JPH02107266A - 食品用脱臭剤等の積層体を取り付けた容器蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は食品用脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤物質
を長時間持続的に放散させることができるシート状の脱
臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤積層体を取り付けた容
器蓋の構造に関するものであり、更に詳しくは、脱臭剤
、鮮度保持剤、または殺菌剤が含浸または吸着されたシ
ート状物に通気性を有する合成樹脂フィルムまたは疎水
性合成繊維不織布もしくは合成紙を積層させた脱臭剤、
鮮度保持剤、または殺菌剤積層体を容器の蓋の裏側に取
り付けた容器蓋の構造に関する。

［従来の技術］ 食品を密封容器に包装し流通する場合、長時間鮮度を保
持し、更に容器内の殺菌および悪臭除去を行なうことは
その商品価値を維持するための重要な課題であり、有効
かつ簡便な方法が望まれていた。

この目的のために従来各種の脱臭剤、鮮度保持剤、殺菌
剤等が用いられてきた。その使用形態も直接添加、塗布
あるいは湿度調節剤、ガス調節剤として使用される等長
（の方法がある。しかし直接添加の場合は添加物自体の
安全衛生を考慮しなければならず、添加物の種類および
使用量が厳密に規制されている。

またガス吸着剤、分解剤、脱酸素剤、ガス発生剤等の薬
剤がいわゆるガス調節剤として用いられており、これら
は食品と直接接触させないで酸素やエチレンの除去、ガ
スによる殺菌、臭気ガスの除去、香気の付与等により食
品の殺菌、鮮度保持、脱臭が行なわれている。しかしこ
れらのガス調節剤を長期間持続的に放散させ、脱臭、鮮
度維持、殺菌等を効率的に行なう方法が困難であった。

更にこのような薬剤を水溶液またはそれをスプレー化し
たもの、あるいはゲル状物質へ含浸、無機系多孔質材に
吸着させ粉体または顆粒状にしたものが製品化されてい
る。しかし食品に適用する場合には、このような製品形
態では食品の表面清浄度の低下や局部的な濃厚接触を起
こし、安全衛生上問題があるので食品用には使用が困難
である。

［解決しようとする課題］ 本発明はこれら上記の方法の欠点を克服する方法につい
て鋭意検討した結果、脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌
剤（以下単に脱臭剤等と呼ぶことがある。）として有効
なガスを適度な濃度で長時間安定に供給することができ
、しかもコンパクトで、食品の包装形態に適合しつる脱
臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤を有する容器蓋の構造
を見出した。すなわち本発明は 食品用脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤を含浸または
吸着したシート状物の少なくとも１面に通気性を有する
合成樹脂フィルムまたは疎水性合成繊維不織布もしくは
合成紙を積層させた積層体を容器の蓋の裏側に取り付け
てなるシート状脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤積層
体を有する容器蓋である。

［課題を解決するための手段］ 本発明において食品用の脱臭剤、鮮度保持剤、または殺
菌剤として用いられる物質はそれ自身の蒸発、昇華によ
ってガスを放散する液状または固体状物質、あるいは分
解によってガスを発生するものなどが用いられる。

このような物質としては例えば安定化２酸化塩素、次亜
塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、などがあげられる。

とくに安定化２酸化塩素は脱臭剤、鮮度保持剤、または
殺菌剤としてきわめて有効である。すなわちメチルアミ
ン、硫化メチル、アンモニア、メルカプタン、硫化水素
フェノール等を無臭化し、また腐敗菌に対しても強力な
殺菌力があり、腐敗による悪臭をも断ち、鮮度保持効果
も大きい。

二酸化塩素（ＣＩＯ，）はそのままでは常温でガス状で
あり、しかも反応性の大きい不安定な化合物である。し
かしこれを各種の処理方法によって安定化する試みがな
され安定化二酸化塩素として商品化されている。

例えば炭酸ナトリウムの過酸化物（２ＮａｉＣＯｓ・３
Ｈ２０□）で安定化された二酸化塩素水溶液（米国特許
筒３１２３５２１号）、あるいはこの安定化二酸化塩素
水溶液をケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム等のア
ルカリ性吸着剤に吸着させた乾燥粉末状組成物（特公昭
４８−３２０７９号公報）、アルカリ性吸着剤に吸着さ
せた安定化二酸化塩素にさらにアルカリ性酸化剤を加え
た組成物（特開昭５８−６１９０４）、二酸化塩素をゲ
ル化剤または高分子高吸水性樹脂により凝固せしめた二
酸化塩素のゲル化物、（特開昭５７−２２１０２号、特
開昭５９２２３２０１号、特開昭６Ｏ−１２７２０ｉ号
公報、特開昭６１＝４０８０３号公報）などが知られて
いる。

本発明において脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤をシ
ート状材料に含浸または吸着させる方法としては上記脱
臭剤等を水溶液にして含浸させる方法、物質そのものま
たは吸着剤に吸着させたものをシートに分散させる方法
、ゲル化剤等により凝固させたゲル化物そのものをシー
ト状とする方法などがある。

本発明において安定化二酸化塩素を脱臭剤等として使用
する場合は、上記の安定化二酸化塩素水溶液、これを例
えばケイ酸カルシウムなどに吸着させた乾燥粉末状組成
物、あるいは安定化二酸化塩素のゲル化物等いずれの形
態でも使用することができるが、安定化二酸化塩素水溶
液をシート状材料に含浸させるのが最も簡便である。シ
ートとしては紙、バルブ、不織布、合成樹脂フィルムま
たはシートなどを使用することができるが、脱臭剤等を
水溶液にして含浸させる場合は、吸水性材料であること
が必要であり、紙、バルブ、不織布などが好ましい。ま
た吸水性樹脂を他のシート状材料に散布または担持させ
たものに脱臭剤等を含浸させることもできる。

本発明は上記のシート状物の少なくとも１面に通気性を
有する合成樹脂フィルムまたは疎水性合成繊維不織布も
しくは合成紙とを積層し、脱臭剤等が合成樹脂フィルム
を透過して徐々に放散され、適度な濃度で長時間安定に
供給できるようにしたものである。

このような通気性を有する合成樹脂フィルムとしては、
酸素透過率が５００　ｃｃ／ｍ”　−２４ｈｒ−ａｔｍ
（３０μ換算）以上の値をもつ合成樹脂フィルムが好適
であり、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ４メチルペンテン−１、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、軟質ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどを
用いることができるる。脱臭剤等はこれらの樹脂フィル
ム層を通して、適度の速度で放散し、持続的に放散が行
なわれる。放散速度は樹脂の種類およびフィルム厚さを
調節することによって行なうことができる。また必要に
応じて２種類以上の樹脂を混合成形して得られたフィル
ムを用いることにより、最も適当な放散速度に調節する
こともできる。フィルムの厚さは脱臭剤等の種類、放散
速度、フィルムの種類等によって異なるが、通常５〜１
００μ、好ましくは１０〜５０μのものが用いられる。

フィルムは透明フィルムでも着色フィルムでもよいが、
脱臭剤等が光により分解しやすい物質の場合には着色フ
ィルムを使用するのが望ましい。

また疎水性合成繊維不織布または合成紙としてはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステルの不織布または
合成紙などが用いられる。これらの不織布または合成紙
は同じ材料のフィルムよりも通気性が良い。不織布また
は合成紙の場合は通常厚さ５０〜３００μのものが用い
られる。なお耐薬品性、耐熱性その他の物性改良のため
に、弗素樹脂等で処理した不織布または合成紙を用いる
こともできる。

本発明の容器蓋に取り付ける積層体は通気性を有する合
成樹脂フィルムが脱臭剤等を含浸または吸着したシート
状材料の少なくとも１面に積層されたものである。片面
のみを通気性を有する合成樹脂フィルムで積層した場合
はもう一つの面は通気性を有しないフィルム、合成樹脂
の厚手のシート、あるいは容器蓋の本体とする等、水分
を通さない材料であれば任意に選ぶことができる。

また積層の方法としては、接着剤、ヒートシール等によ
る全面または周辺部を接着または融着させる方法、ある
いは単に通気性フィルムの袋にシートを封入し入口をシ
ールする等の方法がある。

本発明の積層体の表面は更に通気性を有する合成樹脂フ
ィルム、不織布もしくは合成紙等を積層することもでき
る。

本発明はこの積層体を容器の蓋の裏側に取り付けた構造
をもつものである。取り付けの方法は積層体をそのまま
接着剤、ヒートシール等によって行なうことができるが
、蓋の裏側の中央部にくぼみをつけ、その中に積層体を
収納し、゛その上から更に別の通気性合成樹脂フィルム
で覆うようにすれば蓋の裏側をフラットな構造とするこ
とができる。上記通気性合成樹脂フィルムは蓋の裏側に
張り付けるか、または容器蓋のバッキングでフィルムの
周縁部を押えることにより固定することができる。

本発明の容器の蓋の構造を第１図に示す。第１図におい
て脱臭剤等を含浸したバルブ１を通気性合成樹脂フィル
ムの袋２に封入し、これが容器蓋３の裏側の中央部に設
けられた四方形状のくぼみ部分に収納され、蓋の裏側の
全面に更に通気性合成樹脂フィルム４を張り、バッキン
グ５で押えて蓋の裏側に固定されている。このような構
造にすることによって脱臭剤等がシート状で容器の蓋に
取り付けらだコンパクトな構造で、内容物に直接触れる
ことなく広い表面積から脱臭剤等が容器内部全体に拡散
し、効率的に食品の脱臭、鮮度保持、殺菌を行なうこと
ができる。

［実施例］ 衷」Ｌ床」１ 第１図の構造を有する蓋を用意した。ただし第１図にお
いて３はポリプロピレン製蓋であり、中央部に一辺５ｃ
ｍ、深さ３ｍｍの正方形状のくぼみがつけである。二酸
化塩素換算５．４　Ｘ　１０”ｇを含有する安定化二酸
化塩素水溶液を含浸した一辺５ｃｍのバルブｌを厚さ２
０μの低密度ポリエチレン製の袋２に封入して上記くぼ
み部分に入れ、蓋全体に更に厚さ２０μの低密度ポリエ
チレン製のフィルム４を重ね、容器蓋のバッキング５で
フィルムを押え固定した。

まぐろ、せ海老、ハマチの刺身の切身を各々散切れ入れ
た内容量６００ｃｃのガラス製の容器２個を用意し、一
方に上記の蓋を、他方には通常の蓋を取り付け、常温に
て時間の経過による味と色の変化を観察した。

その結果、３〜４時間後には両者の間に差異が現われ、
特にハマチに関して明瞭な色の変化が生じ、６〜８時間
後には安定化二酸化塩素を封入しなかったものが殆ど黒
色に近く変色したのに対し、安定化二酸化塩素封入の蓋
を取り付けた方は殆ど変化がなかった。また味の変化を
見るために８時間経過後の上記３種の刺身を男女２名ず
つ計４名の人に試食させ、味覚テストを行なった結果、
全員が安定化二酸化塩素封入容器中のものは保存前と変
化がないが、通常の容器に保存したものは新鮮な味がし
ない、歯ごたえがない、等両者の間には味に差があると
答えた。

１１里ユ キムチを８Ｋｇ収納した内容量１５．６ρの金属缶の一
方には第１図の安定化二酸化塩素を封入した蓋を、他方
には通常の蓋を取り付け、これについて冷蔵庫中および
夏期室温中での長期保存テストを行なった。ただし安定
化二酸化塩素の量は二酸化塩素換算でｌＸｌ０−”ｇと
し、安定化二酸化塩素水溶液を含浸した一辺５ｃｍのバ
ルブを厚さ２００μのポリオレフィン繊維製合成紙（同
波製紙■ＡＬＴ−８５Ａ）の袋に封入した。

−３℃に保った冷蔵庫中でのテストの結果では、本発明
の蓋を取り付けた容器中では４カ月以上全く変化がなく
、臭いも悪臭化しなかったのに対し、安定化二酸化塩素
を封入しない通常の容器中のものは２力月にて酸っばく
なり、又、悪臭が強まり、大幅に商品価値を減じた。

次に夏場の室温における保存効果を見るために、最高３
２℃、最低２０℃の温度でで１週間昼夜連続的にテスト
した結果、本発明の構造の蓋を適用したものは１週間の
保存に充分耐えたのに対し、これを適用しなかったもの
は２７〜２８℃の温度で僅か４〜５時間で酸味と悪臭が
強まり、鮮度保持性が不良であった。

［発明の効果］ 本発明は食品用脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤をシ
ート状物に含浸または吸着させ、その少なくとも１面に
通気性を有する合成樹脂フィルムまたは疎水性合成繊維
不織布もしくは合成紙を積層し、これを容器の蓋の裏側
に取り付けることにより脱臭剤等を食品と直接接触させ
ることな（長時間持続して安定的に放散することができ
、しかもシート状の積層体であるために、放散表面積が
大きく、能率的、かつ均一にガスの放散が行なわれる。

また積層体を直接容器の蓋に取り付けたためコンパクト
な構造で、容器中の食品を臭気の少ない新鮮でしかも滅
菌された衛生的な状態に維持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の食品様脱臭剤、鮮度保持剤、または殺
菌剤積層体を取り付けた容器蓋の構造の一例を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、食品用脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤を含浸ま
   たは吸着したシート状物の少なくとも１面に通気性を有
   する合成樹脂フィルムまたは疎水性合成繊維不織布もし
   くは合成紙を積層させた積層体を容器の蓋の裏側に取り
   付けてなるシート状脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤
   積層体を有する容器蓋。 ２、食品用脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤が安定化
   ２酸化塩素であることを特徴とする請求項１のシート状
   脱臭剤、鮮度保持剤、または殺菌剤積層体を有する容器
   蓋