から屈曲して、それにより上記溝側面の間に
固定される事を特徴とする。

本考案は特に次の効果を有する。

(a) 直径公差が重畳しても、保護シートはピスト
ンの段状部分に押圧され、弾性舌片は特に努力
又は注意なしに、手又は簡単な装置で環状溝に
スナツプ嵌合される。

(b) 舌片を環状溝に拘留したとき、保護シートは
所定位置に確実に保持される。

(c) 保護シートがブレーキパツドに接触しないの
で、ブレーキ作動及び戻り力がもつぱらピスト
ンの前端によりブレーキパツドに伝達される。

(d) ピストンの前端面が隣接するブレーキパツド
支持板の振動緩和ライニングの中へ押込まれて
も、保護シートは軸方向のブレーキ作動力又は
戻り力の伝達はしない。

(e) 保護シートが、ブレーキパツドおよびスリー
ブのいづれからも間隔を置いて保持され、これ
らの間に直接的な熱伝導がなく、空気が保護シ
ートの両側に流通して、ブレーキ中、保護シー
トの加熱が軽減される。従つて保護シートの部
分からスリーブに作用する熱は極めてわずかし
かない。ブレーキパツドからピストンを経てス
リーブに作用する熱はピストンの段部に形成さ
れた環状溝により軽減され、更に保護シートが
冷却フインのように作用することにより軽減さ
れる。

好ましくは後方溝側面はアジアル面中にある。
この場合、二つの溝側面の収斂な前方溝側面のみ
の傾斜で得られる。

これに関連して、弾性舌片を前方へ均一に曲げ
ると特に有利である。その場合、保護シートは後
方溝側面と外側へ屈曲した舌片ぶんだけ中断され
た比較的大きなリング面で係合し、ピストンと保
護シートの間の良い熱伝導を与える。

然しながら、弾性舌片は又互いに交叉するよう
に設けて、交互の舌片がピストンの段部に形成さ
れた環状溝の前方及び後方溝側面に接するように
してもよい。

変形例として、各弾性舌片はそれ自身のラジア
ル軸まわりにねじられる。この方法で、各舌片は
その前縁により前溝側面に、その後縁で後溝側面
に係合する。

然しながら、これら変形例と比較して一般に均
一に前方に曲げられた舌片を有する上記の構造
が、それによる製造の容易さのために最も好まし
い。本考案によるアクチユエータを大量生産する
際、保護シートの組立は弾性舌片がピストンの段
部に形成された環状溝に簡単にスナツプ嵌合する
ので、機械的又は自動的にさえも行うのが容易で
ある。この目的のために弾性舌片を保護シートの
内縁の最大可能角幅にわたつて、出来るだけ均一
に配分するのが好ましく、注意すべき事はただ半
径の幅が小さい領域に於ける環状保護シートが過
度に弱くならないにする事である。

これに対し、手による組立ては、全ての舌片が
保護シートの最大180゜の範囲のセクターに位置
し、保護シートのこのセクターの反対側領域の内
縁が中心方向へ張出している場合容易である。こ
の場合、保護シートは先ずピストンの段部に斜め
に配置し、上記の領域を環状溝に挿入する。次に
上記のセクターをこのセクターにのみ形成された
弾性舌片が環状溝に拘留されるように押込むだけ
でよい。

最後に、ピストンに既に述べた環状溝の後に軸
方向に間隔をおいた第２環状溝を備え、公知の方
法でスリーブの径方向内縁を嵌めると有利であ
る。

添付の図を参照して、本考案の実施例について
説明する。

ブレーキデイスク１０が自動車の車両の車軸脚
部又は車軸ケーシング（図示せず）に固定する且
つブレーキデイスク１０の外縁をまたがるブレー
キ担体１２を含む図示のブレーキと整合されてい
る。浮動キヤリパ１４がブレーキ担体でブレーキ
デイスク１０の回動軸に平行に移動するように案
内される。浮動キヤリパ１４は又ブレーキデイス
ク１０の外縁をまたがつている。ブレーキデイス
クの回転軸に平行な軸Ａを有するシリンダ１６が
浮動キヤリパ１４の一側に、即わち車両の内側に
形成され、その他側、即わち車両の外側にはブレ
ーキデイスクに対して径方向内側に突出する脚部
１８がある。

浮動キヤリパ１４内に且つブレーキデイスク１
０の各側に、二つのブレーキパツド２０と２２が
備えられ、各スチール支持板２４と摩擦ライニン
グ２６を含む。両ブレーキパツド２０と２２共ブ
レーキ担体１２にその関係支持板２４により直接
支持されて、ブレーキデイスク１０が周辺方向に
移動しないように固定される。更に両ブレーキパ
ッド２０と２２共、軸に沿つて平行に延長する一
対のピン（図示せず）により通常の方法で支持さ
れ、且つ浮動キヤリパ１４に解放自在に固定さ
れ、ピンによりブレーキパツドのラジアル運動を
妨げる。中空リベツト２８が軸に平行に支持板２
４の各ブレーキパツド２０と２２の摩擦ライニン
グ２６のない領域に固定され、且つそれはばね３
０を担持し、ばねの脚部は公知の方法で上記ピン
上に支持され、衝撃の際ブレーキパツド２０と２
２のがたつきを防止する。

カツプ型ピストン３４がシリンダ１６内に案内
され、密閉リング３２により密閉される。ピスト
ンの開放前端がシリンダから突出し、段部３６を
有し、その外径D₃₆はピストン３４の主要部分の
外径D₃₄より小さい。環状溝３８が段部３６に形
成され、後方溝側面４０と前方溝側面４２で囲ま
れている。第２図に示す如く、後方溝側面４０は
軸Ａに対し直角な面に位置する一方、前方溝側面
４２は図の左側に狭くなる後方テーパー円錐面を
有し、それによつて後方溝側面４０に収斂する。
第２図からわかるように、環状溝の底はまるくな
つて、ノツチストレスを避ける。

第５図に示す如く、第２図によるピストン３４
の段部に形成された環状溝３８は両側を円錐面で
囲まれた環状溝３８によりおきかえてもよい。変
形例として、環状溝はＵ型断面に、換言すれば平
行な溝側面により囲むようにできる。しかし第２
図に示した実施例が特に有用である事が認められ
ている。

第２環状溝４４がピストン３４内に、環状溝３
８又は３８′の後に間隔をおいて形成され、図示
の実施例ではＵ型横断面を有する。この第２環状
溝４４は弾性プラスチツク材料のラバーで作られ
たスリーブ４６のビード状径方向内縁を収容す
る。その径方向外縁はシリンダ１６に形成された
環状溝４８に埋込まれる。

第１図に示す如く、スリーブ４６はピストン３
４の段部３６上にスリーブ４６の前側に固定され
た保護シート５０により隣接するブレーキパツド
２０の支持板２４と直接接触しないように且つ熱
放射を受けないように保護されている。保護シー
ト５０はほぼ軸Ａに対し直角の面Ｂに設けられ、
ほぼ円形の径方向内縁５２を有し、その中心Ｃは
軸Ａに設けられる。内縁５２の直径D₅₂はピスト
ン３４の直径D₃₄より明らかに小さく、しかも段
部３６の直径D₃₆よりもほんの少し大きい。

保護シート５０、は互いに角度的に間隔をおい
て設けられ各ラジアル軸Ｅに対し対称的に構成さ
れた多数の弾性舌片５４を含み、各舌片は該軸Ｅ
に対し平行に延長する二つのスロツト５６により
形成され、且つ平面Ｂの外側に屈曲している。舌
片５４の径方向内縁はその直径D₅₄が段部３６の
直径D₃₆より小さく、しかも溝状溝３８の底の直
径D₃₈よりも若干大きい円上に位置する。

弾性舌片５４は保護シート５０の主要部分の平
面Ｂから種々の異なる態様で屈曲しうる。舌片５
４は第２図に示す如く、全てシリンダの前方に且
つ平面Ｂから離れるように屈曲すると特に製作が
容易で、作用が好都合である。この場合保護シー
ト５０は相当な大きさのリングセクター形の部分
により後溝側面４０に当接するが、舌片５４の径
方向内縁は前溝側面４２で支持され、それによつ
て保護シート５０をピストン３４に対し中心決定
し、それをがたつかないように固定する。

然しながら舌片５４は又前方と後方に交互に屈曲
し、後方及び前方溝側面４０と４２の各に交互に
係合することができる。この舌片５４の交互設定
構造はピストン３４と保護シート５０との間の相
対的回転を防止する。勿論これはピストン３４の
前端面が「鳴き」騒音を妨げるように意図された
例えばセクター形の溝を有して、或る角度位置を
維持しなければならない場合のみ重要である。保
護シート５０に形成された外側突起５８はそれが
浮動キヤリパ１４に対し軸Ａの周囲に回動する事
を防止する。従つて保護シート５０は又舌片が例
えば上記の交互設定構造により溝側面４０と４２
を固く把握する時、ピストン３４が軸Ａ周囲に回
転するのを妨げる。

後者は又第５及び第６図に示した弾性舌片５４
の変形例によつて達する事ができ、それによれば
各舌片はそれ自身そのラジアル軸Ｅ周囲にねじら
れる。然しながら、この舌片のねじれ及び側面交
互構造は第２図により得られた保護シート５０と
後方溝側面４０の間の比較的大きい面積の接触を
排除する。

第２図に示したようなシリンダ１６の前方へ屈
曲した舌片５４をもつぱら使用するのは又保護シ
ート５０の取付が容易である。

第３図のものと比較して、特に手による組立体
に適した変更例が第４図に示した保護シート５０
の実施例で、三つの弾性舌片５４のみを含み、全
て120゜のセクターに設けられている。このセクタ
ーの中央ラインの反対側に領域６０が備えられ、
そこで保護シート５０の径方向内縁５２がその円
形から内側にそれ、中心Ｃから最少距離Ｆに達
し、それは直径D₅₂の半分より小さい。この領域
６０は弾性舌片５４が段部３６に押圧されて、環
状溝３８内に固定されるようになる前に、保護シ
ート５０を環状溝３８に挿入するのに用いられ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両用スポツト型ブレーキデイスクの
軸方向断面図、第２図は第１図の部分の拡大
図、第３図は第１及び第２図に示した保護シート
の正面図、第４図は保護シートの変形実施例の第
３図に相当する図、第５図は第２図の変形例を示
す図、第６図は第５図の矢印の方向に見た部分
図である。１６…シリンダ、２０…ブレーキパツド、３４
…ピストン、３６…ピストン段部、３８…環状
溝、４０，４２…溝側面、４６…環状弾性スリー
ブ、５０…保護シート、５２…保護シート径方向
内縁、５４…弾性舌片。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１ブレーキ用、特に自動車車両用スポツト型デ
イスクブレーキ用の液圧アクチユエータであつ
て、前端がシリンダ１６から突出してブレーキ
パツド２０に当接する段部３６を有するピスト
ン３４と、上記段部３６の外面に前方から嵌込
まれる環状の保護シート５０と、該保護シート
５０の後に設けられ、その径方向外縁とシリン
ダ１６との間およびその径方向内縁とピストン
３４との間の密閉を与える環状の弾性スリーブ
４６とを有する液圧アクチユエータに於て、上
記段部３６はその外面に環状溝３８を有し、上
記保護シート５０は全体的には平面状であり、
その径方向内縁５２から内側に突出して上記環
状溝３８に拘留される弾性舌片５４を有し、そ
れにより該保護シート５０がブレーキパツド２
０および上記弾性スリーブ４６のいづれからも
間隔を置いて保持されるようになされ、上記段
部３６に形成された環状溝３８は径方向内側に
収斂する溝側面４０，４２で形成され、上記弾
性舌片５４の少くとも一部が保護シート５０の
平面Ｂから屈曲して、それにより上記溝側面４
０，４２の間に固定される事を特徴とするアク
チユエータ。２実用新案登録請求の範囲第１項記載のアクチ
ユエータに於て、後側の上記溝側面４０がラジ
アル面により形成されている事を特徴とするア
クチユエータ。３実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記
載のアクチユエータに於て、上記弾性舌片５４
が全て前方に均一に屈曲している事を特徴とす
るアクチユエータ。４実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記
載のアクチユエータに於て、上記弾性舌片が互
いに交叉している事を特徴とするアクチユエー
タ。５実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記
載のアクチユエータに於て、上記弾性舌片５４
が各それ自身のラジアル軸Ｅのまわりに捩られ
ている事を特徴とするアクチユエータ。６実用新案登録請求の範囲第１項から第５項ま
でのいづれか１項記載のアクチユエータに於
て、全ての上記弾性舌片５４が上記環状保護シ
ート５０の180゜以下の範囲のセクターに設けら
れ、保護シート５０の該セクターと反対側の領
域６０の内縁５２の中心Ｃからの距離Ｆが縮小
されている事を特徴とするアクチユエータ。７実用新案登録請求の範囲第１項から第６項ま
でのいずれか１項記載のアクチユエータに於
て、上記ピストン３４は上記環状溝３８の後に
軸方向に間隔において上記スリーブ４６の径方
向内縁が嵌合する第２環状溝４４を有する事を
特徴とするアクチユエータ。