JPH0210802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の属する技術分野］ 本考案は共通の油圧源により負荷の異なる複数
のアクチエータを同時に操作する多連制御弁装置
に関する。

［従来の技術］ 従来、共通の油圧源にパラレルに接続され、
各々負荷の異なる複数のアクチエータを同時に操
作する多連制御弁装置は、軽負荷側へのみ油が流
入するのを防止するため軽負荷のアクチエータに
固定絞りを設け通路抵抗を増加する等の処理がと
られていた。しかしながらこの方式は軽負荷アク
チエータを単独操作する場合、通路抵抗が大きい
ため速度の遅いことならびに油圧源の圧力が上昇
し省エネルギーに反する欠点があつた。

［考案の目的］ 本考案はこのような欠点を除去したものでその
目的は、重負荷側の負荷圧力の大小に応じて軽負
荷側の開度を調整することにより、軽負荷側のア
クチエータを単独操作したときに速度が早く、か
つ油圧源の圧力を必要量にして省エネルギーを達
成した多連制御弁を提供することにある。

［考案の要点］ 本考案の多連制御弁装置は、共通の油圧源にパ
ラレルに接続され、各々負荷の異なる複数のアク
チエータを同時操作する複数の制御弁で構成さ
れ、各制御弁のスプールはセンターにバネで負勢
されて、かつパイロツト圧に応じてスプールスト
ロークが調整される多連制御弁装置において、軽
負荷アクチエータを制御する制御弁を切換えるパ
イロツト圧油が流れるパイロツトライン上に、重
負荷アクチエータを制御する制御弁の両パイロツ
トラインの一側の圧油により２次圧力を低減させ
るようにした減圧弁を設けたことを特徴にしてい
る。

［考案の実施例］ 以下、本考案について実施例を示した図により
詳細に説明する。多連制御弁１１は軽負荷アクチ
エータ１２を制御するＡ制御弁１４と重負荷アク
チエータ１３を制御するＢ制御弁１５とからな
り、各制御弁１４および１５はタンク１６内の油
を吸いあげ、リリーフ弁１７により最高圧力に制
御される主ポンプ１８の圧油をアクチエータ１２
および１３に方向を切換えて供給するか、或いは
図示の位置のとき無負荷でタンク１６に戻してい
る。上記した制御弁１４および１５の切換えは、
最高圧力をリリーフ弁１９により制御されるパイ
ロツトポンプ２０の圧油を両方向に切換えるパイ
ロツト弁２１および２２のパイロツト圧をその一
側に受けることにより切換えられる。そして制御
弁１４および１５が切換えられることによりポン
プ１８の圧油は両アクチエータ１２および１３の
一側に供給され、他側の圧油は制御弁１４および
１５を通つてタンク１６に排出される。

軽負荷アクチエータ１２を制御する制御弁１４
を軽負荷側に切換えるべく、パイロツト弁２１か
らパイロツト圧油の流れるパイロツトライン２５
には２次圧力の低減可能な減圧弁２６が設けてあ
り、この減圧弁２６は本体２７とシリンダ２８と
からなり、シリンダ２８の一側は重負荷アクチエ
ータ１３を制御する制御弁１５の両パイロツトラ
イン３０および３１に接続したシヤトル弁２９の
下流に結ばれていることにより、シヤトル弁２９
にパイロツト圧油が作用すると減圧弁２６の２次
圧力は低下する。

次に前述した実施例の動作を説明する。パイロ
ツト弁２１および２２を同時に右側へ倒すと両制
御弁１４および１５はいずれも右室に切換わるべ
く内部のスプール（図示せず）は移動を開始して
メータリングに入り、軽負荷アクチエータ１２の
上方室に主ポンプ１８の圧油が流入して鍾１２Ａ
は降下を始め一方、重負荷アクチエータ１３も回
転を始める。しかしながら減圧弁２６のシリンダ
２８にはシヤトル弁２９からパイロツト圧油が作
用して内部のピストンは下降するため、減圧弁１
６の２次圧力即ち制御弁１４のパイロツトライン
２５のパイロツト圧力は制御弁１５のパイロツト
ライン３１のそれより低い。従つて制御弁１５は
完全に右室に切換わるが、制御弁１４は完全に右
室に切換わらず中間のメータリング状態が続き、
軽負荷アクチエータ１２には絞られた主ポンプ１
８の圧油が流入することにより重負荷アクチエー
タ１３にも圧油が流入する。

パイロツト弁２１を先ず右側に倒すことにより
制御弁１４が完全に右室に切換わつた後パイロツ
ト弁２２を右側に倒すと、シリンダ２８には前述
の場合と同様にパイロツト圧油が作用することに
より減圧弁２６の２次圧力即ちパイロツトライン
２５のパイロツト圧力は低下するため、制御弁１
４のスプールはスプリング１４Ａに押されて後退
しメータリング状態になる。従つて軽負荷アクチ
エータ１２には絞られた主ポンプ１８の圧油が流
入することにより重負荷アクチエータ１３にも圧
油は流入する。

パイロツト弁２２を右側に倒し次いでパイロツ
ト弁２１を右側に倒す場合は、制御弁１４には初
めから低圧のパイロツト圧油が作用しているた
め、メータリング状態で切換わり軽負荷アクチエ
ータ１２には絞られた主ポンプ１８の圧油が流入
する。

なお、前述の説明において制御弁１４の右側の
パイロツトライン２５にのみ減圧弁２６を設けた
のは、パイロツト弁２１を左側に倒し鍾１２Ａを
上昇させたときの負荷が重負荷アクチエータ１３
の負荷と同じためである。鍾１２Ａを上昇させる
ときの負荷が重負荷アクチエータ１３の負荷より
小さいときは制御弁１４の左側のパイロツトライ
ン３２にも減圧弁（図示せず）を設ける。また軽
負荷アクチエータ１２を軽負荷側に操作するとき
重負荷アクチエータ１３の操作方向が一定のとき
は、シヤトル弁２９を設けることなくパイロツト
ライン３１および３０のいずれか一側をシリンダ
２８に結ぶようにしてもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案の多連制御弁装置
は、軽負荷アクチエータを制御する制御弁を切換
えるパイロツトライン上に、重負荷アクチエータ
を制御する制御弁の両パイロツトラインの圧油に
より２次圧力を低減させる減圧弁を設けた。この
構成により両アクチエータのそれぞれの制御弁を
同時に切換えたとき、重負荷アクチエータ用の制
御弁は完全に切換わるが、軽負荷アクチエータ用
の制御弁は完全に切換わらず中間のメータリング
状態にあるため、軽負荷アクチエータには絞られ
た状態で主ポンプの圧油が供給されるので、重負
荷アクチエータにも圧油が供給されることにな
り、負荷の異なる複数のアクチエータを同時に操
作することが可能になる。また軽負荷アクチエー
タ用の制御弁は完全に切換わらず中間のメータリ
ング状態にあるため、軽負荷アクチエータのみを
操作するときの速度は早く固定絞りによる圧力損
失がない等の利点も有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例の機構図である。 １２……軽負荷アクチエータ、１３……重負荷
アクチエータ、１４，１５……制御弁、２５，３
０，３１……パイロツトライン、２６……減圧
弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 共通の油圧源にパラレルに接続され、各々負
   荷の異なる複数のアクチエータを同時に操作す
   る複数の制御弁で構成され、各制御弁のスプー
   ルはセンターにバネで負勢されており、かつパ
   イロツト圧に応じてスプールストロークが調整
   される多連制御弁装置において、軽負荷アクチ
   エータを制御する制御弁を切換えるパイロツト
   圧油の流れるパイロツトライン上に、重負荷ア
   クチエータを制御する制御弁の両パイロツトラ
   インの一側の圧油により２次圧力を低減させる
   ようにした減圧弁を設けた多連制御弁装置。 (2) 減圧弁を本体と、この本体のスプリングを受
   けるシリンダとから構成したことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の多連制御
   弁装置。 (3) 重負荷アクチエータ用制御弁の両パイロツト
   ラインにシヤトル弁を接続し、このシヤトル弁
   の下流を減圧弁に結んだことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の多連制御弁装
   置。