JPH0210532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、現像後のフイルムをプリントに先立
つて接合するフイルムスプライサーに用いるスプ
ライステープ送り出し装置に関するものである。

従来、現像後のフイルムを長尺状に接合するス
プライサーにあつては、フイルム接合用プレスの
左右からフイルムを挿入し、接合用プレスの後方
からスプライステープを送り出すようにしてある
ので、粘着テープからなるスプライステープをテ
ープ送り出し装置にセツテイングする際に、手で
該テープの先端部をつかみ、テープ送り出しロー
ラにかみ込ませるときに、接合用プレスが邪魔に
なるために、前記テープを送り出しローラまで引
出して行き、セツテイングすることが非常に困難
であつた。

本考案は、上述の如き困難性なり不具合なりを
解消するためになされたものであつて、スプライ
ステープを該テープの粘着性を利用して自動的に
セツテイングできるスプライステープ送り出し装
置の提供を目的とするものである。

本考案は、スプライステープを該テープの粘着
性を利用して搬送用無端Ｖベルトに付着させて所
望の位置まで搬送し、次いで該テープを転送ロー
ラを介して送り出しローラに転送することによつ
て、前記テープのセツテイングを自動化したもの
であつて、(A)スプライステープの両側縁を案内す
る案内樋内に、該テープをその下面中央部を付着
させて搬送するように、搬送用無端Ｖベルトの搬
送側を配置し、(B)該無端Ｖベルトの送り出し部に
重なるように、前記テープの両側縁を案内する鍔
付きガイドローラと、前記テープの下面の両側部
を付着させて転送する転送ローラとを配置し、(C)
該鍔付きガイドローラと転送ローラとの出口側
に、前記テープの中央部を上下両面から挾むよう
になした山形ローラと溝形ローラとよりなるテー
プ送り出しローラを配置したことを特徴とするス
プライステープ送り出し装置である。

以下、本考案を図示の実施例によつて詳細に説
明することとする。図において、１０は下面に粘
着剤層を有するスプライステープであり、該スプ
ライステープ１０はリール１１にロール状に巻い
てあり、該リールは、第１図と第２図に示すよう
に、機枠１の後端部の上部に取り付けた支持軸１
２に回転可能に装着するようになつている。２０
は案内樋であつて、図外の支持具によつて機枠１
に前下りに傾斜させて取り付けてある。もつと
も、スプライステープ送り出し装置の設置位置に
は種々制約があるので、案内樋２０は必要に応じ
て水平に取り付けてもよい。第４図に示すよう
に、案内樋２０の両側壁２１，２２によつてスプ
ライステープ１０の両側縁を案内するようになつ
ている。３０は搬送用無端Ｖベルトであつて、機
枠１に取り付けた支持軸３１，３２，３３（第１
図参照）に回転可能に装着したＶプーリ３４，３
５，３６に掛け渡してある。無端Ｖベルト３０の
搬送側は前記の案内樋２０内に配置されている。
３７は無端Ｖベルト３０の送り出し部であり、３
８は無端Ｖベルト３０の外側周面に形成した凹凸
面である。前記支持軸３３には前記Ｖプーリ３６
の外に中空軸３９とプーリ９３とを回転自在に装
着し、中空軸３９によつてＶプーリ３６とプーリ
９３とを連結してある。該プーリ９３を駆動する
ことによつて、前記無端Ｖベルト３０は、第１図
において、反時計方向に回動するようになつてい
る。４０と５０は、第１図に示すように、無端Ｖ
ベルト３０の送り出し部３７に重なるように、上
下に配置した鍔付きガイドローラと転送ローラで
ある。前記鍔付きガイドローラ４０は機枠１に取
り付けた支持軸４１に回転可能に装着してあり、
該鍔付きガイドローラ４０は無端Ｖベルト３０の
送り出し部３７から送り出されるスプライステー
プ１０の両側縁を案内する鍔４２，４３（第２
図、第３図参照）を備えている。鍔４２，４３の
内側面とスプライステープ１０の両側縁との接触
摩擦によつて鍔付きガイドローラ４０が回転する
ようになつている。前記転送ローラ５は機枠１に
取り付けた支持軸５１に回転可能に装着してあ
り、該転送ローラ５０は前記鍔付きガイドローラ
４０によつて案内されるスプライステープ１０の
下面の両側部を付着させる周面５２，５３（第３
図参照）を備えている。６０は鍔付きガイドロー
ラ４０と転送ローラ５０との出口側に配置した送
り出しローラであり、該送り出しローラ６０は前
記鍔付きガイドローラ４０と転送ローラ５０とに
よつて該送り出しローラ６０に転送されるスプラ
イステープ１０の中央部を上下両面から挾むよう
にした山形ローラ７０と溝形ローラ８０とを備え
ている。第３図に示すように、山形ローラ７０と
溝形ローラ８０には、それぞれ歯車７１と８１が
取り付けてあり、前記山形ローラ７０と歯車７１
は機枠１に取り付けた支持軸７２に回転可能に装
着され、前記溝形ローラ８０と歯車８１は機枠１
に取り付けた支持軸８２に回転可能に装着されて
いる。前記歯車７１と８１は噛合している。前記
転送ローラ５０と溝形ローラ８０には、それぞれ
歯車８１の反対側においてプーリ９２，９１が連
設してあり、該プーリ９２，９１はそれぞれ前記
支持軸５１，８２に回転可能に装着してある。９
４は図外の支持台に支持したモータ１００のモー
タプーリであり、９５は機枠１に取り付けた支持
軸９６に回転可能に装着したテンシヨンプーリで
ある。９０は無端タイミングベルトであり、該無
端タイミングベルト９０は前記したプーリ９１，
９２，９３、モータプーリ９４、テンシヨンプー
リ９５に掛け渡してある。前記モータ１００は図
外の制御回路によつて間欠的に回転と停止とを繰
り返し、スプライステープ１０の送り出し量を規
制するようになつている。２は前記送り出しロー
ラ６０の出口側に配置したフイルム接合用プレス
であり、該プレス２は前後両側にカツタ刃５を有
する上型３と、該カツタ刃５と協同するカツタ刃
６を前後両側に有する下型４とを備えている。接
合すべきフイルムはフイルム接合用プレス２の左
右両側（第１図においては、紙面の裏側と表側と
の両側）に配置した図外のフイルム移送装置によ
つてフイルム接合用プレス２内へ送り込むように
なつている。

以上のように構成された本考案のスプライステ
ープ送り出し装置は、第１図に示すように、フイ
ルム接合用プレス２の後方に配置して使用するも
のである。スプライステープ１０をスプライステ
ープ送り出し装置にセツテイングするには、第１
図において、支持軸１２にスプライステープ１０
を巻き込んであるリール１１を装着し、該リール
１１からスプライステープ１０の先端部を手でつ
かんで引き出し搬送用無端Ｖベルト３０の搬送側
の送り込み端部の凹凸面３８に付着させる。次い
でモータ１００を始動すると、モータプーリ９４
は間欠的に反時計方向に回転し、タイミングベル
ト９０を介してプーリ９１，９２，９３がそれぞ
れ間欠的に反時計方向に回転する。前記プーリ９
１の回転により溝形ローラ８０と歯車８１が間欠
的に反時計方向に回転し、歯車８１に噛合する歯
車７１によつて前記山形ローラ７０が間欠的に時
計方向に回転する。前記プーリ９２の回転により
転送ローラ５０が間欠的に反時計方向に回転す
る。前記プーリ９３の回転により中空軸３９を介
してＶプーリ３６が間欠的に反時計方向に回転
し、これによつてＶプーリ３４，３５，３６に掛
け渡してある搬送用無端Ｖベルト３０が間欠的に
反時計方向に回動する。該無端Ｖベルト３０が間
欠的に回動する際に、スプライステープ１０はリ
ール１１から引き出されるとともに、その中央部
が無端Ｖベルト３０の凹凸面３８に順次付着して
送り出し端部３７に向つて搬送される。スプライ
ステープ１０が以上のようにして搬送される間、
該テープ１０の両側縁は案内樋２０の両側壁２
１，２２によつて案内される。以上のようにし
て、送り出し部３７に達したスプライステープ１
０の先端部は、該送り出し部３７とオーバラツプ
するように、すなわち、送り出し部３７と重なる
ように配置してある上部の鍔付きガイドローラ４
０と下部の転送ローラ５０との間に進入する。該
テープ１０の両側縁は鍔付きガイドローラ４０の
鍔４２，４３の内側面によつて案内されるととも
に、該テープ１０の下面の両側部はタイミングベ
ルト９０とプーリ９２を介して搬送用無端Ｖベル
ト３０と同じ周速度で回転する転送ローラ５０の
周面５２，５３に付着することによつて、スプラ
イステープ１０は搬送用無端Ｖベルト３０の送り
出し部３７から送り出しローラ６０へ転送され
る。送り出しローラ６０へ転送されたスプライス
テープ１０の先端部はタイミングベルト９０、プ
ーリ９１、歯車８１，７１を介して搬送用無端Ｖ
ベルト３０の周速度よりも僅かに大きい周速度に
て回転する上部山形ローラ７０と下部溝形ローラ
８０との間に進入することによつて、スプライス
テープ１０のセツテイングが完了するのである。
スプライステープ１０は、山形ローラ７０と溝形
ローラ８０とによつて断面形状がＶ字状になるの
で、送り出しローラ６０からフイルム接合用プレ
ス２に間欠的に送り出されるスプライステープ１
０は水平に、かつ直線状に保持されて垂れ下らな
いのである。

以上の説明によつて容易に理解できるように、
本考案は、スプライステープを該テープの粘着性
を利用して搬送用無端Ｖベルトに付着させて転送
ローラの位置まで搬送し、次いで該テープを転送
ローラにて送り出しローラに転送し、さらに該テ
ープを送り出しローラにてフイルム接合用プレス
に間欠的に送り出すようにしたものであることに
よつて、スプライステープの先端部を手でつかん
で搬送用無端Ｖベルトの送り込み端部に付着させ
るだけで、スプライステープのセツテイングが自
動的に行われるのである。スプライステープを搬
送用無端Ｖベルトにて搬送する際および該テープ
を転送ローラにて転送する際に該テープの両側縁
がそれぞれ案内樋の両側壁と鍔付きガイドローラ
の鍔の内側面とによつて案内されるので、該テー
プは蛇行しないものであり、転送ローラにて転送
されたスプライステープは山形ローラと溝形ロー
ラとよりなる送り出しローラにて断面形状がＶ字
状とされるので、垂れ下ることなく水平にフイル
ム接合用プレスに送り出されるのである。

すなわち、本考案は、スプライステープのセツ
テイング作業を迅速、容易に行うことができ、ス
プライステープの交換時間を大幅に短縮できると
いうスプライステープ送り出し装置の提供を可能
ならしめたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図は第２図のＸ−Ｘ線に沿つて縦断するととも
に機枠を除去して示す縦断側面図、第２図は一部
を切欠して示す平面図、第３図は一部を切欠して
示す正面図、第４図は第１図のＹ−Ｙ線に沿う断
面図である。 １……機枠、２……フイルム接合用プレス、３
……上型、４……下型、５，６……カツタ刃、１
０……スプライステープ、１１……リール、１２
……支持軸、２０……案内樋、２１，２２……両
側壁、３０……搬送用無端Ｖベルト、３１，３
２，３３……支持軸、３４，３５，３６……Ｖプ
ーリ、３７……送り出し部、３８……凹凸部、３
９……中空軸、４０……鍔付きガイドローラ、４
１……支持軸、４２，４３……鍔、５０……転送
ローラ、５１……支持軸、５２，５３……周面、
６０……送り出しローラ、７０……山形ローラ、
７１……歯車、７２……支持軸、８０……溝形ロ
ーラ、８１……歯車、８２……支持軸、９０……
タイミングベルト、９１，９２，９３……プー
リ、９４……モータプーリ、９５……テンシヨン
プーリ、９６……支持軸、１００……モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプライステープの両側縁を案内する案内樋内
   に、該テープをその下面中央部を付着させて搬送
   するように、搬送用無端Ｖベルトの搬送側を配置
   し、該無端ベルトの送り出し部に重なるように、
   前記テープの両側縁を案内する鍔付きガイドロー
   ラと、前記テープの下面両側部を付着させて転送
   する転送ローラとを配置し、該鍔付きガイドロー
   ラと転送ローラとの出口側に、前記テープの中央
   部を上下両面から挟むようになした山形ローラと
   溝形ローラとよりなるテープ送り出しローラを配
   置したことを特徴とするスプライステープ送り出
   し装置。