JPH02102937A - 気相法炭素繊維で強化したクラッチフェーシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、気相法炭素繊維で強化したクラッチフェーシ
ングに関する。

特に自動車用等に用いられるクラッチフェーシングに関
するものである。

（従来の技術） 従来、クラッチフェーシングは、アスベスト、ガラスフ
ァイバー等を補強材とし、これに加硫剤、充填剤、摩擦
調整材を加え、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ゴム
材を結合として成形したクラッチフェーシングがある。

しかし、近年アスベストの人体に対する悪影響が指摘さ
れ、アスベストを含まないクラッチフェーシングが注目
されるようになった。

アスベストを含まないクラッチフェーシングは、補強材
としてガラスファイバーを用いたもの、又はガラスファ
イバーと有機繊維を混合して用いたものに、加硫剤、充
填剤、摩擦調整材を加え、フェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂、ゴム材を結合として成形したクラッチフェーシン
グがある。

クラッチフェーシングとしての必要特性は、適当な摩擦
係数０．４≦μ≦０．６を持っていること、摩耗が少な
いこと、高温時におけるフェード現象が無いことであり
、このフェード現象が起こるとクラッチフェーシングが
すべり、スムーズな走行ができない。又、フェード現象
のある材料は高温時の摩耗が多く耐久性の面でも対策が
必要である。

（発明が解決しようとする問題点） フェード現象は、摩擦熱による摩擦面の温度上昇により
摩擦係数μが低下する現象であり、クラッチフエーシン
グが熱に弱く、耐摩耗性が悪いと高温における摩擦係数
μが著しく低下し、スムズな走行ができない。したがっ
て、解決の基本としては、熱を摩擦面から速く放熱させ
ること、熱に強く耐摩耗性に優れていることである。し
かしながら従来のガラスファイバーを用いたち、又は、
ガラスファイバーと有機繊維を混合して用いたもので作
られたクラッチフェーシングは、耐摩耗性、耐フエード
性において充分な物性を満たすことができない欠点を有
している。

本発明の目的は、従来の補強材のガラスファイバー、又
はガラスファイバーと有機繊維を混合したものを用いず
、熱の放射を良くし、耐摩耗性、耐フエード性を向上し
ようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らは、クラッチフェーシングの耐フェト性を向
上させる為には、熱伝導を良くし、耐摩耗性の良い材料
を添加すれば良い。但し、クラッチフェーシングに添加
する場合には、摩擦性能に悪影響を与えるものであって
はならない。このような知見に基づいて種々の材料を検
討した結果、気相法炭素繊維が非常に有効であることを
見出し、本発明に到達した。

即ち本発明は、補強材、摩擦調整材、及び有機結合材を
用いて成形したクラッチフェーシングにおいて、気相法
炭素繊維を補強材として用いることを特徴とする気相法
炭素繊維で強化したクラッチフェーシングである。

本発明でいう、気相法炭素繊維とは、炭化水素類と特定
の有機金属化合物の混合液を、必要に応じてキャリアー
ガスとともに加熱帯域に導入し、炭化水素類を熱分解し
、触媒反応させることにより得られる極めて細径の気相
法炭素繊維（製造方法は、例えば特開昭５８−１８０６
１号公報、特開昭６１２８２４２７号公報等に開示され
ている）であり、熱伝導性は非常に良いことが特徴であ
る。

気相法炭素繊維の平均直径は、好ましくは０．０１〜４
μｍ、さらに好ましくは０．０２〜１μｍ、最も好まし
くは０．０５〜０．８μｍである。直径が小さすぎると
、短繊維の強度が充分でないために加工工程において短
繊維が破ＩＭするので充分な補強効果が得られず、また
大きすぎるとミクロ短繊維の特徴である応力の集中を緩
和する効果が小さくなる。

気相法炭素繊維の配合量としては、クラッチフェーシン
グ全重量の２０〜６０重量％の範囲で選択できる。気相
法炭素繊維の量が少ないと充分な補強効果が期待できず
、更に熱伝導性の効果が充分発揮できない。又、多すぎ
ると結合材の量が少なくなるために、クラッチフェーシ
ングの強度が低下したり、充分な摩擦性能が得られない
等の問題が生じる。

本発明において、気相法炭素繊維を用いたクラッチフェ
ーシングの成形方法としては、特に限定されるものでは
なく、通常の方法で成形することができる。

本発明においては、クラッチフェーシングの組成は、気
相法炭素繊維以外に、加硫剤、充填剤、摩擦調整材、熱
硬化性樹脂、ゴム材等を、通常の組成量の範囲内で配合
することができる。

（実施例） 本発明の詳細な説明するために、組成、摩擦係数及び摩
耗量について、実施例及び比較例を以下に示す。

実施例及び比較例 実施例は、気相法炭素繊維（繊維径約０．２μｍ、長さ
約２０μｍ、）を補強材として用い、これに加硫剤、充
填剤、摩擦調整材を含んだ熱硬化性樹脂及びゴム材で結
合させた後、予備成形したものを１７０　”Ｃ１２００
ｋｇ／ｃ−条件にて５分間加熱加圧して成形した。さら
に１８０　’Ｃの温度で６時間加熱処理して円環状のク
ラッチフェーシングを得た。比較例として、補強材に、
ガラスファイバーを使用した他は、実施例と同一条件で
クラッチフェーシングを成形した。

このようにして得られたクラッチフェーシングの組成及
び慣性式摩擦試験機にてテストした結果を第１表に示す
。

その結果本発明の実施例は、安定した摩擦係数が得られ
ている。比較例は、高温になると摩擦係数が低下し摩耗
量も多くなる。

第　　１　　表 （発明の効果） 本発明によれば、クラッチフェーシングの熱伝導性が向
上し、耐摩耗性、耐フエード性の良いクラッチフェーシ
ングを得ることができる。

特許出願人　旭化成工業株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 補強材、摩擦調整材、及び有機結合材を用いて成形した
   クラッチフェーシングにおいて、気相法炭素繊維を補強
   材として用いることを特徴とする気相法炭素繊維で強化
   したクラッチフェーシング